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2019年9月 1日 (日)

プライド

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8月31日、タイガースの鳥谷敬が球団との会談で引退勧告を受けていることをこの日の対ジャイアンツ戦の試合開始前に記者会見を行って明らかにした。鳥谷は現役を引退するか、他球団で現役続行するかの二者択一になるが、タイガースのユニフォームを着てプレーするのは今季で最後になるのでそれをファンに伝えたかったという。


試合では鳥谷は七回裏にネクストバッターズサークルに姿を現して出場の準備をしていたが、実際に代打を告げられたのは中谷将大で、その中谷が決勝本塁打を放った。鳥谷は出番がなかった。



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鳥谷敬
はタイガース球団の通算最多安打記録を持つなど、紛れもなく大功労者の一人。理想的には本人が「もう潮時だな」と感じるのと球団が引導を渡そうという時期が一致するのが功労者の最後の迎え方だと個人的には思うのだが、現実にはその時期が一致するとは限らない。


鳥谷は球団側と話し合いの場を持ち、その席で球団からは引退勧告を受けたそうだが態度を保留。8月31日の対ジャイアンツ戦の試合開始前に記者会見を開いた。球団から引退勧告を受け、それを事実上の戦力外通告と受け取ったのでタイガースのユニフォームを着てプレーするのは今季限りであるとファンに伝えたくて記者会見を開いたという。


敗戦処理。は同日のタイガース対ジャイアンツ戦をNHKBS1の中継で観ていたが、試合中に実況アナウンサーがその話をしていた。試合では2対2の同点で迎えた七回裏、投手に打席が回る場面でネクストバターズサークルで待機する鳥谷の姿が映し出された。前の打者の梅野隆太郎が凡退して二死無走者となると、矢野耀大監督が告げた代打は鳥谷ではなく中谷将大で、中谷がジャイアンツの山口俊から決勝本塁打を放った。


試合後、NHKBS1で放送された矢野監督のインタビューでは「長打が欲しかった」から中谷を代打で起用したと言っていた。梅野が出塁したら代打は鳥谷で、二死走者無しだったので長打力を期待できる中谷を起用したというのだろう。


野球規則だかアグリーメントだかわからないが、試合時間短縮の目的でネクストバッターズサークルには次の打者を待機させなければならない。展開によって出す代打が変わったりすることもあるから、ネクストバッターズサークルにいる選手を打席に送らせなければならないということはない。この試合では直前の七回表に次打者になる投手の山口はネクストバッターズサークルに入らずにベンチに待機。ネクストバッターズサークルには控えの重信慎之介が待機していた。


矢野監督も鳥谷を準備させておきながら、状況次第で中谷の起用も視野に入れており、実際に中谷を代打で起用した。ネクストバッターズサークルに鳥谷の姿を発見したのは視聴者だけではあるまい。甲子園球場のスタンドでも確認出来たはずだから、ファンは肩すかしにあった気分だろう。


鳥谷ほどの大功労者に対してこういう扱いはどうなのだろうか?衰えが顕著だとしても、鳥谷にも“プライド”があろう。


例えば拙blog8月25日付1点勝負の試合で2点目を取られたらダメ…で書いた様に、1対0とリードしていたベイスターズは先発の今永昇太に打席が回る七回表にダミーの選手をネクストバッターズサークルに立たせておき、実際には代打を送った。
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矢野監督も鳥谷をネクストバッターズサークルに待機させて引っ込めるくらいならダミーの選手を立たせるか、逆に中谷を待機させるという配慮をしてくれないのだろうか?それとも、こういう形ででも鳥谷の姿を見せればファンが喜ぶとでも考えたのだろうか?


試合に出ていない控え選手の役割として、守備について投手が投球練習をしている間のキャッチボール要員として鳥谷がスタンドのファンの前に姿を現している可能性もあるが、ただグラウンドに出せば良いというものではないだろう。


戦処理。は「鳥谷を使え」と言っているのではない。


大功労者である鳥谷に対して“配慮”をして欲しいと言いたいのだ。今季限りになるであろうタイガースのユニフォーム姿の鳥谷を観たいと思うファンの心理をもてあそぶかの様にネクストバッターズサークルには行かせるけど実際に使うかどうかは展開次第などという“見せ方”をしないで欲しいと思うのだ。


今朝のTBSテレビ系『サンデーモーニング』でのスポーツ御意見番で張本勲が、引退勧告を受けた鳥谷に関して「やりたいんじゃないすか、本人は?」と言及した。特に鳥谷に関するVTRが用意された訳ではなく司会の関口宏の問いかけに答えた感じだったが、ネットニュースで取り上げられた。張本がこの番組で何を言うか注目している人が多いのだろうが、ごく普通のコメントだった。


余談だがその張本もジャイアンツに所属していた時代にプライドを傷つけられる扱いをされたことがある。


ャイアンツ在籍最終年になった1979年(昭和54年)、4月に行われた後楽園球場での対スワローズ戦に故障でスターシングメンバーから外れていた張本は0対0で迎えた十回裏、一死二塁という場面で代打に起用された。一塁が空いているのでスワローズは張本とは勝負をせずに一、二塁とし、続く打者の代打、山本功児がサヨナラ安打を放ってジャイアンツが1対0で勝った。


同点で1点でも失ったら負けという場面で一死二塁。ここで嫌な打者が出てきたら歩かせるのは常套手段。今なら迷わず“申告敬遠”だろう。攻撃するジャイアンツもそれはわかっているだろうはずだがその場面で起用されたのが張本で、張本が歩かされた後で出てきたのが、当時から勝負強さには定評があったものの入団四年目の山本功児だった。これは張本のプライドを刺激したことだろう。張本の“故障”が何だったか記憶していないが順番を逆にして一死一、二塁で張本だと併殺のリスクを考えたのかもしれないが…。


張本はこのシーズンではその後も故障に泣かされて成績を落とし、シーズン後にロッテオリオンズにトレードされた。翌年にオリオンズで通算3000本安打を達成するのだが、このシーズンの前年には規定打席に達して打率三割も打っていたので4月の時点でのこの扱いには驚いた。


余談ついでにもうひとつ。この年(1979年=昭和54年)のジャイアンツでは中畑清が台頭。その結果、長嶋茂雄監督によって三塁手にコンバートされたV9時代の名外野手、高田繁はベンチを温めるケースが多くなった。ファンレターで「試合には出られなくても、テレビでずっと応援しています」とファンから応援された高田は、試合に出られなくてもせめてテレビ中継に映りたいと考え、チームメイトで先輩の柴田勲に相談したという。柴田のアドバイスは「ベンチで江川卓の隣に座れ」とのことだった。この年の6月から一軍にデビューした江川卓の隣に座っていればテレビカメラに写されるケースが増えるだろうとのアドバイスで、高田は実際にそうしたという。


張本のプライドを考慮しなかった長嶋監督には晩年の原辰徳も困ったという。現役最終年の原が試合前のシートノックで三塁の守備位置に付こうとしたら横に広澤克己が立っていたことに機嫌を損ね、黙って自分から一塁の守備位置に移動したという。広澤はこの年にフリーエージェントでジャイアンツに移籍してきた選手で本職は一塁と外野。ジャイアンツでは落合博満が一塁を守っているので主に外野を守っていた選手である。その選手と一緒にシートノックを受けることに抵抗があったのだろう。三塁の守備位置から一塁に回ってきた原を見て落合は苦笑いしていたという。


原監督の現役最終年(1995年)は出場機会が激減した。試合中に内野手に代打が出たりすると、守備からの出場に備えてベンチの前でキャッチボールをする原の姿を見て東京ドームのスタンドから大歓声が起きていた。スタメンで出られないにせよ、代打攻勢をかけるなら代打での原を見たいのがファンの本音だろうが、代打要員としても声がかからない。代打を送られた後に三塁の守備に付くという役どころになってもファンは原の姿に大歓声を送った。


原に限らない。昨年の新井貴浩もそうだった。
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ネクストバッターズサークルに出てくるだけでファンは大声援で迎えるものなのだ。矢野監督も大功労者の扱いには頭を悩ませる点も多いのかもしれないが、可能な限りの“配慮”をして欲しい。こんなことを考えるのは敗戦処理。だけかもしれないが…。

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