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2019年11月19日 (火)

ジャイアンツが初めてポスティングシステムでの移籍を認めた!

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驚いた。これまで頑なにポスティングシステム利用によるメジャー移籍を認めていなかったジャイアンツが、メジャーでのプレーを希望する山口俊のために同制度を利用してのポスティング移籍を容認したという。各種報道によると、2016年オフに山口がフリーエージェント権を行使してジャイアンツに移籍する際に将来的なポスティング移籍の要望を出しており、契約が切れるこのタイミングでとなった様だ。

 

 

 

ジャイアンツとホークスは球団としてポスティングシステムを利用してのメジャー移籍を認めていなかった。他球団が話し合いの上で容認していたことから、選手が要望したら球団は最終的には飲まなければならないかの様に錯覚しているファンも少なくない様だが、今でも選手の要望通りにポスティングシステムを利用するか否かは球団が決められる。別にジャイアンツやホークスがルール違反をしている訳ではない。


選手が移籍を望むならフリーエージェントの権利を取得すればいのだが、国内FAと海外FAでは取得に一年以上の差がある。球団としてもFAでメジャーに移籍されると補償金が手に入らない。海外FA権取得直前まで自球団でプレーさせてポスティングシステムで移籍してもらえば移籍先のメジャー球団からの移籍金が手に入る。移籍金は改定のたびに少なくされているが、それでも国内FA移籍の補償金よりは高額の臨時収入が見込めるとあって、メジャー指向の強い選手に対しては(海外FAでの移籍よりも)ポスティングシステムを容認するのが一般的になってきた。


ところが、おそらくホークスも同じまたは近い理由だと思われるが、資金力があると言われるジャイアンツは目先のポスティングマネーに惑わされて貴重な戦力が流出することのデメリットを考えているのだろう。「移籍したかったらFA権を取れ」とばかりに松井秀喜、上原浩治、高橋尚成にポスティング移籍を認めなかった。


どうしてもポスティングでのメジャー挑戦を希望した入来祐作に対しては「じゃあポスティングを認めている球団にトレードしてやる」とファイターズにトレードを持ちかけ、当時のファイターズの三沢今朝治球団統括本部長を激怒させた程だ。


敗戦処理。は個人的にはポスティングシステムは“悪法”だと思っている。選手の夢を早期に叶えてあげるという見返りに高額のトレードマネーを球団が得るシステムだが、高額になるはずのトレードマネーもかつてのダルビッシュ有をピークに改定の度に“改悪”されているのが実態である。本来であればNPBはポスティングシステムなどなくして、海外FA権の行使であっても国内FAで移籍先の球団が払うような補償をMLB球団から出させる努力をすべきなのである。さすがに海外FA移籍に人的補償を求めるのは非現実的だが、海外FAでもしっかりと補償金をもらう。それが可能になったら国内FA権と海外FA権を同時に取得させても良いと思う。ジャイアンツとホークスがポスティング移籍を認めないという姿勢はこのような理由ではないだろうが、個人的には支持していた。


そんなジャイアンツが山口俊に限ってポスティングシステムによるメジャー移籍を認めた。しかも記者会見で、ポスティング移籍がFA移籍の際の条件のひとつだった事を明かした。「山口君のメジャー挑戦への熱意に根負けした」とか嘘の理由を言わずにいわば“密約”を明かしたのは潔いと思う。


折しもこのオフのジャイアンツは美馬学、鈴木大地と獲得を目論んだFA移籍戦線で両選手ともにソデにされた。美馬に対しては原辰徳監督直々に交渉の席に臨んだがそれでも最終的に断られた。お得意の補強が上手くいかないこの状況下で、今季チーム最多の15勝をマークした山口の流出を避けられないとは踏んだり蹴ったりだが、三年前の移籍交渉ではドラゴンズとの争奪戦だったと記憶している。山口をどうしても獲得したいばかりに要望を飲んでしまったのだろう。証跡を残していたとしたら、山口サイドがグッジョブということになるが、こんな約束をしてしまった当時の担当者のクビは大丈夫なのだろうか…<苦笑>!?


三年前のオフと言えば、原監督から高橋由伸監督に代わった一年目に優勝を逃し、2位に終わった直後のオフ。なりふり構わず補強に走り、山口ばかりでなく、陽岱鋼、森福允彦と史上初、同一年度に三人のFA移籍選手を獲得した年だ。


森福は三年契約を終えた今季限りで戦力外通告を受け、五年契約と言われる陽は契約上安泰だが三年間、およそ本来の力を発揮しているとは言えない。山口も移籍一年目こそグラウンド外での自業自得なトラブルもあって不本意な結果に終わったが、昨年そして今季は先発ローテーション投手の柱として活躍した。Aクラス確定が最後までおぼつかなかった昨年のシーズン終盤には一時クローザーを務め、ベイスターズで111セーブを挙げた手腕を発揮した。


山口はジャイアンツでの三年間で合計25勝を挙げているが、これはジャイアンツにFA移籍してきた投手では杉内俊哉が最初の三年間で33勝を挙げているのに次ぎ2位の多さ。右投手では最多だ。来季は菅野智之に復活の期待が見込めるとしても山口が抜けることは多少のトレードマネーを得ようともジャイアンツにとってはデメリットの方が大きいだろう。


ところで、その菅野にもメジャー指向が報じられている。原監督の甥っ子故に生涯ジャイアンツ一筋という期待をしているがそうとも限らない様だ。来季終了後のポスティング移籍を菅野が希望してきたら球団はどう対応するのだろうか?


個人的には菅野に関しては、本当に将来のメジャー指向があったのならあの時にファイターズに入団していれば、今頃メジャーリーガーになれていたのかもしれないのだから、何を今更というのがある。2017年シーズン終了後にポスティングシステムで海を渡った大谷翔平はファイターズが菅野をドラフト1位で指名した翌年のドラフト1位である。菅野もポスティング移籍を条件にファイターズに入団していればとっくにメジャーリーガーになっていたかもしれないのだ。


話を山口に戻す。ジャイアンツにとっては2016年オフの条件付き契約はこれまでの球団の姿勢を覆す失態なのかもしれない。原監督は今シーズンの途中に山口がこういう契約を結んでいることを知ったという。おそらくはその時点では原監督を始めジャイアンツのフロントは、山口の流出が避けられないのならばこのオフにまた別の先発投手をFAで獲得すれば良いという程度の認識だったと思う。だからこそこれまでは小笠原道大丸佳浩といったMVPクラスの選手との交渉時にのみ直接出馬した原監督が直々に美馬と交渉したのだろうが、美馬に断られてしまった。


そして今書いた様に菅野や、今後の選手にも影響を及ぼしかねない。ただ、仮に旧体制での約束事とはいえ、約束事をきちんと遂行するという姿勢は評価したい。


ここから先は完全に敗戦処理。の推測だが、かつてオフの契約更改のたびにメジャー挑戦を希望していた上原浩治はおそらく入団時に何らかの密約を結んでいてジャイアンツに入団したのだろう。それを反故にしたのは後に自らクーデターを起こしたあの元球団代表の手法ではないか。正式な書面がないのを良いことに元球団代表は「巨人軍はポスティングシステムでの移籍を認めない」の一辺倒を続けたのではないか?上原の移籍熱が上がったのと、“栄養費”問題の後始末という形で元球団代表が着任した時期が符合するのだ。


その元球団代表は退団させられた腹いせに原監督の不倫もみ消し事件や、相場を逸脱した契約金の支払いをリークしたと噂された。契約金の超過の件では名前が挙がった選手の中に一人、同代表の在任時の選手がいたが、その選手に関して聞かれると「実態を知って支払いを打ち切った」と著書で告白している。上原に関しても前任者が勝手に作った裏約束を無かったことにしてしまったとも考えられる。


閑話休題。最近のジャイアンツは、不祥事を起こした後の対応が早い。それはスクープした週刊誌が店頭に並ぶより早く記者会見をしてしまうというリスク管理だけでなく、処分も早い。過去の担当者が苦し紛れに交わしてしまった条件であっても、それが事実とあれば、戦力のダウンであろうと認めざるを得ないということであろう。


篠原慎平河野元貴が不適切な画像をSNSで公表してしまった時にその悪ふざけの場に直前までいたという主力選手には注意を与える程度の処分で済ませたことで、チームに必要な選手は守るが、そうでない選手には冷たいという論調が当時も見られたが、今回の山口へのポスティング容認を考えると必ずしもそれは当たらないと思う。


そうしたジャイアンツの変化が、これまでジャイアンツどころか“球界のドン”といわれたあの実力者から、その後継者と言われる人にオーナーの座が継承されたことに関係あるのだとしたらジャイアンツにとっては大きな一歩であると敗戦処理。は思う。


山口が念願叶ってメジャー移籍を果たしたらジャイアンツにとっては戦力面での大きな痛手になるだろうが、変化の第一歩であるのであれば、見守るしかあるまい。

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