糸井嘉男が盗塁王になったら歴代最年長だとか
拙blog前エントリー有原投手、栗山監督ごめんなさい…。 で触れたようにパ・リーグ優勝争いの最後の直接対決が昨日22日で終わった。そして昨日、もう一つの最後の直接対決が終了した。
一時はバファローズの糸井嘉男で決まりかとも思えたパ・リーグの盗塁王争いだ。ライオンズの金子侑司の猛追にあって面白くなってきた盗塁王争い。糸井と金子侑の所属するバファローズとライオンズによる最後の直接対決三連戦が20日から22日まで行われた。しかしこの三連戦では金子侑が1個盗塁を決めるにとどまり、22日現在で糸井が53盗塁でトップ。2位は金子侑で52盗塁。
そして既に多くで報じられているが、糸井が盗塁王のタイトルを獲得した場合には最年長の盗塁王になるという。
糸井は35歳2か月での盗塁王となり、これまでの最年長だった1982年の福本豊と、1993年の大石大二郎による34歳11か月での盗塁王獲得を上回ることになる。
だそうだ。何これ!?
(写真:今季、盗塁王のタイトルを獲得したら“歴代最年長”盗塁王になるらしい糸井嘉男 2013年4月撮影)
○オリックス糸井、史上最年長盗塁王なるか。ハイペースで量産「スタートを判断する嗅覚がすごい」ベースボールチャンネル 7月6日(水)16時0分配信
○【プロ野球】歴代盗塁王と35歳の壁。オリックス・糸井嘉男の史上最年長盗塁王は実現するか!? 2016.09.05 17:05 デイリーニュースオンライン
こういうことのようだ。
1982年盗塁王、54盗塁。福本豊 1947年11月7日生まれ 34歳11か月
1993年盗塁王、31盗塁。大石大二郎 1958年10月20日生まれ 34歳11か月
2016年盗塁王?糸井嘉男 1981年7月31日生まれ 35歳2か月
公式戦が終了する時点での年齢を算出している。だが○○歳はともかく、○○か月にさしたる意味があるだろうか?
基本的には高校生や大学生がドラフト会議にはかかる時には最終学年が一律に対象になるのだから、ある年の4月2日生まれから翌年の4月1日生まれまでが同時にドラフトにかかる(浪人という例外は別として…)。ここで同じ条件で盗塁王(に限らず何らかのタイトルを)獲得した選手を誕生日が早いか遅いかで優劣を付ける意味があるのだろうか?
有名なところでは、桑田真澄は1968年4月1日生まれ。桑田は最年少記録には最も有利な誕生日だ。
最年長盗塁王記録に戻れば、“今年度35歳に当たる糸井が盗塁王になったら、これまでの最年長だった福本と大石の35歳に並ぶ最年長盗塁王に肩を並べる”が正しい評価になるのではないか。福本も大石もシーズン終了後に35歳になっており、35歳になる年度で盗塁王を獲得したのだ。糸井嘉男が福本や大石より一歳上で盗塁王に輝くように報じるのは正しくないと敗戦処理。は思う。
糸井の盗塁数は22日現在で53個。残り7試合。糸井にはむしろ盗塁王のタイトルとは別に、最年長云々を言うのなら35歳の年に54盗塁を記録した福本に並び、そして抜いて欲しい。
因みに福本は翌1983年、36歳相当のシーズンには盗塁王を逃したものの55盗塁を記録した(この年の盗塁王は大石で60盗塁。)。これが35歳以上の最多盗塁記録に当たる。これも残り7試合で抜いて欲しい。それでこそ最年長盗塁王の称号に箔が付くと言えよう。
糸井が盗塁王争いでしのぎを削る金子侑司との最後の直接対決は昨日22日までの三連戦で終わった。この三連戦では初戦で金子侑が1盗塁を決めて52盗塁として53盗塁の糸井との差を1つ縮めただけにとどまった。
一戦目で一塁走者の糸井が二盗を企てた際にマウンドの野上亮磨はセットポジションを制止するか否か微妙なタイミングの速いモーションで盗塁阻止に協力した。普段の野上がどの程度、盗塁を警戒する際にケアしているかを敗戦処理。は把握していないのでここから先は憶測に過ぎないが、野上はボークすれすれのモーションで投球することで糸井の盗塁成功を防ごうとしたというより、ボーク覚悟で一か八かクイックモーションで投げたのではないか?というのは、仮にボークを取られても、糸井に盗塁が記録されないからだ。
また、同じ試合では点差が開いた終盤に糸井が一塁走者になると、ライオンズの一塁手は完全二塁を離れた守備位置になったという。これで糸井が盗塁を企てても公式記録員が“盗塁”と記録しないようになるからだろう。
これらの行為で、一瞬、2000年の小坂誠と松井稼頭央の盗塁王争いの直接対決での不愉快な行為を連想したが、杞憂だった様だ。
話が横道に逸れた。糸井が盗塁王になっても福本と大石を超える最年長盗塁王と解釈するのはおかしい。意味がないことだと思う。糸井も福本も大石も35歳になる年度に盗塁王を獲得。即ち福本と大石に並んだと解釈する方がより実態に即していると思う。
【筆者注】
本エントリーは糸井を最年長盗塁王と解釈することに異議を訴えることに主眼を置いているので、福本と大石以外にも35歳になる年度に盗塁王を獲得している選手がいる可能性に関しては調べていません。
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