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2016年4月10日 (日)

田中賢介の走塁を守備妨害だと主張する人達は公認野球規則を読んでいないのか!?

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敗戦処理。も生観戦していた
3日のファイターズ対ホークス戦の六回裏、一塁走者、田中賢介の併殺崩しのスライディングが物議を醸した。


それから一週間、敗戦処理。もネットでいろいろな人の意見を見た。評論家、ファン、記者、ライター。ここに個々のリンクを貼ることはしないが、それらも踏まえ、敗戦処理。が感じたことをあらためて書いてみる。


(写真:田中賢介のスライディングを受けてグラウンドにうずくまる川島慶三)



まず、現地で観た印象を書く。一塁側で、投手のプレートと、一塁ベースを結んだその延長線上の角度のエキサイトシート二列目で観ていた。この位置からは二塁ベース上でのクロスプレーは非常に観やすい。



試合状況はファイターズが0対11点ビハインドでの六回裏、三塁に西川遥輝、一塁に田中賢介を置いて四番の中田翔の打席。
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中田の打球は三塁ベースよりやや後ろに守っている三塁手、松田宣浩への強い当たりのゴロ。三塁走者の西川は一瞬、三塁に帰塁しかけてから本塁に向かった。三塁手の松田は西川の動きは無視した感じで二塁に送球。送球を受けた二塁手の川島慶三は三塁走者西川のホームインを阻止しようと、ホームに送球しようとしたところを二塁でフォースアウトになった一塁走者の田中賢のスライディングで足を掬われ、本塁に送球出来ず、その場に倒れた。


一塁走者が、自分がセーフになるためにではなく、相手野手の一塁送球を邪魔するためにスライディングで防止すること自体は特別なことではない。この時の田中賢のスライディングを批難する人達は、おそらくそれを踏まえた上で、本塁に送球しようとしている川島の足を掬った田中賢のスライディングを、通常の併殺阻止の範囲を逸脱したプレーと見なしているものと思われる。


実際、現地でしかも観やすい位置で観ていた敗戦処理。の第一印象は、川島は一塁走者を封殺した後に、本塁に送球しようとして身体を本塁寄りに移動させながら送球しようとしているところに田中賢が足を出していったように見えた。守備妨害と判断されてもおかしくないプレーだと思った。周囲の席の人達も、場所柄ファイターズファンが多いが、「今のはいくら何でもまずいだろう」という見方をした人が多かった。


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工藤公康
監督は当然、猛抗議を行った。おそらくは遅延行為と見なされる制限ギリギリまで抗議したのだろうが、判定は覆らなかった。工藤監督の抗議に関して、当該判定を下した石山智也二塁塁審の場内への説明はこうだった。



「ただいまの判定に対し、工藤監督より危険行為ではないかと異議申し立てがありました。しかし判定通りワンアウト、ランナー一塁で試合を再開します」


日刊スポーツはこの試合を報じた翌
4日付の紙面で、この試合の球審を務めた佐々木昌信審判員の見解を載せている。

 

「もう1度映像で確認したが、ベースに向かって走塁をしているので、特に妨害にはならないと判断した。二塁にはビデオ判定はない。もし妨害の場合は一塁走者と打者走者がアウト。三塁走者は戻され、2死三塁から再開となります。足を上げるなど危険極まりない場合は妨害を取る。今年、ルールが変わったのは本塁だけですので」


佐々木審判員の見解は、公認野球規則7.09に基づいての見解と思われる。


公認野球規則7.09 次の場合は、打者または走者によるインターフェアとなる。

(f) 走者が、明らかに併殺を行わせまいとして故意に打球を妨げるか、または打球を処理している野手を妨害したと審判員が判断したとき、審判員は、その妨害をした走者にアウトを宣告するとともに、味方のプレーヤーが相手の守備を妨害したものとして打者走者に対してもアウトを宣告する。この場合、ボールデッドとなって他の走者は進塁することも得点することもできない。


つまり、田中賢の走塁が守備妨害に該当するか否かは審判員の判断に委ねられる。佐々木審判員が言及しているように、足を上げるなど危険極まりない場合などの目安があるということだろう。


ここで誤解していただきたくないのは、だから敗戦処理。は田中賢の走塁は守備妨害に当たらない、と言いたいのではない。だったらタイトルを「田中賢介の走塁を守備妨害だと主張する人達は公認野球規則を読んでいないのか!?にはしない。


佐々木審判員の見解、並びに公認野球規則7.09(f)をもう一度よく見て欲しい。


もしも守備妨害と判定されたとしても、妨害した田中賢以外にアウトになるのは三塁走者でなく打者走者で、二死三塁で試合は再開されるのである。


これは敗戦処理。も勘違いしていた。この試合の観戦記、43日付エントリー何か引っかかるものはあるが、ファイターズが東京ドーム今季初勝利…。 では自信を持って“このプレーに関しては田中賢のスライディングが本塁送球を防ぐために走路を変えて危険だと見なされたら打者走者でなく三塁走者がアウトにされるのだろう。”と書いた<苦笑>

 

まあ確かに、今回のプレーのように5-4-2と転送されるダブルプレーは滅多に起きるプレーでは無い。ルールでそこまで規制していないということも考えられよう。

 

だがしかし、素人の敗戦処理。はともかく、プロの内野手である田中賢がこのルールを頭に入れているとしたら、あの場面で一塁走者としてどういうプレーをするか?

 

もしも単純に何もせずに自分(田中賢)がフォースアウトになっただけなら、川島からの本塁送球で三塁走者の西川がタッチアウトになっていたかもしれない(コリジョンルールがどう影響するかはこの際別問題)。そうなると二死一塁で試合再開だ。それならば自分が守備妨害を取られても、川島の本塁送球を阻止しようと思うだろう。守備妨害の場合は二死三塁で試合再開だ。

 


川島も、外野との掛け持ちとは言え、
11年目の内野手だ。当然このルールを頭に入れていると考えられる。西川の本塁生還を阻止するには、この回のファイターズの攻撃を無得点に終わらせるには本塁に送球して刺すしかないと考えても不思議ではない。川島が避けようとしなかった理由もこれなら合点がいく。


田中賢のスライディングは足が川島の下半身を狙いながら両腕は二塁ベースにしがみついている。審判員に妨害行為と見なされないための工夫であろう。川島も、もしあのプレーが普通の5-4-3の併殺プレーへの妨害だったら、スライディングを避けるふりをして大きく転倒し、守備妨害を受けたように審判員に判定させるくらいのテクニックを身につけていても不思議ではない。


このように妄想を巡らしたから、タイトルを田中賢介の走塁を守備妨害だと主張する人達は公認野球規則を読んでいないのか!?」としたのだ。


田中賢のスライディングを、仮に守備妨害に当たらないルールの範囲だとしても、フェアなプレーではなく許しがたいプレーだという意見が多いようだが、個人的には田中賢の目的は川島を負傷させることではなく、あくまで本塁への送球の阻止。そしてそのためには最悪守備妨害と判断されても構わないと判断してのスライディングだろう。


川島には本当に気の毒なプレーになったが、再発防止策を考えるなら、選手のモラルとかではなく、公認野球規則7.09(f)の改訂が必須であろう。


今回のようなプレーを公認野球規則7.09(f)で裁こうとする際のネックは文言にある味方のプレーヤーが相手の守備を妨害したものとして打者走者に対してもアウトを宣告する。だろう。これはいわば連帯責任の発想だ。だがこれを、走者が守備を妨害することによってアウトになるのを防ごうとした走者をアウトにする旨の文言にすることで無用な妨害行為が防げるのではないか?


実は同じ公認野球規則7.09には続く(g)でこんな規定がある。

 


(g)
 打者走者が、明らかに併殺を行わせまいとして故意に打球を妨げるか、または打球を処理している野手を妨害したと審判員が判断したとき、審判員は打者走者に妨害によるアウトを宣告するとともに、どこで併殺が行われようとしていたかには関係なく、本塁に最も近い走者に対してもアウトを宣告する。この場合、ボールデッドとなって他の走者は進塁することはできない。


この文言から想像出来るプレーは、走者一塁で送りバントを試みた打者の打球が打席付近で止まってしまった場合に捕手の捕球あるいは送球を妨げようとするプレーだ。たまに判定で揉めることもある。だがこの文言の一番最初の部分を打者走者がから打者走者または走者がと改めるだけでも無用な妨害行為を防げるのでは無いかと思われる。


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アメリカの大リーグでは既に今季から併殺防止の危険なスライディングのチェックが厳しくなっているというから来季には日本も踏襲するだろう。だが、このスポーツニッポンの記事での解説でも、アウトになるのはあくまで打者の方であり、前位の走者は元の塁に戻されるだけであることに変わりはないようだ。



ここはNPBとして、MLBのルール改正(厳格運用!?)に右へ倣えとするだけでなく、独自に田中賢介ルールを作成するのもありではないか?再発防止というならそのくらいの積極性を示すべきだろう。


長くなったのでこれを最後にするが、デイリースポーツON LINEで気になる記事を見つけた。


工藤公康監督は走者と捕手の衝突防止を目的に今季新たに導入された「コリジョンルール」に触れ、二塁へのスライディングも見るように審判員に求めていたといい「審判も見ると言っていたのに。少し残念。これをきっかけに考えてくれれば」と話した。


佐々木審判員の見解と相反する点がある。これが事実なら工藤監督があれだけ長く抗議するのもわかる。

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コメント

妨害判定の場合、スライディング時に一塁走者は既にアウトになっているので、公認野球規則では7.09(f)ではなく7.09(e)が適用で、アウトになるのは打者走者ではなく三塁走者かと思います。ちなみに米国でOfficial Baseball Rulesが昨年大幅に改定(殆どは番号を変えただけ)になったのに合わせて、日本でも今シーズンから公認野球規則が変わり、旧7.09(e)は今年から6.01(a)(5)です。
なお、球審が『妨害の場合は一塁走者と打者走者がアウト』と言ったのが間違っているというわけではなく、二塁手が倒れたのが送球動作の前だったので送球しようとした先が明確ではなくて本塁ではなく一塁だと考えたのかもしれません。

senasena様、コメントをありがとうございます。

> 妨害判定の場合、スライディング時に一塁走者は既にアウトになっているので、公認野球規則では7.09(f)ではなく7.09(e)が適用で、アウトになるのは打者走者ではなく三塁走者かと思います。

おっと、公認野球規則を読んでいないのは私の方になりますね。

2016年版を見ていないので、旧条文で書きますが、7.09(e)の“アウトになったばかりの打者または走者”の意味を取り違えていました。

もちろん田中賢介も自らがアウトになるのはわかった上でのスライディングなのでしょうが、この条文の【原注】にある、

打者または走者が、アウトになった後走り続けてもその行為だけでは、野手を惑乱したり、じゃましたり、またはさえぎったものとはみなされない。

とのギリギリを狙ったのでしょうね。

> なお、球審が『妨害の場合は一塁走者と打者走者がアウト』と言ったのが間違っているというわけではなく、二塁手が倒れたのが送球動作の前だったので送球しようとした先が明確ではなくて本塁ではなく一塁だと考えたのかもしれません。


どうなのでしょう?

「もう1度映像で確認したが、」と言っていますし、その上で川島がホームに投げようとしていると見なせないのは問題ありだと思いますが…。

ただ、有名なメディアでも、川島が一塁に送球しようとしたという前提で書いてあるのがあってちょっと残念でした。

それにしても、ルールって難しいですね。

貴重なコメント、本当にありがとうございました。

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