フォト
無料ブログはココログ

« 空井孝一さんを知っていますか!? | トップページ | 敗戦処理。が勝手に選ぶ2010年代ベストナイン »

2019年12月16日 (月)

“イチロー氏、学生野球資格回復制度受講”報道に見る違和感…。

Adsc_2748
今年3月に現役を引退したイチローが、元プロ野球選手が高校野球、大学野球への指導を可能にするための学生野球資格回復制度研修会を受講したことが話題になっている。


日本が誇るスーパースター、イチローが高校生や大学生を指導する様になれば、指導される方にも励みになるし、高校野球の監督に就任する可能性も出てくる。ひいては何かと障壁の多いプロアマ関係にくさびを打つ存在となるかもしれない。報道もポジティブなものが多い。


しかし、一連の報道に違和感を覚える点もある。

 

 

 



そもそも、現役を引退したとはいえ今も大リーグのシアトル・マリナーズに籍を置く、会長付特別補佐兼インストラクターという役職にあるイチローが学生野球資格を取得することが可能なのかという疑問がある。この資格は特定の球団に所属しない元選手を対象とするものである。それはそうだろう。現実に球団に属している元選手が指導することはスカウト活動と見なされても不思議ではない。また、一度取得してもその後特定の球団に在籍すると資格は喪失される。
Cdsc_0168_20191216232001
高校野球を指導していた阿井英二郎がファイターズのヘッドコーチに就任したことで資格を喪失したケースが有名だ。


敗戦処理。が見る限り、そのことに言及している報道は少ない。イチローは“特例”として受講が認められている。正式には来年の2月に資格を得ることになるが、大リーグのオフシーズンに限り指導が可能になるようだ。


これまで特に高校野球界側がプロ球界、元プロ野球選手からの接触を拒絶していたのはその接触がスカウト活動に直結しかねないことなど、アマチュアスポーツの精神に反する行為の元になりかねない懸念があったことだろう。その懸念からすれば、日本の十二球団に所属する人物に資格を与えないのと同様にアメリカ大リーグの球団に所属する人物をも禁止すべきものだろう。いわゆる“直メジャー”に拍車がかかるかもしれないからだ。


一方でこういう意見もある。

◆ イチロー氏ならプロアマ問題にも好影響、広がる夢
(
日刊スポーツ1213日)

誰もマネできない実績を残したイチロー氏が高校生、子どもたちを指導することから、いつか日本球界最大の課題であるプロアマ問題に何らかの好影響を与えられれば。そんな夢まで広げてしまう

言いたいことはわかるが、かなり話が飛躍している。そして何故イチローならプロアマ問題に好影響を与えられるかに残念ながら言及されていない。影響力がある人が動けば何かが変わるというのなら「セ・リーグにもDH制を」と言っている原辰徳監督と変わらない。


とはいえ、プロアマ問題、特に高校球界とプロの関係がスムーズで無い事に対しては多くのファンが憂いていることは事実であろう。そしてそれが容易には改善されないことも。何十年かけても前に進まないことを変えるには圧倒的な存在感を持つ人の影響力に頼るしかないと考える人もいるだろう。考えすぎかもしれないが、イチローに対して“特例”と認めたことも、変えたいけれど変えられないジレンマに悩まされている関係者の窮余の一策なのかもしれないと勝手に想像している。


ただ、この学生野球資格回復制度、近年大幅に緩和されたとはいえ、誰でも資格を得られるのか?という疑問もある。本来、人が人を指導するというのはその分野の経験値だけでは務まらないものであるはずだ。プロとアマのイザコザが無くなることと、誰でもが野球の指導を出来る様になることとは別問題で、元プロ野球選手であろうと無かろうと指導者になるにはもっとハードな条件が必要なのではないかと個人的には思う。特に高校生や大学生の手前、小学生、中学生の時点で数多くあるスポーツの中から野球を選んでもらうための環境作りと言うことまで考えて、求められる指導者像が固まってくるのではないか?


落合博満はかつて講演で、自分が野球教室の類いの仕事を受けないことの理由として、「ちょっと行って1時間か1時間半教えて、相手のプラスになる訳がない。もしやるのならとことんやる。それに指導者が普段どんなことを指導しているかわからないと教えられない。元プロ野球選手が直接教えてくれたことと、普段の指導者が教えていることがもし違ったら、たぶん子供たちは指導者を信用しなくなると言っていた。指導とはそういうものだろう。


イチローが突破口の様になり、プロアマ問題に変化があればそれはそれで素晴らしいことだが、指導者になるためのハードルはある程度高くしておかなければならないと思う。そのイチローにしたって、聞く側の問題はあるにせよ、記者会見などでの難解な物言いから推察するに、自分より遥にレベルの低い少年達に合わせた指導が出来るのか?疑問である。それともあのマスコミ対応はあくまで相手をバカにしているだけで、相手に合わせた指導が出来るというなら話は別だが…。


イチローのことだ。自分に“資格”がないことを承知の上で水面下の交渉のうえ“特例扱い”を認めさせて受講しているのだろうが、その問題にろくに触れもせず“イチロー監督誕生か!?”と騒ぐマスメディアには違和感を覚える。

« 空井孝一さんを知っていますか!? | トップページ | 敗戦処理。が勝手に選ぶ2010年代ベストナイン »

コメント

コメントを書く

(ウェブ上には掲載しません)

« 空井孝一さんを知っていますか!? | トップページ | 敗戦処理。が勝手に選ぶ2010年代ベストナイン »

2020年7月
      1 2 3 4
5 6 7 8 9 10 11
12 13 14 15 16 17 18
19 20 21 22 23 24 25
26 27 28 29 30 31  

最近のトラックバック