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2021年1月25日 (月)

ハンク・アーロンさんの訃報を聞いて

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冒頭のタイトルでハンク・アーロンさんの名前を挙げておいてベーブ・ルースさんの写真を使う理由は読み進めていただければご理解いただけるとして、23日、大リーグでかつて歴代最多であった755本塁打の記録保持者、ハンク・アーロンさんの訃報が流れてきた。


若いファンの方には「メジャーリーグの最多本塁打記録の持ち主はバリー・ボンズ」と一蹴されそうだが、失礼ながら敗戦処理。は訃報と共に報じられた大リーグの最多本塁打記録のランキングを見てハンク・アーロンさんの記録が大リーグではバリー・ボンズに抜かれていることを思いだした。敗戦処理。と同年代の方には同じ様な感覚の人も少なくないのではないか?理由は簡単。王貞治が破った大リーグの本塁打記録の持ち主が通算755本塁打のハンク・アーロンさんだったからだ。イメージの植え込みというのは恐ろしい。

 

 

 

 

 

ハンク・アーロンさんを振り返る記事の中に、ベーブ・ルースさんの通算本塁打記録を破る時に露骨な嫌がらせ等の差別を受けたことが語られている。黒人であるが故にハンク・アーロンさんが差別を受けたということだが、そうした要素を別にしても、ベーブ・ルースさんというのはアンタッチャブルで神格化された存在だったらしい。


日本のプロ野球で同等に神格化されているレジェンドというと、ONが思い浮かぶ。王貞治長嶋茂雄だ。王と長嶋が同じチームで打線を組むことによる相乗効果が凄まじかったことと同様に、ベーブ・ルースにもルー・ゲーリッグという存在がいた。日本のファンはONの印象から、本塁打記録を持っていたベーブ・ルースに王をなぞらえようとするが、ファンによって神格化された存在という点では長嶋型だと分析する人もいるそうだ。


本塁打記録を破りそうになったハンク・アーロンさんに差別が襲いかかったと聞くと、王の年間55本塁打の記録に迫った外国人選手が、王が監督として率いるチームとの対戦でどんな仕打ちを受けたかを思いだし、“王=ベーブ・ルース”という図式が成り立ちそうだが、カリスマ性やタブー視されているという点ではむしろ長嶋に近いというのだ。何となくわかる気がする。


だが、長嶋とベーブ・ルースさんとでは決定的な違いがある。ベーブ・ルースさんには“超える”、あるいは“超えられる”基準にあたるものがある。それは記録である。具体的には714本という本塁打数だ。


だが、長嶋茂雄を超える選手というのは何を超えた時点で“長嶋を超えた”ことになるのだろうか?


王貞治は記録を残したが、長嶋茂雄は記録より記憶に残る存在”ということはよく言われている。客観視できる記録で評価される王と違い、記録でなく記憶でその存在が語られる長嶋を超えるということはひょっとしたら不可能なことなのかもしれない。王の記録に挑む選手は王の本塁打数を抜いた時点で“王を超えた”と言われる。張本勲の安打数を日米通算の記録でイチローが抜いた時を思い浮かべれば良い。では長嶋を超える選手は…!?


長嶋の持つ通算記録を破った選手が現れると“長嶋以来”とか“長嶋を超えた”という文字がスポーツ新聞の紙面を飾るが、それによってその選手が“長嶋を超えた”と思う人は少ないだろう。


敢えて語弊のある表現を用いるが、そう考えると“記憶に残る”ということは便利だと言える。その選手を超えることを認めない限り、その選手は永久なのだ。長嶋は現役を引退する時に「我が巨人軍は永久に不滅です」と語ったが、長嶋自身、永久に不滅なのかもしれない。


長嶋はジャイアンツの終身名誉監督になっている。しかしその存在感は“終身”どころか、その先も有効なものであり続けるかもしれない。これから先、野球界だけの問題ではないがあらゆるものが数値化されて判断される様になる。特に野球界においてはセイバーメトリクスがどんどん幅を利かす時代になっていくだろう。


ーブ・ルースさんの記録を破ったハンク・アーロンさんのそのことに対する軋轢は想像出来るレベルではないだろう。


そしてその記録は王によって塗り替えられた。


当時でも、“日本の野球場は大リーグの休場より狭い”などの理由で日本でも王の記録を“世界記録”と認めない論調もあった。まだ野茂英雄が大リーグで大活躍する20年以上前だ。大リーグでの論調はもっと厳しく冷たかったことだろう。


しかし、報道にある様にアーロンさんは記録を塗り替えられたその年に来日し、ジャイアンツとタイガースの試合の前に始球式を行ったり、引退後にはOBオールスターゲームに参加したり、子ども達の野球大会を二人で主導していた。アーロンさんのこうした“親日”的な活動がアメリカでどれだけ報じられ、支持されていたかわからないが、野球においてアメリカと日本の距離を縮めたのは野茂ら日本人メジャーリーガーの活躍だけではあるまい。


あらためて、ハンク・アーロンさんにお悔やみ申し上げたい。つつしんでご冥福をお祈りいたします。

 

 

 

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