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2016年12月28日 (水)

ホークス10連覇ならず

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もう2016年も残すところ一週間を切った。ファイターズの日本一の余韻に浸っていられるのもあと数日だ。それにしても、ファイターズがよく優勝できたと思う。敗戦処理。はファイターズファンだから、もちろんファイターズの優勝を願ってはいたが、冷静に考えてホークスとの実力差はいかんともしがたい。


それがわかっていたからファイターズに優勝して欲しいのはもちろんだが、実はホークスだけには今季優勝して欲しくない、という思いもあった。 



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写真:「10連覇を目指す」が大言壮語とは思えなくなる充実した育成環境、HAWKSベースボールパーク筑後 20164月撮影)

 



◆ ソフトB孫オーナー工藤監督に活 投手王国でV10だ
  2015年3月7日 日刊スポーツ

◆ ソフトバンク後藤球団社長、工藤監督の続投明言
  2015年9月18日 日刊スポーツ


ホークスが、ファイターズはもちろんのこと、パ・リーグの各球団より抜きんでた存在であることは確かだ。孫正義オーナーや後藤芳光球団社長は「10連覇を目指す」と高らかに言っていた。10連覇となると、王貞治会長が現役時代にジャイアンツで成し遂げた9連覇の上をいくことになる。昨年と一昨年の強さを考えればホークスの天下が続いても不思議ではなかった。



孫オーナーの夢はホークスを世界一のチームにすることだ。日本一になってアメリカのワールドシリーズを勝ち抜いたチームと真の世界一決定戦を行い、それに勝って世界一のチームになることだ。そしてそのためにはまず日本球界で確固たる地位を築かなければならず、その足場固めとして、日本プロ野球史上最長のジャイアンツの9連覇の上をいく10連覇をスローガンにしたのだ。


これは、目標は大きいほうが良いとかいうレベルの話ではない。一年や二年の話ではなく、十年間勝ち続けるチームを作るために、育成選手を含む大所帯のチームとなって一軍、二軍、三軍の体制を敷き競争を激化させるとともに、二軍や三軍の試合のために専用球場も造る。本気で10連覇のための土台造りをしていると思える。

だが、まだ2連覇に過ぎない時点で「10連覇」という言葉が独り歩きするのは如何なものかと思う。十年間勝ち続けるということは王貞治や長嶋茂雄がいて、川上哲治監督が率いていたジャイアンツでも出来なかったことだ。だからこそそれを超える目標を掲げたのだろうが、王が会長として君臨しているチームで、野球の経験のない親会社のお偉いさんに安直に「目指せ10連覇」と言われて当の王会長本人はどう思ったのだろうか?


冒頭の写真は今季から稼働したHAWKSベースボールパーク筑後だ。ウエスタン・リーグの公式戦を行う、一軍の本拠地とほぼ同じグラウンド面積を誇るメイン球場と室内練習場、選手寮がある。ここまでならファイターズタウンも同等だが、さらにサブグラインドまである。この充実ぶりを考えたら、王会長が9年連続日本一を続けていたころのジャイアンツに対する親会社のバックアップなど比べるまでもない素晴らしいバックアップだろう。王会長もこんな至れり尽くせりの環境を整えてもらえる現役の選手たちを羨ましく思っているかもしれない。


現役時代の王貞治が猛練習で打者としての数々の金字塔を立てたことはあまりにも有名だ。特に先頃恩師である荒川博さんがなくなられたことであらためてクローズアップされたが、王に限らず、長嶋や他の選手ひとりひとりの猛練習によって、毎年毎年、ライバル球団からターゲットにされながらもそれらを乗り越えての9年連続での優勝、9年連続での日本一だった。


その当時は王や長嶋はもちろん、9連覇に貢献した多くの選手(特に前半)はドラフト会議が出来る前にジャイアンツに入団した選手であり、日本最初のプロ野球チームであるアドバンテージを最大限に活用してのスカウティングだったと言われている。そういう時代だったから、ジャイアンツの“ライバル球団”と言えるのは実質的にはタイガースとドラゴンズくらいだった。一方でホークスが10連覇を目指す現在のパ・リーグはこの十年間で六球団のうち五球団が日本シリーズ進出を経験する、実力が均衡しているリーグである。当時より難易度の高いことを目標としていると言って差し支えあるまい。


だが、いかに実質三球団の争いだったとしても、9年連続でリーグ優勝をし、9年連続で日本シリーズを制覇するというのは並大抵のことでは無い。オーナーと球団社長が公言する手前、会長である王も追従するしか無かったのだろうが、王会長としても堂々と公言する目標では無いと本心では思っていたのでは無いか。「そんな簡単なものじゃ無い」


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黄金時代のライオンズも強かった。1985年から1988年までパ・リーグで4連覇。翌1989年は僅差で近鉄バファローズに優勝をさらわれたが、1990年から1994年までパ・リーグ5連覇。つまり10年間で9回優勝した。日本のプロ野球で10年間に9回優勝したのはV9時代のジャイアンツとこの時のライオンズだけだ。だがライオンズは9回優勝したとはいえ、9年連続優勝では無い。黄金時代のライオンズでも9年連続優勝は出来なかったのだ。それほど難しいことなのだ。



王自身、ジャイアンツの監督に就任した時に、その前のシーズンに藤田元司監督の元でリーグ優勝を果たし、広岡達朗監督率いるライオンズと日本シリーズで激戦の末に惜敗したということがあったので、王が監督になって球団創立50周年にあたる一年目にリーグ優勝を果たし、日本シリーズで今度こそライオンズなりパ・リーグの優勝チームに勝って日本一だ(そして日米野球で大リーグの前年のワールドシリーズ王者と決戦だ!)と意気込んだがリーグ優勝すら出来なかった苦い思い出があるはずだ。設備を整え、戦力を整えれば優勝出来るなどと簡単なものではないことを王会長自身が最も知っているはずだ。


ここまで書くと、敗戦処理。は“現場を知らない親会社のトップが軽々しく大きすぎる目標を立てたばかりに選手達がそのプレッシャーに負けた”と言いたいのだろうと想像する人も多いだろうが必ずしもそうとは思わない。また、セ・リーグではジャイアンツを応援する身だから、ホークスに10連覇されたらたまらないと考えている訳ではない。野球の神様が、舞い上がる親会社のトップ達を戒めるためにちょっと意地悪をし、それがたまたまファイターズに良い方に転がったのかもしれないと思っている。


ファイターズがリーグ優勝を決めた時にも書いたが、柳田悠岐の故障という想定外の出来事があったから結果的に優勝したと思っている。


このオフはセ・リーグで二年間優勝から遠ざかっているジャイアンツが怒濤の補強攻勢を仕掛けているが、ホークスはドラフトの目玉であった創価大の田中正義と、外国人助っ人として巨漢のカイル・ジェンセンを獲得したくらいだ。マリーンズとの契約再交渉がまとまらなかったアルフレッド・デスパイネを獲得すると報じられているが、不気味だ…。
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イ・デホ
川崎宗則の復帰という噂もあるが、どうなのだろうか。



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ホークスは来季からまた優勝を続けるかもしれない。今から十数年経ってから2016年という年を振り返った時、「この時優勝していたら十連覇だったんだね」と言われるかもしれない。2016年は大谷翔平というモンスターが投打に暴れてファイターズが優勝した年と語られるべきところ、“ホークスが優勝を逃した年”と言われるかもしれない。

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コメント

敗戦処理。様、こんにちは。のんきです。

タイトルに引き寄せられました。

今のホークスは、補強と育成のバランスが良く、本当にV10やってしまうのでは?と今年も心配していました。

巨人がなぜ、V9 を達成できたのかは、実際に見ていないので、予測でしか言えませんが、父親や祖父に言わせると、「テレビをいつみても勝っている印象がある」とのことでした。

個人的には、一番大きな要因は、当時、巨人は選手にとって魅力的な球団で、ドラフトもないので、良い選手がどんどん獲得できたということかと予測します。

また、川上監督をはじめとして、藤田投手コーチなど、采配や指導のスペシャリストがいたことも挙げられると思います。

後は、王選手と長嶋選手が猛練習をしたために、ほかの選手も追いつけ追い越せで練習をしたのだと思います。これは、巨人の星からの予測です。

ONだけでは、9連覇はできるはずもなく、1番に足のある柴田、2番に器用な土井、5番にしぶとい末次と、切れ目のない打線で、相手投手は嫌だったと思います。

ドラフトがなかったため、良い選手が獲得できたので、育成しなくても、育成されている選手が入団して、活躍したのだと予測します。

現在は、ドラフトがあるので、戦力が均等化しています。外国人やFAといっても、外国人はメジャーで戦力にならなかった選手が多く、FAはピークを過ぎた選手が多いため、あまり戦力補強にはならないような気がします。

やはり、アマチュアから入団して、育っていく選手がいる球団が強いと思います。(今年の広島のように)

ホークスもドラフトでよい選手をくじでとっていますが、取れない年もあるかと思います。なので、孫さんがいくら補強しても、V9の時代よりもチーム間の戦力は均衡しているような気がします。

そういう意味(ホークスのV10を阻止する)では、ドラフトは今のまま続けてほしいと思います。

すくなくとも、私が生きている間は、V9を他球団に抜かれたくないと思っています。

来年もがんばれ巨人軍
のんき

のんき様、コメントをありがとうございます。

> 今のホークスは、補強と育成のバランスが良く、本当にV10やってしまうのでは?と今年も心配していました。

まだ2連覇しかしていないのに、私もそう感じていました。ファイターズでなくてもいいから、早く阻止して欲しいと思っていました。

> やはり、アマチュアから入団して、育っていく選手がいる球団が強いと思います。(今年の広島のように)

カープは今年に関しては見事でしたが、それまで24年間優勝出来なかったチームです。今年一年だけの結果を見て、私はカープのやり方が正しいとは思いません。

ファイターズも2006年に日本一になるまで24年間リーグ優勝から遠ざかっていました。しかしその2006年から今年までの11年間で5回のリーグ優勝(内、日本一2回)という結果を残しています。だから認めざるを得ないのです。

カープのスタイルが正しいか否かは、10年後とは言わないまでも、数年先まで見てからでないと判断出来ないと思います。

因みにカープが優勝出来なかった24年間に、ジャイアンツは10回優勝させています。カープがジャイアンツより順位が上だったのは2回しかありません。

どちらの球団が、よりファンを喜ばせているかは一目瞭然ですね。

> ホークスもドラフトでよい選手をくじでとっていますが、取れない年もあるかと思います。なので、孫さんがいくら補強しても、V9の時代よりもチーム間の戦力は均衡しているような気がします。

現在のドラフト制度には逆指名などがなくなり、くじ運には左右されますが、比較的戦力の均衡化には近づいている様に思えます。

しかし、育成選手に関しては獲得に制限がありません。

ホークスの育成拠点である筑後には、二軍選手だけでなく、三軍選手も鍛えられるスペースがあります。そこで激しい競争があって、それに勝ち抜いた選手が一軍に上がっていく訳ですから、それこそ何年も先まで見据えたチーム作りが出来るのでしょう。

それと、パ・リーグは戦力の均衡化は実現していません。今年の正月には1強11弱という表現を使いましたが、ファイターズを含め、パ・リーグ各球団はホークスにいろいろな面で差を付けられています。

ジャイアンツも新たにファームの専用球場を作り、今のジャイアンツ球場を三軍専用にするとか言っていますが、どれだけ成果を挙げられるでしょうか?

> すくなくとも、私が生きている間は、V9を他球団に抜かれたくないと思っています。

私は、ジャイアンツが成し遂げた金字塔を他球団に抜かれたくないとは特に考えていません。

今回のエントリーでは、現場主導ではなく、親会社のお偉いさんが安直に10連覇などと口にしていたから「ホークスに優勝されたくない」という個人的感情を文章にしただけです。

推測ですが、たぶん王会長も「そんな簡単に10連覇とか言わないでくれよ」が本音だと思っています。

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