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2019年1月23日 (水)

西川遥輝、盗塁成功率.873の脅威

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ファイターズの西川遥輝が昨年
61日の対ドラゴンズ戦で通算200盗塁を達成した。当時の報道で、200盗塁達成時点での西川の盗塁成功率が.866だったことでそれまで200盗塁以上の選手として盗塁成功率が最も高かった鈴木尚広.829を上回って歴代最高の盗塁成功率だと報じられた。


blogでは過去に通算打率において、比較の対象になる4000打数に到達した選手が高打率で過去の4000打数以上の選手と比較される事に対して、4000打数に到達したばかりの選手と、下降期も含めて現役引退した選手の通算打率を比較することの意味に疑問を感じ、4000打数に到達した時点での比較を試みた。西川の偉業も、現役を引退した選手との比較でなく、200盗塁を達成した時点での比較を試みた。



選手の通算打率を比較するのに、一般的には
4000打数以上をいわば通算打率の規定打数としている様で、2018年シーズンを終了しての通算打率ランキングは以下の様になる。

1位 .329 青木宣親 4395打数1446安打
2位 .320 レロン・リー 4934打数1579
安打
3位 .31918 若松勉 6808打数2173
安打
4位 .31915 張本勲 9666打数3085
安打
5位 .317 ブーマー・ウエルズ 4451打数1413
安打
6位 .313 川上哲治 7500打数2351
安打
7位 .31107 与那嶺要 4298打数1337
安打
8位 .3108 落合博満 7627打数2371
安打
9位 .3104 小笠原道大 6828打数2120
安打
10位 .308 レオン・リー 4667打数1436
安打

青木宣親は昨シーズンに4000打数に到達した。青木以外の上位選手はすべて引退済み。青木も年齢的にはベテランの域に達しているがこれから現役引退までに通算打率を下げる可能性がある。因みにこのランキングは一年前の2017年終了時点では青木が規定打数に達していないためにレロン・リー1位だったが9位に現役の内川聖一が入っていた。内川は6380打数1975安打で打率.3096だったが、昨年281打数68安打、打率.242だったために通算打率を.307に下げてしまい、レオンより下回ってしまった。


青木の打率.329の本当の価値を探るために通算4000打数に到達した年次での通算打率ランキングを作ると以下の様になる。

1位 .329 青木宣親 4395打数1446安打
2位 .3264 落合博満 4234打数1382
安打
3位 .3257 若松勉 4257打数1387
安打
4位 .3236 レロン・リー 4072打数1316
安打
5位 .3226 長嶋茂雄 4290打数1384
安打
6位 .3198 小笠原道大 4175打数1335
安打
7位 .3175 ブーマー・ウエルズ 4451打数1413
安打
8位 .31431 加藤英司 4416打数1388
安打
9位 .31425 内川聖一 4541打数1427
安打
10位 .31422 川上哲治 4220打数1326
安打

青木がランキング入りしたことで、それまで10位だった.3132和田一浩4294打数1345安打)がトップ10から外れた。青木の通算打率.329は過去の選手の4000打数到達時の成績より上であることがわかる。


これと同じように現役の西川遥輝に関しても、過去の選手の通算200盗塁達成年での盗塁成功率と比較する。最初に通算200盗塁以上の選手の通算盗塁成功率トップ10を書く。なお、盗塁成功率の比較の手前、公式記録として盗塁刺(盗塁失敗)が記録に残っている昭和17(1942)以降に限定する。

順位、盗塁成功率、選手名、盗塁成功数、盗塁刺数の順。

1位 .873 西川遥輝 22633
2位 .8291 鈴木尚広 228
47
3位 .8289 広瀬叔功 596
123
4位 .819 松井稼頭央 363
80
5位 .812 赤星憲広 381
88
6位 .808 木塚忠助 479
114
7位 .799 呉昌征 321
81
8位 .793 河西敏雄 233
61
9位 .783 糸井嘉男 288
80
10位 .782 福地寿樹 251
70

西川以外では糸井嘉男が現役でランクインしている。現役選手である以上今後盗塁成功率は上下する。そこで打率の時と同様に200盗塁達成年度までの盗塁成功率ランキングを作ってみる。

1位 .873 西川遥輝 22633
2位 .850 木塚忠助 226
40
3位 .842 呉昌征 213
40
4位 .833 緒方孝市 205
41
5位 .825 赤星憲広 250
53
6位 .821 福本豊 252
55
7位 .819 松井稼頭央 208
46
7位 .819 鈴木尚広 208
46
9位 .805 柴田勲 235
57
10位 .797 広瀬叔功 239
61

昨年の西川同様、200盗塁達成時に歴代最高盗塁成功率と報じられた鈴木尚広の時にこの比較をしていたら鈴木の評価が変わっていたかもしれない<苦笑>が西川は同じ時点での比較でもナンバーワンなのだ。


因みにこの中で3位の呉昌征さんは盗塁刺が公式記録となる昭和17(1942)以前からプレーしている。便宜上本エントリーでは昭和17(1942)をスタートとして集計している。つまりプロ入り通算200盗塁を達成した年で区切っていない。それ故に他の選手と同じ条件での比較とは言えないかもしれない。呉さんを除いた場合、10位には盗塁成功率.7948松本匡史(21355)が繰り上がる。


通算打率と通算盗塁成功率とで決定的に異なる点がある。通算打率に関しては大概の選手はピークを過ぎてからは打率を下げ、それが通算打率にも影響するが、盗塁成功率に関してはピークを過ぎたら盗塁を試みないという選択肢もある。盗塁を試みなければ盗塁成功率が下がることはない。


だから、通算盗塁成功率トップ10と、200盗塁達成年時点での盗塁成功率トップ10両方共にランクインしている選手の方が、通算打率トップ10と、4000打数到達年時点での通算打率トップ10両方共にランクインしている選手より多い、と思ったらどちらも7人が同じ顔ぶれだった。


西川は200盗塁達成の際に500盗塁を目標にするといっていたが、さし当たって300盗塁達成の時に同じく盗塁成功率トップに立つためには300盗塁までの残り74盗塁を決めるまでどのくらいの盗塁成功率でいかなければならないか。昭和17(1942)以降に通算300盗塁を達成した選手の通算300盗塁達成年時点での盗塁成功率トップ10を書いてみる。

1位 .851(.850) 木塚忠助 32557
2位 .830(.821) 福本豊 347
71
3位 .816(.797) 広瀬叔功 311
70
4位 .814(.819) 松井稼頭央 306
70
5位 .807(.842) 呉昌征 306
73
6位 .807(.825) 赤星憲広 309
74
7位 .800(.805) 柴田勲 307
77
8位 .788(.7945) 片岡治大 316
85
9位 .780(.7948) 松本匡史 329
93
10位 .7671(.761) 屋舗要 303
92

盗塁成功率の次のカッコ内は200盗塁達成年度までの盗塁成功率。10人中、4選手が通算200盗塁の時点よりも盗塁成功率を上げている。


西川が通算300盗塁達成時点で木塚忠助さんの盗塁成功率.851を上回るには300盗塁ぴったりだとすると盗塁刺を52個以内にしなければならない。

西川遥輝 30052 盗塁成功率.8523
 30053 盗塁成功率
.8499
木塚忠助 32557 盗塁成功率
.8508

西川が300盗塁、52盗塁刺のラインを上回るには残り74盗塁、19盗塁刺、盗塁成功率.796のペースで走らなければならない。今のペースでは2020年に通算300盗塁に達する西川。今季27歳になる年齢を考えると無理なペースではない。ぜひ300盗塁達成時点でも盗塁成功率トップでいられるくらい、これからも成功率にこだわって欲しい。


因みに西川はこの五年間で三度、2014年、2017年、2018年とパ・リーグの盗塁王に輝いている。ファイターズでは他に2013年に陽岱鋼47盗塁で、2015年に中島卓也34盗塁で盗塁王に輝いており、近年のパ・リーグの盗塁王はファイターズ勢がタイトル獲得することが多い。だが2013年に陽が盗塁王に輝いたのが、前身球団を含めて球団初の盗塁王だったのだ。だがファイターズの年間最多盗塁記録を持っているのは上述の選手達ではなく、昭和54(1979)島田誠55盗塁。だがこの年の島田誠は盗塁王にはなれなかった。福本豊60盗塁でこの年のパ・リーグの盗塁王に輝いている。


ファイターズの選手がこの10年間の内、5年間盗塁王のタイトルを獲得しているが、ファイターズ以外の選手が盗塁王を獲得した5年間のそれぞれの盗塁王の盗塁数はすべて50盗塁を超えている。西川には今季、50盗塁以上を期待したい。


セイバーメトリクス的な観点では盗塁というものの意義そのものに疑念を挟む向きもあるようだ。だが、盗塁というスリリングなシーンのない安全第一な野球が仮にその方が勝つための確率が高くなるにせよ、魅力のない野球になってしまう恐れがあると個人的には憂いている。スピードやパワーを否定する科学が野球において幅を利かせすぎるのも問題だろう。西川に限った話ではないがスリリングな盗塁、走塁で今季も楽しませて欲しいものだ。

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