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2016年1月 2日 (土)

リーグ優勝するスワローズのしたたかさに脱帽した試合【回想】敗戦処理。生観戦録-第42回 2015年(平成27年)編

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毎月2日に、偶数月と奇数月に分けてテーマを決めてエントリーを立ててきたが、どれも一区切り付いた。そんな中で唯一、継続性があるのが、一年間に生観戦した試合の中で最も印象に残っている試合を改めて振り返る、敗戦処理。が生観戦したプロ野球- my only one game of each year。今月は昨年、2015年の生観戦の中から、最も印象深い試合を取り上げる。



1974(昭和49)に初めてプロ野球を生観戦した敗戦処理。はその後毎年、途切れることなく数試合から十数試合を生観戦しています。そこで一年単位にその年の生観戦で最も印象に残っている試合を選び出し、その試合の感想をあらためて書いていきたいと思います。年齢不詳の敗戦処理。ですが同年代の日本の野球ファンの方に「そういえば、あんな試合があったな」と懐かしんでもらえれば幸いです。


【回想】敗戦処理。生観戦録- my only one game of each year42回 2015(平成27)


(写真:送りバントを決めるための代打出場だった寺内崇幸だったが、無死一、二塁の場面でスリーバント失敗。 2015927日撮影)



昨年1231日付エントリー今年の1枚-2015 でも触れた様に、昨年2015年は生観戦の数が激減した。そんな中で最も印象深い試合に選んだのは、贔屓チームの勝ち試合ではなく、痛恨の一敗を喫した試合になった。2015927日、東京ドームで行われたジャイアンツ対スワローズの第24回戦。



この試合が始まるまで、セ・リーグでは首位のスワローズが137試合で72632引き分け、勝率.5332位のジャイアンツは138試合で72651引き分け、勝率.526。スワローズとは1.0ゲーム差。両チームの対戦成績はジャイアンツの1211敗。


既にジャイアンツ以外のセ・リーグ他球団は自力優勝の可能性を失っており、スワローズはこの試合でジャイアンツを直接叩けば、残り5試合ながら優勝マジック3が点灯する。一方のジャイアンツはこの試合を含めて2試合あるスワローズとの直接対決に連勝すれば、逆転優勝、リーグ四連覇の可能性が充分にあった。


両チームの先発は首位のスワローズが石川雅規、ジャイアンツは菅野智之。ともに中四日での先発と、両チームとも大一番に登板間隔を詰めてきた。


0対0で迎えた五回表、スワローズは菅野から雄平今浪隆博の連続安打で無死一、二塁のチャンスを作ると、その次が投手の石川の打順になるにもかかわらず八番の中村悠平に送りバントを命じ、中村は投手前にきれいなバントを決めて一死二、三塁とした。


スワローズには七回以降にリードを守る、オーランド・ロマン、ローガン・オンドルセク、トニー・バーネットという盤石のリリーバーがいる。ジャイアンツとしては六回までにリードを奪いたいところ。そのためにはここで先制点を与える訳にはいかない。打者が投手の石川ということで極端な前進守備を敷くが、石川は前進守備をあざ笑うかの様にライト前にクリーンヒット。
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二者生還でスワローズが2点を先制した。


その裏にジャイアンツも一死から岡本和真の四球、小林誠司のレフト線二塁打で同じく一死二、三塁のチャンスを作ると菅野に代打、井端弘和を起用して勝負をかける。


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井端は期待に応えてライト線に痛烈な打球を放つが、ライトの雄平がダイビングキャッチし、犠飛として1点を返すにとどまった。


普通なら「井端は最低限の仕事をした」と評価される場面だが、負けられない試合という点では雄平のファインプレイに阻まれて仕方ないとはいえ、この回で最低でも同点に追いつきたかった。


実はこの試合、左投手の石川に対してベンチに残っている右打ちの野手では代打として石川に脅威を与えられるのは井端のみ。大田泰示がスターティングメンバーで出ているので、他には控え捕手の加藤健、守備要員の印象が強い寺内崇幸、代走のスペシャリスト、鈴木尚広しかいない。
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村田修一はこの八日前の9月19日に右肘関節炎で登録を抹消されており、既にファームの試合では出場していたが、まだ再登録が出来ない。上述の勝利の方程式の三投手が揃って右投手なのが救いだが、対左投手の代打としては切り札である井端を起用して同点に追いつけなかったことはジャイアンツには痛かった。



五回が終了し、翌28日のジャイアンツの甲子園でのタイガース戦の予告先発投手が発表されたが、タイガースの先発が藤浪晋太郎と発表されると、レフトスタンドのスワローズファンから大声援が起こった。


スワローズは五回終了で中四日の石川を降ろし、六回裏を秋吉亮で三人で片付けると、1点リードのまま七回裏にはロマンを投入。ついに勝利の方程式に突入。


ジャイアンツも食らいつく。長野久義と、大田の代打、亀井善行が連続安打で無死一、二塁とチャンスを拡げると、七番の岡本に代えて寺内を打席に送る。


見え見えの送りバント要員だが、シーズン前半を故障等で棒に振っていた寺内はここに来て難しい場面での送りバントを代打で決めており、四日前の23日のタイガース戦ではサヨナラ安打も放っていた。ここでも送りバントが期待された。


だが外国人のパワーピッチャーのボールはバントをしにくいのか、寺内はバントを三回ともファウル。スリーバント失敗で走者を進められなかった(冒頭の写真)。


それでもまだジャイアンツは一死一、二塁とチャンス継続。小林に代えて代打に左打ちの堂上剛裕を送る。一塁手でスタメン出場している阿部慎之助を別にすれば、控え捕手は加藤しかいない。小林に代打を出すのはリスクも考えなければならないが、攻撃あるのみ、堂上を送ったのだ。


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するとスワローズの真中満監督は、もうジャイアンツに警戒する右の代打がいないことを見極めたかの様に、ロマンに代えて左投手のリリーバー、久古健太郎を送る。



ジャイアンツは小林に代打を送ったのだから、このあとにマスクをかぶる右打ちの捕手、加藤を代打の代打に送るという選択肢もなくは無かったが、不測のアクシデントに見舞われた場合を考えると避けたかったのだろう。堂上がそのまま打席に入り、三振。続く投手の宮國椋丞の代打も、左対左になるレスリー・アンダーソン。アンダーソンは当てるのが精一杯という感じのセンターフライに倒れてジャイアンツは同点機、さらには逆転機を逃す。


堂上を代打に送る場面で、左投手の久古が出てくる可能性をジャイアンツベンチはどの程度考えていたのだろうか?堂上、アンダーソン、高橋由伸と三人の左の代打がベンチにいて、左対左になっても何とか対応出来る期待が高いのは誰だったのか?高橋由ではないのか?さらにいえば、大田に亀井を代打に送った時点から、走者がたまったら久古が出てくる可能性も考えていれば、亀井を温存する起用順も考えられたのではないか。ジャイアンツベンチの代打攻勢は真中監督の思惑通りに抑えられた様に感じた。


続く八回裏、スワローズは頭からオンドルセクを投入。
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ジャイアンツは一死から片岡治大が右中間を破る三塁打で同点のチャンスを再び作るが、坂本勇人が捕邪飛で片岡を還せない。四番の阿部を迎えたところでスワローズはついにイニングまたぎ覚悟で守護神のバーネットを投入。
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阿部は足に死球を受けて出塁。
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逆転の走者なので鈴木を使って勝負をかけたい場面だが、捕手が既に最後の一人である加藤を出していて、万が一の時に捕手を務める阿部に代走を送ることを躊躇したのだろう。阿部が痛い足を引きずって一塁まで歩く。



少なくとも片岡を還してくれれば同点という場面だが、続く長野はボール球を振り回して三振。
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この回もジャイアンツはチャンスを逃す。



ジャイアンツは菅野を五回で降ろしたあとも、田原誠次、戸根千明、宮國椋丞、山口鉄也、スコット・マシソンとつないで1対2の最少点差を九回まで維持し、イニングまたぎとなるバーネットと九回裏に対戦する。


九回裏のジャイアンツは代打で出た亀井がそのまま残って先頭打者でライトにクリーンヒット。再び同点の走者が出た。ここでバント失敗のあと、そのまま三塁に入っている寺内がまたも送りバントに失敗。今度はフェアゾーンに転がしたが捕手の中村の迅速な処理で亀井が二封された。


八番には投手のマシソンが入っていたのでここでようやく代打に高橋由。高橋由は粘って四球を勝ち取るも、今度こそ代走鈴木かと思ったが出てこない。鈴木はこの時点で唯一残っている野手。出し惜しみだろうか。一死一、二塁で一打同点、長打が出れば逆転サヨナラの可能性もある場面で打席には捕手の加藤。延長戦も考えられるから、代打鈴木という訳にはいかない。加藤は三振、一番の立岡宗一郎も三振でジャイアンツは12で敗れた。この瞬間、残り5試合のスワローズに優勝マジック3が点灯した。



927日・東京ドーム】
s 000 020 000 =2
G  000 010 000 =1
Ys)石川、秋吉、ロマン、久古、オンドルセク、Sバーネット-中村
G)菅野、田原誠、戸根、宮國、山口、マシソン-小林、加藤
本塁打)両軍とも無し。


ジャイアンツは9残塁の拙攻。貧打に泣いた今季を象徴するかの様な試合だった。


今季のジャイアンツは貧打の打開策として、ファームで好調な立岡を一軍に抜擢すると、今年は外野一本という方針なのでファームでも守っていない二塁手で起用したり、捕手を二人にして代打要員を多く一軍に入れるなど何とか貧打を打開しようとしていたが、偏った選手構成のひずみを真中監督に見透かされた様な試合だった。贔屓チームの負け試合をその年の最も印象に残る試合に選ぶのはいささか抵抗があるが、悔しさも込めてこの試合を選んだ。



ジャイアンツはこの時点ではまだ優勝の可能性が残っていたが、スワローズは102日のタイガース戦で2対1とサヨナラ勝ちしてリーグ優勝を決めた。


2位で終わったジャイアンツはクライマックスシリーズのファーストステージを突破して再びスワローズと対戦するも、初戦の1勝のみで終わった。スワローズが日本シリーズ進出を決めた第4戦では再び久古と左対左のアンダーソンと堂上が対戦し、封じられた。


また、この試合では9月27日の敗戦で懲りたか、7月29日に相川亮二が左手首骨折で
登録抹消になった時から続いていた捕手二人制からようやく實松一成を一軍に入れて捕手三人制にしたのだが、負けたら終わりという試合だから総動員体制となり、三人いる捕手の一人、小林を残して野手全員を使い果たした。鈴木を代打で使う事態になり、1点ビハインドの九回表二死無走者という場面で、4打数2安打の立岡に代打、高橋由を送る謎の采配も見られたが高橋由はあえなく三振。


最後まで原辰徳監督の采配は真中采配にあしらわれた感じだったが、今にして思えば、負けたら辞意表明の覚悟で臨んだ原監督が後継者、高橋由に最後の打席を与えたのかもしれない。



【参考エントリー】
blog2015年9月27日付ジャイアンツ、直接対決に惜敗しスワローズに優勝マジック3点灯

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