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2019年7月21日 (日)

ダメなものはダメ!

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13日に行われた今年のオールスター第2戦で達成されたタイガースの近本光司のサイクル安打に関し、敗戦処理。は相手のオールパシフィックの協力によって成し遂げられた、いわば“やらせ”の様な記録で、いくらお祭りの要素が強いオールスターゲームだとはいえあるまじき行為だと思ったのだが、どうやら必ずしもそういう意見が多いとは限らないようで非常に残念である。


「所詮はオールスターゲーム、お祭りなんだから…」

 

オールスターゲームがそれぞれのリーグから選りすぐられたスター選手による真剣勝負の場ではなくなったことには達観している敗戦処理。だが、まさか、半世紀を超えるオールスターゲームの歴史で過去に古田敦也ひとりしか達成していないサイクルヒットにリーチをかけた選手の打席で相手側が、外野手がやたらに前進守備を敷き、打球が飛んできたら返球を緩くして三塁手も送球を捕らずに空タッチしてアシストという全員の協力で達成させるなんて呆れてものが言えない。


テレビでこのシーンを見ていた敗戦処理。は即座にツイッターで不快感をあらわにしたが、あまり反応はなかった。検索してもお祭りだから…という達観したかのような感想が目立ち、目くじらを立てる反応は少ないと見受けられた。それがタイガースファンによる意見だというなら単なる贔屓の引き倒しということになるが、そうではないようだ。


ツイッターの反応が全てだとはいえないにしろ、ファンにとってオールスターゲームの位置づけが、そういう“やらせ”の様な行為が行われたとしても批判されるような対象でなくなったということなのだろうか?だとしたら情けないことこの上ない。


球界の諸問題に鋭く切り込む広尾晃氏がさすがに黙ってはいられないという感じでご自身のblogに書いていたが、気になったのがこの部分。

メディアでこれを取り上げたのは豊浦彰太郎さんだけ。Yahoo!のこの記事は「豊浦さんの個人的見解」だからOKなのだろう。豊浦さんの最近の活動は目を見張る。
「阪神・近本の作られたサイクル」とMLBの「花を持たせる」書かれざるルールとの違い

私がこの件について取り上げることができるのは、このブログだけのようだ。もう少し努力してみる。
しかし、このことは風化させてはいけないと思う。読者各位と意識を共有させていきたい。
「見たくないものは見えなくなる」-野球の記録で話したい・広尾晃氏


一種のタブーなのだろうか、だとしたら情けない。


この試合を放送したテレビ朝日の解説者は、唯一のサイクルヒット達成者である古田と前田智徳、川上憲伸の三人。近本光司の記録がかかった場面では、この試合に出場しているライオンズの山川穂高が放送席に招かれていた。外野手の守備位置の異変に触れたのは解説者ではなく山川で、山川が触れたにもかかわらずテレビ中継の画面は外野手の守備位置を映すことはなかった。実際に三塁打となってサイクルヒットが達成されたときには誰の声か聞き取れなかったが小声で「いいんですかね?」と言っているのが聞き取れた。ボールデッドになってから前田は「お祭りですから」と言い、川上が「古田さんがどう思われるかですよね」と古田に気遣っていた。古田は「二人目、おめでたいと思いますよ」と言った。


翌日の日曜日の朝。テレビ朝日『サンデーLIVE』に朝日放送のスタジオから出演した古田は「記録に挑戦する選手が出てくると、僕の名前が出てくるからありがたい」と近本が記録を達成する前に中継で言っていたことを繰り返すに留めていたが、テレビ朝日のスタジオの出演者達はパ・リーグのアシストによる達成であろうとやや茶化していた。この日のこの番組は司会の東山紀之が所属するジャニーズ事務所の社長、ジャニー喜多川氏の訃報を取り上げていたので番組のトーンが暗い感じであり、サイクルヒットの話題もあまり突っ込まれなかった。


メディアはNPBに忖度せざるを得ず、あの様な“やらせ”に対しても見て見ぬふりをしなければならないのだろうか?


テレビ朝日はNPBに忖度しなければならないのだろうか?素人目にはNPBの方がテレビ朝日に忖度しなければならない様な気がする。気付いている人も多いだろうが、近年のオールスターゲームはテレビ朝日でしか放送されない。NPBとテレビ朝日との間で大型契約が結ばれているのかどうか知らないが、テレビ朝日くらいしか週末のゴールデンタイムに野球を生中継してくれる局がないのではと敗戦処理。は見ている。今年の第1戦は東京ドームで行われたが、以前なら東京ドームでのオールスターゲームは日本テレビ系列で放送されていた。


テレビ朝日としては、このような“やらせ”に視聴者が目くじらを立てない程度の関心度だとしたら視聴率的にも大したことはないだろう。放映権料をNPBに払っている立場としてはNPBに厳重注意を申し入れても良いと思うが…。


近本の打席で前進守備をしたと言われるオールパシフィックのセンター、ファイターズの西川遥輝はスタンドのファンから前進して守るように煽られたとコメントしていた。だとしても、スタンドのファンは勝手気ままなことを言うものだからそのせいにする西川も西川だ。ファイターズファンとしては恥ずかしい思いだ。あの打球はアシストがなくても二塁打にはなっただろうから、近本のバッティング自体は素晴らしいと評価されるべきだが、アシストだらけで達成されたサイクルヒットを“オールスターゲーム史上二人目の快挙”と賞賛するのは如何なものか?


ましてや、ファンの中にはアシストしたのは外野手や空タッチの松田宣浩だけでなく、打たれても良い球を投げた投手まで空気を読んだと邪推している人もいる。そういう風に疑い出すと、二試合連続で放った原口文仁の本塁打すらもパ・リーグ側からの快気祝い含みだったのではと思えてくる。


例えば敗戦処理。はオールスターゲームでの金字塔の一つとして語り草になっている江夏豊の9連続奪三振をリアルタイムでは見ていない。だが江川卓の8連続奪三振をリアルタイムにテレビで見た。江川は8人連続で三振を奪い、9人目の打者、大石大二郎を豪速球二球でツーナッシングと追い込むが三球目のカーブをバットに当てられ、二塁ゴロとなって記録を逃した。江川の力投ぶりを見てあらためて「江夏は凄いな」と感じたものだ。記録の価値というものはそういうものではないか?


メディアがNPBに忖度云々という見方があるようだが、過去に公式戦で似たような辞令が発生した際には各メディアは声を上げたように思う。冒頭の新聞記事の写真がそれだ。


昭和58年(1983)年4月30日に甲子園球場で行われたタイガース対カープ戦で、カープの主砲、山本浩二はオールスターゲームでの近本と同じく、三塁打が出ればサイクルヒットという状況で打席を迎えた。山本は近本と同じく左中間を破るあたりを打って三塁まで走るが、外野手からの返球により三塁手前でタッチアウト…のタイミングだったにもかかわらず三塁を守る掛布雅之が送球をベースの後方で受けてタッチしようにも届かないという感じで三塁打とし、サイクルヒットを達成させたのだ。この試合はNHK総合テレビで生放送されており、実況アナや解説者(加藤進氏)がどうコメントしたかは記憶していないがNHKに抗議の電話が殺到したという。朝日新聞もスポーツ面で批判したという訳だ。


冒頭の写真ではわかりにくいだろう。記事の一部を引用する。

左中間に放った三塁打について、朝日新聞社に「掛布はけしからん。山本浩に協力し記録をつくらせた」という抗議電話が相次いだ。
当たりは左中間を抜いた通常二塁打コース。中-遊-三とわたった転送球も比較的よく掛布のタッチがおそく見えたので、テレビを見ていた人はそんな疑問をいだいたのだろう。

タイトルの“怪、怪、怪、怪、カケフさん”は当時掛布が出演して話題になっていたテレビCMのセリフのパロディー。ピンと来る人はアラフィフ以上だろう<笑>。


記事では記録として“エラー”にするべきではとも書き、中沢聖晴公式記録員の「だれにもエラーはつけられない。記録としては三塁打にするほかない」というコメントと、谷村友一 三塁塁審の「山本浩は暴走気味だったが、掛布はベースの後方で転送球を捕球。体がのけぞり、体勢をたて直してタッチしようとしたが、四つんばいのようになり、手が前へ出なくなってしまった。それが緩慢なプレーに見えたのだろう」というコメントを掲載している。相手チームどころか公式記録員も空気を読み、審判員も正当化したのだ。そのことを記事にした朝日新聞はなかなかだと思う。因みに報知新聞も抗議的な紙面にしていたと記憶しているが、読売新聞は疑惑に関しては触れず“タイミングはきわどかったが、うまいスライディングで掛布のタッチを一瞬かわした。”と書いている<苦笑>。


今回の近本の件に関して敗戦処理。は日刊スポーツしか読んでいないが同紙には記録の快挙と言うことしか書いていない。当時の朝日新聞のように公式記録員や審判員を取材した記事はあるのだろうか?


広尾氏が言うようなタブーの存在があるとしたなら、SNSがこれほど普及した時代にはかえって逆効果になりかねないということに気付くべきだし、個人的にはタブー云々以前に目くじらを立てることでないと見過ごされる事の方が問題だと思える。


公式戦とオールスターゲームでは違うと言う見方をする人もいるだろう。だがオールスターゲームを球場で観るためには通常の公式戦より高い入場料を払わなければならない。そういう特別な試合なのだ。その高い料金を払っているファンがセンターを守る西川に“やらせ”に加担するように声をかけていたというのなら、そのファンが野球に対して求めているものがその程度だということになり、NPBは本当にオールスターゲームというものの意義を考え直すべき時に来ているだろう。


タブー以上に、そのことの方がよほどの問題である。


“三塁打”を放った近本は二塁を回りかけて一度躊躇した。普通に返球されれば三塁でアウトになるだろうし、自分の記録だけのために一か八か走ることをためらったのだろう。一方、山本は(この時点で二桁の点差をつけてリードしていた試合の終盤ということもあってか)一か八か三塁を狙ったら相手が気を遣ってくれたのだろうが近本はルーキー。そこまでの図々しさはなく、一度は躊躇したのだろう。だがこれで“朱に交わって赤くなった”のである。


NPBでは一昨年(2017年)から“引退選手特例制度”と称して、そのシーズン限りでの現役引退を明言している選手に最後の花道を用意する場合に通常の一軍登録人数にプラスしてその選手の登録を認める措置を講じた。シーズン終盤で消化試合気味のケースが多いとはいえ、引退する選手に花を持たせるような対決がなされてしまうことが多いが、いわば“片八百長”に近い行為を規則で後押ししたようなものである。公式戦でもそうなのだから、オールスターゲームで目くじらを立てる方がおかしいということで風潮として盛り上がらないのだろうか…。

 

“公式戦とオールスターゲームでは違うと言う見方をする人もいるだろう”、と書いたが、この掛布のやらせ事件があった昭和58年(1983年)の翌年のオールスターゲームでは、甲子園球場で行われた第2戦でオールパシフィックが1点リードで迎えた九回裏に二死一塁で掛布が打席に立つというシーンでマウンドの東尾修は掛布のサヨナラ本塁打を期待する甲子園のファンの視線を尻目に一塁走者の高木豊を絶妙な牽制で刺して試合終了にした。今、オールスターゲームがこんな終わり方をしたらネットを中心に「空気読め」の大合唱になるだろう。これもテレビで見ていた敗戦処理。は「何で?」と一瞬思ったがすぐに「東尾凄いなぁ」と思った。


オールスターゲームはお祭りだが、公式戦並みに真剣にやれば面白くなるかもしれない!?

 

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