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2020年7月 4日 (土)

プロ野球公式戦開幕から二週間。“感染拡大防止特例2020”の使われ方

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今週の2日でNPBの公式戦が開幕して二週間が過ぎた。各球団の先発投手が一通り二度の先発を終えたこのタイミングで、コロナウイルス禍による“感染拡大防止特例2020”とともに開幕してから二週間が過ぎたこのタイミングで、選手の身体的負荷の軽減という観点などから振り返ってみたい。


(写真:今季、十二球団でただ一人開幕から二試合連続完投勝利の大瀨良大地。 20189月撮影)

 

 

 



6
19日に行われたジャイアンツとタイガースの開幕戦。21とリードしたタイガースが、エース格で開幕投手の西勇輝を六回、97球で降板させ、七回から継投に走って岩崎優を投入した途端に逆転された。タイガースはジャイアンツとの三連戦に三連敗を喫し、開幕から四カード続けて負け越し。210敗とセ・リーグの借金を独り占めしている(72日現在。以下同じ)。そのきっかけになった試合としてファンの間でも継投のタイミング、ひいては矢野燿大監督の采配について議論が巻き起こった。

◆ 
開幕戦の西勇輝交代が阪神3連敗の分岐点/西本聖
622日、日刊スポーツ

普通に考えれば1失点のエースを6イニング、97球で降板させるのは早すぎる。二番手の岩崎が打たれたという結果が出たからではなく、エースにはもう少し投げて欲しいと考えるのはファンとしても一般的だろう。しかし、見方を変えれば今季は例年とは調整方法が異なる特殊なシーズン。最近までいつ公式戦が開幕するのかも決まらずにいながら、“その日”に向けた調整をする。例年と同じ水準を求めるのは酷なのかもしれない。矢野監督はそこまで考えて、西を早めに降板させて継投に走ったのではないか?少なくとも敗戦処理。はそう考えた。だが、今季が例年と異なるのはタイガースだけではない。各球団、投手の負荷を考えた起用法を行っているのか?開幕からのローテーションが二回りする二週間を振り返ってみた。


タイガースでは開幕戦の西が六回、97球で降板したが、先発ローテーション投手が二回りする開幕からの12試合の、先発投手の平均投球イニング数は5.25回。平均投球数は86球。これは例年通り3月に開幕した昨年の開幕から12試合での5.69回、95球、一昨年2018年の5.58回、95球に比べるとやや少ない。過去二年間は開幕投手がランディ・メッセンジャーだったので単純な比較は出来ないが、西のこの三年間の開幕初登板を比較してみるとタイガース移籍初年度だった昨年は7回、97球。バファローズで開幕投手を務めた2018年は71/3125球を投じていた。三年間では一番短い。タイガースとしては今季は全体に早めに先発投手を降板させているのがわかる。今季のタイガースは開幕から210敗と低迷をしているが、その要因はどちらかというと投手より打線。先発投手を例年以上に早く降板させなければならない状況下では無いと思われる。


他の球団はどうだろうか?同じ条件で開幕から二週間での先発投手の平均投球回数と平均投球数を昨年、一昨年と比べてみた。タイガースのようにこの三年間で、開幕から二週間の先発投手の平均投球回数が最も少ない球団がライオンズ、ホークス、バファローズ、ドラゴンズ、スワローズと、タイガースを含めれば半分の六球団になる。この六球団は先発投手の平均投球数も今季が三年間で最も少ない。そんななか、十二球団で唯一、先発投手の平均投球回数が三年間で一番多かったのがカープ。今季は十二球団で唯一、平均で6イニングを超える6.15回。これは今季、期間中ただ一人完投を、それも二登板連続で記録した大瀬良大地が所属するお陰。これは特筆すべきであろう。


先発投手が早めの降板を余儀なくされれば、起用する投手が多くなる。そうした事態を考慮して“感染防止特例2020”の一環としてベンチ入り人数、一軍登録人数を増やしたのだろう。


もう一つ、“感染防止特例2020”の目玉は一軍の外国人枠が四人から五人に増えること。ただし試合に出られるのは従来通り四人のままだから、これは単に外国人選手を多く抱えている球団が有利になるとは限らず、自分が投げる試合以外にはベンチから外れても支障がない先発型の投手を多く抱えている球団が有利になると敗戦処理。は見ている。


blog614日付け感染拡大防止特例2020を考える。で敗戦処理。はC.C.メルセデスエンジェル・サンチェスという二人の先発型投手を抱えるジャイアンツのような球団に有利に働くと考えていたが、その後、五人同時に一軍に登録出来るが一度、投手四人、野手一人あるいは投手一人、野手四人と4:1にしてしまったら投手三人、野手二人、または投手二人、野手三人の内訳に変えられないという制約が加わった。ジャイアンツは開幕の時点でルビー・デラロサ、サンチェス、チアゴ・ビエイラ、ヘラルド・パーラと投手三人、野手一人を登録した。外国人枠だけでなく一軍登録枠にも余裕を持たせていたので、開幕から四戦目に先発予定のメルセデスを追加登録することも可能だったが、開幕二戦目にセットアッパーとして登板してイニングの途中で降板したビエイラを翌日に登録抹消した。これによりメルセデスを追加登録しても投手四人にならない。推測だがこの時点でゼラス・ウィーラー獲得に目星が付いていたか、そうでないにしても野手の外国人選手の補強の必要性を切実に感じていたのだろう。


そのウィーラーが所属していたゴールデンイーグルスは開幕の時点でウィーラーを含め支配下登録の外国人選手が六人いた。投手のJ.T.シャギワアラン・プセニッツ、野手のステフェン・ロメロジャバリ・ブラッシュを開幕一軍登録して、開幕の翌日に投手の宋家豪を登録して一軍の外国人枠を投手三人、野手二人で埋めた。昨年までウィーラーが守っていた三塁にはフリー・エージェントで獲得した鈴木大地が頑張っている。この時点でウィーラーは余剰戦力と見なされたのかもしれない。


ただゴールデンイーグルスはジャイアンツと違い、登録されている外国人投手がいずれも中継ぎ、セットアッパータイプ。本来であれば毎試合ベンチ入りしてブルペンで待機してもらう役割だ。開幕からのベンチ入り状況を見ると、連投させたら次の日にベンチから外すなど負荷がかからないように配分をしている。今のところは奏功している様に思えるが、先発投手と違って“アガリ”の経験がないリリーバーが“休養”をもらえることが必ずしもメリットだけなのかどうか、シーズンが進むにつれて問題になるかもしれない。


先発型の新外国人投手マイケル・ピープルズと、筒香嘉智が抜ける打線の穴を埋めるべく獲得したタイラー・オースティンを加えて外国人六人体制となったベイスターズは割り振りに苦労しているのがうかがえる。スペンサー・パットンエドウィン・エスコバーの両セットアッパーは毎試合欠かせない存在。打線から筒香が抜けたことを考えると、ネフタリ・ソト、ホセ・ロペスに加え、オースティンもスターティングメンバーに加えたい。これに先発要員としてピープルズを加えた六人の割り振りにはアレックス・ラミレス監督も頭を悩めているようで、ピープルズを開幕第二戦に先発登板させる事を決めると、昨年74試合に登板したタフネス・サウスポーのエスコバーを一軍登録から外した。それでもピープルズが先発登板する試合にはもう一人ベンチから外さなければならない。パットンは勝利の方程式を担う役割なので外せず、ロペスをベンチから外している。ピープルズを二試合に先発させた後に登録抹消してエスコバーを一軍に入れたがそれでも五人の中から一人をベンチから外さなければならないのは同じ。エスコバーかロペスが外れる様だ。


今月2日の対ジャイアンツ戦で1点ビハインドの八回に登板したパットンが痛打されて致命的に失点を重ねたが、パットンは前日にイニングまたぎで11/3を投げている。逆転勝ちに貢献して勝利投手に輝いたが、ゴールデンイーグルスだったら翌日にはベンチから外していただろう。


どっちにしても今までならよほどのことがない限りベンチから外れることがない選手をベンチから外さなければならないこの特例を有効活用させようという点では現状ではゴールデンイーグルス=○、ベイスターズ=×だが、まだシーズンは始まったばかり。これからどうなるか。ただ、ウィーラーを開幕後に獲得したジャイアンツは別としても、この両球団やタイガースを始め、全球団が今季は支配下登録の外国人選手を五人以上かかえている。もしもコロナウイルス禍が起きずに普通に例年通りに開幕して外国人枠も四人のままだったら何てもったいない編成だったのだろうか!?


ウィーラーを獲得して外国人枠を上手く活用しているように思えるジャイアンツもビエイラを登録抹消したことで“勝利の方程式”が一枚足らずに接戦を落とすケースが出ている。昨年32試合に登板した大竹寛が週明けにも一軍復帰と報じられており、その穴を埋めてくれるかもしれないが既に37歳の投手。あまり負荷をかけられまい。例年以上に何が起こるかわからないペナントレース。ただ何が例年通りには行かないのかを見極めながら感染、もとい観戦したい。


【参考】

球団別、開幕から二週間の先発投手の平均投球回数と平均投球数。2019年、2018年との比較。

ライオンズ
2
020年 5.47回 94
2019年 5.76回 104球

2018年 6.42回 101

ホークス

2020年 4.97回 85

2019年 6.19回 107

2018年 6.12回 97

ゴールデンイーグルス

2020年 5.39回 95

2019年 4.91回 84

2018年 5.92回 104

マリーンズ

2020年 5.31回 83

2019年 4.15回 85

2018年 5.97回 109

ファイターズ

2020年 5.11回 90

2019年 4.83回 81

2018年 6.08回 96
バファローズ

2020年 4.89回 75

2019年 6.58回 79

2018年 5.64回 97

ジャイアンツ
2020年 5.83回 93
2019年 6.27回 100

2018年 5.28回 93

ベイスターズ

2020年 5.67回 93

2019年 5.67回 96

2018年 5.39回 92

タイガース

2020年 5.25回 86
2019年 5.69回 95

2018年 5.58回 95

カープ

2020年 6.19回 102

2019年 5.11回 92

2018年 5.72回 100

ドラゴンズ

2020年 5.42回 94

2019年 5.70回 98

2018年 6.14回 101

スワローズ

2020年 5.18回 87

2019年 5.61回 90

2018年 5.44回 92

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