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2017年10月16日 (月)

大雨の甲子園球場でクライマックスシリーズを強行開催

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日に甲子園球場で行われたセ・リーグのクライマックスシリーズ、ファーストステージの第二戦は大雨の中、強行挙行(開催)し、内野には水たまりができ、外野に転がるゴロの打球は水によって勢いが殺される。両軍の選手が泥だらけになりながら九回終了まで行われ、ベイスターズが13対6で勝って11敗のタイに持ち込んだ。



今日16日に行われる予定の第三戦は試合前に中止になり、明日17日に延期。予備日はこの一日だけで、18日にはマツダスタジアムでカープと、このファーストステージを勝ち上がったチームとの間でファイナルステージの第一戦が行われる。


明日、勝った方がファイナルステージに進出するが、レギュラーシーズンで上位(2位)だったタイガースは試合が引き分けでも、また、試合が中止になってもファイナルステージに進出することになる。つまり、タイガースは基本的には明日負けない限り、ファイナルステージの進出権を手にする。


それにしても、15日の第二戦は酷かった。


(写真:試合開始前の降雨で内野部分にシートをかぶせて回復を待つ甲子園球場 20076月撮影)



この対戦に興味を持っている人は既にご存知だろうが、クライマックスシリーズの当日の試合の挙行(開催)を決めるのは、試合開始前はセ・リーグでは杵渕和秀統括で、試合開始後の途中終了(ノーゲーム、コールドゲーム)は杵渕統括の代行となるは審判員だ。公式戦では終盤戦の一部を除き、試合開始前の試合を行うか否かは主催球団が決めるが、日本シリーズ進出をかけたCSではNPBのセ・リーグ統括である。また、上述したように、引き分け試合や雨天中止は基本的に上位球団に有利になっている。だから15日のタイガースとベイスターズの第二戦も、簡単に雨天中止には出来なかったのだろうし、試合途中での打ち切りも決断できなかったのだろう。敗戦処理。は夜のニュースで映像を確認しただけだが、よくもまあこんな環境で試合を最後まで行ったと思う。



ヒーローインタビューの筒香嘉智をはじめ、敗れた金本知憲監督も「条件は同じ」と口にしていたが、いくら条件が同じとはいえ、あの天候で試合を行い、かつ最後までやらなければならないのかという疑問を感じた人は多いだろう。


クライマックスシリーズという制度は、アメリカの大リーグがワールドシリーズにたどり着くまでの短期戦を折り込んで盛り上がることを参考に、パ・リーグが2004年からプレーオフ制度として導入したものを、セ・リーグが足並みをそろえる形で2007年からクライマックスシリーズとして統一された。


当初、パ・リーグだけの導入だった時にはセ・リーグが行っていないこともあり、いくら盛り上がったとしても、プレーオフで力を使い果たして日本シリーズで惨敗しては意味がないのでセ・リーグとの日本シリーズに支障が無いように引き分け再試合は行わない等日程を日程通りに消化することも重要な要素とされた。そして、どのみち敗者復活戦に変わりはないので引き分けや、雨天中止などで試合を行えずに日数を費やす場合は上位球団に有利になるように設定された。


パ・リーグがプレーオフで消耗する間、セ・リーグの優勝チームは独自に調整できるのでセ・リーグのチームの方が日本シリーズでは有利になるのではないか?との見方もあったようだが、パ・リーグだけがプレーオフを行っていた2004年から2006年までは日本シリーズでは三年ともパ・リーグのチームが勝利した。


そのことに危機感を覚えたからか、あるいはジャイアンツが2005年と2006年に球団史上初めて二年連続でBクラスに転落したからか、セ・リーグもプレーオフ導入に踏み切り、2007年から両リーグが足並みをそろえる形でクライマックスシリーズという名称で導入された。因みにパ・リーグがプレーオフ制度を導入したのは当時の福岡ダイエーホークスが強すぎるからとも揶揄された。


もう覚えている人も少ないかもしれないが、クライマックスシリーズ元年はファイナルステージにアドバンテージが付かなかった(どちらかが三勝したら終了)。アドバンテージを付与することで一試合行われなくなることが興行上もったいないからという理由だったが、ジャイアンツが3位ぎりぎりで進出しても日本シリーズに出やすくするためではないかと当時は邪推された。そして2007年にレギュラーシーズンで五年ぶりにリーグ優勝したジャイアンツが、ファーストステージを勝ち上がったドラゴンズにあっさりと三連敗すると、翌年から優勝チームにファイナルステージでは一勝のアドバンテージが付与され、四勝で日本シリーズ進出にすることで試合数減を防いだ。以後、この2008年からのスタイルで今季まで続いている。


blogをわざわざ読んでくださる方ならご存知と思われるCSの歴史を何故長々と書いたかというと、アドバンテージを含め敗者復活戦的要素が濃いので、当然ながら上位チーム有利にルールそのものが制定されているのだ。CSの導入によって日本シリーズの価値が相対的に落ちたという見方もあるが、それでも日本シリーズ進出を賭けた特別な試合。審判六人制を行うし、試合開始前の試合挙行の決定権を主催球団に与えないなどの措置を講じている。


なお、ファーストステージに関してはファイナルステージ第一戦の前日が一日だけの予備日になっているが、ファイナルステージは日本シリーズ初日の三日前までを予備日に設定している。今年の場合、ファイナルステージは1018日(水)が第一戦で23日(月)まで六連戦で第六戦を消化する日程になっているが、日本シリーズ第一戦(28)の三日前に当たる25()までが予備日。雨天中止などで25日までに消化しきれなかった場合にはその時点での勝敗で日本シリーズ進出球団を決める。



一部のファンはそもそもファイナルステージの日程が、最短で第三戦で終わった場合に土日開催無しになるという点から、ファーストステージにもう一日くらい予備日を設けても良いのではという意見のようだが、そもそもは敗者復活戦。そこが大リーグのポストシーズンゲームとは決定的に異なるのだから、日程優先、上位チームに有利な制度というところは敗戦処理。としても崩すべきでは無いと考えている。

16日のCS放送、フジテレビONEの『プロ野球ニュース』で解説者達が今年のセ・リーグのようにCSが雨で日程消化が困難なときには予備日だけでもドーム球場を借りてはどうかと話していたが、それはさすがに無理があるだろう。



ただ、引き分けはともかく、試合が中止になっても一方の球団(上位チーム)に有利になり得るという制度であることが、昨日15日の第二戦の挙行及び途中打ち切りを判断しようにも判断できなくなったという要素は無いだろうか?あの状況で試合を最後まで行ったということが一見公平に思えても、タイガースを有利にする判断を誰もしたがらなかった結果では無いのかという疑念は残ると敗戦処理。は思う。ではどうすべきだったかというと、なかなか答えが出ない。敗戦処理。が試合をリアルタイムで観ていないということもあるが、五回終了の試合成立時点で打ち切るというのも容易には判断できなかったのだろう。クライマックスシリーズという制度上、最悪の事態が起きてしまったというしかないのかもしれない。


試合に敗れた金本知憲監督のコメントに注目した。


「いつ試合が中止になるか分からん状態だったから。早めにいかなアカンと思いつつも、9回までいったら、というのも両方考えないといけなかった。しんどい試合だった。考えることが多くて


先発の秋山拓巳を3イニングで2失点。三回裏に1点勝ち越した後に四回表から交代させたのも、五回で終わることも考えてこのリードのまま逃げ切らなければならないと考えたからだろうし、だからといって九回まで続く可能性もあるので、いつもなら八回と九回に投げるセットアッパー、クローザーを四回と五回に投入するという訳にもいかない。


ここから先はおそらく指摘している人がいたとしても少ないと思うが、金本監督は三回で秋山を降ろした段階では、ファーストステージを四試合行うことも考えていたかもしれない。


引き分け再試合を行わないクライマックスシリーズのファーストステージにおいて四試合行うことはあり得ないが、昨日のような試合が五回未満でノーゲームになった場合、あと二試合行うことも有り得る。ノーゲームになっても秋山が費やした3イニング、62球という事実は消えない。これが試合前に中止になっていれば秋山のスライド登板、第三戦までもつれた場合の先発に回すことも可能だったであろうが、ノーゲームプラス三試合となったらもう一人先発投手を用意しなければならないのだ。


ファーストステージから出るチームはファイナルステージに進出するにしても二試合で通過するか三試合で通過するかで、ファイナルステージ第一戦に先発する投手が変わる。迎え撃つレギュラーシーズン優勝チームはそんなことを考える必要も無く、予め先発ローテーションを決められるがファーストステージから勝ち上がるチームにはそれがままならない、このことだけでも優勝チームへのアドバンテージなのだが、今年の場合、タイガースまたはベイスターズはファーストステージ通過までに四人の先発投手を費やし、ファイナルステージ第一戦には五番手の先発投手をつぎ込まなければならなくなる可能性もあったのである。


金本監督が言う(アレックス・ラミレス監督にしても同じだが)“考えることが多くて”にはそこまで含まれているのかもしれない。


ただし、第一戦で勝利を挙げているタイガースは第二戦はまだ負けても後があるのだ。もしも老獪な監督だったら、この悪天候で先発投手を三回で降板させる時点で、極力リリーフ陣を第三戦に温存するという采配をしたかもしれない。六回を終わって66という同点になったために“勝利の方程式”通りに第一戦で1イニング24級を投じた桑原謙太朗を投入せざるを得なかったが、この桑原と最終回に投げたマルコス・マテオが第一戦に続く二連投となった。この二人は第三戦も勝つためには必要なリリーフ投手。今日一日休養できたが休ませることが可能なら休ませるべき投手だったのではないか。皮肉にも桑原とマテオで9失点したのだ。結局負けてもまだ後がある試合なのに613という試合でベンチに残っていたのはラファエル・ドリスただ一人という浪費ぶり。ベイスターズは何が何でも勝たなければならない立場だから内容がどうのとは言っていられないが結果的に最良の勝ち方になったとの見方も出来る。


明日の第三戦がどうなるかはわからないが、タイガースが投戒によって敗れるようなことがあれば、15日の試合で最大の判断ミスをしたのは挙行を決めた杵渕統括でも審判団でもなく、金本監督だったということになりかねない。


最後に杵渕統括のコメントを載せておこう。


「できるだけCSなので、やろうというのが基本。やったからには、9回が基本。次のステージに進むか、かかっている。レギュラーシーズンの中止と意味合いが違ってくる。(午後)5時くらいまで(雨は)小康状態。いけると判断しました。両チーム、ファンにとって、大変なところでやっていただいた」


日刊スポーツ、スポーツ報知、各種ネットニュースでこの試合に携わった人のいろいろなコメントを見たが、この悪環境の中、最後まで観戦したファンを気遣ったコメントは敗戦処理。が見た限りではこの杵渕統括だけである。それが残念だ。

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コメント

>ただ、引き分けはともかく、試合が中止になっても一方の球団(上位チーム)に有利になり得るという制度であることが、昨日15日の第二戦の挙行及び途中打ち切りを判断しようにも判断できなくなったという要素は無いだろうか?あの状況で試合を最後まで行ったということが一見公平に思えても、タイガースを有利にする判断を誰もしたがらなかった結果では無いのかという疑念は残る

敗戦処理さんも感じたように思いっきりCSルールや日程を意識しての雨天強行だったことでしょう。リーグ統括の意図をもっとはっきり言ってしまうなら
「土曜に阪神が1勝して迎えた日曜日は大雨、明日月曜も予報では大雨。もしこの2試合が雨天中止となれば火曜の予備日は仮にDeNAが勝っても阪神の勝ち抜けとなるので試合は行われず、結果的に阪神の1勝だけでCS1stが終わってしまう。そうなると色々と体裁がまずいので今日(日曜)は何が何でも試合成立させよう」
こういった意図が働いたとしか思えない雨天強行でした。まったく馬鹿げた論理であの試合は(通常の公式戦同様に)はっきりと天候を理由に中止すべきでした。

雨天強行の擁護論として翌日も雨天中止となるとその時点で阪神の突破が決定しちゃうからとあたかもそれが悪いこと・避けるべきことかのように言う人がいますがそこには何の理がありません。それはその人がルールに則らずに勝手にCSの行方をデザインしようとしてるに過ぎないものです。僕は阪神にもDeNAにも肩入れしない立場の人間ですが、日曜の試合の中止を主張する=阪神を利する決定だ!阪神贔屓だ!という批判も事の本質を分かってない人による戯言としか言いようがありません。何のことはない。CSルール上勝敗が並んだ場合は上位チームの勝ち抜けとなる。ただそれが適用されるだけの話であり、それが雨天中止によってもたらされるというだけの話です。

それにしてもプロ野球界は自分達がイメージする方向へ進めるためにルールに則らず都合良く解釈を変えたり、運用方法を勝手に捻じ曲げるということが多すぎます。ルールに則りシーズン途中支配下選手を育成契約に切り替えようとしたにも関わらず感情論で否定した金本問題、新ルールを守れない選手が続出すると突然運用方法を変更したコリジョンルール問題。法治主義より人治主義。いやポピュリズム裁定とでも言ったほうが適切でしょうか。

今回のCS雨天強行もこれらと並ぶ悪しき前例となりましたが、何よりリーグ統括の馬鹿げた論理のせいで大雨・泥土という悪条件の中で選手がプレーを強いられたこと、また同じくファンも悪条件の中試合観戦させられたことについてリーグ統括へ向けられるはずの批判がその後のCSの戦いや阪神園芸がどうだのというどうでもいい話題にかき消され矮小化されていったことに今でも憤慨収まらない気分です。

サフラン様、コメントをありがとうございます。

> 何よりリーグ統括の馬鹿げた論理のせいで大雨・泥土という悪条件の中で選手がプレーを強いられたこと、また同じくファンも悪条件の中試合観戦させられたことについてリーグ統括へ向けられるはずの批判がその後のCSの戦いや阪神園芸がどうだのというどうでもいい話題にかき消され矮小化されていったことに今でも憤慨収まらない気分です。

お気持ちわかります。正論だと思います。

昨今のテレビ番組(を代表としてその他マスメディアも)が、ほんのわずか数件のクレーム(それも重箱の隅をつつく様なもの)、さらに言えばまだ来ていないクレームに怯えて先手を打って味も素っ気もない番組作りでお茶を濁す論理と同じで、内輪の論理ですね。

> それにしてもプロ野球界は自分達がイメージする方向へ進めるためにルールに則らず都合良く解釈を変えたり、運用方法を勝手に捻じ曲げるということが多すぎます。ルールに則りシーズン途中支配下選手を育成契約に切り替えようとしたにも関わらず感情論で否定した金本問題、新ルールを守れない選手が続出すると突然運用方法を変更したコリジョンルール問題。法治主義より人治主義。いやポピュリズム裁定とでも言ったほうが適切でしょうか。

本エントリーとは直接関係のない事例だと思いますが、根っこは同じ問題かもしれませんね。

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