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2013年6月19日 (水)

大谷翔平はパ・リーグ同士の対戦でも「五番・投手」で打線に入るのか?

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日、マツダスタジアムで行われたファイターズの交流戦最終戦で、大谷翔平が初めてDHを使えない試合で先発した。

先発投手が打席に立つだけなら、セ・リーグの投手は日常的にこなしているので騒ぐほどのことではないが、大谷は「五番・投手」で打線に名を連ねた。第一打席には野村祐輔から一塁線を破る二塁打を放ち、五回表には無死満塁から決勝点となる勝ち越しのショートゴロを放ったが、勝利投手の権利のかかる五回裏はマウンドには上がらず、ライトの守備に付いた。

投手でありながら五番打者、マウンドを降りてからはライト。この試合はファイターズにとって今季の公式戦では最後のDHを使えない試合で大谷の“二刀流”を試すには格好の機会で様々なものが見えてきた。

そして、これから先のパ・リーグ同士の対戦で投手大谷は打席に入るのか?


(写真:321日のオープン戦で途中出場ながら「三番・投手」で出場した大谷翔平。この打席のあとにはライトに回った。果たしてこれからのパ・リーグ同士の対戦でも見られるのか…)



正直にいうと、敗戦処理。は
18日の大谷翔平の先発直前まで、大谷が登板しながらクリーンアップを打つとは思っていなかった。まだ開幕前のオフの時期だったと思うが、栗山英樹監督が何かのインタビューで大谷は「三番ピッチャー大谷」というレベルになれると語っていたが、それは未来の理想型という感じで語っていたからだ。また、今月13日の日刊スポーツによると、

 


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日の広島戦(マツダ)で2勝目を目指す日本ハム大谷について栗山監督が“投手優先”起用にする方針を示唆した。1度は「5番投手」構想を披露していたが、「まだ2つやれるほど余裕がない」と負担を考慮し通常の投手と同じ下位打線での起用が濃厚になった。<中略>またリーグ戦再開後、DHを放棄して1試合の中で二刀流に挑戦させることについても「この1、2、3年でやる必要があるのか。2つとも余裕が出るようになってから」と慎重な姿勢を明かした。



となっていたからだ。仮に早々と栗山監督が「五番ピッチャー大谷」とぶち上げていたら、ジャイアンツの内海に関するエントリーを後回しにしても18日の先発前にこのエントリーを立てていた。

そもそも、大谷に関する“二刀流”の定義が曖昧なのだ。
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大谷が5月に札幌ドームで公式戦初登板初先発を果たした時点で、ある日には野手で出て、ある日には投手で登板するという点で“二刀流”は実現していると見なすことも出来た。
18日のマツダスタジアムでDH制を使えない試合での先発が明らかになると「大谷いよいよ本格“二刀流”デビュー!」的な報道が各メディアから流布されたが、前出の栗山監督のインタビュー通り、単に先発投手としてラインアップに名を連ねるだけで“二刀流”と呼ぶならばセ・リーグの先発投手は全員“二刀流”だ。

限定的に“二刀流”を定義するならば、先発投手として打順で重要な打順に名を連ねるか、一試合で投手と野手の両方を務めるくらいのことをしないと“二刀流”と言えないという見方も成り立つと考えたからだ。


そして大谷は「五番・投手」で打順に名を連ねた。先発投手がクリーンアップを打つのは1963年の梶本隆夫(ブレーブス)以来だそうだ。登板前に大谷は「自分で自分を援護したい」とのコメントを残したそうだが、五番打者となれば、攻撃上も重要な役割を求められる。大谷は既に、藤浪晋太郎との初対決と騒がれた5月26日のタイガース戦からクリーンアップの一角の五番を打ち、今月15日のカープ戦では前田健太に対し、三番を打った。18日の登板前までで、大谷の打撃成績は67打数22安打0本塁打4打点で打率.328まだ本塁打こそ出ていないが、少ない打数ながら堂々の結果を残している。

登板の前後に野手としての出場を控えたり、首脳陣が時期尚早と考えているのか左投手相手にはスタメンを外れているが、高校卒一年目にこれだけの成績を残しているのは非凡な打者と言えよう。その大谷が先発登板する際に投手に専念するとなると、打線から大谷が抜けることになる。もちろん大谷抜きでもそれなりの打線を組めるが、安定した打率をマークする打者大谷が抜けるのは投手大谷にとってマイナスという見方が成り立つだろう。そう考えると、既に野手としてのスタメンでクリーンアップを打つのであるならば、投手で打順に加わるときもクリーンアップを打つという発想に落ち着いても不思議ではない。

ただし、「五番ライト大谷」と「五番投手大谷」には決定的な違いがある。それは後者、つまり投手大谷は投手としての出来次第で試合途中に交代を求められるケースがあるということだ。現実に投手大谷は既に先発投手として初勝利も挙げているが、五回までしか登板していない。投手に専念していても五回で替え時とみなされる投手が、打順に入り、しかも重要な役割であるクリーンアップの一角を担うのであれば、それ以上に長いイニングを求めるのはまだ無理があると推定出来る。

そうなると、考えなければならないことは投手大谷の降板後だ。

大谷降板後の継投に関しては状況を見て適切なリリーフ陣を送り込んでいけばいい。これは他の先発投手の時と同じ。問題は降板した大谷自身をどうするかだ。

さすがに投手としての疲労度などを考えて、降板=ベンチに下がるとすると、五番打者に投手が入ることになる。中田翔の後ろという重要な打順にその都度代打を送るというのは良いとは言えないだろう。その場合は投手大谷の交代と同時に野手を引っ込めて、打順を入れ替え、中田の後ろを打つにふさわしい選手を入れるのがベストだろう。

また、大谷が降板後もライトに回って五番打者として残るのであればその心配はないが、大谷がライトに回る時点でライトを守っていた選手が退くことになり、以後その選手の打順に投手が入ることになる。

18日のカープ戦ではこの手法がとられ、スタメンでは八番にライトで佐藤賢治が起用された。佐藤と佐藤のファンには大変失礼な話になるが、最初から大谷を降板後にライトに回すつもりでいたとしたら、ライトでスタメンで出る選手は途中で引っ込んでもさほど戦力ダウンにならない選手で、かつ打順は下位に置かなければならないということになる。この試合では稲葉篤紀が一塁でスタメンに出ていたが、例えばの話、一塁にマイカ・ホフパワーミケル・アブレイユがスタメンで出ていてライトに稲葉という打線を組んでいたら、その方が打線の破壊力は上かもしれないが、大谷がライトに回る時点でライトの稲葉が引っ込むか、稲葉が一塁に回って外国人助っ人が退かなければならないのである。

(中)陽岱鋼
(遊)大引啓次
(右)稲葉篤紀
(左)中田翔
(投)大谷翔平
(一)アブレイユ
(三)小谷野栄一
(捕)鶴岡慎也
(二)今浪隆博


例えばこの打線は強力だが大谷をライトに入れると、誰を引っ込めるのかという話になる。それではもったいないので「八番ライト佐藤」だったのだろう。


これは大谷降板=ベンチに下がる想定でも同様だ。大谷がベンチに下がると同時に佐藤を退け、稲葉をライトに入れて一塁にホフパワーかアブレイユを入れれば打線の弱体化が避けられる。

要するに“二刀流”大谷が完投能力を身につけるか、七回か八回くらい投げてあとはそのリードを守るだけという形になれば、中田の後ろ、あるいは前の三番にリリーフ投手や打力の落ちる守備要員が入っても問題ないだろうが、試合の中盤でマウンドを降りる、ましてや序盤でKOされるケースも考えなければならないとすると、投手大谷を打線に入れることは現状ではまだハイリスク・ハイリターンだと敗戦処理。は思うのだ。

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実際に
18日のカープ戦では五回裏に大谷をライトに回してライトの佐藤を退けてリリーフの宮西尚生が八番に入ったが、宮西は次の六回表の先頭打者になった。ファイターズとしては宮西を1イニング限定の中継ぎと想定していただろうから、実際に五回裏を宮西が抑えて六回表には宮西に代えて代打に鵜久森淳志を送り、六回と七回を矢貫俊之に託していたが、もし仮に五回裏に宮西がカープ打線に捕まっていたら、宮西の替え時に頭を悩ませていたかもしれない。

また、この試合では二回表に先頭打者の大谷が二塁打で出塁し、その後三塁に進んだもののホームインできず、三塁に残塁という形で攻撃を終えた。つまりこの回、大谷はマウンドを降りてすぐ打席に入り、塁に出て攻撃が終わるまで塁にいて、全く休むことなく二回裏のマウンドに上がることになった。案の定、二回裏には先頭の松山竜平に先制ソロ本塁打を浴びた。もちろん投手が塁上に残るケースはDH制の無いセ・リーグではありがちで、ラジオで解説していたカープOBの安仁屋宗八は「大谷には気の毒」といいながらも、ただ打順にのるだけなら「セ・リーグの先発投手は皆“二刀流”」と手厳しかった。だが、たまたま塁に出ることもあるセ・リーグの先発投手達と違い、大谷は五番打者なのだ。塁に出てもらわなければ困る存在だ。ただし五番打者だと、塁に出たあと打線が下位に回るからこのようなケースは今後もあるかもしれない。

出塁した大谷になるべくホームインしてもらうことを考えたら、投手大谷は五番より三番打者にした方が良いと思う。それに中田の後ろの五番となると、勝負所で中田との勝負を避けて大谷との勝負というケースが増え、プレッシャーになる事も考えられる。それならばむしろ、後ろに中田がいる方が大谷にとっても有利だ。今後投手大谷をスタメンで打順に入れるケースがあるならば、五番より三番に入れる方が得策だと思う。

それにしても凄い。あの松井秀喜も高校卒ルーキーとして一年目にクリーンアップを打ったことがあったが、夏場過ぎだったと記憶している。それでも「まだ早いな…」と感じたと記憶している。原辰徳監督の現役晩年で、前後を打つ打者も心細かった時期ではあったが、三番松井は時期尚早に思えた。それを考えると、大谷が既にクリーンアップで出場したということはファイターズ打線の層の薄さを差し引いても凄いことだ。

前出の栗山監督の考えではDH制の試合でDHを外してまで先発投手大谷を打順に入れることはないと語っているが、上位打線を打たせないと言っておきながら実際には「五番ピッチャー大谷」だったことを考えると、次回25日または26日と目される東京ドームでのホークス戦の先発でも大谷を打順に入れてくるかもしれない。
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大谷抜きの打線で投手大谷を援護できるのかという切実な問題を孕む話になってきているのだ…。


あとは普通にDH制のオーダーで投手専任で先発登板し、降板時にライトの守備についてDHを外すということも理屈の上では可能だ。登板中の投手はDHの選手の代打で出ることがルール上可能だ(逆に言えば、代打で出るにはDHの選手以外の代打としては出られない)が、代打を出されるDHの選手が退くだけでなく、それまでライトを守っていた選手も退くことになるのであまり得策とは思えない。

敗戦処理。は521日付拙blog敢えて言う。大谷翔平に“二刀流”を究めさせたいなら投打ともファームで腕を磨かせるべきではないか!? で、二刀流にこだわるなら投打ともファームで腕を磨かせるべきと書いた。今も基本的にその気持ちは変わらない。これまで書いてきた選手起用上の制約を考えると、今の大谷に二刀流は時期尚早だと思う。現状で大谷に一軍で“二刀流”を実践させるのならば、先発登板する日には投手に専念し、登板と登板の間に野手で出場するという形が精一杯だろう。

火曜日 野手
水曜日 野手
木曜日 野手
金曜日 野手
土曜日 登板準備のため休養
日曜日 先発登板
月曜日 試合無し・休養

これまでのように登板前日と翌日に野手として出場できないのであれば、六連戦システムで前日または翌日に試合がない日曜日か、火曜日に大谷を先発させ、それ以外の日に最大で週に四試合に野手として出場できる。これだけでも充分に“二刀流”だと思うがどうだろうか…。


多くの評論家が“二刀流”に否定的な意見を表明している。過去に成功例がないに等しいのだから、それは当然だと思う。どちらか片方でも大成するのが難しいのに、両方なんてもってのほかという感覚が原則論として頭にあるから二刀流否定派が多いのだろうと言うことと、投手もしくは打者どちらか一方で充分に一流になれる素材とみなされているからこそ、その一方に邁進してほしいという理由もあるのだろう。

ライブドアブログのBaseball Journalでは敗戦処理。の大先輩に当たる著名な野球ブロガーである広尾晃氏は18日の大谷“二刀流”を見て“投手としては常にぶっつけ本番の感がある”と感じたようで、“今のままでは「栗山英樹のための二刀流」になってしまうのではないか。 ”と一刀両断した。


だが、敗戦処理。はそうした専門的、技術的側面とは全く別次元で今現在の大谷に“二刀流”を課すのは酷だと考えるのだ。何故、今でなければいけないのか、じっくりとじっくりと両方の実力を今から付けてからでも遅くないと思う。

とはいえ、正直に言えば25日か26日の東京ドームで3月21日のオープン戦、対ゴールデンイーグルス戦で観た「ピッチャーの大谷がライト…」を公式戦で観てみたいという欲望もある。悩ましい魅力の持ち主だ<>

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