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2014年4月16日 (水)

“スコット鉄太朗”今季初そろい踏みも、三年目で初めて三人とも失点…

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ジャイアンツの「勝利の方程式」、山口鉄也、スコット・マシソン、西村健太朗のいわゆる“スコット鉄太朗”が今季初めて三人揃って登板した
16日の対スワローズ戦、三人共に失点(自責点)がつき、延長十回に勝ち越し、最後は笠原将生で辛うじて逃げ切った。

マシソンが入団した2012年から、一試合に三人とも投入した試合はこれで42勝3敗9引き分けとなったが、三人揃って自責点(失点)が記録されたのは三年目、54試合目で初めてのケース。

 

昨年は六回までリードしておけば6032引き分けで勝率.952と驚異的な勝率を誇り、ジャイアンツファンは「勝ったも同然」という安心感を持てたかもしれないが、今季はそうはいかない、そうとは限らないと覚悟した方がいいかも…。


(写真:“スコット鉄太朗”の最後の砦、西村健太朗。今日は八回途中からの登板も、リードを守れず…。今季は今一つ波に乗れない!? 20143月撮影)



一応念のために断っておくが“スコット鉄太朗”とはジャイアンツの勝ちパターンの試合での継投、いわゆる「勝利の方程式」を担うスコット・マシソン、山口鉄也、西村健太朗の三投手の名前を合わせた造語で日刊スポーツの記者が考えたと言われている。日刊スポーツを定期購読している敗戦処理。には既に定着したフレーズだが、そうでない人にはまだ浸透していないかもしれない。余談だが“スコット鉄太朗”が結成された
2012年、シーズン中盤に一軍入りを果たしたルーキー三投手を同紙は“田原一京介”と呼んだが、田原誠次、一岡竜司、高木京介の活躍が思った程に脚光を浴びなかったこともあり二匹目のドジョウとはならなかった…。


冒頭にも記したとおり、昨年のジャイアンツでは「勝利の方程式」に“スコット鉄太朗”を擁していることもあり、六回終了時点で1点以上リードしていれば6032引き分けで勝率.952と高い安定感を誇っていた。三投手揃って登板した試合は37試合。そのうちの29試合に三投手共が無失点。2836引き分けと高い勝率を記録した。近年ではタイガースのジェフ・ウイリアムス、藤川球児、久保田智之“JFK”の安定感が記憶に新しいがそれに匹敵するだろう。

ところが今年はそうはいかない。シーズン前に発覚した山口の故障とシーズン開幕後のインフルエンザ感染、マシソンの不振で勝利の方程式が万全でなくなった。マシソンは昨年は63試合に登板して61イニングを投げて自責点7だったが、今季は今日(16)を含めて9試合の登板で自責点は昨年を超えており、今日のウラディミール・バレンティンに浴びた同点本塁打で自責点は11となった。


今日の試合は先発の菅野智之が七回まで投げて5対3とリードして迎えた八回裏に山口を投入。山口が安打、四球、安打で1点を失い、一死をとったところで右打者の畠山和洋を迎えるとジャイアンツベンチは西村を投入。マシソンが前日の登板で同点から4点を奪われて敗戦投手になっていることから、山口、西村、マシソンのリレーで逃げ切ろうとしたとは考えにくい。最終回に登板させる予定の西村を前倒しして登板させたのだろう。ところがその西村が畠山、相川亮二、今浪隆博に三連打を浴びて逆転を喫し、代打の松元ユウイチに中犠飛を打たれて5対72点のビハインドとなってしまった。この回、山口が自責点3で西村が自責点1だった。

これで逆転負けで終わってしまいかねないところだったが、スワローズのリリーフ陣もどっちもどっちで九回表にジャイアンツは3点を奪って逆転。87として九回裏を迎えた。西村に代打を送っていたこともあり、マシソンを投入。前日までの防御率が12.86のマシソンはこの回に1点取られる確率が高いのだが、その通りにバレンティンに同点本塁打を浴びた。ジャイアンツは十回表に阿部慎之助のこの試合二本目の本塁打で9対8と勝ち越し、十回裏には笠原将生を投入。二死一、二塁と逆転の走者を出塁させてしまったが辛くも逃げ切った。

スコット鉄太朗”の三人に共に自責点、失点が付いた試合がこれまでにあったのか手持ちの「ベースボール・レコード・ブック」等で調べてみたが、三人とも登板した201216試合、201337試合では三人共に失点、自責点が記録された試合はなかった。今季は三人揃って登板した試合はこの試合が初めてで、三年目、54試合目にして初めてのケースだ。

れまでに三人とも登板して、二人に失点、自責点が記録されたケースは2012年にはなく、2013年にマシソンと山口、山口と西村、マシソンと西村の三通りの組み合わせで各1度ずつあったのみ。それだけ盤石な三人だったのだ。


敗戦処理。は何度か警鐘を鳴らしてきたつもりだが、山口の2008年から昨年までの六年連続60試合登板という前人未到の日本記録はリリーフ投手としての金字塔であると同時に異常値でもあると思う。岩瀬仁紀ですら達成していないこの記録の金属疲労は確実に顕在化するはずで、山口の成績に翳りが出ることは織り込まなければなるまい、ともかく故障だけはさせないでくれ、と思っていて書いてきたが、そこにマシソンの不振が重なるのはさすがに想定していなかった。

シソンは今日のバレンティンの被弾で今季早くも4本目の被本塁打だが、振り返ると3月29日のタイガース戦で八回表にマット・マートンに浴びた同点弾、今月2日のベイスターズ戦での井手正太郎に浴びたソロ本塁打、8日のカープ戦で1点ビハインドから突き放された堂林翔太の2ランと、投げる場面が場面だけに一発が勝敗に直結しがちである。ファンは(ジャイアンツファンに限らず)抑えに出てきてあっさり四球を出してしまうような投手をやれ劇場だのなんだの揶揄するが、四球の走者は後続を断てば何とかなることも多いが、当たり前だが一発を浴びると=失点だ。

今日の試合はリリーフ陣がどっちもどっちの惨状でジャイアンツが辛うじて物量の差で勝った様な試合だったが、一般論ではこうした展開になると裏の攻撃のホームチームが有利だ。ジャイアンツからすれば七回終了時点でリードしていた試合だから勝たなければならない試合だが、負けなくてよかったという印象を持った…。

今年の“スコット鉄太朗”は盤石ではない。打線はリードを1点でも多く取っておかなければならないだろうし、先発投手は出来るだけ長く投げなければならない。ジャイアンツファンもそんな覚悟を持ってこれからの試合を応援した方が良いかもしれない。

今年の原辰徳監督は開幕第二戦でベテランの杉内俊哉を四回2失点(80)で打順で代打を送って降板させたり、第三戦からオーダーを大きくいじるなど、ベンチワークにどっしりとした落ち着きが感じられないが、これからはさらに落ち着きが無く、攻撃においてはしゃにむに1点を取りに行く、良く言えば“石橋を叩いて渡る”野球、悪く言えばせこい野球にシフトしていくかもしれない。


今日は勝利投手の権利を持って降板した先発の菅野の勝ち星がフイになったが、打球が二回続けて当たるアクシデントがあったものの最後まで投げきれないからリリーフ投手をつぎ込まなければならないわけで、個人的にはこういうケースで“勝ち星がフイになった”という言い方をするのは好きではない。

リリーフ投手が打たれることを“勝ち星がフイになった”というのなら一人で最後まで投げきるべきであるという個人的な一般論を持っている。また「勝利の方程式」も昨今ではほとんどのチームで七回から1イニング1人という勝ちパターンの継投策を講じるのが常套手段となっているが本来、継投というのは投手の数が増えれば増えるほど、その中に1人でも調子の悪い投手が入り込む余地が増えるわけで、その1人の投手のせいで勝利が逃げるリスクが高くなるものなのだ。今日のように三人が三人揃って打たれるということはレアケースなのだが、継投策至上主義者のファンの方には肝に銘じてもらいたいケーススタディと言えると思う。


野球は3つアウトを取ると1イニングが終わるが、最も取りにくい3つのアウトが接戦での九回であり、そのために専門職の抑え投手が確立されているのであり、昨今ではそれだけでは飽きたらず八回、七回にも専門職の投手を擁し、「勝利の方程式」を確立するのがチームの勝率を上げるために不可欠と思われている。だが、投手の肩は消耗品といわれるのと同等に常に緊張を強いられる場面での登板、または準備を余儀なくされるリリーフ投手の好調期は長くはないということをファンも頭に入れておくべきだろう。極論すれば、今日のように揃いも揃って失点しても、最後に勝てばいいのだ。


最後に話が大きく逸れるが、ファイターズで10日のゴールデンイーグルス戦に先発して二回途中でKOされた斎藤祐樹に中継ぎ転向再調整という報道が出たが、それが実現せず翌日に出場選手登録を抹消された(二軍落ち)ことに安堵したものだ。先発でダメなら中継ぎでというほど、昨今の野球で中継ぎ投手の役割は軽いものでは無いからだ。


話を戻す。“スコット鉄太朗”の不振が一過性のもので、これから徐々に昨年に近いものになればそれに越したことはない。ボールが元に戻れば今日の再現はないと思いたいが、そうならない場合でも今までピンチをよく抑えてくれたことに感謝し、少々の失敗でブーイングをする愚だけは冒すまいと認識した次第である。


※ 本エントリーのデータは敗戦処理。の手持ちの資料での調べに付き、抜け、漏れがありましたらご容赦いただきたい。また、ご指摘いただければ幸いです。

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