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2013年11月10日 (日)

NPB、戦力外通告の選手と他球団の交渉が解禁に

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NPBは今日
10日、静岡県の静岡草薙球場で一回目の合同トライアウトを実施。所属球団から戦力外通告を受けながらも現役続行を希望する60人以上の選手がアピールした。同時に今日から各球団は、戦力外通告を受けた選手との交渉が解禁され、このトライアウトを受験していない選手を含め、戦力外通告を受けた選手と交渉できる。

だが、報道によるとジャイアンツから戦力外通告を受けた谷佳知には古巣のバファローズからオファーがあり、谷は受験予定だったトライアウトの参加を取りやめたという。あれ?今日が解禁なのに、何で谷はトライアウト受験を取りやめたの?


(
写真:現役続行をアピールする谷佳知を1面にした今月5日のスポーツ報知の1面。右端の小見出しに注目!“他球団オファーなければ10日受験”は違反です!?)

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現役続行を望むベテランの谷佳知に、古巣のバファローズから声がかかること自体は喜ばしいことだが、その過程に問題がありそうだ。


NPBと選手会は、それまで球団によってまちまちだった戦力外通告の通告時期による不公平をなくすために2008年のオフから、戦力外通告の時期の基準を決めた。

○ 1次通告:101日から全球団のレギュラーシーズン終了の翌日まで。

○ 
2次通告:クライマックスシリーズ全日程終了翌日から日本シリーズ終了翌日まで。ただし日本シリーズ出場チームは日本シリーズ終了の5日後まで。

そして交渉解禁日を一回目の合同トライアウトの日と定めた。直接のきっかけは2006年のオフに当時バファローズに所属していた中村紀洋の契約交渉がこじれて自由契約になったものの、その時点でほとんどの球団が来季の編成を進めており、中村は自由に契約できる立場ながらなかなか契約交渉に臨めなかったと言う事例があったからとされているが、例えば2000年に日本シリーズを終えたあとにジャイアンツから戦力外通告を受けた橋本清は当時球団ごとに行っていた入団テストがほとんど終わっておりテストを受けられなかったという事例があった。

今では球団単位のテストも、交渉解禁前は禁止。その代わり誰でも受けられる合同トライアウトを毎オフ、二回実施している。交渉解禁日まで設定しているのはそれこそ谷のようなネームバリューなる一部選手が有利になることを防ぐためで、あくまでも選手会は“公平性”を保ちたかったのだ。

だが、谷に関してはこの115日付のスポーツ報知と、同様にスポーツニッポンにも同様の記事があったところを見ると、谷がトライアウト受験を待たずにオファーがあればと願っていたと受け止められる。

他球団からのオファーがなければ、10日に静岡・草薙球場で行われるトライアウトを受ける。今後はジャイアンツ球場などで練習をする予定だ。
1156:05、スポーツ報知web版)

今後は川崎市のジャイアンツ球場などで練習を続けながら他球団から声がかかるのを待つが、10日の合同トライアウトを受ける可能性もある。
(1156:00 スポニチアネックス)

これだけなら谷が決まり事を勘違いしているだけとも解釈できるが、解禁日の10日早々にこんな記事が出た。

オリックスが、巨人を自由契約となった谷佳知外野手(40)を獲得することが9日、分かった。谷は静岡県草薙総合運動場野球場で10日に行われる12球団合同トライアウトへの参加を取りやめた
(1110日デイリースポーツオンライン)

バファローズの補強内容を記事にしたのはデイリーの記者の取材力の賜として、谷が合同トライアウトの参加を取りやめたのは事前にタンバリングの疑いがあったからと疑うに充分な状況証拠だろう<苦笑>

谷とバファローズ球団の間に、取り交わしに反するタンバリングがあったとしても、それで谷以外の選手に具体的なデメリットがなければ選手会が波風の立つようなことをするとは現実に思えないが、野球ファンの中には“選手会の主張=ファンや選手の味方=常に正しい。球団or機構=ファンや選手を裏切るもの”と頑なに信じている層も少なくないと思われるので、都合の良い時だけ機構を相手に立ち振る舞いするのではなく、身内である谷を徴収するくらいのことはして欲しい。自分に都合のよい主張だけは多少我田引水であっても熱弁し、都合の悪いことには触れないような組織に全幅の信頼を置くことは、少なくとも敗戦処理。はしない。

このあたりの考え方は、拙blog20111127日付星野仙一監督が他球団で戦力外通告を受けた選手との獲得交渉制限に一石 で敗戦処理。の持論を展開しているので、興味と時間のある方は参照されたい。

ここまで書いてきて、あるいは読んで下さった方の中にもいらっしゃるかもしれないが、そもそもこの戦力外通告から他球団交渉解禁の流れはルールがあって無いようなものと思えてしまう。

上記リンク先でも書いているが、いわゆる戦力外通告とは、球団が来季契約を結ぶ意思のない選手に対し、101日から所定の期日までにその旨を告げるとともにプレスリリースなどで周知するものだが、機構の公示である自由契約の手続きはこの間に取られることがない。

野球協約上、戦力外通告を受けた選手が実際にクビになるのは毎年11月末までに各球団が機構に提出する、翌年契約する意思のある選手(その時点で契約更改を終えているかを問わず、球団が契約の意思を持つ選手)に漏れた時点で、自由契約選手として公示されるのだ。以前はトライアウト実施日が他球団の交渉解禁日でなく、この12月の自由契約公示が解禁日だった(が、実質的には厳密に守られていたのではなかった。)。ということは、現状は自由契約の手続きを経る前の選手に対し、FAでもないのに他球団と自由に交渉できると言うことになる。そしてその根拠は球団の、選手本人への通告とマスコミに対するプレスリリースだ。選手の大事な野球人生を左右する再就職活動がそんなレベルの手続きでよいのだろうか?

自由契約手続きの前倒しの検討も必要だろう。せめてフリーエージェントの公示のように、機構が各球団の戦力外通告選手を公示して解禁日前の(水面下を含む)下交渉を禁止するなどの措置が必要だろう。ルール自体が曖昧であるから、タンバリングが無法地帯になるのだろう。そして記事にする側も、何の不思議もなく記事にしてしまう。上記のスポーツ報知とスポーツニッポンの記者のどちらも、谷のスタンスに何の疑問も持たずに記事にしたのではないか?おそらくだが、現行制度の問題点などに言及するという姿勢も無いだろう。

こんな形骸化された決まり事など、破られても当然だという見方もあろう。だが、“破られても当然”だからといって、野放しにしたままでは良くない。形骸化した決まりはそのままにしておくのでなく、実態に即した形に改めるべきなのだ。“破られても当然”の基準を恣意的に解釈されたらそれこそ無法地帯になるからだ。

あくまで例えばの話だが、現行制度ではこういう事も考えられる。一部報道でドラゴンズが、戦力外通告をした川上憲伸と再契約を検討しているという。川上は十二球団どことでも自由に交渉できる立場になった。だが仮にドラゴンズからしかオファーが無く、ドラゴンズのみと入団交渉するとしよう。ドラゴンズ側は一度戦力外にしたのだから、年俸を決める際には足許を見るというか、少なくとも今季の年俸(6000万円=推定)をベースにしてどれだけ下げるかとは考えないだろう。しかし戦力外通告をしたとしても自由契約になる前であれば、再契約の意思を示した時点で、川上に対する野球協約上の減額制限は25%との制約が生じる。つまりドラゴンズから戦力外通告を受けた川上と交渉する他球団は2013年のドラゴンズの年俸とは無関係に金額交渉を出来るが、ドラゴンズには減額制限が立ちはだかる。しかし実質的にはドラゴンズ以外に現役続行の道を閉ざされた川上は仮に野球協約の制限以上の減額であっても飲まざるを得ない状況になる。

現実的には野球協約の減額制限(減額制限を超える場合は上記の戦力外通告の通告期限までに通知しなければならない)を無視した交渉の場になるか、12月の自由契約後までドラゴンズは交渉しないという選択になるだろう。自由契約という措置をとらない現行制度には落とし穴があるのだ。

閑話休題。
選手会は、自分たちで求めて認めさせたルールだからこそ守るべきであり、それに抵触するおそれのある案件はすぐに調査するべきだ。そういうことをしないで、MLBとNPBで新たに決めようとしているポスティングシステムを不公平だと理屈をこねたりする選手会を少なくとも敗戦処理。は支持しない。

誤解の無いように書いておくが、敗戦処理。は谷のバファローズ復帰にケチをつけるためにこのエントリーを書いているのではない。選手会が危惧していた“不公平”が起きたのだが、見方を変えればそれでデメリットを受ける選手も見当たらないのだから、こうしたケースも認められるような柔軟なルール作りを進めろというのだ。そしてそれをしないのであれば、形の上だけでも谷とバファローズの交渉の経緯を確認するくらいの措置を講じるべきであろう。見て見ぬ振り、あるいは何もせずはおかしいだろう。

日本シリーズに出場してぎりぎりまで戦力外通告を受けない選手が不利になってしまうことをおそれたから定めた禁止事項だが、現実には最後まで戦力扱い(日本シリーズにも一試合のみとはいえ出場)された谷が実質的に戦力外通告選手の移籍第1号になったのだから。その背景に何かあるとの疑念が生じても不思議ではないだろう。

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