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2017年1月 3日 (火)

巨人のフロント幹部「ファンがうるさいから勝たなくてはいけないので、FAやトレードで補強します。その間に2軍や育成選手を立派に育てます」

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今年最初のジャイアンツに関するエントリーを書くにあたり、昨年目にして気になる文章からタイトルを引用させていただいた。



広岡達朗氏のコラムからの引用だが、誰だか知らないが巨人のフロント幹部が広岡の問いかけにこう答えたそうだ。



◆ 巨人は
FA強化より育てて勝て<日本野球よ、それは間違っている!> - 広岡達朗
幻冬舎
plus20161217


文章全体を見ると、ジャイアンツのこのオフの大型補強を広岡達朗氏が否定的に書いてある、よくあるジャイアンツのFAを始めとする補強依存を批判したものなのだが、文章中のタイトルにした部分が気にかかる。

以前、巨人のフロント幹部に「毎年FAで選手を獲るより、もっと自前の選手を育てるべきではないか」と言ったことがある。するとその幹部は「ファンがうるさいから勝たなくてはいけないので、FAやトレードで補強します。その間に2軍や育成選手を立派に育てます」と言った。

何と、このフロント幹部はファンがうるさいから勝たなければいけない、と完全に責任転嫁しているのだ。


敗戦処理。自身ジャイアンツファンとして、ジャイアンツには毎年優勝もしくは優勝争いに最後まで関わって欲しいと願っている。正力松太郎の遺訓の一つ“巨人軍は常に強くあれ”は時代が変わっても守られ、続けられるべきだと思う。V9時代までのジャイアンツはドラフト制度が出来る前の自由競争で新人選手を獲得出来た時代に、日本プロ野球老舗球団のアドバンテージもあって有力な選手を獲得しやすかったからと言われているが、その後においても「江川問題」や、一時期の逆指名制度、自由獲得枠などの恩恵もあって常にジャイアンツは上位に君臨出来た。だがそれらの制度がなくなって十年が経過し、ドラフトでのアドバンテージがなくなると、有力選手にジャイアンツ以外の球団に行かない旨を間接的に表明させ、ドラフト会議で単独指名を勝ち取る手法が取られた。だがそうして獲得した選手以外は大きな成果がなく、FA補強や、外国人選手獲得に依存するようになる。


外国人選手は大リーグでの実績を買って獲得する選手に成功例が乏しく、日本の他球団で活躍した外国人選手が契約満了になるのを見計らって、よりよい条件で契約するという手法でしか、戦力になる外国人助っ人を獲得出来なくなった。



選手が育たないから補強に頼らざるを得ないのか、補強ばかりするから選手が育たないのか、これは卵が先かニワトリが先かという話になるが、どちらにせよ現状は悪循環になっているのは明らかだ。だがそれをファンのせいにするのは如何なものかという気がする。


もっとも、ジャイアンツファンの中に、とにかくどんな形でも常にジャイアンツが勝たなければ、優勝しなければ気が済まないファンが多いというのは敗戦処理。も実感している。もちろんどの球団のファンにも過程を無視して結果だけにこだわるファンはいるが、ジャイアンツファンに特に多く感じる。


ただそれが、これこそ卵が先かニワトリが先か、という話になるが、ファンの情報源であるマスコミが讀賣、報知、日本テレビ系列も含め、“巨人軍は常に強くあれ”をファンに刷り込んでいるからファンが常勝を過度に追求するようになったという見方もなり立つと思う。もちろんこれは単なるマスコミ批判ではない。その前提はジャイアンツ自体が「常勝を義務づけられている」と謳っているからである。


個人的にはジャイアンツには“巨人軍は常に強くあれ”を含む正力松太郎の遺訓をないがしろにはして欲しくない。結果として毎年優勝出来るなんてはずはないにせよ、単年ではなく、コンスタントに強い、優勝争いに参加出来るチーム作りをして欲しいと思っている。だから、優勝を逃すと慌てて手当たり次第に補強に走るというやり方が適したチーム強化法だとは思わない。



以前にも書いたがチームを強くするには補強と育成のバランスが大切だと思う。どちらか一方に偏ると、一時的には強くなってもその反動が来る。昨年、セ・リーグでカープが優勝したので補強に頼らずに自前の選手を強化する手法が実を結んだと評価されているが、失礼ながらカープは24年間も優勝から遠ざかっていたチームである。昨年一年だけの成果でカープのやり方を高評価するのは違うと思う。カープの手法を評価するにはもう何年か結果を見るべきであると思う。その24年間にジャイアンツは10回のリーグ優勝を果たしている。ジャイアンツとカープ、どちらがファンの期待に応えたか。勝敗を基準に考えれば明らかである。


敗戦処理。はジャイアンツのやり方も必ずしも正しいとは思わない。レギュラーポジションのほとんどを補強した選手で埋めていた時代もあり、育成がおろそかになっていた感は否めない。だからファームの試合を見ていてもワクワク感が少ない。


以前にも書いたがジャイアンツ球場でのイースタンの試合で、ジャイアンツのスターティングメンバーが発表されると拍手の大きさは一軍での出場経験にほぼ比例する。それが当たり前じゃないかと思う人もいるだろうが、他のチームでは将来有望なファームの若手に大きな拍手が贈られるものである。


個人的な印象だが、ジャイアンツ球場がファンで埋まるのは、試合後に選手と触れ合える可能性のあるイベントが催される日と、一軍級の大物選手が調整で出場する時くらいである。徳光和夫氏が日テレG+で司会をしている番組で、ジャイアンツが新しいファームの球場を作るというニュースを流しながら徳光氏は「今年(2016)、十回くらいジャイアンツ球場に行きましたが、いつもスタンドは満員でね…」と言っていた。徳光氏がどの十試合を観に行ったのか謎だが、その半分くらいとはいえ土日にジャイアンツ球場に足を運んだ敗戦処理。としては信じがたい感想だ。


久保博球団社長が「GⅡプロジェクト」という形でファームの活性化を宣言し、イベントを増やし、さらに新しい球場をつくって稲城市を中心に地域密着を図るという方針には大賛成だが、最終的にはファームから這い上がって一軍で活躍する選手が出ないとファンはファームの施設に来てもチームとの一体化を実感出来ないと思う。それを実現するにはFAを始めとする補強に依存しないとチームを強く出来ない体質を変えなければならない。新球場が出来たはいいが、試合に出ているのが元一軍選手の調整組ばかりではファンに浸透するとは思えない。



blog11日付“ファイターズ 2018年問題 &…”で言及したようにファイターズの育成一本槍で、選手に出て行かれやすい体質も、今のままでは将来的に不安になるが、ジャイアンツは既に危うい兆候が出ている。昨年も十二球団で最多となる3,004,108人を主催72試合で動員したものの927日に東京ドームで行われた対ドラゴンズ戦では25,397人という東京ドームになって以来最少人数の記録も作ってしまった。この試合は4月に行われる予定だった九州シリーズが震災によって中止になった振り替えで後から組み込まれたと言う事情もあるが昨季のジャイアンツの不甲斐なさにファンが遠のいたという見方も出来る。要は強くないとファンの足は遠のくという好例だといえるだろう。


今、多くの球団はチームの調子に関わるファンを球場に集める施策に躍起になっている。本拠地球場のリニューアルに務める球団も多い。東京ドームはジャイアンツの持ち物ではないが、東京ドームのリニューアルはエキサイトシートの増設と、昨年から始めた座席の座りやすさの改良だ。そしてチームは手当たり次第の補強でチームを強くすることこそがファンサービスだと信じているかのような姿勢。


ベテランの村田修一が復活の兆しを見せ、岡本和真にも成長が期待出来る三塁のポジションにケーシー・マギーを獲得するなど相変わらずポジションの重複を無視した補強ぶり。また、いくら必要な選手とは言え陽岱鋼に“515億円”は払いすぎだろう。とにかく結果だけを求める気質のジャイアンツファンに陽が受け入れられるかは微妙だと思う。


打者としての陽は、打率三割を超える安打製造機ではないし、本塁打を30本以上打つ大砲でもない。盗塁数も盗塁王を記録した2013年の47盗塁をピークに年々減少している。昨年痛めた肋骨が完治すれば開幕からバリバリの活躍が期待出来るが、陽の選手としての魅力が正確にジャイアンツファンに伝わるか疑わしい。陽も自らの決断でバファローズやゴールデンイーグルスでなくジャイアンツを選んだのだから、結果を出して敗戦処理。の不安を杞憂にして欲しい。


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元日のスポーツ報知は1面が岡本和真の結婚だった。2面と3面は長嶋茂雄終身名誉監督とファイターズの大谷翔平の対談。7面に高橋由伸監督の抱負という配置だった。結婚はおめでたいが、それが元日の1面というのは如何なものかという気もする。岡本に対する期待の表れと良い方に解釈したいが、マギーを獲得したからか、岡本に外野守備の練習をさせるという。「第二の大田泰示」まっしぐらという機具もあるが…。


昨年、一昨年と二年続けて優勝を逃しているので、今年はとにかく勝利ありきでのジャイアンツの戦いっぷりが示されると思う。それは宿命なのかもしれないが、そのやり方が曲がり角に来ていることにジャイアンツに気付いて貰うシーズンになれば良いのだが…。

 

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コメント

明けましておめでとうございます。
本年もよろしくお願いいたします。

広岡さんへの言葉は眉唾ものですが、それでも「勝たなければいけない」というプレッシャーをフロントも受けているのは事実でしょうね。
ただ言った言わないは別にして、オフの補強というのはフロントの意欲の見せ所なので、あながち優勝を逃した翌年の動きとしては、わかるような気がします。
ジャイアンツというチームの体質からすると・・・。
カープと較べているのは別問題で、そもそももう貧乏球団ではないですからね。

獲る側としては、現状のレギュラーと次世代に狭間があり、そこを埋めるのがFAを始めとする補強のスタイルとしては一番いいのかなと。
スワローズの場合、相川を獲得した年のドラフトで中村を指名、育成機関満了で放出。
最近だと大引を加入させたことで、西浦、谷内といった辺りに火が付きやっと出てきました。
ジャイアンツだと岡本がもう少し時間が掛かる、ただ村田にもフルは不安があり、マギー獲得というなら、ここの補強に関してはわかる気はします。
岡本の打撃というより守りが伸びていないのかなぁ・・・と、この補強では感じたので。

紘野涼様、コメントをありがとうございます。

返信が遅れて申し訳ありません。

> 明けましておめでとうございます。
本年もよろしくお願いいたします。

こちらこそ本年もよろしくお願いいたします。

> 広岡さんへの言葉は眉唾ものですが、それでも「勝たなければいけない」というプレッシャーをフロントも受けているのは事実でしょうね。

そうだと思います。問題はそのプレッシャーをどこから受けているかですね。

上司? OB?

それならまだわかりますが、よりによってファンのせいにするとは。

思っていても口にしてはいけません。それもうるさ型の広岡さんの前で…。

> ジャイアンツというチームの体質からすると・・・。

この“体質”をどう見るかでしょうね。

> ジャイアンツだと岡本がもう少し時間が掛かる、ただ村田にもフルは不安があり、マギー獲得というなら、ここの補強に関してはわかる気はします。

村田に不安⇒岡本抜擢で良いと思うのですが…。

一軍の外国人枠四人のうち、三人までは投手でしょうから、野手はひとり。

クルーズとギャレットを残留させる方針なのに、三塁と、せいぜい一塁しか守れなさそうなマギーを獲得する。

本当に“補って強くなる”のでしょうか…。

いささか疑問に感じます。

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