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2016年11月 5日 (土)

沢村栄治賞、選考基準見直しか!?

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日本シリーズが終わって日本のプロ野球界はストーブリーグに突入したが、敗戦処理。がクライマックスシリーズ、日本シリーズにうつつを抜かしている間にも球界には様々な動きがあった。いささかタイミングを逸した感じはあるが、話題を追いかけたい。



日本シリーズの移動日の先月24日、日本プロ野球の黎明期に豪速球を武器に活躍した故沢村栄治投手に因んで、両リーグの中から先発完投型の投手として最も活躍した投手に贈られる沢村栄治賞にカープのクリス・ジョンソンが選ばれた。


ジョンソンは野村祐輔とともにカープの先発投手陣の柱としてチームのリーグ優勝に貢献。最多勝こそ野村が獲得したものの26試合に登板して157敗、防御率2.15という好成績だったが、沢村賞の選考基準7項目中の4項目しか満たしていないことで選考過程では「該当者無し」という意見も出たという。


選考基準7項目を満たした投手は2011年の田中将大を最後に出ていない。基準の見直しもという意見も出たようだ。


(写真:静岡草薙球場に飾られている沢村栄治像 200511月撮影)



まずは沢村栄治賞の選考基準を列挙する。


① 15以上の勝利数
② 150
以上の奪三振数
③ 10
以上の完投勝利数
④ 2.50
以下の防御率
⑤ 200
イニング以上の投球回数
⑥ 25
以上の登板数
⑦ 6
割以上の勝率

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今回、カープのクリス・ジョンソンが基準を満たしていたのは、①
15勝、④2.15、⑥26試合、⑦.6824項目。ジョンソン以外ではジャイアンツの菅野智之が②189奪三振、④2.01、⑥26試合、⑦.600と同じく4項目を満たしているが、味方打線の援護に恵まれなかった試合が多かったとはいえ9勝止まりだったことが弱く、選考委員5人中ジョンソンを推したのが3人、該当者無しと言ったのが2人だったそうだ。

選考委員長を務める堀内恒夫元参議院議員は「私と村田さんが該当者なし、他の3人がジョンソンを推した。ただ、我々も選ぶならジョンソンという意見で最終的に全会一致した」(日刊スポーツ1025日付)と選考の裏側を説明した。


上述した様に、最後に7項目全てを満たしたのは2011年の田中将大でここ五年間皆無だ。因みに2013年ではない。あの240敗の神がかり的な投球をした年でも全項目を満たせたのではない(完投数が8)ということはもはや基準が時代にそぐわないのではと言う意見が出ても不思議でないが、実際出ているようだ。


堀内委員長は「沢村賞は今年で70回目で1つの区切りにきている。本質的なところは変えないが、少し基準を見直す時期に来ていると思う」「完投、投球回数をクリアできる投手はいない。数字を変えることも考えるし、クオリティースタート(6回で自責点3以下)などの安定度を検討する」()と語っている。


確かに、主力先発投手の年間を通した安定を重視する結果、投手に必ずしも完投を求めないのが昨今の常識。完投数が少なければ投球回数も伸びない。堀内のいう様に今後、10完投、200投球回を満たす投手はDH制で代打を出されないパ・リーグでもなかなか出ないだろう。


今年のジョンソンが基準を満たしているのは4項目だけだが、4項目だけで沢村賞を受賞したのは70年の歴史で他に2003年の斉藤和巳2004年の川上憲伸だけ。ジョンソンを含む直近十年間の沢村賞受賞投手の、基準を満たした項目の平均は5.9項目。今年のジョンソンだけが特異の例と言えないこともないが、上述した様に主力投手と言えども完投を求めず、次登板への余力を残した状態で継投に入るのが昨今の野球。ジョンソンのように満たす項目の少ない投手の受賞が増える傾向になるかもしれない。基準の緩和は時代のニーズだという考え方はわかる。


しかし、敗戦処理。の考え方は必ずしもそうではない。これが最優秀先発投手賞というタイトルならば、時代に即した選考基準の変更もやむを得ないだろう。だが沢村栄治という日本のプロ野球の黎明期の大投手の名を冠に付けた賞である。仮に該当者なしの年が増えるようになったとしても基準を安直に変えない方が良いのではないか?極論を言えば、何年かに一度、沢村栄治賞にふさわしい投手が出た年にその投手を表彰すれば良いと思う。該当者無しの年もあれば、複数の投手が受賞する年もある。それで良いではないか。


最小限の基準の見直しは要るかもしれない。そこまでは敗戦処理。も否定しない。だが堀内が例に挙げたクオリティースタートなどは明らかに沢村栄治の名前の付いた賞にふさわしくないだろう。沢村投手が活躍した時代にセイバーメトリクス的発想が無かったから言っている訳ではない。「六回を投げて3点以内」とかそういう発想がそぐわないだろう。


日本のプロ野球界で人の名前がついた賞は沢村栄治賞と正力松太郎賞。正力松太郎賞は、「プロ野球の父」と言われた日本のプロ野球の大元を作ったとされる正力松太郎氏に因んだもので、その年のプロ野球界に最も貢献した人物を選ぶもので、多くは日本一になった監督が選ばれる。こちらは正力氏に選手経験が無いため、基準を変えるに躊躇が無いかもしれない。だが沢村賞はそうであってはいけにと敗戦処理。は考える。堀内委員長は本質的なところは変えないがと言っている。その言葉を忘れないで欲しい。どうしても変えたいなら、それこそ最優秀先発投手賞として新たにスタートさせれば良い。


ところで、今季の両リーグの投手で最も多くファンに感動を与えたのは大谷翔平という見方もあるだろう。
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大谷は指にマメが出来て登板できなかった時期が長く、規定投球回にすら達しなかった。当然沢村賞の対象にはならない。②の174奪三振しか満たしていない。おそらくはパ・リーグの最優秀選手に選出されるであろうが、大谷にふさわしい賞は水島新司賞だろう。

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大谷の二刀流は水島漫画をも超えたと思う。「一番・投手」で先発し、一回表の第一打席の初球を先頭打者本塁打なんて水島先生の作品でも無いのではと思える。


水島先生におかれては現在、週刊少年チャンピオン(秋田書店刊)に連載中の「ドカベン ドリームトーナメント編」で「ドカベン」メンバーが属する東京スーパースターズが福岡ソフトバンクホークスと決勝戦を行い、九回表に代打、景浦安武が代打で逆転本塁打を放ち、九回裏に山田太郎が逆転サヨナラ本塁打して完結するのが花道だとも一部では囁かれているが、大谷を見て新作を描く意欲を甦らせて欲しい。


いささか横道に逸れるが大谷は水島新司賞、水島新司先生は野球殿堂入り。これが敗戦処理。の夢だ。

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コメント

沢村賞基準変更の報道を受けて僕もこの動きには賞の改悪であると感じました。沢村賞は沢村栄治の栄誉と功績を称えその年最高の先発完投型投手に与えられる賞ですが基準変更となればもはやその意義をも否定するものと言っても大げさではないでしょう。その年最高の投手にではなく、7つの基準からイメージされた(基準をクリアした)先発完投型投手に与えられてこそ沢村賞としての意義がありまたそれが賞としての魅力だったからです。

しかし最近の選考過程を見るに沢村賞=その年最高の投手(先発限定)として捉え基準をないがしろにする傾向が見られています。2013年なんかはそうでした。
>選考基準7項目を満たした投手は2011年の田中将大を最後に出ていない。
実はこれは誤りで2013年に金子が全項目をクリアしてたのです。2013年と言えば楽天が初優勝し田中が24勝0敗を記録した年。おそらく多くの人が金子が沢村賞基準全項目クリアしていたことなど気付かないほどに田中のインパクトが強くそれもあってかこの年の沢村賞は田中に与えられました。ただこの年の田中は沢村賞基準で見た場合完投数が基準未満での受賞です。この年最高の投手は田中でパ・リーグベストナイン投手部門が田中だったことにもまったく異論はないのですが沢村賞に相応しい投手はという観点で見た場合金子こそが沢村賞に相応しかったのではなかったでしょうか。

こうしたことが起きる背景としてベストナインこそあるもののその年最高の投手に与えられる賞が存在しないがため本来イコールではない沢村賞がその役目を担わされてしまっていることが考えられます。それらをごっちゃにして沢村賞基準を緩和するのであればむしろ新たにその年最高の投手に与えられる賞を創設したほうがいいのではと思い新たな賞のあり方を考えてみました。

名称は年間最優秀投手賞、その名の通りその年最高の投手1人に与えられる賞です。こちらは沢村賞と違い成績による基準は設けず、対象も先発・リリーフを問わないものとします。形式的にはMLBのサイヤング賞と同じですが、リーグごとではなく1人を選ぶというとこがサイヤング賞とは異なる点です。一応年間最優秀投手賞と名付けましたが沢村賞のように選手名を冠するのもいいでしょう。この賞で相応しい選手を探すなら金田正一賞、先発・リリーフを問わないという点を強調するなら江夏豊賞といったところでしょうか。

沢村賞との住み分けはどうなるんだと言われそうですが、僕はあえて沢村賞を格上げし沢村賞選考基準7項目全てクリアした先発投手のみに沢村賞を与えるという形で住み分けしたらいいのではないかと考えました。なので同じ年に基準全項目クリアした投手が複数出た場合はそれら複数の投手に与えていいものと考えます。その年最高の投手1人を決める賞がちゃんと別にあることで賞を補完する形の住み分けにもなると言えるでしょう。

もしこうした場合、沢村賞は該当者なしの年のほうが多くなってしまうでしょうが基準変更で沢村賞の価値を落とすくらいならこっちのほうがマシだと考えます。ちなみにこのやり方で沢村賞を選んだ場合、直近10年ではこのような顔ぶれとなります。

2007年 ダルビッシュ
2008年 ダルビッシュ×
2009年 涌井
2011年 ダルビッシュ×、田中
2013年 金子×
(×は沢村賞を受賞できなかった選手)

ダルビッシュは沢村賞受賞回数1回ですが、こうして見ると改めてその凄さが分かります。今の時代は先発投手に完投することは求められませんが、だからと言って先発投手の完投に価値がないわけではありません。実際ダルビッシュがいた時はダルビッシュが完投することでリリーフ運用への大きな貢献がありました。繰り返しになってしまいますが基準緩和による新・沢村賞は沢村賞を単純に投手最高の賞だと認識してる人にとっては得に違和感ない変更かもしれませんが「沢村賞」として認識してる人にとってはやはり改悪ですね。

MLBではその年最高の打者(リーグごと)に与えられるハンク・アーロン賞、その年最高のリリーフ投手(リーグごと)に与えられる最優秀救援投手賞(リベラ賞、ホフマン賞)、ゴールデングラブ賞受賞者の中から更にその年最も守備が優れていた選手(リーグごと)をファン投票で選ぶプラチナ・ゴールド・グラブ賞と様々な賞がありますが、日本でもこのような形の賞がもっとあってもいいように思います。

サフラン様、コメントをありがとうございます。

> 実はこれは誤りで2013年に金子が全項目をクリアしてたのです。2013年と言えば楽天が初優勝し田中が24勝0敗を記録した年。おそらく多くの人が金子が沢村賞基準全項目クリアしていたことなど気付かないほどに田中のインパクトが強くそれもあってかこの年の沢村賞は田中に与えられました。

これは見落としていました。失礼しました。

選考過程がどうだったのか、興味深いですね。

選考基準を全て満たすことが、必ずしも最優先事項ではないということですね。

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