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2016年3月19日 (土)

公認野球規則3.09(2)、そして野球協約第180条1(1)

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公認野球規則にはこんな条文がある。


公認野球規則3.09 ユニフォーム着用者は、次のことが禁じられる。
(1)プレーヤーが、試合前、試合中、または試合終了後を問わず、観衆に話しかけたり、席を同じくしたり、スタンドに座ること。
(2)監督、コーチまたはプレーヤーが、試合前、試合中を問わず、いかなるときでも観衆に話しかけたり、または相手チームのプレーヤーと親睦的態度をとること。



2011
年、大相撲で八百長問題が発生。三月場所が中止になるという事態に至った。その発覚の経緯が、一部力士の野球賭博に対する捜査で押収した携帯電話のデータを復元して調べていたところ、取組に関する八百長の打ち合わせが復元されたからであった。日本野球機構の加藤良三コミッショナー(当時)は、野球界にとっても対岸の火事ではないとして、この公認野球規則3.09(2)の再徹底を強く訴え、グラウンドに観客が入場してからは相手チームと私語を交わしてはならないとの通達を発した。ただ当時は「そこまでやらなくても」という印象を持ったファンも多かったようで、それどころか選手間にも浸透しなかった。


旗振り役の加藤コミッショナーがその後、統一球の反発の問題などでファンの信頼をなくし、やがて退任したこともあってこの通達の存在すら忘れられた感じだ。しかし今にして思えば、あのとき徹底していればと悔やまれる。


あれから約五年、ジャイアンツの福田聡志の野球賭博関与発覚から始まった一連の野球賭博問題は今週、産経新聞や朝日新聞が取り上げることで新たな局面に突入した。主に試合前のベンチ前で行われる、いわゆる円陣での声出し役の選手が勝てば他の選手から金銭を得られる習慣があることも発覚。最初に発覚したジャイアンツでは負けた場合には声出し役が逆に他の選手に金を支払っている悪質さが際だった。


もっとも、これらの金銭授受はおそらくチーム内で完結しているもので、一連の野球賭博問題に懸念される反社会的勢力の存在はまず無いと思われる。もちろんだからといって肯定されるものではなく、いい機会だから今後一切こういうことを止めるべきだと思う。


ただ、同じ円陣声出しでの金銭授受でも、このエントリーを書いている時点では確かに過半数の球団で行われていたというのは由々しき事態だが、他の球団が、程度の違いはあれど、勝ったときのみの金銭授受であるのに対し、ジャイアンツでは試合に負けると声出し役が逆に他の選手に金を払わなければならない仕組みだった。この例一つを取ってみても、昨今のジャイアンツが腐敗している象徴と言えよう。


敗戦処理。は半ば願望も込めてはいるが、野球賭博に関与しているのはジャイアンツだけであって欲しいとすら思っている。それはあっちこっちの球団から出てきたらNPBの崩壊になりかねないからそれだけは避けたいという思いもある。


ファンの中には野球賭博に汚染されているのがジャイアンツだけのはずがない、という意見の方もいるようだ。確かに福田や笠原将生に近づいた、週刊文春がいうところののような人物が他球団の選手に接触を求めることは容易に考えられる。だが、良い方に解釈すれば、他の球団では選手への教育が行き届いており、未然に誘惑を防ぐことに成功しているとも考えられると思う。


もしもこの敗戦処理。の仮説が当を得たものであるとするならば、調査委員会の再調査はあくまでジャイアンツに対する調査に全勢力を集中し、昨年お座なりの調査で高木京介の関与を見抜けなかった調査委員会を一新してより厳しいメンバーで臨むべきだとも思う。


そもそも、これがジャイアンツだけの構造上の問題であるとするならば、ジャイアンツ以外の十一球団にとって公式戦開幕を間近に控えるこの時期に、痛くもない腹を探られるのは大迷惑なはずだ。選手会がなぜ立ち上がらないのだろうか?

「選手会として、巨人の選手から失格処分の選手が出たことは遺憾に思います。ただし、あくまで巨人軍内部の問題と捉えます。開幕を控えたこの時期、他球団に関して、開幕に備える、野球に専念することを妨げないで欲しい」くらいのことを言って欲しい。


やましいことがないから調査に協力する、はいいが、やましいことがないのに疑われることほど、煩わしいことはないだろうから。しかし沈黙を貫くと言うことは…。また、過半数の球団で“円陣”の声出しで金銭の授受が為されていたことに関しては少なくとも声明を出すべきであろう。



ちょっと話が逸れた。だが、ジャイアンツ以外の球団に対しても疑いの目で見なくてはならないという考えも敗戦処理。にはある。それが冒頭に掲げた条文が公認野球規則で定められていながら、その存在を念頭に置いたコミッショナーの通達がほとんど守られなかった実態で引っかかるのだ。一球団の緩んだタガが他球団にまで波及する、語弊はあるかもしれないが悪貨が良貨を駆逐する可能性を捨て去るわけにはいかない。したがって、ジャイアンツ以外の球団にも疑いの目を向けて再調査しなければならないのではないか?


球場で生観戦していると気付くが、試合前の練習時間の切り替えの時などに相手チームと談笑している例はごまんとある。
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特にアマチュア時代の先輩と後輩、元チームメートなどはグラウンドで会ったら挨拶をするのが礼儀なのだろう。公然と行われている。



もちろん、それがなくても昨今は侍ジャパンなどで短期間とはいえ他球団の選手と行動を共にする機会も多い。球場での接触を禁じたところで大勢に影響はないと思える。しかし、コミッショナーからの通達があった時点で角界の不祥事を対岸の火事と捉えずに教訓として、他球団との癒着を連想させかねない行為に歯止めをかけていれば、ジャイアンツ以外の球団のファンが「本当に巨人の選手だけなのだろうか?ウチの選手は誰もやっていないのだろうか?」と不安におそわれることも防げたかもしれない。


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加藤コミッショナーは統一球の反発係数の問題や、その統一球に自分のサインを入れていたことなどでファンから顰蹙を買っている面もあったが、有意義な通達も出していたのだ。



ところで、これまで週刊文春や、産経新聞などの取材には協力しながらジャイアンツには協力していないといわれる、野球賭博の常習者とみなされるBはいぜんとして調査委員会の調査にも協力していないようだが、笠原が調査委員会の調査に協力することに応じたという。新たな展開に向かうのだろうか?


野球ブロガーの広尾晃氏は、これをジャイアンツとNPB(調査委員会)がこの件を(これ以上拡げずに)幕引きにするための裏取引だろうという意見。確かに昨秋の調査で福田以外に笠原と、松本竜也をあぶり出したものの高木京を見落としていた調査委員会のトップを変えないでの再調査であることを考えると、どこまで本気か判断しかねる。


敗戦処理。としては、もしも笠原が調査に協力するというなら、まずは今週の週刊文春324日号でB氏が告白している、昨年の夏の高校野球甲子園大会を対象とした高校野球くじの実態がB氏の告白通り、一軍の投手、ほぼ全員が参加していた規模なのか、ぜひ確認して欲しい。


今週の週刊文春に関しては発売前の早刷りを読んだスポーツライターの赤坂英一氏が宮國椋丞の名前が載ることを示唆したため、一部のファンが「ついに5人目の関与者として宮國がと色めき立っていたが、実際の誌面では確かに宮國の名前は出ているが、その一軍投手陣による高校野球くじで強運にも優勝校の東海大相模を引いたということのみ。この高校野球くじは偶然性に左右される要素であるものの賭博に当たる可能性は高いが、これを以て宮國を五人目とするのは早計。(注.その後、赤坂英一氏は別ツイートで“文春の件に関しては、早刷りを読んだ直後に思ったことをつぶやいただけで他意はありません。”と発言。) 参加していた一軍投手陣全員が同率5人目と言えることになり、笠原には他に誰が参加していたかを証言して欲しい。そしてこの高校野球くじにBも参加していたのなら、野球協約第180条に抵触する可能性が高い。


野球協約第180 
(賭博行為の禁止及び暴力団員等との交際禁止)
 
選手、監督、コーチ、又は球団、この組織の役職員その他この組織に属する個人が、次の行為をした場合、コミッショナーは、該当する者を1年間の失格処分、又は無期の失格処分とする。
(1)野球賭博常習者と交際し、又は行動を共にし、これらの者との間で、金品の授受、饗応、その他いっさいの利益を収受し若しくは供与し、要求し、申込み又は約束すること。



さて、どうなるか


円陣声出しの金銭授受も見過ごしてはならない問題かもしれないが、本丸でも重要な局面を迎えようとしているのではないか

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