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2018年6月23日 (土)

【言語道断】リプレー検証のシーンを試合後に再検証

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日のバファローズ対ホークス戦であってはならないことが起きてしまった。この試合の3対3で迎えた十回表二死一塁でホークスの中村晃が放ったライトのポール際に飛んでスタンドに入った大飛球がファウルと判定されて、ホークスの工藤公康監督がリクエスト権を行使。審判団がリプレー検証を行った結果、判定が本塁打(フェア)と覆った。試合はこの一打が決勝点となり、ホークスが5対3で接戦を制した。


このリプレー検証の結果に不服だったバファローズの福良淳一監督が試合終了後に審判団に詰め寄って、責任審判の佐々木昌信審判員(二塁塁審)と再度リプレー検証をしたところ、あろうことか佐々木審判が、本塁打と判定したのは誤審だったと認めたという。


23日午前、NPBの仲野和男パ・リーグ統括と友寄正人審判長が福良監督らに“リプレー誤審”の事情説明や謝罪を行い、その席でバファローズ側は中村晃の打席からの“やり直し”を求めたという。


本当に中村晃の打球がファウルだったのなら、何故リプレー検証をしたのに“本塁打”と判断したのか?


また、試合後にリプレー検証の結果に異議を唱えられたからと言って、何故再検証したのか?


いろいろと問題の多い出来事だと思う。


(写真:リクエストに応じてリプレー検証を行うことを場内説明する審判員。 20184月撮影。 ※本エントリーで取り上げた試合とは別の試合です。)



◆ ビデオ判定での誤審でオリックス敗戦 審判団が試合後に本塁打をファウルと認める
(デイリースポーツ)

◆ NPB・友寄審判長らがオリックスに“リプレー誤審”を謝罪
(スポーツ報知)

◆ オリックスが誤審で試合やり直し要望 中村晃“勝ち越し弾”の前から
(デイリースポーツ)


“いろいろと問題の多い”と書いたが、順を追って問題を掘り返したい。


一番の問題は、試合後に福良淳一監督に詰め寄られ、再検証をしたことであろう。リクエスト制度の導入に当たって、リクエストに伴うリプレー検証の結果、下された判定に対して監督は抗議を出来ないことになっている。だから福良監督はその時点での抗議を断念して試合後に詰め寄ったのかもしれないが、そうだとしても審判団はそんなものに付き合う必要は無い。いや、必要は無いというより、個人的には付き合ってはいけないと思う。


デイリースポーツ他の記事によると、再検証したのは審判団とバファローズ側が本塁打と判定した映像と同じ映像を再検証したのかどうかがはっきりとしないが、百歩譲って再検証するにしても一方の当事者だけを入れて検証するというのは公平性と客観性に欠ける。だからといってわざわざホークスの関係者を呼ぶ必要は無い。仮に呼ばれてもホークス側は「もう終わったこと」で済ませるだろう。本当にどっちとも解釈出来る微妙なシーンだったとしたら、一方の監督だけがその場にいて「こうだ!」と強く迫ったらそう見えてしまうと言うこともある。同じ映像を見ても、最初に見た時には本塁打に見えたものが、一方の当事者のみと一緒に見ることによって最初に見た時と違って見えると言うことはあるだろう。だから、試合中のリプレー検証での判定を最終結論とするしかないのだ。仮に別の映像が存在したとしても、それはリプレー検証の時に検証されなければ無効だろう。


2018年度パ・リーグアグリーメント

55条(リプレイ映像使用)
別紙21
 4 リプレイ検証にあたっては、グラウンド審判室に設置された中継映像のみを使用する。実際に放映されなかった別角度からの映像などは使用しない。

別紙22 8(6)リプレイ検証によって出た全ての決定に対して異議を唱えることは許されない。異議を唱えた場合、監督は試合から除かれる。


“誤審”を認めた審判団はバファローズ側に謝罪したという。敗戦処理。は謝罪する必要など無いと思ったが、“誤審”と認めた以上謝罪をせざるを得まい<苦笑>

また、“誤審”だったとして、何故リプレー検証したのに誤審したのだろうか?


一方の(不利益を被った)当事者に執拗に迫られての再検証で、どちらとも解釈出来そうな微妙なものが前回と逆に見えたのか?と書いたが、そうでなく、見方が悪かったとも考えられるが、試合中のリプレー検証も時間無制限で何度も何度も繰り返し映像を見る訳ではない。制約の中で与えられた判断材料で複数の審判員の眼で検証したものを判定として結論づけているのだから、再検証することがそもそもおかしいのだが、見方によって解釈が異なるというのなら今後の課題として活かすべきではあろう。


そして、“誤審”という言質を得たバファローズは中村晃の打席からの再試合を要望したという。推測ながらさすがにこれは“ハッタリ”込みで、「我々は真剣に試合をやっているのだから見間違えましたで済むと思うなよ!」というプレッシャーというところだろう。いくら何でも“やり直し”はないと思う。


blog428日付井野修氏「申告敬遠は試合時間短縮を意図したものではない」 で触れたが、敗戦処理。は428日に『2018年の野球規則改正』というトークイベントを聞いてきた。このリクエスト制度や申告敬遠制度に関するトークが主だったが、最後の質疑応答で参加者から「リプレー検証をしてもどちらか判断出来ない、あるいは審判員の意見が一致しない場合はどうするのですか?」という質問が飛んだ。


答えたのは、この件でバファローズ球団に謝罪したという友寄正人審判長。友寄審判長はこんな感じで答えた。

「そういう時もあると思います。その場合はグラウンドの審判が判定した通りの判定にします」

聞いていた敗戦処理。も納得したが、この試合ではグラウンドで下した判定を覆した結果が“誤審”だったのだとしたら、審判団も判断基準が統一されていないことになる。これはお粗末だ。


なお23日のスポーツ報知では、ホークス側の抗議が“ダメ元”だったことに言及している。打球がライト方向だったから打った中村晃は「見た感じ、ファウルだと思った」と言い、工藤公康監督にリクエスト行使を促した一塁コーチの藤本博史コーチは「ダメ元でね」と言ったという。その程度の感覚での“リクエスト”で誤審したと報知は言いたいのかもしれないが、推測だがリクエストの中にはダメ元が含まれているだろう。一試合で二度までは行使出来るのだ。試合終盤で未使用だったらダメ元でと言うリクエストはこれまでもあっただろう<>


敗戦処理。はリプレー検証を行ったところで誤審が0になるとは思っていない

中継局の映像が対象となり得るすべてのプレーを網羅仕切れるとは限らない。


ただ、この制度を導入することで監督らによる無駄に長い抗議が削減されるし、リプレー検証後の判定に抗議してはならないと決めることで再抗議を防ぐことが出来る。また、本当に判定を覆そうというものでなく、選手に活を入れるためのパフォーマンス的抗議や、球団の親会社のお偉いさんが来ているからと言って一生懸命さをアピールするための抗議もなくなるだろう<>


そして何よりも映像というより客観的なもので検証することで、0にはならないにしても誤審の確率はかなり低くなるだろう。


ただひとつ懸念されるべきことは過去の本塁打(スタンドイン)かインプレーか等のリプレー検証の時点でも一部で囁かれた、審判員間の力関係で判定が決まってしまう恐れがあるのではということ。いわゆるタテ社会ならではの問題だ。そしてそもそも立場としては公平ではあるが最初に判定した人が再度判定するということの公正性だ。大相撲の物言いの際、当たり前だが行司は参加しない。


導入一年目の制度だけに、想定外のことも起きるだろう。


例えば、54日のファイターズ対マリーンズ戦。二盗を試みたファイターズのオズワルド・アルシアのスライディングが過剰でベースカバーに入ったマリーンズの藤岡裕大を負傷させたが、当初セーフだった判定がマリーンズの井口資仁監督のリクエストによってリプレー検証した結果、アルシアのスライディングが守備妨害に当たるとしてアウトに判定が覆った。アルシアのスライディングは危険極まりない行為だったが、本来、守備妨害(あるいは走塁妨害)か否かはリクエストの対象外と決めていたはずで、翌日、審判団はファイターズの栗山英樹監督に謝罪したという。これは運用を誤ったのだから、謝罪というのは当然の流れだろう。


だが、だからといって福良監督の試合後の抗議はあってはならないことだ。


福良監督に限ったことではないだろうが、これまで多くの監督は誤審に泣かされてきたと(少なくとも本人は)思っているだろう。それが解消されるはずのリクエスト制度にリプレー検証という制度が出来たにもかかわらず、試合結果に直結するシーンで“誤審”が出たのだ。本当は判定直後に審判団に再抗議したかったのだろうが、そこは大人の判断で辛うじて我慢した。だが、結果としてその一打が決勝弾となって試合に敗れた。堪忍袋の緒が切れ、試合終了直後に血相を変えて審判団に詰め寄ったのだろう。長村裕之球団本部長のやり直し要望も、そんな福良監督の思いを察しての“パフォーマンス”的側面もあるのかもしれない。


それらいろいろと考えても、試合後に再検証に応じた佐々木責任審判の姿勢は問題視されるべきである。福良監督の行為も試合中であれば退場処分になるものであるから、本来は処罰の対象だが、誤審と認めてしまったために処分出来るのかどうかという問題もある。あくまで対応の拙さという点で佐々木審判員は処分の対象であろう。

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