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2018年5月 5日 (土)

マリナーズ会長付特別補佐就任のイチロー、“来季の日本開幕戦出場”報道への疑問

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日の深夜の第一報に驚いた。今季、古巣のマリナーズに復帰したものの思いの外好成績を残せないイチロー、レギュラー級の外野手の復帰で“戦力外”扱いされるのではないか等の声がチラホラする中、マリナーズが異例の措置を講じた。今季は25人枠から外れ、もう選手としては出場しなくなるが、会長付特別補佐に就任し、残りのシーズンもチームに帯同して練習も続け、チームメイトへのアドバイスもするという。決して現役を引退する訳ではなく、来季以降のプレー続行の可能性も示唆された。


これを受けての日本のスポーツ紙などの報道では来年320日、21日に予定されるマリナーズの日本での公式戦開幕戦に選手として出場するのではないかとの報道が散見される。


これでホッとするファンの人もいるのだろうが、現時点ではずいぶんなめられた感じがする報道だと敗戦処理。は感じた。

 

◆ マリナーズ イチロー 今季試合に出場せず 特別アシスタント就任
(NHK 5月4日11:09)



マリナーズがイチローと契約した頃から、大功労者イチローの現役生活の締めくくりを古巣の球団が面倒を見ようと名乗りを挙げたのだなと敗戦処理。は勝手に推測していた。正直に言って、大リーグの様々な“事情”には疎い敗戦処理。ながら、昨オフになかなか所属が決まらない実態があったので、日本でのマスコミ報道とは裏腹に現地での評価は冷静に下されたなと感じていた。そこに古巣マリナーズとの契約がまとまった。何となくその背景を想像していた。


もちろん、そのこと自体、イチローにとっても、マリナーズにとっても素晴らしいことだ。日本では素晴らしい成績を残した選手であっても、ある程度以上の高年俸となると球団で抱えられなくなってFAで出ていくのはご自由にどうぞ、それどころかFA移籍なのに“放出”とまで表現される球団があり、あろうことかその球団のファンがそれをさも当然のことのように受け止めている球団があるが、さすがアメリカ大リーグ。将来的に野球殿堂入りが確実視される功労者に敬意を表し、外野手のレギュラー級選手に故障者が出ているという台所事情があったにせよ、契約しているのだ。そして、選手としては戦力外になりかねない状況に陥って、どういう処遇にするのかと思ったら“球団会長付特別補佐”という肩書きでの契約。


大リーグでも異例中の異例だそうだ。決して現役引退ではない。いわゆる25人枠から外れ、かつコーチ職でもないからベンチで選手を指導する訳ではない。“フロント入り”という表現を用いていた報道もあるが、グラウンドで現役選手とともに練習をし、自らを鍛えるだけでなく、若い選手へのアドバイスもするという。今季は今後また故障者が出てもイチローが現役に復帰するということはなく、復帰の可能性は来季以降だという。日本のメディアはこの情報から来季のマリナーズが来日して行うアスレチックスとの開幕戦でのイチローの現役復帰に結びつけている。


本当なのだろうか?日本での開幕戦は、開幕戦というように公式戦の一部だ。普通に考えて今より衰える、あるいはせいぜい現状維持の選手が、大リーグでは国外での開幕戦に特例として出場選手の枠が拡がるとはいうもののそこにイチローがそれなりのコンディションで出場出来る可能性は限りなく低いと考えられないか?


開幕戦興行は、本番である公式戦二試合の前に読売ジャイアンツなどNPBのチームと調整で試合を行うのが慣例となっている。ここに選手イチローが出場するというのが現実的な落としどころだと思えるが、それにしても日本のファンの感覚としては“引退試合”に近いものとなるだろう。推測だが調整試合にはジャイアンツとともにイチローの古巣、オリックス・バファローズが名乗りを挙げることだろう。本音をいえばイチローが所属するマリナーズだけでも大阪に招き、京セラドーム大阪でイチローの“引退試合”を行いたいだろうが、移動の負荷を嫌がられ、かつて阪神タイガースが調整試合の相手を務めた時のようにバファローズが東京ドームに出向くかもしれない。そしてこの調整試合を最後に、再びイチローは選手としてプレーしなくなるかもしれない。日本ではほとんど考えられないが、アメリカ大リーグではいわゆる現役引退表明をせずに自然とフェードアウトする大物選手もいるらしい。


イチローは先に大リーグ入りした野茂英雄とともに、それまでのファンが抱いていたアメリカ大リーグ感をことごとく覆す活躍をしてくれた。イチローというひとりの日本人選手の活躍を、あたかも日本プロ野球の活躍かのように盛り上げようとする報道まで散見された。イチローは日本でだけでなく、ひとりの大リーガーとしてもレジェンドと呼ばれるにふさわしい、記録的な金字塔もいくつか樹立した。だが、そのことによって、いつか必ず来る衰えと、その先にある“引退”に対する物差しがマスコミから触れられなくなった。


敗戦処理。より年配の人に言わせると、かつて長嶋茂雄に関しても引退が近いだの限界に近いだのとの報道はほとんどなかったがそれに似た感覚が近年のイチローに対してもあったという。ましてやイチロー本人による「最低でも五十歳まで現役…」云々の宣言がある。イチロータブーが報道にあることは気が付く人は気が付いても、そうでない人には気が付きにくいのかもしれない。


また、イチローや野茂、さらには松井秀喜佐々木主浩など日本の野球のスーパースターが数多くメジャーリーガーになったにも関わらず、ファンはその日本人メジャーリーガーのプレーだけを追い続け、メディアもそれに歩調を合わせる形になったため、大リーグ基準という物差しを知ることなく日本人メジャーリーガーの一挙手一投足だけが興味の的になってしまうという事態になることによって、客観的な評価が出来にくくなっているように敗戦処理。には思える。


まだ5月だ。今季も先は長い。これからはマリナーズのチームメイトと同じユニフォームを着て一緒に練習を続けるといっても、大リーグでも試合前の練習時間には制約があるのだろう。例えば試合前の練習でイチローに対してノックの打球を打つ時間があれば、その時間を試合に出る可能性のある選手に振り分けるべきだと思うし、打撃練習も然り。また、チームメイトにアドバイスするといっても少なくとも試合中のベンチには入れないということなので、ベンチの裏などやることも限られよう。


日本でも最近は少なくなったが現役を引退した翌年の春に引退試合を行う選手もいる。引退した、前年の9月なり10月なりまで真剣勝負の場にいた選手でも最後の姿はお世辞にも全盛期を彷彿するとは言えないケースもある。イチローは現役選手のままで来春の日本開幕興行に同行するとしても、今書いたような練習状況などから推測するに、日本のファンがけじめを付けられるに値するイチローの姿であるか今の時点では判断しがたい。


ましてや、一部のファンが未練がましく信じている日本球界復帰も限りなくゼロに近い可能性なったと言って差し支えないだろう。
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ところで、各種報道でイチローと関係の深いいろいろな野球人のコメントを見た。

松井秀喜はどうなのだろう?


松井もいっそのこと、ヤンキース球団と終身契約を結んでみてはどうか?さぞかし読売は慌てふためくだろう。高橋由伸監督と中畑清は胸をなで下ろして喜ぶかもしれないが…。


また、オフにはイチローと同じような境遇だった青木宣親はどうだろうか?今回の契約で上述の如くイチローの日本球界復帰は今度こそほぼなくなったと見て良いだろう(中日ドラゴンズの西山和夫球団代表はどういう契約か確かめたいと言ったそうだが)。となると先日報じられた、通算4000打数以上の選手の最高打率の座を今後の自分の成績次第ではあるが、最大の敵であるイチローに抜かれる可能性が無くなったのである。内心ホッとしたのではないか。


最初に断り書きをしたように敗戦処理。は大リーグの野球に疎い。この文章も大リーグ…云々と書いているが日本のプロ野球を日々観ている感覚で書いている。イチローはこれまで、良い意味で日本から見ているファンの感覚を裏切ってというか、超えてきた。今回も敗戦処理。のような日本の感覚でものを言うファンを裏切ってくれれば良いのだが、今回ばかりはイチローのこれまでの功績を称えることを優先に、現実の厳しさに目を向けていないものと思っている。マリナーズとイチローの決断に対しては敬意を表するものの、一連の報道のいくつかにはいささかの疑問を感じざるを得ない。もうイチローのプレーは観ることが出来ないと思っている。少なくとも“イチロー”たり得るイチローのプレーは。


【参考】
【ヒルマニア】イチロー、ブランクからの現役復帰は難しい

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コメント

今回のイチローの特例的な任意引退は来季の日本凱旋と完全にリンクしたもので、ビジネス面による判断以外の何物でもないでしょうね。普通に40人枠から外せばまだ今シーズン中出場のチャンスはあったのでしょうが、40人枠から外すということは低いとは言え他球団に取られる可能性もありえなくはなく、そういったことも考慮して今回の判断に至ったのでしょう。

>日本でも最近は少なくなったが現役を引退した翌年の春に引退試合を ~ 日本のファンがけじめを付けられるに値するイチローの姿であるか今の時点では判断しがたい。
これについては僕も以前「山本昌の2度目の引退試合」の記事 http://haisenshori.cocolog-nifty.com/baseball2/2016/03/post-1cb7.html で書いたことがありましたが、まったくもってその通りでタイミングとしても不適切に思います。がしかし冒頭書いたようにビジネスとして成立するという最大の理由によってイチローの引退試合が日本で行われることになるでしょう。

>日本では素晴らしい成績を残した選手であっても、ある程度以上の高年俸となると球団で抱えられなくなってFAで出ていくのはご自由にどうぞ
敗戦処理さんはだいぶMLBに疎いようなので指摘されていただくと、MLBでは実力以上に高年俸となった選手はFAで引き留めないどころか7月末のフラッグディールトレードで積極的に放出するのがチーム強化の常套手段となっています。そして素晴らしい成績の選手ほど尚更いいトレードの駒となるものです。

去年のダルビッシュ放出の際に見られていたようにそれに対するファンの反応もトレードそのものはチーム作りにおいて当然のことと捉え「ダルビッシュで誰が取れたか」というチーム強化の観点でトレードが語られていました。これは「チームのファン」として極めて正しい見方です。

また主力選手の放出に関して日本と違うのはこれがお金のない球団に限った話ではないということです。所謂金満球団であっても将来を見据えてトッププロスペクトを起用するためコスパの悪い主力選手の放出は当たり前のように行われています。MLBではGMがそうした合理的な判断を下し、結果正しい判断となることで優勝争いの出来るチームが作られていくのです。

サフラン様、コメントをありがとうございます。

> 敗戦処理さんはだいぶMLBに疎いようなので指摘されていただくと、

半分(以上)皮肉を込めて書いた部分にマジレスを頂戴し、お手を煩わせてしまって恐縮です。

失礼しました。

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