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2018年9月 1日 (土)

月間最多登板記録達成のヘロニモ・フランスアと山田修義は“稲尾に並んだ”のか!?

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31日の対ライオンズ戦にリリーフで登板したバファローズの山田修義8月に入ってからの登板試合数が18試合となり、故稲尾和久さん、益田直也、そして前日に同じ記録を達成したカープのヘロニモ・フランスアに並ぶ月間最多貴登板記録の日本タイ記録を達成した。


フランスアも山田もショートリリーフとしてチームに欠かせない存在になっている投手ではあるが、記録保持者の中に“神様・仏様・稲尾様”と称されたあの稲尾和久さんの名前があるだけに“稲尾に並んだ”と讃えるメディアまである。


確かに記録上は同じ月間18試合登板ではあるが,安直に稲尾和久さんに並んだと書くのは如何なものかと思う。


(写真:山田修義を月間最多登板記録となる18試合に起用したバファローズの福良淳一監督。コーチ時代の20133月撮影)



◆ フランスア日本タイ記録 月間18試合登板!稲尾に並んだ鯉の鉄腕
デイリースポーツ2018831

◆ オリックス山田、記録へM1 監督はアシスト明言
日刊スポーツ2018831712

◆ オリックス山田修義、稲尾に並ぶ月間18試合登板
日刊スポーツ20188312134


もう既に他の方が主張しているかもしれないが、月間最多登板記録になる18試合登板を果たした四投手の登板を振り返ってみる。


稲尾和久
19569
日付 相手 登板順 回数 自責点 責任
1 高橋 二番手 2 2
1 高橋
2 高橋 先発 5 0 
2 高橋
3
4日  毎日 五番手 2    1 
5 毎日 先発  6    1
6 毎日
7
8 大毎 先発  3  2/3  3
9日  大毎 二番手 3    0
9日  大毎 三番手   1/3  0
10
11 阪急 二番手 5  2/3  1
12日  阪急 三番手   2/3  0
12日  阪急
13
14
15日  毎日 先発  6  1/3  1
16
17日  毎日
17日  毎日 二番手 7  1/3  1 
18日  高橋 二番手 1  2/3  0
19
20日  高橋
20日  高橋 先発  9     0 
21
22日  南海 三番手 2 0 
23 南海
23日  南海 先発 6     0 
24日  南海 二番手 5  2/3   2
24 南海
25
26
27日  阪急 二番手 6  1/3 0 
27日  阪急
28
29
30日  近鉄 三番手 2 0
30日  近鉄

同じ日付が二段になっているのはダブルヘッダーが組まれた日だ。稲尾和久さんは新人だった1956年(昭和31年)9月に18試合登板を果たしたが、18試合登板の内、6試合に先発。最近の中六日ローテーションでは一ヶ月に六試合も先発する投手すら滅多にいない。リリーフで登板した12試合の内、10試合が交代完了。その試合の最後を締めくくった形になっている。セーブ記録が無かった時代だが、パッと見で3セーブ、現在のルールでなら記録していると思われる。この月の成績は61敗。742/3を投げて自責点12。防御率1.45


の公式戦の試合数が143試合だから、稲尾さんは年間の規定投球回数の半分を一ヶ月で記録していたことになる。週に一回投げる先発投手が一ヶ月に五試合先発して、全部延長十二回完投しても60イニングにしかならないと考えると、この月の稲尾さんの登板過多ぶりが今の常識では考えられないレベルであることがわかる。年間42勝などの今では考えられない鉄腕ぶりを発揮していた稲尾さんならではの記録と言える。


blogにお付き合いして下さる方に、稲尾さんの現役時代を知らなくても名前や実績を知らない人はまずいないと思うが、酷使により短期間で潰れた投手ではない。実働14年、756試合に登板して276勝を挙げた大投手だ。


さて、時代が違うと言えばそれまでだが、現役で月間最多登板を記録している三投手の成績も見てみよう。


益田直也
20135
日付 相手 登板順 回数 自責点 責任
1 オリ 三番手 1    0 
2 オリ 五番手 1    0
3 オリ 三番手 1    0  
4 ソフ
5 ソフ 五番手 1       0  
6 ソフ 五番手 1    0  
7
8 西武 四番手  1/3  0 
9 西武 六番手 1    0  
10 楽天 四番手 1    3  
11
12 楽天 六番手 1 0 
13
14 巨人 五番手 1     0 
15 巨人 四番手 0/3  2 
16
17 ヤク
18 ヤク
19 広島
20 広島 二番手  2/3  0  
21
22 阪神 五番手 1     0  
23 阪神
24
25 横浜 四番手 1 0
26 横浜 三番手 1     0
27
28 中日 六番手 1 0 
29 中日 五番手 1 0  
30
31 巨人 三番手 1 0  


益田はこの時入団二年目だった。ルーキーイヤーの前年2012年に達成した72試合登板は新人投手の最多登板記録で,その前年の2011年に記録したベイスターズの大原慎司の記録を一試合更新した。関係ないが敗戦処理。は大原、益田と二年連続で新人投手の最多登板記録達成の試合を生で観ている。二年目のこの年、益田は年間でもリーグ最多の68試合に登板し、リーグ最多となる33セーブを挙げている。5月の一ヶ月に限定しても122ホールド、10セーブを挙げている。16回を投げて自責点5。防御率は2.81。自責点5といっても自責点が付いた試合は二試合しか無く、高い精度で好結果を残していたと言える。


して今季の二人だ。達成順でフランスアを先にしよう。


フランスア
20188
日付 相手 登板順 回数 自責点 責任
1 ヤク 三番手 1 0
2日  ヤク
3日  横浜 五番手 1 0  
4日  横浜
5日  横浜 五番手 1  1/3  0 
6
7日  中日 二番手 1    0
8日  中日 五番手 1 0  
9日  中日 二番手 1 0  
10日  巨人
11日  巨人 二番手  2/3 0  
12日  巨人
13
14日  阪神 三番手 1    0  
15日  阪神 四番手 1 0
16日  阪神 三番手 1    0  
17日  横浜
18日  横浜 二番手 1    0  
19日  横浜 六番手   2/3  1
20
21日  ヤク 四番手 1 0 
22日  ヤク 三番手 1 0  
23日  ヤク
24日  中日
25日  中日 二番手 1 0
26日  中日
27
28日  巨人 四番手 1 0
29日  巨人 五番手 1 0  
30日  巨人 四番手 1 0  
31日  ヤク


厳しい局面での登板が多い中、自責点1というのは立派の一言に尽きる。敗戦投手になった試合でも自責点は記録されていない。月間で0110ホールド、1セーブ。172/3で自責点1、防御率0.51と文句の付けようのない成績だ。


山田修義
2018年8月
日付 相手 登板順 回数 自責点 責任
1 楽天
2 楽天
3 ソフ 三番手 1  1/3 0
4日  ソフ 二番手   1/3  0  
5 ソフ 二番手 1 0  
6
7日  西武 三番手   2/3  0
8日  西武 二番手   2/3  0
9 西武 二番手   1/3 0 
10日  ロッ
11 ロッ 三番手 1 2/3  0 
12日  ロッ 二番手 1 0 
13
14日  西武 三番手 1 0  
15日  西武 三番手   2/3 0 
16日  西武 二番手   1/3  0  
17日  ソフ
18日  ソフ 二番手   2/3  1
19日  ソフ 三番手   1/3  3  
20
21日  楽天 四番手  2/3  0
22日  楽天 二番手  1/3  0  
23
24日  ロッ
25日  ロッ
26日  ロッ
27
28日  日ハ 三番手 1 1
29
30日  日ハ 二番手   1/3 0 
31日  西武 三番手  1/3  0


山田は9年目の選手だが、失礼ながら昨年までノーマークな投手だ。今季も82日に初めて出場選手登録された投手で、ここに挙げた18登板が今季の全登板だ(831日現在)。益田やフランスアに比べると1イニング未満の登板が多いが、イニングの途中からの登板が多く、走者を背負った場面での登板が目立つことになる。月間で122/3と四投手の中で最も少なく、イニング数が少ない分、一度の自責点で防御率が跳ね上がる。自責点5なので防御率は3.55と平凡だが11敗で9ホールドを挙げている。


稲尾さんを別にしても、今世紀に達成した三投手の一ヶ月での各チームの試合数はマリーンズが23試合、カープが27試合、バファローズが25試合。その中で18試合に投げているということは試合数の半分以上に登板しているということで未曾有の猛暑の中、それなりの成績を残しているということは簡単なことでは無い。そして三投手に共通していることは三日間を超える連投をしていないということだ。各監督、投手コーチら担当コーチ陣は一線を超えていないと言える。フランスアが31日に新記録となる登板をしなかったのは四日間の連投になるからだったのかもしれない。もっとも、いわゆるイニングまたぎはあるが…。


しかし稲尾さんは別格だ。


18登板の内、先発が6登板。この中には一人で投げきった完封勝利もある。12試合投げたリリーフ登板での合計イニングが382/3と、リリーフ登板での平均投球回数が3イニングを超えているのだ。信じられない。夏の全国高校野球大会で投手の酷使問題が囁かれているが、プロでももうこんな投手は出てこないだろう。


“稲尾に並んだ”と見出しを付けた記者はフランスアや山田を稲尾さんに相当する鉄腕ぶりだと思って書いているのだろうか?タイ記録だから、過去の記録保持者の名前を出すのは当然だが、表現には配慮があって然るべきだと思う。

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