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2014年10月13日 (月)

和田毅、MLBオールスターチーム選出からうかがえる日米野球の本気度と「侍ジャパン」ビジネスへの暗雲

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来月行われる日米野球のMLBオールスターチームの一員に、シカゴ・カブスの和田毅が選ばれることがわかった。


日米野球の目玉の一つ、日本人メジャーリーガーの凱旋登板が見られると言えば、聞こえは良いが、素直に喜んでいて良いのだろうか?


(写真:2014 SUZUKI 日米野球のMLBオールスターチームのメンバー入りが決まったカブスの和田毅。福岡ダイエーホークス時代の200311月撮影)



日米野球の目玉の一つに、日本人メジャーリーガーの凱旋出場が挙げられるが、今回の日米野球は
2006年までの親善試合色の濃い日米野球とは一線を画した、小久保裕紀監督率いる「侍ジャパン」の強化試合のはず。過去のWBCでは異国でプレーする選手が母国代表としてプレーした例は多い。


その論理からすれば、小久保監督がこの日米野球に日本人メジャーリーガーを招聘するというのならわかるが、MLB側が和田毅をメンバーに選ぶというのは、今回の日米野球が建前は小久保監督率いる「侍ジャパン」の強化試合であっても、実質的には2006年までの親善試合色の濃い日米野球と大差ないことの証明とも言える。


もちろん、MLBオールスターチームが、あくまでメジャーリーグに所属する選手の選抜チームであり、和田に限らず米国籍以外の選手が含まれている訳だが、少なくともサッカーの代表戦ではこういうことはないのではないか?


日米野球が2006年を最後に開催されなかったのは、興行的に成り立たなくなったからではない。日本プロ野球選手会が「11月は真剣勝負の場にして欲しい」と申し出て、とても真剣勝負とは言えない日米野球を拒絶したのだ。この年は日本シリーズの後に日米野球を挟んでアジアシリーズがあるという、真剣勝負と真剣勝負の間に親善試合が行われるという変則日程だったことも拍車を掛けた。日本シリーズに進出したドラゴンズとファイターズの選手はアジアシリーズに備えるために日米野球を免除されたほどだ。


アジアシリーズは前年の2005年からスタートした。その時点でオリンピックで野球が正式種目になっており、日本代表もオールプロで構成されるようになっていた。しかし野球大国のアメリカがオリンピックにベストメンバーを組んでこない。理由は簡単だ。夏の五輪は公式戦期間と重なる。スター選手不在ではチームにとってマイナスと言うだけでなく、巨額の放映権を機構に払っているメディアが許さないという一面もあった。そんな中、韓国、台湾球界の頭角もあって、アジアナンバーワンを決める国別対抗戦は意義のあるものと思えた。だが、日本シリーズ優勝チームの圧勝が何年か続くと、ファンの関心は薄れ、“罰ゲーム”とまで揶揄される向きもあった。


アジアシリーズが国別対抗戦で、サッカーに例えるならトヨタカップに相当するクラブチーム選手権だとすると、遅れてスタートしたWBCはワールドカップに相当する各国代表の一騎打ち。ここで日本は日本人メジャーリーガーも加えた陣容で第一回、第二回大会を連覇して「世界一」に輝いた。サッカー人気を根底で支えるのが国際大会の存在だとすれば、野球人気復興にWBCの「世界一」を材料に使わない手はない。NPBはそう考えるが、第三回大会開催を前に選手会は利益配分をめぐり大会の出場拒否をぶちあげたほどだった。


かし、そうはいってもNPBにとって日本代表チーム事業はドル箱。NPBとしての財源の安定化に欠かせないコンテンツとして、第三回大会敗退後、サッカーの日本代表チームのように常設することを思いついた。


現役生活に終止符を打った小久保を監督に据え、コーチも決め、昨年のオフには旗揚げとして台湾選抜チームと試合をした。真剣勝負の腕試しという点では台湾、韓国、キューバあたりと対戦する事が文字通りの“強化試合”につながるのだろうが、一般的な野球ファンが見たいのはやはり大リーガーとの対戦ということなのだろう。このオフは日米野球を再開させた。やっぱりそれが最も大きな利益を産み出すからなのだろう。


だが、NPBが侍ジャパン、国際大会に力を入れようとも、来年2015年に第一回大会が行われる予定の「プレミア12」に関しても予定された日本開催が反故にされたり、今年のアジアシリーズが開催出来ずに中止になるなど、野球における国際大会への風向きが順風満帆でないのが実態だ。


せめて今回の日米野球に、日本人メジャーリーガーを何人か「侍ジャパン」に引き入れて、本当の日本代表に近い形のメンバーで、物見遊山のMLBオールスターチームを叩きのめせば「侍ジャパン」と「侍ジャパン」ビジネスに明るい希望が見えてくるのだが、どう考えてもそうはならなさそうだ。

もちろん、第三回大会のように「侍ジャパン」が望んだ日本人メジャーリーガーの出場が拒否されるケースを想定してNPBメンバーに限定しているのが実態なのだろうが…。


日米野球は、法外なチケット価格設定にもかかわらず毎度チケットを購入してしまう敗戦処理。のようなカモがいる限り、今回も大きな黒字を出すだろう。だが、それはそれでよいとしても、「侍ジャパン」の強化に繋がるかどうかは別問題だ。そして今年日米野球を実施すると、来年、「侍ジャパン」の相手を探すのも一苦労するのは必至だ<苦笑>


野球界の裾野を拡げるとか、国際化とかとは別の一面としてNPBの財源確保のための「侍ジャパン」として物事を見るとむしろスッキリとするが、そんな「侍ジャパン」の活動のために11月の日程を確保し、それまでに日本シリーズを終了させなければならないとして、交流戦の縮小に応じざるを得ないパ・リーグ。同じ穴の狢と言ってしまえばそれまでだが、日本のプロ野球が何を優先すべきなのか、よく考えて活動してもらいたい。

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