今年のセ・リーグのAクラスはジャイアンツ、タイガース、ドラゴンズ。
今季のセ・リーグにはクライマックスシリーズがないのでパ・リーグと比較するとAクラス争いがほとんど注目を集めなかったが、優勝したジャイアンツ以外も、Aクラスは既に決まっている。今月5日にタイガースとドラゴンズがともに勝ち、この二チームの3位以上が確定。その後、7日にタイガースが2位に、ドラゴンズが3位に決まった。ジャイアンツと合わせてこの三球団のAクラスが確定した。
セ・リーグでジャイアンツ、タイガース、ドラゴンズという歴史の長い老舗三球団がそろってAクラスを飾るのは10年ぶり。セ・リーグが六球団になった1953年(昭和28年)以降では19回目となり、この三球団による組み合わせが最も多い。
セ・リーグの球団で創立以来の通算勝率が五割を超えているのはジャイアンツ、タイガース、ドラゴンズの三球団。歴史も長いし、この三球団が伝統のある老舗三球団といって差し支えないだろう。敗戦処理。が日本のプロ野球に興味を持ち始めた1973年(昭和48年)もこの三球団がそろってAクラス。そして偶然にもこの年の1位から6位までの並び順は前年(1972年=昭和47年)と全く同じだった。当時子供だった敗戦処理。にはこの三球団が強い球団。残りの三球団はそうでない球団と自然と刷り込まれた。実際、この時点ではカープとスワローズにはまだリーグ優勝の経験がなく、カープが初優勝するのはこの後の1975年(昭和50年)、スワローズはさらに遅く1978年(昭和53年)だった。当時はホエールズだった現在のベイスターズは1960年(昭和35年)に一度優勝を経験しているが次の優勝は1998年。
セ・リーグの球団数が6球団になった1953年(昭和28年)から今年まで68年間。前半の34年間と後半の34年間に分けると、ジャイアンツ、タイガース、ドラゴンズの三球団がそろってAクラスになった19回のうち、14回が前半の34年間に集中している。ドラゴンズが5日の対ベイスターズ戦に勝ってAクラス入りを確定させた際にヒーローインタビューで大野雄大が興奮気味に話していた様に、名門ドラゴンズにとって8年ぶりのAクラス。またタイガースは1990年代に長期低迷したこともあり、この三球団がそろってAクラスになることが少なくなった。
もちろん、ドラフト制度による戦力の均衡化などもあってAクラス三球団の顔ぶれが流動的になったことは球界(といってもセ・リーグの問題だが)のバランスとしては良いことだ。だが、長くファンをしていても初期の刷り込みというのは簡単には覆らないもの。クライマックスシリーズの無い年とはいえ、この三球団がそろってAクラスに輝いたことは個人的には感慨深い。
因みにジャイアンツ、タイガース、ドラゴンズの三球団がそろってBクラスになったのは68年間で1997年の一度しかない。ジャイアンツがめったにBクラスに転落しないからなのだろうが、ジャイアンツがBクラスに低迷した年でもタイガースとドラゴンズは1997年を除いて少なくともどちらか一方がAクラスに入っていることになっている。
ジャイアンツの優勝決定後の、それまでの緊張感が急に吹っ飛んだような試合ぶり、特に昨日と一昨日の本拠地最後の二連戦を見ていると、今年クライマックスシリーズが無いことが救いにすら思えてくる<苦笑>。
ジャイアンツとタイガースは互いに宿敵と思われ、またジャイアンツとドラゴンズは親会社が同業ということもあって火花を散らしている。星野仙一さんの影響も大きいだろう。特にジャイアンツとタイガースの“伝統の一戦”意識は良くも悪くもパ・リーグには存在しない、セ・リーグならではの財産だとも思える。ドラゴンズを含めた老舗三球団でパ・リーグにはない、セ・リーグのブランド力を高めて欲しいと個人的にも思っている。
昨日のエントリー坂本勇人、2000本安打達成!その後も安打を連ねて“張本勲超え”まであと1083安打でも書いたが、ジャイアンツの東京ドーム最終戦セレモニーで原辰徳監督から急遽挨拶しろとふられた菅野智之は、「パ・リーグに一泡吹かせたい」と力強く語った。この時、レフトスタンドを見たら大分少なくなったが律儀に残ってくれているスワローズファンが拍手しているのがわかった。敗戦処理。はパ・リーグにも贔屓球団があるので、どちらか一方のリーグに肩入れするつもりはないのだが、近年の日本シリーズと交流戦での優勢ぶりや、“パシフィックリーグマーケティング”の存在などを考えるとセ・リーグも本当に何かを変えていかないとダメだと思う。
もちろんスワローズ、カープ、ベイスターズの三球団を置いていく考えではないが、パ・リーグになくてセ・リーグにあるものを考えていくと、長い球団史において親会社の変更もない老舗三球団の存在に行き当たる。まずはセ・リーグの球団で最後に日本シリーズを制したジャイアンツに日本シリーズでパ・リーグの球団に一泡吹かせてもらいたい。そしてセ・リーグの底力を見せて欲しい。その年に老舗三球団がそろってAクラスになったのは偶然ではないかもしれない。
頑張ろう、セントラル・リーグ!
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