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2014年2月12日 (水)

今年はどうなる“二刀流”大谷翔平!?-大谷翔平カレンダー

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昨年“二刀流ルーキー”として、まだ未完成ながら壮大な可能性を見せてくれたファイターズの大谷翔平。二年目の今年はよりバージョンアップした二刀流を期待したいが、これまでの報道だと先発ローテーションで投げられるように鍛え、先発と先発の合間に野手として出るという投手に比重を置いた二刀流をイメージしているようだ。

投手、打者(外野手)、どちらに絞っても一流選手になりそうな素材ながら、敗戦処理。はカープの苑田聡彦スカウト統括部長が「打者に専念すれば
3000本安打を打てる逸材」と言ったという打撃を伸ばして欲しいなという気持ちも…。

昨年の二刀流掛け持ちデータから、二年目の二刀流を占ってみる。


(写真:二年目を迎えた大谷翔平の“二刀流”今年もこんな、ワクワクするシーンが観られるか…)



何せほとんど前例のないことに挑戦しているので、比較対象もないし、ファイターズの育成システムが正しいのか正しくないのかも判断しづらい。実際、一部報道に見られる、昨年の“始めに大谷の二刀流ありきが不協和音を呼んだ”云々はあっても不思議ではないし、あったと思う。今年は二年目ということでより成果が求められると思う。


昨年の3月のイースタン教育リーグから公式戦終了までの大谷翔平の二刀流ぶりを記した「大谷翔平カレンダー2013を添付したので参照されながら読んでいただきたい。
「S_Ohtanicalendar2013.xls」をダウンロード

一試合で投手と野手の両方をやったのは321日のオープン戦(冒頭の写真)と、618日の交流戦のカープ戦と、719日のオールスターゲーム第一戦と、8月18日のホークス戦の四回だけ。最後のホークス戦以外は投手として登板したあとにライトの守備に回っている。DH制では試合中の投手から野手、あるいは野手から投手という掛け持ちはデメリットも大きい。カープ戦ではDHを使えない試合ということもあって、「五番・投手」で先発し、その後ライトの守備に付いた。それ以外は投手として出る日と、野手で出る日を完全に分けたようだ。それ故か、投手としての登板のうち、リリーフ登板は公式戦では前出の818日のホークス戦以外では一度だけで合計二回だけ。

また、一般的に先発ローテーション投手が登板の前日や翌日にベンチ入りしないで調整や疲労回復に充てるのと同様に、大谷の二刀流でも先発登板の前日と翌日には野手としての出場も控える事が多かった。以前にも書いたと思うが、二刀流といえども休養日が必要とのことなら、先発登板日を前日か翌日に試合がない日を選んだ方が効率的と言える。だが昨年の例でいうと、公式戦での11回の先発登板のうち、前日もしくは翌日に試合が無かったのは6回だけ。これは効率が悪い。

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先発ローテーション投手が先発と次の先発の間の六日間には次の先発に備えた準備に徹するのはもはや普通のこと。特にエース級になると、この間、一日たりともベンチ入りの
25人に名を連ねないケースもあるという。それが先発ローテーション投手として最も力を発揮しやすいのならそうするべきだろうが、先発投手にいわゆる“上がり”はあっても、野手に“上がり”はない。野手はすべての試合に万全のコンディションで出場出来る準備をするものだ。

投手と二刀流を務める野手大谷にはどうしても試合に出られない日が出来てしまう。ならばその出られない日を、試合に無い日に重ねた方が合理的だ。交流戦期間にどうするかという課題はあるが、月曜日に試合が休みになる現行の日程では大谷の先発日は火曜日か日曜日にするのが合理的だ。火曜日に先発する場合には水曜日に、日曜日に先発するのなら土曜日にとそれぞれ試合に出られなくなるが、一日で済むというメリットを見込める。

ただそれは、大谷投手が中六日あれば先発投手としての役目を果たせるという前提で成り立つ話。


昨年の大谷の公式戦初登板からの登板間隔を見てみよう。野手としての出場は考えず、投手としての登板間隔に絞る。


初先発5/23586
(中8日)
6/1587
(中9日)
6/11、7回109(イースタンで先発)
(中6日)
6/18、4回81
(中7日)
6/26、6回98
(中7日)
7/452/3 107
(中14日)
7/19、三番手113 ※オールスターゲーム
(中10日)
7/30480
(中9日)
8/9、二番手230
(中8日)
8/18、四番手125
(中4日)
8/23、6回2/3110
(中8日)
9/6590
(中8日)
9/1551/3100
(中10日)
9/26591
(中7日)
10/47113

リリーフのあとの先発で中4日というのが一度あるが、先発と先発の間の登板間隔では中6日が最短でそれも一度だけで、他は中7日以上空けている。このあたりが高校卒ルーキー一年目の限界なのではないか。何かと比較されるタイガースの藤浪晋太郎は開幕カードから日曜日ごとの中6日の間隔が徹底され、8月に一度だけ中5日登板をした以外は中6日はキープされた。投手一本の藤浪でも中6日が必要だったことを考えると、一年目の二刀流が中10日であってもやむを得まい。

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だが栗山英樹監督や首脳陣は大谷を今年は先発ローテーションに入れることを目標にしている。そのためには先発候補としてチームで六番目以内に入らなければならないのと同時に、少なくとも中
6日、一定の登板間隔で投げ続けられなければならない。これが出来なければ構想は水泡に帰す。繰り返しになるが当面火曜日か日曜日に先発登板日を固定し、残りの五試合のうち四試合に野手として出場出来るように、いかにしてレベルを上げていくか、これがこのキャンプ、その先のオープン戦での大谷の課題になるだろう。


一方の野手としての出場だが、これまた報道では(投手に重点を置くからか)ライトを守るのでなくDHでの起用を念頭に置いているようだ。確かに登板に支障を来すアクシデントを避けるには守備をさせないという考え方は理解出来る。だが大谷をDHで使うとすると、昨年、DHとしてパ・リーグのベストナインに選ばれた本塁打王のミケル・アブレイユを一塁の守備に付けなければならない。

昨年のアブレイユを観る限り、DH専門の外国人選手にありがちな、あり得ないほどの下手さはないが、軽快な守備とはいいがたい。実際守備力に期待できるなら稲葉篤紀マイカ・ホフパワーをDHにしてアブレイユを一塁手で起用していただろう。そしてアブレイユが一塁の守備に付くだけでなく、二塁を西川遥輝が守り、三塁に中田翔が入るとしたら、まあ打線は魅力的になるかもしれないが、北海道に移転してから脈々と築いていったファイターズの野球とは異なるものになる。球団はそこまでの覚悟を以て大谷をDHで使おうとしているのだろうか…。

しかもDH大谷、一塁アブレイユの布陣では新外国人のホアン・ミランダと稲葉の守るところがない。ミランダが外野を守れないと決めつけるのは早計だが、かつてはゴールデングラブを獲得した稲葉も、守備の負担を軽くするために一塁に回してからもう六年になるのだ。それこそ脈々と築いたファイターズではなくなる。大引啓次陽岱鋼以外、安心できない守備陣になってしまいかねない…。リスクはあるが、大谷をライトの守備に付ける方がチームが巧く回るように敗戦処理。は思う。

大谷翔平カレンダーを見て下さった方の中には「昨年、野手としてもっと試合に出られたのではないか?」という疑問を持つ方もいるだろう。先発登板日の直前直後以外の日でも大谷がスタメンに名を連ねない空白の日がけっこう目立つ。実は野手大谷の起用に際して、昨年は相手チームの左投手との対決を極力避けていたのだ。いきなり決勝打デビューした開幕戦の翌日、ライオンズの予告先発、菊池雄星と対戦した大谷は二打席連続三振。第三打席には早くも二岡智宏を代打に送られた。そしてこれが左投手先発試合での大谷の最後のスタメン起用となった。

かつてジャイアンツの長嶋茂雄監督は新人時代の清水隆行の打撃センスを高く評価して、どんどん試合にスタメン起用していたが、左投手の先発が予想される試合では清水をスタメン起用しなかった。清水の代わりに左投手対策で起用されるのは広沢克己、岸川勝也、井上真二あたりだったが、いずれも左投手攻略といかないことが多くマスコミやファンから「それだったら清水を使った方が…」という声が挙がったが長嶋監督はなかなか清水を使わなかった。その理由は清水が左投手を打てないだけでなく、打撃フォームを崩され、翌日の右投手との対戦にも支障を来すから左投手との対戦を一年目には避けていたという。昨年、栗山監督が大谷を左投手と対戦させるのを避けたのも似たような理由ではないか。菊池から二打席連続三振するのを観たが、とてもバッティングになっていなかった。
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ちなみに対左投手は年間で18打席17打数3安打11三振、打率.176一方で対右投手は186打席172打数42安打53三振、打率.242

あくまでも投手主体の二刀流ということであれば、今季も野手での出場を対右投手に絞り、(DHで使う理由と同様にリスクを避ける意味で)左投手が先発してくる日には少なくともスタメンでは使わないという育成方法もありだとは思うし、他に左投手に強い選手を使った方が試合に勝てる確率は高くなるだろう。だがそもそも、そんな条件付き二刀流で誰が喜ぶというのか?

一年目の昨年は仕方ないだろう。一度に何もかもではなく、出来るところからやってみようというのもわかる。昨年の4月の東京ドームの試合ではライトでスタメンで出て、守備について投球練習の間のキャッチボールでは、杉谷拳士から捕球してすぐ返球するときの投げ方の指南を受けていた。
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二刀流調整が投と打にばかり集中し、守備にまで充分な時間が割かれていないことを露呈した。


月並みな表現だが、左投手を苦手とする打者が左投手を克服するには、左投手から打つしかないのだ。サウスポーの打撃投手と多く練習するなどの方法が考えられるが、結局は実戦で克服するしかないだろう。それを投手優先で野手での起用を限定するからといって対戦を避けていてはなかなか克服することは出来ない。センスのある選手なので対戦を重ねていけばそこそこ克服すると敗戦処理。は見ているが、楽観視過ぎだろうか…。


野球ファンの誰が、年間で20勝以上挙げて、なおかつ無敗でシーズンを乗り切る投手が誕生すると予想していただろうか?大谷には「二刀流なんて無理。話題作りも先が見えたらオシマイ」という声を覆す活躍をして欲しい。だが、長い目で見ることも必要だけれど、大谷と心中出来るチーム事情ではないと思う。あくまで私見ではあるが、昨年の最下位低迷は今まで築き上げてきたものが崩壊する序章かもしれない。今年は踏ん張り時だと思っている。大谷には酷かもしれないが結果を示しつつ、二刀流成就への育成の一年であって欲しい。


【参考資料】
・「プロ野球本当の実力がわかる本20132014 ~セイバーメトリクスで見るプロ野球~」企画・監修京都純典。日刊スポーツ出版社
・「プロ野球の統計データ活用術!!【Part2】」20131214日、データスタジアム()、野球ファンネット

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