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2013年9月17日 (火)

野村克也はボブ・サップになるのか!?~本物の野村克也はどこへ行った!

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日、スワローズのウラディミール・バレンティン王貞治らの持つ年間本塁打記録を破る56号本塁打を放った。この日の夜、レギュラー出演しているTBSテレビ系列「S・1」に出演した野村克也は開口一番「今日は王の代弁に来た」と言い、「バレンティンのどこがいいの?俺にはさっぱりわからん」と得意の口調でぼやき始めた。



レギュラー出演しているTBS系列の「S・1」でノムさんは何が言いたかったのか?ウラディミール・バレンティンのバッティングを「ホームランというのは腰とか足で遠くに飛ばすもの。」「足がぐらぐらぐらぐらしている。軸足が決まってない」などと上半身の力だけで打っていると言い放ち、共演者達を煙に巻いていた。同番組を観ていた印象では「仮にそうだとして、それで
56本打っちゃいけないの?」というところ。(因みに翌日の日刊スポーツには記者、トレーニングの専門家、そして評論家の梨田昌孝がバレンティンの本塁打量産の秘訣として独特の膝の使い方を挙げている。)結局司会の爆笑問題の田中裕二らに突っ込まれて「僕は小鶴さんの記録を十何年ぶりに破って、まあこれで十年はもつなと思った。次の年に王に破られた。こんちくしょう!と思った」と、小鶴誠さんの年間51本塁打を破る当時の二本新記録、52本塁打を達成しながら次の年に王に抜かれたことを根に持っているかの様に話し、だから王もバレンティンに抜かれて面白くないと思っているというのだ。

何のことはない。“記録は破られるためにある”と言われるし、感想を聞かれれば紳士的なコメントをするが本心はそうではないと言うだけのこと。それが「王の代弁に来た。」のオチである。真に受ける人は少ないだろうが、ある意味、記録保持者だった王貞治にも失礼な話だ。

ノムさんに求められているのはそういう立ち位置なのだろうか?単に昔は良かった。最近の野球はどうも…の繰り返しであれば、最近「週刊ベースボール」(ベースボール・マガジン社)誌上の連載を卒業した豊田泰光氏と大差ない。もっとも、ノムさんはその後継と思われる連載を翌週から始めているが…。

今年の日本プロ野球は将来、後世の人達に節目の年として振り返られる一年になると敗戦処理。は思っている。「神様・仏様・稲尾様」と称された稲尾和久さんの連勝記録がゴールデンイーグルスの田中将大によって破られ、「世界の王」こと王貞治の(日本国内での記録であるが)これまで並ばれることはあっても破られることはなかった年間本塁打の記録がバレンティンによって破られたのだから。

そして野村克也は稲尾さんや王と現役時代にライバルとして対戦し、田中を監督として指導した、半世紀をまたいで比較される記録の双方に関して当事者的な立場で語ることが出来る希有な人物なのだ。そのノムさんに求められているものはもっと深い次元での比較論であろう。

この日の「S・1」は2020年の東京五輪開催決定絡みの特集も兼ねていたので、ノムさんにバレンティンと王の時代の比較をじっくり語ってもらうに充分な時間を割けなかったのかもしれない。しかし、「王の代弁…」云々と言って中途半端なオチでお茶を濁しているようなら、はっきり言って野村克也が出演している意味がない。

バレンティンがまだ記録を更新する前には。「メジャー崩れのガイジン」に日本記録が破られることを嘆いていた。何かのイベントに出演した際にコメントを求められていた感じだったが、サービス精神なのか、相手が「ノムさんならこういうことを言うだろう」と期待していることを逆読みして、相手に合わせて言っているような気がしてならない。例えばノムさんはあちこちで大谷翔平の二刀流を否定し、「プロ野球をなめるな!」とまで語ったケースもあるようだが、「S・1」では「予想以上にやれてますね」とトーンダウン。よく言えばTPOをわきまえての発言だが、もはや球界の大御所、重鎮、御意見番と言える存在なのだから、相手に合わせるのでなく、良くも悪くもぶれない言動をするべきだろう。

かつてのボブ・サップはあの大晦日の曙太郎との対戦を境にバラエティ番組などへの出演依頼が殺到したが、インタビューなどの取材を含め、一件一件ごとに事前に出演意図を良く確認し、いわゆる“ビーストキャラ”を演じるか否か確認してから取材を受けたり、テレビの収録に臨んでいたという。変な比較だが、ノムさんにはそんな空気を読むようなことはして欲しくない。



「S・1」で言えば、体罰問題の際に個人的な意見と断った上で、「アマチュアの場合はいいんじゃないですかね。体罰はOK」と発言し、高田純次と共演していたCMを降ろされた経緯があり、無難な、求められたコメントに終始しているという見方もある様だ。だとすればバレンティンの件は久々のノムさんらしい発言と言えなくもないが…。

上述した週刊ベースボール誌の連載は「本物の野球はどこへ行った!」と題して豊田泰光氏の連載と入れ替わる形でスタートした。第一回は田中将大を分析し、第二回は愛弟子の山崎武司。そして第三回の最新号(9月30日号)ではリーグ優勝目前のジャイアンツの野球を斬ることを例えにして、最近の日本のプロ野球を嘆いている。俎上に上がった長野久義の打席は確かに不可解であった。そういう意味で正論であり、賛否両論はあるかもしれないが、ノムさんらしい一文になっている。判断は読者それぞれの野球観に委ねればいい。ノムさんはノムさんらしく、かつ深く、時代と時代を結ぶ論陣を張ってくれればいい。

ただ、個人的には野球観、野球論の話はともかく、ノムさんの時として人を説く話は少なくとも敗戦処理。には響かない。これは良いか悪いかではなく、好きか嫌いなのでどうしようもないと思うが、そのきっかけは今から十年前、200310月の出来事だ。

当時のノムさんは社会人野球のシダックスの監督を務めていた。タイガースの監督を2001年シーズン限りで退任することになったのだが、それが成績不振云々ではなく、直接の原因が奥さんの脱税問題だったことで、ユニフォームを脱いだノムさんにすぐに手をさしのべるマスコミが無かったところにシダックスが三顧の礼で監督に迎えた。そのノムさん率いるシダックスがジャイアンツ球場でジャイアンツのファームと練習試合をした。今よりもプロアマ交流が盛んでなかった時代だったので多くのマスコミが注目した。ノムさんがベンチに着くとジャイアンツベンチ側から次々と挨拶に訪ねていく。試合前にはジャイアンツの高橋一三二軍監督とシダックスの野村監督に花束の贈呈まで行われた。

が、ノムさんがジャイアンツ球場にいたのはそこまで。頃合いを観て一人球場を離れ、テレビ東京系列のスポーツニュースで解説するためにそのまま福岡に飛んでいったのであった。この年のホークスとタイガースの日本シリーズを解説するために…。

野村監督はこの時点で野球殿堂入りを果たしていた人物でもあり、ジャイアンツ側が気を遣うのは当然だとしても、シダックス側としてはプロのチームに胸を借りる舞台。その舞台に監督が副業で持ち場を離れたのである。契約上どちらを優先するかを認められているにしても、これはジャイアンツというかプロ側に失礼であろう。それで翌日のスポーツ紙には「巨人も変わったなあ。皆で俺の方に挨拶に来てくれた。びっくりしたよ」といったコメントが載っていたのだ。これ以来、野村克也氏の人を説く様な言葉は耳に響かなくなったし、そのせいか野球観にまで疑いの目を挟むようになってしまった。


閑話
休題。敗戦処理。の好き嫌いは別としても、ノムさんにはノムさんにしかできない野球界の語り部としての存在価値を今後発揮して欲しい。週刊ベースボールの連載などは格好の舞台だと思うし、サンケイスポーツという場もある。今週号の「FLASH」(10月1日号=光文社刊)でも舌鋒の鋭さが相変わらずなところを見せている。単なる過激な物言いだけをファンが期待しているとは敗戦処理。には思えない…。

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