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2018年2月23日 (金)

タイガース“超変革”が本当に必要なのは…

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春季キャンプも中盤にさしかかり、今週末にはオープン戦が始まるのだが、昨年の数字をいろいろ見ている。昨年はセ・リーグでカープに水を開けられたものの2位に入ったタイガース。福留孝介、糸井嘉男、鳥谷敬と元気なベテランのバットが火を噴いた攻撃陣の印象も強いが、その打線で挙げた得点を盤石なリリーフ陣で守り切るパターンが確立されていた。


37セーブを挙げてセ・リーグ最多セーブとなったクローザーのラファエル・ドリスと、ともにセ・リーグ最多となる43ホールドポイントを挙げたマルコス・マテオ桑原謙太朗を擁し、岩崎優、高橋聡文を加えた“60登板クインテット”。さらに52試合登板の藤川球児を加えたリリーフ陣は盤石で、タイガースに勝つには先発投手をKOするしかないとすら思えた。


だが、今年も同じやり方で通用するのかどうか、金本知憲監督の手綱さばきが注目される。


(写真:37セーブでセ・リーグ最多セーブとなったクローザーのラファエル・ドリス<右端>。 2017年10月撮影)

 



まず昨年のタイガースでは先発とリリーフを両方経験した投手が松田遼馬一人しかいない。松田は一試合だけ先発し、あとはすべてリリーフ。12人いた先発投手は一人を除き先発登板のみ。逆にリリーフ登板した17人の投手は一人を除きリリーフでの登板のみで、唯一の例外が松田であった。他球団ではそれぞれ事情があろうが先発とリリーフ両方で登板した投手が複数存在する。



近年では先発にしろリリーフにしろ専門職と考える球団が多く、例えばローテーションの谷間で先発投手がいない日にはリリーフ陣で好調の投手を先発させるのではなく、ファームで先発投手として投げている投手を抜擢する傾向がある。逆に先発ローテーションで不振に陥った投手はリリーフに降格させるという考え方ではなく、登録を抹消して先発投手として再調整させる。こうして考えると、タイガースで先発投手とリリーフ投手の顔ぶれがはっきり分かれているのは開幕時点での役割分担通りに各投手が期待に応えた結果という見方が出来るのかもしれない。もちろん流動性がないという見方もあるが…。


タイガースの、というか金本知憲監督の投手起用で強烈な印象を残したのは伸び悩んでいると思われる藤浪晋太郎に懲罰のように続投を命じ、近年の一般的な起用法からは考えられないような投球数を放らせて物議を醸したことがあったが、役割分担を明確化したという点では評価されても良いのではないか。


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リーグ最多の37セーブを挙げたクローザーのラファエル・ドリス63試合に登板。その上をいくチーム最多登板がまさに昨年ブレークした67試合登板の桑原謙太朗


これに次ぐのが左のセットアッパー岩崎優66登板。これに63登板のマルコス・マテオ61登板の高橋聡文を加えて“60登板クインテット”が完成。同一球団から60登板以上の投手が5人出たのは初めてだそうだ。だが、いくら何でもリリーフ陣に頼りすぎではないかとはタイガースファンですらもうすうす感じていたようだ。それは裏を返せば先発投手が今一つ頼りにならなかったということになる。



昨年のタイガースはチーム防御率では3.29でリーグ1位だったが、先発投手が投げたイニング数は8152/3で、Aクラス三球団ではカープの852回、ベイスターズの8282/3に比べて少ない。


ランディ・メッセンジャーを別にすれば上述の藤浪は迷走し、ベテランの域に達した能見篤史には陰りが見え、逆に秋山拓巳は頭角を現したが、総じて強力先発陣とは言いがたかった。
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それを補って余りあるリリーフ陣の奮闘だったが、二年続くかというといささか疑問である。



もちろん60試合以上登板の金属疲労が心配であるが、とにかくフル回転したリリーフ投手にベテランが多いのである。これが同じAクラスのカープ、ベイスターズとの決定的違いなのである。

67試合登板(652/3)桑原謙太朗=33歳。
66試合登板(712/3)岩崎優=27
63試合登板(63)ドリス=31
63試合登板(59)マテオ=34
61試合登板(472/3)高橋聡文=35

さらに

52試合登板(562/3)藤川球児=38
※年齢は今年の満年齢(学年計算)

登板数の上位に二十歳代の投手は岩崎だけ。昨年、リリーフ投手が投げた投球回数は合計で470回だったが、昨年の時点で満31歳以上の投手が投げたイニング数が2371/3。リリーフ投手の全イニング数のうち、31歳以上の投手が投げたイニングが約50.5%と過半数に達している。これをカープ、ベイスターズと比較すると、カープではそもそも昨年、31歳以上の投手がリリーフ登板していない。ベイスターズでも昨年33歳だった藤岡好明が最年長のリリーフ投手で31歳以上は藤岡を含め5人。合計で491/3にしかならない。つまりカープやベイスターズでは昨年と今年、同じ顔触れで同じような登板頻度になっても昨年同様かそれ以上の投球内容を期待できる可能性が高いが、タイガースは昨年と同じリリーフ陣の顔ぶれだと次々とパンクしてしまう危険性が考えられるということだ。
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慣れないグラフにチャレンジしてみた<笑>。黄色がタイガースで赤がカープ、青がベイスターズのリリーフ投手の投球回数。左に行くほど高齢の投手。タイガースに比べてカープやベイスターズのリリーフ陣が若手中心と言うことをおわかりいただければ幸いだ。


もちろんリリーフ投手は若ければベストとは限らない。修羅場のピンチを切り抜けるには百戦錬磨の経験がものをいう場面も多いだろう。だが60登板を超えるリリーフ投手が5人もいるほどのリリーバー依存症では昨年のチーム成績を上回ることはおぼつかない、と危惧するのは敗戦処理。だけでは無いだろう。こう書くと新外国人ウィリン・ロサリオが加わる打線の強化に期待できるという声が聞こえてきそうだが、クローザーに限らずリリーフ投手への負荷は10のリードでも10対9のリードでも同じはずだから要注意である。


先発投手陣の再建も当然の課題だが、二十歳代のリリーバー、昨年の実績組では26試合、302/3を投げた今年28歳の石崎剛25試合、332/3(ともに先発登板を除く)を投げた今年25歳の松田のレベルアップに期待したい。
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ただ、当たり前だが若いからと言って登板過多は気を付けなければならない。



その意味では(その意味で獲得したのかは定かでないが)大和のFA流出に伴う人的補償でベイスターズから今年24歳になる投手の尾仲祐哉を獲得したのが効くかもしれない。ルーキーだった昨年23歳の尾仲は11試合すべてリリーフ登板で191/3を投げたが、昨年のタイガースでは23歳以下の投手がリリーフ登板したのは二人だけで、合計で3試合、32/3しか投げていない。


ところでここまで敗戦処理。は投手の登板数や投球回数ばかり書いているが、その結果の防御率に言及していない。それには理由がある。近年、投手の負荷の度合いを測るのに投球数を調べることが不可欠なのは理解しているつもりだ。だがそれとは別の次元で、試合に勝つためには27のアウトを相手から取らなければならない。また、プロ野球はトーナメントではなくリーグ戦だから負ける試合も当然あるが、負けるにしても27のアウト(ビジターだと24のアウト)を奪わないと負けるにしても試合が終わらない。投球数などで投手の登板イニング数に制限を加えようが、誰かが27のアウトを奪わないと試合が終わらないのである。だからここでは敢えて防御率には触れずにイニング数にこだわっているのである。特に先発投手を投球数目安に交代のタイミングを決めるとしたら、リリーフ陣の仕事は残りいくつのアウトを奪わなければならないかマウンドに上がるまでわからないのだ。それが決まっているのはせいぜいリードした試合の最終回に投げるクローザーだ。極論を言えば何球投げたから交代、では投手が何人いても試合が終わらない可能性もあるのだ。


もちろん、タイガースのリリーフ陣が同じ顔触れでも昨年並み、あるいは昨年以上の力投をする可能性もあるが、普通に考えて三十歳代のリリーフ陣が揃って二年連続で好成績を続けると楽観視は出来まい。ただ、昨年から報道されているが金村暁、香田勲男両コーチによる新たなブルペンでの調整方法がここまで書いた危惧を杞憂にするのかもしれないが。


もっとも、あくまでひょっとしたらの領域を超えないが、一年後を憂慮して金本監督がエース候補の藤浪に敢えて試練を課していた可能性も考えられなくもないが…。何だか二重否定の連続で面倒くさい文章になってしまったが、固定概念で考える<!?>敗戦処理。にはそれこそ超変革が必要な投手陣(あるいは起用法)に思えるのだ。


なお、因みに昨年4位に終わったジャイアンツでは先発投手の投球回数は上位Aクラス三球団を上回る8652/3である。タイガースとは逆に信頼できるリリーフ投手が限られているから先発投手が長く投げざるを得ないのだろう<苦笑>8652/3ということは一試合平均の先発投手の投球イニング数は約6.1イニング。Aクラス三球団はいずれも6に達していない。ただこの6.1イニングという数字も鵜呑みにできない。菅野智之、田口麗斗に昨年限りで退団したマイルズ・マイコラスを加えた三本柱の平均投球イニング数は7イニングぴったり。単純に考えて七回まで投げてリードを保てれば後はスコット・マシソン、アルキメデス・カミネロのリレーで逃げ切れる。だからこの三人が先発する試合は勝率が高い。しかし三本柱以外の投手が先発した試合の平均投球回数は4.9イニング。あくまで平均値ではあるが勝利投手の権利を得る五回を投げきれないことになる。このあたり三本柱合計で27の貯金を稼ぎながらトータルで貯金4にしかならず11年ぶりのBクラス転落となったギャップが垣間見られる。


話を戻す。
昨年のAクラスチームによる頂上対決、両リーグのクライマックスシリーズ16試合に日本シリーズ6試合を加えた計22試合を振り返ると、六回を終えた時点でリードしていてそれ以降に逆転劇があったのは日本シリーズの二度だけで、六回終了時でリードした方のチームは162敗だった。シーズンを通して安定してAクラスになるようなチームは試合終盤の継投“勝利の方程式”が盤石であることを裏付ける。だがその勝利の方程式を確立する顔ぶれがあまりにもベテランばかりだったら…。その安定は二年続くのか…!?


金本監督も当然考えているだろう。オープン戦の見所のひとつになるかもしれない。

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