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2013年11月17日 (日)

ポスティングシステムは田中将大のために結ばれなければならないのか?

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敗戦処理。が自宅で定期購読している日刊スポーツの偏向ぶりはいささか異常だとは思うが、他メディアも含め、MLBとNPBが結ぼうとしている新しいポスティングシステムがあたかも田中将大が来季から大リーグでプレーするために一日も早く結ばれなければならないというシナリオに沿って動いているように思えるのがどうも気に入らない。


(写真:なかなか締結されない新しいポスティングシステムに関して報じる最近の日刊スポーツ1面)



念のために地元の図書館で最近のスポーツニッポンを読んでみたが、ポスティングの締結危うしという論調に支配されてはいるが、日刊スポーツほどにことさらに田中将大を被害者、犠牲者のようには設定していないようだ。日刊スポーツには田中をポスティングシステムで移籍させないとまずい、それを阻むMLBは悪だと読者に思い込ませないとならない事情があるのだろうか…と邪推してしまう
<苦笑>


敗戦処理。に言わせれば、別にこのオフに、従来までのポスティングシステムに代わる新しいポスティングシステムが締結されなかったとしても誰にも致命的な不利益が生じることはないはずだ。


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ゴールデンイーグルスの田中将大はまだフリーエージェントの資格を得ていない。基本的にゴールデンイーグルスの拘束を受ける支配下登録選手に過ぎない。同権利を得ていない選手で大リーグでプレーしたい選手のために特例として存在するのがポスティングシステムだが、それがMLB側の事情により失効。移籍の方法がなくなっただけで、田中は来季もゴールデンイーグルスと契約を結べば良いだけの話だ。


巷間噂されるように、今季の田中の240敗という前代未聞の好成績に報いて来季の田中の年俸を査定すると、それこそ前代未聞の大幅アップをせざるを得ず、球団経営を圧迫するので田中のポスティング移籍がなくなると、田中本人の希望が叶わないと言うだけでなく、ゴールデンイーグルスの台所事情も左右するというのなら、ゴールデンイーグルスは田中の年俸増額を球団経営を圧迫しない程度にとどめる契約交渉をすれば良いだけだ。

田中もポスティング移籍は選手に確実に認められた権利でないということを自覚するならば、ポスティング移籍が実現しないのならゴールデンイーグルスでのプレー続行を前提に来季の契約交渉をするしかないのだ。


NPB及び選手会は、田中将大が来季、大リーグでプレー出来る状態にならなければまずいという幻想に惑わされずに、このオフの移籍に間に合わなくなるとしても、粘り強くメリットのある新制度を実現出来るように交渉すべきだろう。


ポスティングシステムは、日本人選手の受け入れに関し、MLB側が一定のルールが必要と考え、年数がかかりすぎる日本選手のFA取得よりも早く、日本選手を獲得するシステムを構築出来ないかと考えてNPBに提案したのが発端である。

NPBはフリーエージェントのルールをスタートした際に、基本的には国内間移籍を前提にスタートしたこともあって、移籍に伴う補償などのルールも整備したが、大リーグの球団への移籍に関する補償まで勝ち取れなかった。一方でMLBは日本の選手を、FA権を取得するより早く、出来るだけ旬の状態で獲得したい。日本球界にはFA権取得を待たずに大リーグでプレーしたいと考えている選手も少なくないと考え、ポスティングシステムを提案した。有力選手の早期の流出を防ぎたいNPBの首を縦に振らせるために、所属球団にトレードマネーを払うというエサをまいたのだ。しかも入札制度にすることにより、魅力のある選手であればあるほど、高額が所属球団に支払われるという日本の球団にも好都合な制度だ。


だが、日本のFA権取得前の有力選手獲得が大リーグ各球団にとって即戦力の補強として重要になるにつれて、入札制度による移籍金の高額化が問題になってきた。そのため昨オフ限りでポスティングシステムを一度失効させて、新たなポスティングシステムを立ち上げる事にした。

NPBはこの時点で、ポスティングシステムで大リーグ移籍を目指す選手の所属球団のうまみが減ることを危惧したが、かつての岩隈久志中島裕之の様に破談になれば一銭も入らないよりはマシだと考えたのか、MLBの新提案、入札球団の入札金額の1位と2位の間を取るというシステムに合意するつもりでいた。ところが選手会は入札上位球団のどの球団とも選手が交渉出来るようにするなど、選手が(入札球団の中から)球団を選べる方式を希望するが、通らなかった。

そうこうしているうちに、MLBでも、新しいポスティング案であっても、金満球団に有利であることに変わりはないと一部球団が強く難色を示したため、一度案を取り下げるといってきた。推測だが新たにMLBから提案される新々ポスティングシステム案はさらに日本球団にとってうまみのないシステムになるのではないか…。

敗戦処理。のポスティングシステムに関する考え方は拙blog 201217日付ポスティングシステムなんて所詮こんなもん から変わっていない。日本の選手も球団も過大な期待をし過ぎなのだ。


MLBとNPBにおけるポスティングシステムを、NPBと日本のアマチュア球界におけるドラフト会議に置き換えて考えると、ポスティングシステムがどんな制度か見えてくる。

NPBのドラフト会議でアマチュアの有力選手に対する指名が重複したら、指名球団同士のくじ引きで交渉権を確定するが、ポスティングシステムはくじ引きの代わりに入札を行うようなものだ。ドラフト会議でくじ引きの代わりに入札制度を導入したらどうかとジャイアンツあたりが提案したら総スカンを食うのは目に見えているが、それを実際に行っているのがポスティングシステムだろう。日本球界を重要な人材供給源と大リーグ球団の多くが考えるようになれば、金満球団に有利な制度の更新に待ったがかかるのは当然だ。


話を戻そう。NPBがポスティングシステムを、海外FA権を行使しての移籍では見込めない移籍金を得るための代替手段と考えているようでは、MLBからは足許を見られ、選手会からはなめられるだけだ。敗戦処理。に言わせれば、MLBが提案した新ポスティングシステムに一度選手会が待ったをかけた時の主張は単なるわがままだとしか思えなかった。

所属球団が認めないと利用出来ない。
日本球団に最高入札球団を拒否する権限がある。
独占交渉権が与えられるため球団選択の自由がない。
複数球団と交渉できないので、年俸等の交渉で選手が不利。
制度制定に関して特別委員会の開催がない。
(日刊スポーツ11月6日付1面より)


最後の一項を除けば、敗戦処理。に言わせればすべて選手会の我田引水。いやならFA権を取得してから行けの一言で一蹴出来る話だ。

選手会も、おそらく田中の移籍実現の足枷になってはいけないと一変して要求を取り下げて二年限定にするなどの条件を示して応じる姿勢をすぐに見せたが、田中ひとりのために他の移籍希望者が最低二年間は不本意なシステムのまま移籍を考えなければならなくなるのだ。本当なら安直な妥結をするべきでないのだ。

NPBもポスティングシステムによる移籍金獲得といううまみがなくなるなら、ポスティングシステムなど破棄して、海外FAの際に金銭補償を求める方向にシフトしても良いと思う。極論を言えば、(さすがに人的補償を求める訳にはいかないだろうから)国内移籍の場合の金銭補償と同じ額でも良い。それでもMLBの非金満球団に優位性がないことに変わりはないが、トレードマネーの高騰化には歯止めがかけられよう。そしてその前提で海外FA権の取得期間短縮を妥協せずに選手会と交渉すればよいのである。

最後に、蛇足ながら敗戦処理。なりに新ポスティングシステムがすんなり決まらなかった理由の一端を邪推してみた。NPB側でポスティングシステムに対するスタンスが今一なのは、ジャイアンツが本気でないからだという気もするのである。

ジャイアンツ球団は一貫してポスティングシステムによる選手の移籍を認めていない。だから無関心なのかもしれない。

例えば清武英利前球団代表の時代だが、セ・リーグがパ・リーグで既に導入されていたプレーオフ制度に追従したのは当時四年連続でリーグ優勝を逃していたジャイアンツの強い意向があったと言われている。パ・リーグの企画に追従するなんてあり得ないと否定的だった他球団を説得して3位以内に入れば日本シリーズ進出の望みがある制度を取り込み、パ・リーグと足並みを揃えてクライマックスシリーズを立ち上げた。しかもパ・リーグにルールを合わせる訳ではなく、3位のチームでも不利でないように前年にパ・リーグが決めたアドバンテージを廃止。まさかジャイアンツのためとは言えないから「アドバンテージを設けると試合数が減り、収入が減るから」と理由をすり替えた。

そしてCS初年度に、リーグ優勝を果たしたジャイアンツがあっさり3連敗で日本シリーズ進出を逃すと、アドバンテージ導入を提唱し、“試合数が減り”との矛盾を避けるために3勝で通過から4勝で通過に改めた。

その
気になればここまでやる球団が無関心だと、こんなに話が先に進まない、交渉下手になるのかという気もする。もちろんジャイアンツの球団代表自体が代わっているというのもあろうが…。


ジャイアンツの時に我田引水ぶりな提案は目に余る場合もあるが、対MLBとあれば多少強引な交渉手法も求められよう。力のあるコミッショナーの不在も少なからず影響していると思われるが、少なくとも田中の移籍が間に合わなくなるから早く決めようというスタンスは拙速を産むだけにしか思えない。NPBも選手会もMLBから出される新々ポスティングシステム案に対して拙速だけは避けて欲しい。

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