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2020年1月 8日 (水)

無駄金!?必要経費!?-一軍枠4人を超えて外国人選手と契約するリスク

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タイガースは昨年も途中入団のヤンハービス・ソラーテを含めれば7人の外国人選手が在籍したが、このオフに新しい外国人選手を5人獲得し、開幕を8人で迎えることになる。


外国人選手の一軍登録人数の上限は4人。8人いると枠を使い切っても4人は二軍生活を強いられる。近年では外国人枠の4人を超えて外国人選手を所有する球団がほとんどだが、倍の8人はさすがにレアケース。単純計算で外国人選手の年俸の半分が無駄金になる。


もっとも、二軍に落ちている外国人選手に払う年俸を無駄金と考えたら、もっと上には上がいる。


(写真:今季外国人選手8人体制で臨むタイガースで昨年から残留したジェフリー・マルテ=左端 とオネルキ・ガルシア=左から二人目 2019年9月撮影)

 

 

 



最初に本エントリーでの無駄金の定義を設定する。


外国人選手が二軍に落ちている日数、裏を返せば一軍登録されていない日数を集計し、年俸を日割り計算してその日数分の金額を無駄金とする。契約は原則として2月から11月までだが、公式戦開幕の日からそのチームの公式戦最終戦の日まで。クライマックスシリーズに出場した球団に関してはその最終戦まで。フリーエージェントの資格取得の日数の数え方に合わせる。途中入団の選手や育成選手から支配下登録された選手は支配下登録されたその日から。逆に途中退団の場合は支配下登録された最後の日まで。


無駄金=推定年俸÷その球団(もしくはその選手)の全日数×一軍登録されていない日数。


これを球団ごとに外国人選手の合計で出す。その合計金額が各球団の外国人選手に関する無駄金とする。なお、育成選手はそもそも戦力とは考えていないとして計算に入れない。


昨年(2019)の十二球団を無駄金の多い順に並べてみる。

1位 111288万円 ホークス
2位 56183万円 ジャイアンツ
3位 45895万円 バファローズ
4位 38836万円 ファイターズ
5位 29075万円 マリーンズ
6位 25216万円 スワローズ
7位 21476万円 カープ
8位 19413万円 タイガース
9位 16745万円 ライオンズ
10位 13280万円 ベイスターズ
11位 13295万円 ドラゴンズ
12位 1253万円 ゴールデンイーグルス


1位と2位は昨年の日本シリーズで対戦した両球団。無駄金になろうと多くの外国人選手を抱えた球団が最後に勝ち上がるという図式か。ホークスでは推定年俸5億円のデニス・サファテが一日も出場登録されなかったので5億円全額が無駄金になっている。
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さらに推定年俸4億円のリック・バンデンハークも全199日中、26日間しか出場選手登録されていなかったため、4億円÷199×(19926)34774万円が無駄金とカウントされる。またシーズン途中に契約したカーター・スチュワート・ジュニアも元々今季は育成重視で戦力とはもくろんでいなかっただろうが、推定年俸11370万円全額が無駄金と計算される。ホークスは全部で9人の外国人選手と契約していたが、一軍にいない選手の日数分の合計が11億超。桁外れである。


ジャイアンツはクローザーに期待して獲得したライアン・クックが今一とみると、シーズン途中にルビー・デラロサを獲得した。デラロサは期待に応え、リーグ優勝の大きな戦力になった。一方でクックは二軍落ちし、シーズン後半に先発要員として一軍登録を果たすものの戦力にはならず二軍生活が長く、この定義では無駄金が多かった。さらにはスコット・マシソンアレックス・ゲレーロの二軍在籍期間の長さが響いた。ジャイアンツには支配下選手に限っても8人の外国人選手がいた。


この両球団はいわゆる“金満球団”。最良の結果を出すために最大の投資をする。そのためには無駄金を惜しまない。結果が出ているからまだ許される面があるかもしれないが、3位のバファローズはパ・リーグ最下位。文字通り“無駄金”との批判は避けられまい。


推定年俸28750万円と高額な外国人選手、ステフェン・ロメロが全180日中105日間だけしか登録されず12432万円が無駄金に。次いで推定年俸2億円と高額のアンドリュー・アルバース80日間しか登録されず11351万円が無駄金に。在籍7選手合計で45895万円もの無駄金が計上された。


因みに5位のファイターズはこれまで身の丈経営が身上の様に思われていて一昨年までは育成選手も採用しなかった。昨年は開幕前の時点で外国人選手が5人いた。上述のホークス、サファテと同じくニック・マルティネスが一年を通して故障に泣いて、一日も登録されなかったために推定年俸25000万円全額が無駄金になった。ファイターズは一軍に外国人選手を登録できる上限の4人まるまる登録された日数が6日間しかない。無駄金の額が、外国人選手の総年俸に占める割合を出すと、ファイターズの場合は無駄金率が72%に及ぶ。これはホークスの65%を上回る十二球団ワーストで外国人スカウト部隊の責任問題を問われてもおかしくない水準だと思える。


タイガースは8位。十二球団中8位だから低水準と言える。昨年はランディ・メッセンジャーがフリーエージェント権を取得して外国人枠から外れたが、もしもメッセンジャーが外国人枠に入っていたら、メッセンジャーは7月11日に登録を抹消されると引退登板まで一軍に帰ってこなかったので、推定年俸35000万円の内、21633万円が無駄金に計上されるところだった。この金額を含めると4位になるところだった。


その点12位になったゴールデンイーグルスは無駄金率も19%で十二球団最少。最も効率よく外国人選手を運用した球団と言える。石井一久ゼネラルマネージャー、なかなかやるものだ。ゴールデンイーグルスは2018年にはカルロス・ペゲーロジャフェット・アマダーが期待外れな結果に終わり、登録抹消期間も長かったので外国人選手7人の年俸の総合計の35%にあたる2950万円が無駄金になっていた。昨年大きく改善されたことになる。


話をタイガースに戻す。現時点で8人の外国人選手と契約している。これまでの仮説にのっとって考えれば、8人のうち少なくとも4人は一軍に登録されないのだから、その4人分の年俸は“無駄金”になる。


ジャスティン・ボーア内野手 2億7500万円
オネルキ・ガルシア投手 16500万円
ジェフリー・マルテ内野手 14000万円
ジェリー・サンズ外野手 12100万円
ジョン・エドワーズ投手 8800万円
ロベルト・スアレス投手 8000万円
ジョー・ガンケル投手 5500万円
呂彦青投手 800万円(今季新年俸が不明なため昨季年俸)


最も年俸が高いのは“バースの再来”の呼び声が高いジャスティン・ボーア内野手。この“バースの再来”の呼び声が高いボーアを始め、年俸の高い4人が順当に一軍に定着したとしたら残る4人分が無駄金になる。ジョン・エドワーズ、ロベルト・スアレス、ジョー・ガンケル、呂彦青の4人の年俸合計2億3100万円。上述の昨年の無駄金ランキングだと7位に相当する。ただしこれはタイガースにとって最も好都合なケース。“バースの再来”の呼び声が高いボーアを筆頭に年俸が高い4選手が期待通りに働いた場合に、それでも最低限でも23100万円は無駄金になると言うことで、それ以上にもなり得るのだ。


タイガースをやり玉に挙げてしまったが、各球団は様々な努力によって経営を改善し、赤字が当たり前だった状態を脱却した。それが親会社からの補填を含めてという実態はあるにせよ。しかしそれで外国人選手への巨額の投資が可能になったのであろうが、全ての球団が一軍登録可能人数を超える外国人選手と契約し、上述の様な“無駄金”を発生させている現実は異常と言うべきではないのか。ホークスやジャイアンツの様にチームとして結果が伴えば“投資”と見なすことも出来るだろうが、全ての球団がそうだという訳ではない。


外国人選手にかける期待は大きい。だから故障して長期離脱した場合すら想定して、初めから大人数と契約する。優勝、好成績のための必要経費なのかもしれない。そして、好成績を残したとしても、短い年数で実質的にフリーエージェントの様によりよい条件の球団に移籍されてしまうこともある。何とも悩ましい存在だ。


“無駄金”ときつい表現をしたのでお読みいただいて抵抗のある方もいらっしゃるだろうが、ハズレ外国人を獲得しない様にすれば二軍落ちをさせずに済むし、故障した場合の保険というなら日本人選手でカバーすればよいとも言えるので“無駄金”は少ないに越したことがないのであろう。


【今日のおまけ】
選手別無駄金額上位11人(無駄金1億円以上)

デニス・サファテ 5億円
バンデンハーク 34774万円
ニック・マルティネス 25000万円
スコット・マシソン 21764万円
デービッド・
ブキャナン 13451万円
ステフェン・ロメロ 12432万円
ケニス・バルガス 12008万円
アレックス・ゲレーロ 11658万円
カーター・スチュワート・ジュニア 11370万円
アンドリュー・アルバート 11351万円
クリスチャン・ビヤヌエバ 11666万円

逆に一年間ずっと一軍にいて0円になるのはドラゴンズのダヤン・ビシエド、ベイスターズのホセ・ロペス、ネフタリ・ソト、スワローズのスコット・マクガフ、マリーンズのブランドン・レアード、ゴールデンイーグルスのジャバリ・ブラッシュ。途中入団ながらマリーンズのレオネス・マーティンも支配下選手登録された7月26日以降は最後まで一軍登録され続けた。


外国人選手は来てみないと日本の野球にフィットするかどうかわからないという面がある。一年間だけのデータとはいえ“無駄金”の多い球団は考えものだろう。

 

 

 

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