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2017年12月21日 (木)

スポニチアネックス“「推定」にモヤモヤ…透明性ある野球界にするため全選手の年俸公開を”に思う。

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今日
21日のスポニチアネックスの記事が波紋を呼んでいる。透明性のある野球界にするために、選手の年俸を推定ではなく実際の金額を発表した方が良いだろうという趣旨なのだが、果たしてそれが必ずしも必要なことなのだろうか?


◆ 「推定」にモヤモヤ…透明性ある野球界にするため全選手の年俸公開を
スポニチアネックス122111:40



言いたいことはわかる。ただ透明性があるというと聞こえが良いが、必ずしもそこまでやる必要があるのだろうか。



ノンフィクションライターの長谷川晶一さん( @shozf5 )がツイッターで上手く言い当てている。

SHOICHI HASEGAWA @shozf5

個人事業主であるプロ野球選手の年俸公開が、どうして球界の透明化につながるのか? ゲスな好奇心を正当化するにも無理がありすぎる。



知りたいことは出来るだけ露にして欲しいという考え方もわかるが、“推定”で良いのではないか、実際の年俸をオープンにするということが果たして透明化なのだろうか?



スポーツ新聞が、取材対象に対して透明化を求めるのも理解できる。ただ敗戦処理。は別にスポーツニッポンを個別に批判するつもりはないが、それ以前にするべきことがあるだろうと感じている。上記のスポニチアネックスの記事にもあるジャイアンツの山口俊の年俸の件、拙blogでは9 1日付けで選手会が、山口俊へのジャイアンツの処分に異議 というエントリーで言及したが、山口俊の今季の年俸額にまずメスを入れるべきである。


上記のスポニチアネックスでも“つまり、なんでもありなのである。”で済ませているが、規約で定められていることの例外になる特別な事情が何なのか、コミッショナーなりジャイアンツに追求すべきではないか。ファンの感想ならいざ知らず、その気になれば対象相手に取材が出来るはずのジャーナリズムなら読者に問いかける前にまず行動すべきだろう。特に山口俊のケースに関しては推定だから、あくまで推定に過ぎないから等と簡単には逃げ切れない。例の暴力事件に関してのジャイアンツが下した罰金と減俸処分があまりにも高額すぎると選手会も主張しているくらいだから、昨年の推定年俸である8000万円から規約通りに同額であるとは考えにくい。


推定年俸8000万円と目された選手の年俸が実は9000万円だったというのなら、それこそ推定というレベルゆえの誤差と思えるが、実はコミッショナーに特別な事情を認めさせて23000万円だったというのは、取材する側の能力の問題である。そして同時に“何でもあり”と開き直るのではなく、コミッショナーやジャイアンツに食い下がるべきであろう。

フリーエージェント規約第7条(選手契約の条件)
“FA宣言選手と選手契約を締結する球団は、当該選手の参稼報酬年額を日本プロフェッショナル野球組織に所属する球団での同選手の直前シーズンの統一契約書に明記された参稼報酬年額(以下「前参稼報酬年額」という。)を超える額とすることはできない。ただし、球団が当該選手の前参稼報酬年額及び稼働成績に関する特別な事情をコミッショナーに文書で申請し、コミッショナーがこれを認めた場合は、本条の制限を超える参稼報酬年額で選手契約を締結することができる。”


山口俊が前年のベイスターズ時代の年俸の据え置きでなく、ジャイアンツとの大型契約をベースにした金額で契約していることの“特別な事情”とは何なのか?そういうこともせずに“透明性ある野球界に”とか言われても説得力を感じない。


そして、性懲りもなく同じジャイアンツの陽岱鋼の契約更改のニュースで“現状維持の3億円(推定)”と書いているのだ。


一般的にFA移籍で大型契約を結ぶ選手の“○年総額□□□□円”とは、その総額を契約年数で割った金額をその○年間均等にもらうものではない。例えば、移籍前に年俸1億6000万円だった選手がFA移籍して移籍先の球団と5年総額15億円という契約を結んだとしよう。先の規約通りなら移籍一年目の年俸は16000万円据え置きで、残る四年間で15億円から1億6000万円を引いた134000万円をもらうのである。


134000万円を四等分した金額を一年ずつもらうとしたら、来年の年俸は3億3500万円になる計算だ。初めに総額を決めているから移籍一年目に期待通りの成績を残せなかったにしても、その選手の年俸は16000万円から3350万円に跳ね上がるのだ。FA移籍で大型契約を結んだ選手が移籍一年目に期待を裏切る成績に終わっても契約更改で年俸アップを勝ち取るケースがたまにあるのはこういう事情があるからなのだ。


これならばファン心理を考えれば、移籍一年目から均等にこの場合で言えば五年契約の五年分を五等分した金額にして現状維持で契約更改にした方がまだスッキリすると敗戦処理。も思う。だが、上に書いた規約が存在する以上、そうするには“特別な事情”をコミッショナーに申請して認めてもらわなければならないのだ。山口俊や陽にほかのFA移籍選手と異なる“特別な事情”があるのだろうか?あるとしたらそれは何なのか?それをスポーツジャーナリズムがきちんと取材して解明して記事にすることこそが“透明性ある野球界”への道だろう。


百歩譲って、各球団あるいは選手が契約更改後に実際の年俸金額を公表することになったとしよう。スポーツ新聞はその金額が本当の金額なのか裏も取らずに右から左に記事にするだけだろう。要するに横着するだけだ。選手同士のいざこざを避けるために球団が特定の選手とつるんで嘘の金額を公表することがあっても、何の検証もしないからそれがファンに知らされるだけだろう。そんなことよりも、各記者が腕を磨き、契約更改後の選手にあの手この手の質問を浴びせ、それこそかまをかけたりして金額を暴き出すようにした方がジャーナリズムとしても健全であろう。


日本のプロ野球界では一部にはいまでも入団時の契約金などに表には出せない金額が動いているという噂がある。この記者が本音ではそういう暗部に切り込みたいのだが、直ちにそれを記事にすることは出来ないから差し障りのない“推定年俸”という習慣にメスを入れると置き換えて書いていると考えられなくもないが、ちょっと買いかぶりすぎだろう。


この記者の提案は透明性という美辞麗句に名を借りた職務怠慢を招く行為に過ぎないと思う。本当に“透明性ある野球界”を望むのなら他にやることがあるだろう。

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