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2017年7月24日 (月)

『オレたちのプロ野球ニュース』読了-古き良き時代を振り返るだけではなく…。

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だいぶ時間がかかってしまったが、今年3月の東京野球ブックフェアで購入した『オレたちのプロ野球ニュース』長谷川晶一著・東京ニュース通信社)を読み終えた。フジテレビ系列で放送されていた『プロ野球ニュース』を初期から視ていた一視聴者として当時にタイムスリップするとともに野球人気の盛衰ぶりを振り返ることにもなり、懐かしい思いになった。


もちろん、古き良き時代を振り返るだけでは済まないのが敗戦処理。の“さが”なのだが…。



著者の長谷川晶一氏は毎年、東京野球ブックフェアでブースをもって著書を直売するとともに、球界OBをゲストに迎えてトークショーを展開している。敗戦処理。は第二回目に当たる月島での開催回から続けて足を運んでいるが、長谷川氏のブースではいつも楽しいお話を聞かせてもらっている。



『オレたちのプロ野球ニュース』(長谷川晶一著・東京ニュース通信社)の発売時期がちょうど今年3月の東京野球ブックフェア開催時期と前後していたこともあり、刊行記念を兼ねて『プロ野球ニュース』初代司会者の佐々木信也氏と二代目司会者野崎昌一氏を招いてのトークショーも聴き応えのあるものだった。
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当時の『プロ野球ニュース』を知る人にとっては釈迦に説法であろうが、この番組が始まるまで、一日に行われる両リーグ合計六試合にほぼ均等に時間を割くニュース番組は皆無だった。今よりもジャイアンツの人気独占ぶりが顕著だった時代。それが当たり前だった。



そんな時代に、全六試合それぞれに解説者とアナウンサーを付けて試合を振り返る。しかも先に結果を伝えないスタイルも斬新だった。毎晩『プロ野球ニュース』を見るのが日課になった。ジャイアンツのファンだから、ジャイアンツの試合はホームでもビジターでも生中継で視ることが出来る。もちろん、「試合の途中ですが…」というアナウンサーの決まり文句とともにラジオに切り替えていた。ジャイアンツ戦はまだよい。ファイターズ戦はジャイアンツ戦の中継で一回か二回流れる“他球場の途中経過”で知るしかなかった。そんな野球ファンにとっての救世主的な番組が『プロ野球ニュース』だった。


長谷川晶一氏の『オレたちのプロ野球ニュース』では、当時の生き証人達に長谷川氏が取材を試み、当時を振り返っている。司会の佐々木信也氏への取材はもちろんのこと、大矢明彦氏ら解説者、吉村功氏ら地方局のアナウンサーら出てくるだけで懐かしさ溢れる人物への取材が満載。そして視聴者としては知るよしもない技術スタッフ達も番組への誇りに満ちた言葉で当時を振り返る。読み進めていくと当時のことがいろいろと思いだされてくる。そして“わがふるさと”を筆頭にオフシーズンの企画にもスポットを当てる。


もちろん、これだけなら単なる「昔はよかった…」で終わってしまう一冊なのだが、確実に日本のプロ野球界の風向きを変えた『プロ野球ニュース』という番組が、衰退して夜のニュース番組の一コーナーになったり、ついには地上波から撤退という結末に至る過程にも、それらに携わった人達の証言を織り交ぜて触れている。


もちろん、その最大のターニングポイントは司会者である佐々木信也氏の降板。上述の東京野球ブックフェアでは長谷川氏は佐々木信也氏と後任の野崎昌一アナウンサーのトークショーを実現してしまうのだから、いかに長谷川氏がこの番組の関係者に切り込んでいるかがうかがえる。


サッカーなど、他のスポーツが脚光を浴びるようになって相対的な野球の位置づけが変わったことや、フジテレビ自体の路線変更。その他様々な“外堀”の変化により『プロ野球ニュース』も大きな変化を余儀なくされるのだが、その変化の選択が正しかったのか?対象者には聞きにくい質問ながらかなりの部分の本音を長谷川氏はずばっと聞いて答えを得ている。


詳しくは、書店でこの本を手に取って、実際に購入していただくのが一番だ。当エントリーは本の宣伝が目的ではない。わざわざエントリーを立てたのは、この本を読み進め、佳境に入っていく頃から全く別の事象と重ね合っている自分に気付いたからだ。


『プロ野球ニュース』に関しては多くの人が感じるとおり。具体的な問題点がある訳でもない佐々木信也氏を降板させ、路線変更を強行したことがその後の衰退に繋がっていることは明らかなのだが、失敗するであろうと思われていることはやはり失敗するということだ。それが敗戦処理。にとって、拙blogで時折言及しているファイターズの鎌ケ谷とだぶってしまうのだ。


ファイターズは北海道に移転して大成功を収めた。昨年を含む二度の日本一達成を含め、移転後13年間で5回のリーグ優勝を果たしている。そしてさらなる発展を目指し、自前の球場を持つべく動いている。そんな中、多くのファンに支えられた鎌ケ谷のファイターズスタジアムも二十周年を迎えた。新たなる展開を模索して前に進もうとしている。だが、何度か拙blogで書いているように観客動員数という客観的なデータを見る限り、今新たにやっていることがファンの支持を得ているとはいささか疑問である。テレビの番組も視聴者にそっぽを向かれたら視聴率低下という形でそれがハッキリする。


フジテレビ自体も、各種の報道を見る限りでは近年は“迷走”していると言わざるを得ない。『プロ野球ニュース』が、『プロ野球ニュース』として存在し続けることはどちらにしても難しかったかもしれない。でもあの時、佐々木信也氏を残したまま別の形でリニューアルを図っていたら…。今もCS放送のフジテレビONEでは試合のある日には『プロ野球ニュース』は放送されている。全六試合を振り返り、最初に結果を伝えないスタイルは変わっていない。ただ、解説者が詳細に語るのはズームアップゲームと呼ぶ二試合だけだが…。


考えすぎかもしれないが、ファイターズが、特に鎌ケ谷に関して『プロ野球ニュース』と同じ轍を踏むような気がしてならない。新球場建設にかかる費用は親会社からのバックアップがあるにしても、“グループ”から“部”に昇格した首都圏事業部も今まで以上に利潤を追求していかなければならないのはわかる。しかし顧客に気持ちよく財布のひもを緩めさせて初めて商売というものは成り立ち、その積み重ねが売り上げ、収益になるのだ。そんな当たり前のことをプロが見落とすとは思えないし、どこかで軌道修正するとは思うが、それが出来ないと…。


ところで、タイトルに“古き良き時代を振り返るだけではなく”と書いた。もちろんこれは勝手な思い込みではあるが、『オレたちのプロ野球ニュース』を読んで古き良き時代を振り返るだけではなくファイターズの鎌ケ谷の今後を憂う思いに至ったことを指しているのだが、単に古き良き時代を振り返りたくなる時もある。22日、東京ドームの野球殿堂博物館で行われた荒木大輔のトークイベントを聴きに行った。
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夏の全国高校野球大会の各地の予選真っ盛りというタイミングで、甲子園のアイドルと呼ばれた荒木大輔氏が自身の高校時代を振り返るというものだった。拙blogで高校野球を扱うことは少ない。それは敗戦処理。がプロ野球に比べると高校野球にあまり関心が無いからだが、荒木大輔が早稲田実業のエースとして投げていた頃は敗戦処理。が最も高校野球に熱をあげていた時期だ。これは行くしかないと思い、申し込んだ。


単なる控え投手に過ぎなかった一年生の夏に上級生のエースの故障で回ってきたチャンスを掴んで早実のエースになったこと。甲子園での初めての試合の日に、宿舎から出発する時には何もなかったのに試合が終わって帰ってくる時には宿舎を女性ファンが取り囲んでいてその日から高校生活が激変したという話。準決勝まで無失点で、あと1イニングで新記録だったのに初回にボークで失点し、敗れてしまった愛甲猛率いる横浜高校との決勝戦との思い出。打者としてはとてつもなく凄いと感じたが投手としては何とも思わなかったという二年生の夏に対戦して敗れた報徳学園の金村義明のこと。そして校区三年生で対戦して奈落の底に津故意落とされるような衝撃だった、2対14で大敗した池田高校の畠山準、水野雄仁の話。当時のことがすぐさま浮かぶような話のオンパレードだった。進行役を務めたNHKのスポーツ担当アナウンサー工藤三郎氏の引き出し方も絶妙だった。
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工藤アナも語っているが荒木氏の甲子園通算12勝は歴代3位だが、5敗は単独1位。五回の出場機会すべてで甲子園出場を果たし、優勝出来ずにすべてどこかで敗退し、エースとしてすべて責任投手になったのだからむしろ勲章だというのだ。実際、夏の3敗はすべてその年の優勝校相手。一年時が愛甲のいた横浜、二年時が金村のいた報徳学園、三年時が畠山がいた池田。荒木はいずれも敗れたが、今挙げた三人はプロでは投手としては大成せず野手で名をはせた(金村は入団時から内野手転向)。ある意味荒木氏は勝者だ。


そして早実の後輩に当たる清宮幸太郎の話。



最後に質問コーナーがあったので、女性ファンに凄い人気だった話と、早実の後輩清宮に関する話が出たのにかこつけて、もう一人の早実の後輩、斎藤佑樹が荒木氏と同様に女性ファンに大人気だった共通点があるのに何故活躍出来ないのかを荒木氏なりに分析してもらう質問をしてみた。荒木氏本人とは直接関係の無いぶしつけな敗戦処理。の質問に荒木氏は嫌な顔ひとつせずに答えて下さった。


「僕もコーチの経験があってプロの世界に入ってくる子をいっぱい視てきました。佑ちゃんの場合どうしてもマー君と比較されると思うのですけど、例えばマー君は高校を出て覚悟を決めてプロの道に進んだ。もし失敗したら野球人生としては終わりかもしれないけれど、覚悟を持ってプロに進んだと思う。一方佑ちゃんはどっちに行こうかと考えて大学に進んだ。この差ってメンタルな面では結構大きいと思うのですよ。これは実力とは別として、考え方の問題で、どこかで逃げ道を用意して進路を決めると結果として遠回りするというのはあると思います。コーチとして選手を見ていると、覚悟を決めて入ってきている子は、これは決して名門と呼ばれるところを出ているとかでは無くても、準備がしっかり出来ています。練習でも試合でも他の子より準備が出来ている。そういう差がいつの間にか大きくなってしまうというのはあると思います」



という感じで言葉を選びながら答えて下さった(必死でメモを取ったので“てにをは”は違うと思います)


荒木氏自身、早実からドラフトを経て直接プロに入った。清宮の話をした時にも、清宮家の問題と断った上ではあるが、プロに挑戦したいのなら大学には行かず直接…というニュアンスのことを話していたから、基本的には旬な時にプロに進むのが一番という考え方なのだろう。


因みにトークイベント中の写真撮影禁止と言うことでトーク中の荒木氏の撮影は控えた。が、イベント終了時にどさくさに紛れて一枚撮った。
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あれから35年後の今の荒木大輔である。


余談だが敗戦処理。の直前に荒木氏に質問をした野球少年は数日前に予選に敗れて引退した高校三年生の投手だと言っていたが、昨年の夏に清宮と対戦したという。敗戦処理。摸その試合を観ていた。調べたらその名前の投手が清宮と対戦している。何か親近感を覚えた<>


荒木氏は最後に早実時代の自分を振り返って、最高の仲間、先輩、後輩に恵まれた三年間で、もしも身体が言うことを聞いてくれるならもう一度当時のメンバーとWASEDAのユニフォームを着て野球をしたいと語っていた。そのWASEDAのユニフォームを挟んで荒木氏とツーショット撮影が出来るというのでありがたく参加させていただいた。


『プロ野球ニュース』も再び地上波で当時のスタイルで再開して貰えないか。平成の佐々木信也には栗山英樹が、土日担当のはらたいらの代役には林修が適任だと思うが、どうだろうか<>。 

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