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2017年1月 6日 (金)

ジャイアンツ、山口俊のフリーエージェント移籍に伴う人的補償で平良拳太郎がベイスターズに移籍

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5日、山口俊のフリーエージェントによるベイスターズからジャイアンツへの移籍に伴い、ジャイアンツの平良拳太郎がベイスターズに人的補償で移籍することが両球団から発表された。


平良はジャイアンツでは昨年ブレークした田口麗斗と同期、同学年の四年目の投手。昨年はイースタン・リーグで開幕投手を務め、4月に一軍に抜擢されて初登板初先発を飾るが残念ながらKOされて敗戦投手。その後再び二軍で好投を続けるも、右肘痛もあってシーズンを通しての登板が出来なかった。


人的補償の話題になると、ファンが勝手に「思わぬ大物がプロテクト漏れをする」と想像して予測して楽しんでいるが、入団四年目の若手投手ということで落ち着くところに落ち着いた感じがする。


他に誰がプロテクト漏れしたのか知る由もないが、ベイスターズの高田繁ゼネラルマネージャーはナイスな人選をしたと思う。個人的に期待している選手なのでもったいない気もするが、ルールなので仕方ない。


(写真:フリーエージェント移籍に伴う人的補償でジャイアンツからベイスターズに移籍することになった平良拳太郎。 2016年3月撮影)

拙blogに目を通して下さる皆様にはいささか釈迦に説法だと思うが、フリーエージェント移籍に伴う補償についておさらいをしておく。


フリーエージェント権を行使した選手を獲得した球団は、その選手の前シーズンの年俸が前球団で外国人選手を除いて1位から3位の場合、あるいは4位から10位までの場合には移籍前の球団に対し、補償をしなければならない。


その場合、移籍前の球団は移籍先の球団に対し、金銭の補償を得るか、金銭プラス選手ひとりの補償を得ることが出来る。移籍した選手の前シーズンの前球団での年俸が外国人選手を除いて1位から3位の場合は、前シーズンの年俸の80%の金額(その選手が二度目以降のFAの場合は40%の金額)を得ることが出来る。ただし人的補償を含む場合は選手ひとりプラス前シーズンの年俸の50%(ただしその選手が二度目以降のFAの場合は25%の金額)を得ることが出来る。


移籍した選手の前シーズンの前球団での年俸が外国人選手を除いて4位から10位の場合は、前シーズンの年俸の60%の金額(その選手が二度目以降のFAの場合は30%の金額)を得ることが出来る。ただし人的補償を含む場合は選手ひとりプラス前シーズンの年俸の40%(ただしその選手が二度目以降のFAの場合は20%の金額)を得ることが出来る。


なおFA移籍した選手が、前シーズンに前球団での年俸が外国人選手を除いて11位以下の場合にはFA移籍に際しての補償の必要性は発生しない。


人的補償は、移籍先の球団が設定する、28人のプロテクト選手以外の日本人の支配下登録選手のなかから移籍元の球団がひとりを指名する。


・外国人選手は仮にFA権を取得していても外国人選手として、人的補償の対象にはならない。

・そのシーズン終了後のドラフト会議で指名されて入団した選手は人的補償の対象外。

・そのオフシーズンに、先に公示されたFA移籍選手やトレードなどで支配下選手となった選手は人的補償の対象となるのでプロテクトしない場合には人的補償の対象になる。

・複数年契約の途中の選手であっても、プロテクトしなかった場合には人的補償の対象になる。


この場合ジャイアンツは外国人選手を除いて28人の選手をプロテクト出来る。この28人という数字はシーズン中の一軍登録人数と同じだから、レギュラーを含む常時一軍にいる選手はほぼプロテクトされると見て良いのだが、例えば前年の新人選手(今回でいえば2015年のドラフト会議で指名された2016年の新人選手)はまだ一軍の戦力になっていないとしても便宜上(道義上!?)プロテクトせざるを得ないと一般には思われている。例えばジャイアンツではかつて奥村展正が入団後一年で、相川亮二獲得と引き替えにスワローズから人的補償で指名されて移籍したが、いくら相手球団からの指名とはいえ入団後一年で放出となると、本人はともかくアマチュア時代の所属先との信頼関係に傷が付く恐れがある。


一年前の新人選手を28人の中に含めると、その分常時一軍にいるレベルの選手がはみ出ることになる。また、既にこのオフに先に獲得した選手も対象になるから、トレードで獲得した吉川光夫、石川慎吾、柿澤貴裕、そして山口俊と同じ日にFA移籍を締結した森福允彦も対象となるのでプロテクトしなかった場合人的補償で指名されたら手放さなければならなくなる。そうやって28人を選ぶと、意外な大物が漏れることもある。


余談だがホークスからFA移籍した森福はホークスでは年俸が11位らしく、森福獲得に伴う補償は発生しないそうだ。森福ほどの選手が日本人選手の中の年俸で10位以内に入らないとはさすが選手層の厚いホークスといったところだが、上位10人の中に松坂大輔が入っていると考えると、ジャイアンツファンとしては「サンキュー松坂」と感謝したくなる<笑>。


ジャイアンツは過去に人的補償で工藤公康江藤智を手放している。過去にFAで獲得した選手が別のFA獲得で人的補償で移籍したケースはこの二人だけだが、他球団の事例ではドラゴンズの岡本真也、ホークスの吉武慎太郎といった、28人から漏れるとは考えにくいレベルの選手が人的補償で移籍したケースがある。


なお、FA選手を獲得した球団が移籍元に提出するのはプロテクトした選手以外ののリストである。このリストは公表されない。


前置きが長くなった。これは根拠のない敗戦処理。の憶測だが、ジャイアンツは28人のプロテクトを決めるに際して、相手のベイスターズが欲しがりそうな選手(ポジション)をプロテクトするのではなく、ジャイアンツとして手放したくない選手を28人プロテクトするのでは無いかと思う。毎年のようにFAで選手を獲得しているのだから、自軍の選手を失う覚悟は出来ているのではないかと。


冒頭にも書いたが、平良拳太郎はジャイアンツでは四年目の投手。昨年ブレークした田口麗斗と同期、同学年の右投手だ。昨年はイースタン・リーグの開幕投手を務め、開幕戦で八回まで無失点。最終回に1点を失い完封こそ逃したが、見事に1失点で完投勝利を挙げた。冒頭の写真はその試合で撮影したものだが、ご覧の通り、かつての野茂英雄を彷彿とさせるトルネード気味のフォームだ。入団した当初はもっと角度的に深く捻っていた様に思う。昨年は野茂と斎藤雅樹二軍監督の現役時代のファームを足して二で割った様な感じだった。


その後も三試合目の登板となる3月31日の対ライオンズ戦で先発して八回無失点で2勝目を挙げると、4月7日には一軍のローテーションの谷間に抜擢されてタイガースを相手にプロ入り初登板初先発というデビューを果たすも四回に集中打を浴びてKOされて敗戦投手になった。すぐに二軍落ちしたものの再チャレンジのチャンスはあると思ったが、右肘痛があって一軍登板はこの一試合だけに終わった。ファームでは好成績を継続して、12試合で6勝2敗、防御率2.31を記録した。


先に書いたプロテクトの原則<!?>によると、四年目の若手有望株あたりが狙われやすいということなのだろう。


因みに山口俊は、推定では昨年の年俸が8,000万円。ベイスターズの日本人選手の中で5位と見られている。人的補償を得ずに金銭補償だけだったらベイスターズは8000万円の60%に当たる4800万円を得ることが出来る。人的補償を求めると、年俸の40%になるので3200万円。その差は1600万円なので、単純に年俸を選手の能力の指標と考えればプロテクト漏れの選手の中から1600万円以上の選手を獲得出来るなら、人的補償を付けた方が良いということになる。平良は昨年の推定年俸が600万円で今季の推定年俸が750万円だから金銭的にはベイスターズは得とは言えない。


もちろん、ジャイアンツは主力どころはプロテクトするだろう。ジャイアンツで今季の年俸が1600万円または超えるクラスでプロテクトされるか微妙な選手は今村信貴(推定1600万円)、吉川大幾(1700万円)、堂上剛裕(2000万円)、脇谷亮太(2160万円)、松本哲也(2400万円)、戸根千明(2500万円)、宮國椋丞(2700万円)クラス。ベイスターズは山口俊が抜けるのだから投手狙いと考えると今村、戸根、宮國あたりが狙い目だが、おそらくこのレベルでプロテクト漏れするのは今村くらいか。むしろ、より年俸が高い西村健太朗、大竹寛あたりがプロテクト漏れの可能性もあろうが、今季のみではなく伸びしろを期待すれば今村か平良というのは理解出来る。ベイスターズは今永昇太、、石田健大、砂田毅樹と有望な若手の左投手がいる。右投手狙いで平良に行き着くというのは考えられる。


敗戦処理。は上述した昨年のイースタン開幕戦の試合後に行われた大サイン会で完投勝利直後の平良からサインを貰った縁もあり、一方的に親近感を持っている<笑>。それだけに今回の人的補償での移籍は残念ではあるが、これだけFA補強への依存が強いチームのファンとして、FA補強と人的補償リスクは表裏一体だと割り切っている。平良にはベイスターズで花を咲かして欲しいと思う一方で、山口俊により以上の活躍を期待する。


さて、ジャイアンツはもう一人、陽岱鋼獲得での補償をファイターズにしなければならない。敗戦処理。の周囲のファイターズファンは「金銭補償のみ」と予想する人が多い。


陽の昨年の推定年俸は1億6000万円。これはファイターズでは中田翔、増井浩俊、大谷翔平、宮西尚生に次ぐ5位と見られている。ファイターズは金銭補償のみなら1億6000万円の60%にあたる9600万円をもらえる。人的補償を付けると40%の6400万円になりその差は3200万円。このクラスの選手となると實松一成、高木勇人(ともに推定3700万円)、田原誠次、相川(ともに4500万円)、亀井善行(4900万円)。ただファイターズが求めるならレギュラーと、そうでない選手の格差が大きい内野手を狙うと敗戦処理。は考えている。ベイスターズが四年目の平良に目を付けたようにファイターズは五年目の内野手、辻東倫(900万円)あたりを狙うと見ている。もしもプロテクト漏れしたら二年目の山本泰寛(1280万円)も欲しいところ。


最後に、今回の平良移籍が5日のスポーツ報知の1面を飾った。高田繁GMは昨日(4日)にジャイアンツに平良獲得を伝えたと語っているが、ジャイアンツは5日が仕事始めだから、正式発表は5日になるとも語った。休暇中のジャイアンツの誰かに直接連絡を取ったと言うことなのだろうが、にもかかわらず平良の名前が発表前に漏れる。記者の企業努力と言ってしまえばそれまでだが、一方の球団がまだ年始の仕事始めの前なのに名前が表に出るというのは如何なものかと思う。両球団の誰かがモラルの低い、口が軽い人間だということになり、残念に思う。


P.S.
【1月7日追記】
本エントリーにコメントをいただいたサフランさんのご指摘によると、FA選手との入団契約に合意して、FA選手締結の手続きが公示されただけではまだ支配下選手になっていないのでジャイアンツでは、陽岱鋼の移籍に伴う人的補償で、山口俊や森福は対象にならないそうだ。

http://okguide.okwave.jp/guides/23483

また、ファイターズの吉村浩GMは、陽の移籍に伴うジャイアンツからの補償は金銭のみを求めることとしたと発表。ジャイアンツにも伝えたとのこと。

http://www.nikkansports.com/baseball/news/1761714.html?utm_source=twitter&utm_medium=social&utm_campaign=nikkansports_ogp

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コメント

山口俊と森福はプロテクト対象とはなりません。外国人選手と同じようなプロテクト不要選手です。というのも外国人選手と直近のドラフト加入選手を除いた支配下選手から28人をプロテクトするのですがこの2人は12/6に「フリーエージェント宣言選手契約締結合意」こそしましたが、28人のリスト作成時点(契約締結から2週間以内)では支配下登録されていないためです。

詳しくはリンク先参照
http://okguide.okwave.jp/guides/23483

正直このような規約運用には個人的にも納得いかないのですが現実にそうなっているようです。プロテクトリストが公開されないこともそうですが日本は何もかもブラックボックスすぎますね。もしプロテクトリストが公開されるようになればMLBのルール5ドラフトを見るのと同じようにファンがチーム作りの戦略をあれこれ考える余地が生まれ、人的補償の予想を楽しむことができるというのに。僕はそういうのも含めてプロ野球の面白さだと思うのですがNPBにはそういうファンの姿は見えていないのでしょう。

と、文句を言いつつブラックボックスの28人を予想し、そこから日本ハムが狙う人的補償選手を予想するなら・・・確かに野手では辻あたりは狙い目ですね、ただ日本ハムはドラフト2位で石井一を指名しているということもあり被りそうな辻は狙ってないと予想します。他の候補としては西村、江柄子、長谷川、中井、吉川大、藤村、脇谷あたりでしょうが僕は和田恋と予想します。高望みをするなら違う選手なのですがそういう選手は大抵プロテクトされてるものです。

サフラン様、コメントをありがとうございます。

返信が遅れて申し訳ありません。

> 詳しくはリンク先参照
http://okguide.okwave.jp/guides/23483

情報ありがとうございます。

これは私も調査が足りませんでした。

丁寧な解説ですね。

私は“FA契約締結と支配下登録には時間差がある”をイコールだと思っていました。

FA契約締結の公示はスポーツ紙で確認出来ます。今回の例で言えば山口と森福は同日に締結の公示が為されていますので、森福は山口の人的補償の対象にもなると思っていました。

どうして日をずらさなかったのかなと。

有名な例ですが、タイガースがFAで藤井捕手と小林宏投手を獲得した年に、補償の必要のない藤井と先に締結したばかりに、小林宏の人的補償の対象に藤井が該当したというのが報じられたのが記憶にあり、その二の舞かと思っていました。

スポーツ紙には、トレード成立後の支配下選手登録の公示は載りますが、FA締結後の支配下選手登録は載らないのかもしれませんね。

ただこれなら、プロテクトするひつようをなくすために締結後に支配下選手登録の手続きをしないという時間稼ぎが出来てしまうのではという不安があります。

それと、外国人選手がFA権を取得して行使した際の人的補償のランクはどうなるのか?と言う問題は、いつかエントリーにしようと持っていましたが、やはり明確には答えが出ていないのですね。

“実はその件に関しては選手会と協議中である”とおことですが、そもそも外国人選手は選手会に加入していません。聞くなら外国人選手そのものだと思います。

> そこから日本ハムが狙う人的補償選手を予想するなら・・・確かに野手では辻あたりは狙い目ですね、ただ日本ハムはドラフト2位で石井一を指名しているということもあり被りそうな辻は狙ってないと予想します。

> 僕は和田恋と予想します。

ファイターズは編成においては右とか左にはこだわらず、とにかく高素材優先というイメージがあるので石井一とかぶっても辻>和田恋かなと個人的には想像していました。

しかし現実は、吉村GMがジャイアンツに対し、金銭のみでと連絡したそうですね。

http://ow.ly/wRoT307KMTu

ちょっとホッとしたような…。

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