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2017年6月21日 (水)

井口資仁と福浦和也

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マリーンズのベテラン、井口資仁20日、今シーズン限りでの現役引退を発表した。井口自身は昨シーズン終了後の今シーズンに向けた契約更改の席上で2017年シーズン限りでの現役引退の意思をフロントに伝えていたという。一時はシーズン開幕前に公表することも考えたが、マリーンズがオープン戦で絶好調、十二球団トップの勝率で公式戦開幕を迎えたので水を差すことになってはと延期していたという。


井口は今年の12月に43歳になる超ベテランだが、試合終盤のここ一番という場面で代打に出てくると、全盛期よりは衰えたとはいえ、一つ間違えたら大きいのを食らうのではないかという恐怖感は健在。今回の引退表明を機に、吹っ切れたようにこれからの試合で達観したベテランならではの打撃をされたら、パ・リーグではファイターズを応援している敗戦処理。には新たな脅威になるかもしれない。


そしてマリーンズにはもう一人、その井口をも上回るカリスマ的人気を誇る生え抜きの超ベテランがいる。


(写真:代走を送られてベンチに戻る井口資仁<写真奥>と代打起用されて打席に入った福浦和也。 2017年5月撮影)

 

タイトルの付け方からしてわかるだろう。マリーンズには井口資仁の他に、福浦和也という生え抜きの超ベテランがいる。こちらは生え抜き、そして球団の地元千葉県出身ゆえに井口にはないカリスマ的支持をファンから受けている。こちらは通算2000本安打達成まで残り55(6月21日現在。以下同じ)という現実的な目標もあり、井口同様、ここ一番の場面で代打で出てくると脅威に感じられる。


と言いたいところだが、あくまで個人の感想ではあるが、井口に比べると怖さを感じない面があるのが否めない。もともと一発長打の危険が少ないタイプということもあってか、往年のバットコントロールの片鱗を見せて貫禄の安打を放つ場面もあるが、いかんせん一発の怖さには乏しい。


2017年公式戦成績

井口資仁
35試合 74打数19安打 1本塁打8打点 13四球

打率.257 長打率.365 出塁率.360 OPS.725

福浦和也
26試合 61打数13安打 0本塁打 7打点 9四球
打率.213 長打率.230 出塁率.324 
OPS.554


似たり寄ったりの成績の二人だ。敗戦処理。の感想はあくまで主観ということになる。だが長打率に差がある。井口が19安打の中で二塁打5本、本塁打1本という内訳であるのに対し、福浦は13安打中、長打は二塁打が1本あるだけ。長打力の差が四球数の差に表れているのかもしれない。井口より一歳年下で、高校卒入団の福浦は在籍年数が長い分、積み重ねた安打数は1945本。今シーズンのマリーンズのチーム状態が散々なだけに、楽しみは福浦の通算2000本安打達成だけだとまで言い切るマリーンズファンも少なくない様だ。


だが残り55安打という数字は少ないようで多い。


55本の安打を打つためには、打率三割のペースで打つとしても183打数が必要。スターティングメンバーで出場して一試合に4打数として、46試合が必要だ。マリーンズはまだ残り77試合あるから今季中の達成が不可能な数字ではない。というか、いくら福浦の記録優先とチームが考えたとしても、打率三割のペースくらいで打ち続けないとスタメンで使い続けることが出来ないだろう。
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マリーンズは当面、ウイリー・モー・ペーニャ、ジミー・パラデス、ロエル・サントスの三人の外国人野手を一軍で使う予定だ。三人を有効に使おうとするにはペーニャをDH、パラデスを一塁手、サントスを外野手で起用するのが現実的。ここに福浦が割り込むには少なくとも打率三割以上のペースで打ち続けなければならないだろう。成績の低迷を打撃陣の貧打として、シーズンに入ってからサントスとペーニャを獲得したほどだ。いくらファンのカリスマ的人気があると言っても“福浦ファースト”の起用をするには記録ありきでは限界があり、福浦が外国人勢を凌駕しなければなるまい。もしくはサントスはともかく福浦とかぶる両外国人が大こけするか…。



福浦にとって55本の安打を打つまでの道は険しいが、仮に今季達成出来るとしても、それは福浦にとっては嬉しいことだがマリーンズにとっては代償を払っての快挙となりかねない。


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井口はメジャーリーグに在籍していた期間がある分、NPBでの通算安打数は1749安打と福浦と違って節目の記録達成にはほど遠い。引き際を選ぶ障害にはならないだろう。



ここまで書けば言いたいことがわかるだろう。マリーンズファンではない敗戦処理。から見て、これから巻き返しを図るマリーンズにとってどちらが得がたい戦力かというと、引退表明をした井口の方だろう。


井口はまだシーズン半ばでの引退表明を、残るシーズンの自分を一人でも多くの人に見て欲しいからと言っていた。この引退表明がカンフル剤になる効果も期待出来る。単に井口見たさで入場者数が増える以外のプラスが期待出来そうだ。


もっとも、大変失礼な穿った見方にはなるが井口の早々との引退表明のお陰で福浦は今季中に通算2000本安打を達成出来なくても来年再チャレンジのチャンスを得られるかもしれない。チームの功労者二人を同時に引退させる訳にはいかないと言う考え方もあろうから。


これで思いだすのは、かつての赤ヘル軍団黄金時代を支えた両雄、山本浩二衣笠祥雄の晩年。同年齢のこの二人、成績が衰えるのも同じようなカーブを描いていたが、連続試合出場記録で大リーグ記録に迫っていた衣笠の方が衰えが顕著だった。だが、ジャイアンツとの死闘を制してリーグ優勝を果たした昭和61(1986)、現役を引退したのは山本浩の方で、あと一年がんばればルー・ゲーリッグが持っていた連続試合出場記録を塗り替えることが出来る衣笠は現役続行を決めた。


当時、やくみつるの漫画で日本シリーズを戦い終えたカープナインを前に達川光男の発案で、現役を引退する山本浩を胴上げしようとチームメートに声をかけたらカープナインが誤って衣笠を胴上げしてしまうというのがあったが、山本浩と衣笠の去就の好対照ぶりが際だった。井口と福浦がかつての山本浩と衣笠にかぶる。


井口と福浦の力関係を象徴するシーンを見た。交流戦の最終戦、18日のジャイアンツ対マリーンズ戦。序盤に3点を失って0対3で迎えた五回表、マリーンズは無死一、三塁のチャンスで下位打線に回ると、代打の二枚看板、福浦、井口を惜しみなく投入した。結果は無死一、三塁で出た福浦は大竹寛の前に見逃し三振。一死一、三塁から井口は低目のボールをすくい上げ、ライトに犠牲フライを放って13とした。二枚看板をつぎ込んだのだから1点を返しても相手に二つのアウトを献上したのでは割が合わないが、これがマリーンズにとって28イニングぶりの得点。理想を言えば一気に挽回したいシチュエーションだったが最低限の仕事をした。これが八回表にスコット・マシソンから鈴木大地が同点2ランを打つ足がかりになったと敗戦処理。は見たが、この五回表の福浦と井口の結果。何かを案じているような…。


マリーンズはまだ個人記録だけが楽しみなチーム状況では決してない。少なくとも敗戦処理。はそう思う。パ・リーグで5位の我がファイターズは最下位のマリーンズより4位のバファローズの方が近い位置にいるが、もたもたしていたらマリーンズに抜かれるかもしれないと思っている。生え抜きのカリスマ、福浦の記録達成も後押ししてあげたいところではあろうが、特定の選手個人を利用するとしたら福浦よりも井口だろう。


井口の引退表明は福浦にとって選手寿命が延びるチャンスになるかもしれない一方で出場機会がより限定的になるかもしれない功罪相半ばといったところかもしれない。福浦が安打数を稼ぐにはスタメンで出るのが一番だが、その可能性がある一塁手とDHは外国人選手に奪われ、代打起用の優先順位も井口の後塵を…では。


ころで、現役引退を表明したばかりと言うこともあろうが、井口の引退後に関する記事も賑やかだ。


◆ 
今季引退の井口資仁、次期ロッテ監督の筆頭候補
2017621日日刊スポーツ

◆ 
ロッテの“監督手形”は失効か…井口資仁の気になる引退後
2017621日日刊ゲンダイデジタル


前者に関しては“手形”を切った瀬戸山隆三元球団社長兼球団代表が退団しても“手形”は有効とのことだが、それ以前にロッテ自体がどうなるかという次元の問題があるし、後者に関してはかつて井口がメジャーに移籍したのはFAでもポスティングでもなく、旧ダイエー球団と井口が交わした覚え書きによる約束で、ダイエーの体制が変わったら移籍を認めるとかいう話で、それが故に球団がソフトバンクになった途端に移籍したのだ。工藤公康監督の次との評価が本当なのか鵜呑みには出来ない記事だ。


敗戦処理。と長い付き合いの辛口マリーンズファンは以前「ウチの球団は普通の球団に比べてベテランにお引き取り願うのが三年遅い」と言っていた。一昨年セ・リーグのドラゴンズでベテラン選手の引退ラッシュになることが確実になってきた時にも「9月の後半は中日とウチで引退試合合戦になるなぁ…」と言っていたがドラゴンズはともかくマリーンズでは大物の引退がなく「良くも悪くもウチは引導を渡さない」と苦笑していた。敗戦処理。はこの知人の話を半ば羨ましく主ながら聞いていた。ジャイアンツはともかく、ファイターズは人気主力選手の流出が相次ぎ、ファイターズで現役生活の終止符を打つ選手が少ないからだ。


今回、その知人とまだ連絡を取っていないが「引退商法」だとか皮肉を言いかねない。井口も、そしていずれ後を追う福浦にも「千葉ロッテマリーンズ」として最高の花道を擁しなければならないのは言うまでもない。

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コメント

>長い付き合いの辛口マリーンズファンは以前「ウチの球団は普通の球団に比べてベテランにお引き取り願うのが三年遅い」と言っていた。
たしかにロッテはそういうとこがありますね。はっきり言ってパ・リーグの中でロッテは若手育成が下手なほうと言えますが、こうしたチーム方針が多分に影響しているのでしょう。

>大変失礼な穿った見方にはなるが井口の早々との引退表明のお陰で福浦は今季中に通算2000本安打を達成出来なくても
>来年再チャレンジのチャンスを得られるかもしれない。チームの功労者二人を同時に引退させる訳にはいかないと言う考え方もあろうから。
2000安打が目前の福浦に対し、今年中は無理でも(引退予定年?の)来年までにはと思う「福浦ファン」は多いものかと思いますが、果たしてその見込みも可能なものなのだか。故障リスクも考えたら結構難しいのではと見ています。
そしてもしも2018年シーズンが終わっても福浦が2000安打を達成できなかった場合、果たしてロッテは契約を更新するのでしょうか?ここが非常に気になる所です。

仮に戦力外レベルの人気ベテランの通算記録もしくは最年長記録のために記録が達成されるまで契約をし続けるということになれば、それは「チームのファン」を無視するものであり、他球団ファンから見てもその選手まで非常に見苦しいものと言わざるを得ません。

かつて日本ハムでも2人ほどこれに該当するような選手がいましたが、もしロッテがそのような状況に陥った場合、特定選手ファンではなく、ロッテファンのための判断を下してもらいたいです。「1選手くらい別にいいだろ」と言われるような1軍枠など存在しないのですから。

サフラン様、コメントをありがとうございます。

> 仮に戦力外レベルの人気ベテランの通算記録もしくは最年長記録のために記録が達成されるまで契約をし続けるということになれば、それは「チームのファン」を無視するものであり、他球団ファンから見てもその選手まで非常に見苦しいものと言わざるを得ません。

仮定の話なので何とも言えませんが、そういう状況にならないことを祈るのみです。

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