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2020年4月16日 (木)

2球で2ストライク 1球外すべきなのか

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ちょっと前の記事になるが今月6日の日刊スポーツが面白い特集をしていた。投手が打者に対して2球で2ストライク(0-2)に追い込んだ場合に、次の3球目に一般的に1球外すケースがよく見られるが、その是非を論じている。現役の投手、捕手や元投手、元捕手のOBの意見、同紙評論家の意見、カウント別被打率のデータなどがいろいろ載っている。敗戦処理。はちょっと異なる視点から興味を持つ。

◆ 2球で2ストライク 1球外すべきなのか
(202046日 日刊スポーツ)

 

 

 

 

 

 

投手が打者を2球で2ストライクを取る、いわゆるツーナッシング(0-2)に追い込んだら1球外すというのは敗戦処理。が子供の頃に野球に興味を持ち始めた頃には既にあったセオリーの一つ。もちろん、単に1球浪費するのではなく、打者の目線をずらすとか、その次の1球への伏線であるとか、有意義ではある。


現役時代にセ・リーグ三球団で捕手を務めたジャイアンツの相川亮二バッテリーコーチは“日本の野球では、少年野球の時代から「ツーナッシングから打たれちゃいけない」という教育が根付いている。怒られたくないから、明らかなボール球を使うケースが見られる。(抑えるには)いかに早く打者を追い込むか。”と答えている。確かに敗戦処理。が子供の頃、V9時代の終わりの頃のジャイアンツでは投手がツーナッシングからの3球目を安打されたら罰金と言われていた。フルカウントまでボール球を3球投げられる余裕があるのにツーナッシングからすぐに勝負して打たれるのはもったいないという考え方なのだろう。


だがその一方で、ツーナッシング以降、ボール球を加えれば加えるほど被打率が上がるというデータを、DELTAのデータを用いて証明している。カウント0-2からの被打率は2017年以降、順に.135、.152、.145と低く抑えているが、この後1-2となると.168、.174、.173と上がる。2-2になるとさらに.194、.207、.186と上がる。フルカウントまで持ち込まれると、.243、.214、.214となる。見方を変えると昨年の例では0-2から1球ボールが加わるごとに被打率は.145⇒.173⇒.186⇒.214と上がっているのである。


“敗戦処理。はちょっと異なる視点から興味を持つ。”と書いたのはツーナッシングから1球外すかどうかというより全体的な投球数削減。


日本のプロ野球では大方の先発ローテーション投手は中6日の間隔を空けて登板し、投球数100球をめどに交代する。先発ローテーション投手に一年間安定して投げてもらうために極力負荷をかけないという考え方なのだろう。100球前後では完投出来ない。各球団では100球前後で降板する先発投手の後を受ける“勝利の方程式”がだいたい三人用意されている。例えば先発投手が六回まで投げてリードを保って降板した後は三人の投手が1イニングずつ投げてリードを守るというのが一般的だ。だが、一試合に限ればそれでよいが長丁場のペナントレース、例えば六連戦を四勝二敗のペースで勝つとしたら毎度毎度“勝利の方程式”に頼り切る訳にはいかない。先発投手に登板間隔を保つのと同様に、リリーフ投手にもイニングまたぎをさせずに1イニング限定。連投も二日までにして三日間の連続登板は避ける。こういった制約を考えると先発投手には例えば100球でできるだけ長いイニングを投げてもらわなければならないということになる。


世の“投球数至上主義者”は見落としがちかもしれないが、試合というのは投手が何球か投げたら終わるのではない。勝つにしろ負けるにしろ27個のアウトを奪わなければ試合は終わらない(ビジターで負けると24個で済むこともあるが)。先発投手が100球をめどに降板するのなら、その100球で多くのアウトを稼げる投手がチームにとってありがたい投手ということになる。


先発ローテーション投手達は100球でいくつのアウトを奪っているのか?何イニングを投げているのか? 防御率の計算式の応用で、(投球イニング数)×100÷総投球数を計算することによって100球でいくつアウトを取れるか、何イニング投げられるかというのが算出出来る。昨年、規定投球回数に達したパ・リーグ6投手、セ・リーグ9投手、合計15投手で調べるとファイターズの有原航平が164回1/3を投げて総投球数が2437球。上述の計算式によると100球で6.74イニング投げていることになり十二球団最多。
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次いでバファローズの山本由伸が143回で2134球。100球で6.70イニング。小数で表示してわかりにくいが6イニングと2/3(アウト2つ)で6.667になるから、有原と山本だけが100球で6回2/3以上投げていることになる。有原と山本に次ぐのがタイガースの西勇輝6.59。ドラゴンズの大野雄大6.54。ここまでが6回1/3を超えたことになる。因みに規定投球回数到達者15人の合計で計算すると6.22。


規定投球回数はチームの試合数と同じ。年間の公式戦が143試合だから、年間の規定投球回は143イニングになる。週に6試合あるとして、中6日で先発するから週に一回先発するとして、6イニング以上投げれば規定投球回数に達するということになる。昨年の年間規定投球回数に達した投手が100球で6.22イニング投げているというのは辻褄が合っていると言える。


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2013年に24勝0敗という成績を残した当時ゴールデンイーグルスの田中将大がこの年に先発した27試合を調べてみると100球で7.12イニング投げていることになる。7イニング超えはレアな数字になる。長いイニングを投げることでチームのリリーバーの負荷を抑えていることにもなる。

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ファイターズ時代のダルビッシュ有は2007年から在籍最終年の2011年までの五年間に“5年連続防御率1点台”という快挙を成し遂げているがこの五年間の100球当たりのイニング数が2007年から順に6.99、7.06、6.76、6.24、6.83と高水準である。2010年だけ6.24と低いがこの年はこの五年間では唯一、勝ち星が15勝に届かず12勝に終わっている。いずれにしてもダルビッシュと田中が高水準だということがわかろう。


ダルビッシュや田中のレベルではない普通の先発ローテーション投手が同じ投球数で多くのアウトを奪うにはどうすればいいか?それは例えばツーナッシングになったら1球外すというセオリーを改めるリードであろう。ツーナッシングの次の1球だけではない。従来の常識とは異なる配球方法で投球数を減らしてアウトを稼ぐ事を考えなければならないと思う。そうやって同じ100球めどでの先発投手からの継投にしても、リリーバーの負荷を軽減していくしかないだろう。先発投手が長いイニングを投げられないのならリリーフ要員を増やすしかないという考え方もあるが、一軍登録の人数が28人から29人に昨年増えたとはいえ、投手を増やせば野手が少なくなるのは自明の理。控え選手が少なくなる。代打の切り札や代走のスペシャリスト、さらには彼らが起用された後に守備に付く選手を充分にベンチに入れられなくなるのだ。昨年のパ・リーグでは規定投球回数に達した投手が6人しかいなかったが途中まで4人しかいないという異常事態にもなった。最終的にライオンズとマリーンズからは規定投球回数到達者が出なかった。

◆ 2019年規定投球回数到達者、100球でかせ愚イニング数一覧
       投球回数             投球数 100球イニング
有原航平 164回1/3  2437球 6.74
山本由伸 143回  2134球 6.70
西勇輝 172回1/3  2616球 6.59
大野雄大 177回2/3  2718球 6.54
高橋礼 143回  2272球 6.29
美馬学 143回2/3  2297球 6.25
青柳晃洋 143回1/3  2296球 6.24
大瀬良大地 173回1/3  2807球 6.18
山岡泰輔 170回  2780球 6.12
今永昇太 170回  2789球 6.10
柳裕也 170回2/3  2800球 6.10
山口俊 170回  2808球 6.05
小川泰弘 159回2/3  2708球 5.90
千賀滉大 180回1/3  3077球 5.86
ジョンソン 156回2/3  2682球 5.84

現在NPBでは公式戦がいつ開幕するのかも決まっていない状態だ。満足に練習すら出来ない状況だ。それを逆手に取り、新たな配球論が構築される事を期待したい。そのための一環として“2球で2ストライク 1球外すべきなのか”という議論がなされるのが敗戦処理。の本望だ。


P.S.
本エントリーの趣旨とは異なるが、かつてファイターズで“ビッグバン打線”の中軸を担い、その後タイガースでもプレーした片岡篤史氏が新型コロナウイルスに感染したというニュースが入ってきた。
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自らのYouTubeチャンネルで公表したのをテレビのニュースで見たが、あまりの弱々しい姿に言葉が出なかった。現役選手ではないがプロ野球で長く第一線で活躍していた強靱な体力の持ち主でもウイルスは容赦なく威力を発揮する。梨田昌孝氏といい、片岡氏といい、野球ファンとしては身近に恐怖を感じる。一日も早い回復を願うばかりである。

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