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2013年6月 8日 (土)

加藤良三コミッショナー、万事休す!?

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NPBの加藤良三コミッショナーが今最も力を入れていると思われる計画が頓挫しそうだ。来年が日本プロ野球の老舗と言われるジャイアンツの球団創立
80周年に当たることから、ジャイアンツとタイガースによる開幕戦をアメリカで開催しようというものだが、数億円規模の赤字が必至という見方があり、実施が疑問視されている。

2000年から四年に一度の割合でアメリカ大リーグの公式戦開幕戦を日本で開催しており、その逆を80周年の記念事業にしようという腹づもりの様だが…。


(写真:コミッショナー就任早々にアメリカでのジャイアンツとタイガースの公式戦開催の構想を語る加藤良三コミッショナー。スポーツ報知20087151面)



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4日付け日刊スポーツによると加藤良三コミッショナーの肝いりで計画されているプロ野球80周年事業、アメリカでのジャイアンツとタイガースの公式戦開幕戦開催構想は、ドジャースタジアムでのジャイアンツ主催試合1試合と、エンゼルススタジアムでのタイガース主催試合1試合。両球団も当初は前向きで、それぞれに現地視察を進め、事前の練習期間、チケットの販売方法などを検討してきたという。タイガースの坂井信也オーナーは4月15日の時点で「いろいろな問題はあるけれど、やる方向で検討しています」とのコメントを発していたが、南信男球団社長は57日の時点で「あとは収支の問題だけ。数億円の赤字を出しても、やる意義があるのか。集客、コストなどを精査中。収支をたたいて6月くらいまでに判断しなければ」と語った。

単純に考えて、日本の野球ファンにおける、アメリカ大リーグの野球を生で見てみたいという需要と、アメリカの野球ファンにおける、日本のプロ野球を生で見てみたいという需要は同じではないだろう。イチローや昨年までプレーしていた松井秀喜、かつての野茂英雄の影響で、珍しさから見てみたいというファンの需要はいくらかはあるだろうが、日本で日米野球や、日本でMLB公式戦を開催するときのような“特別料金体系”の設定は困難だろう。

また日本でMLB公式戦を開催する際のイベントスポンサーはNPBや読売新聞社が集めているようだが、今回のアメリカ開催のNPB公式戦はスポンサーもNPB側で探しているらしい。そもそもジャイアンツやタイガースの試合をいつも楽しみにしている日本のファンが行きにくいという最大のネックがついて回る。もっともそれはMLB公式戦を日本で開催する場合も同様なのだが…。

65日付け日刊スポーツによると、ジャイアンツの桃井恒和球団社長は「収支の前に、80周年の事業として(両球団が)日本を代表して行く、という形にならないと」と述べて十二球団の理念共有を実現への優先事項として挙げた。来年はジャイアンツの球団創立80周年なのだが、あくまで日本プロ野球の80周年という形で十二球団の中からジャイアンツとタイガースが代表して初のアメリカ開催を行うという形にしたいようだ。ジャイアンツですら赤字を恐れているのか<苦笑>

個人的な意見を言わせてもらえば、日本のプロ野球はアメリカ大リーグに次ぐ長い歴史を持ち、WBCでも過去2回優勝する実績の持ち主でありながら、その看板を背負ってきた両チームが本場アメリカで興行をやっても収支が合わないというのは情けない。80年近くもの長い間、何をやっていたのだといいたい。

巷間言われているところによれば、MLBにとっては日本の野球ファンも重要な顧客でありターゲット。大リーグのチームが日本で公式戦を行うことは現地、地元のファンに取っては観戦機会の逸失を意味するが、日本人メジャーリーガーが所属するチームを主として衛星放送で試合を視る視聴者が増えれば放映権料の見直しに有利になるなど、要するに商売上のオイシイ側面があると言うことだ。大谷翔平を直接獲得しようとする球団があったのもそのような多角的な発想があるという。翻ってNPB公式戦のアメリカ進出に、仮に赤字に終わっても“損して得取る”大義があるのだろうか?単に、80周年だから今までにやっていない大規模なことをやろう、という初めに開催ありきの発想なのではないのか。

冒頭の写真は加藤コミッショナーが20087月にコミッショナーに就任して早々にスポーツ報知の企画で同紙の特別アドバイザー堀内恒夫と対談したときのものだ。この時点で加藤コミッショナーは既にジャイアンツとタイガースでアメリカでの公式戦開催構想をぶち上げていたのだ。

2004年のあの球界再編騒動の際に、「自分には権限がない」との迷言を残してほとんど存在意義を示せなかった根来泰周コミッショナーの後任だけにファンも当初から「どうせ今度も…」と達観していた向きが少なくないと思われたが、駐米大使を歴代最長の六年七ヶ月続けた野球好きの新コミッショナーは堀内との対談で、

「今、在留邦人が100万人、日系人も100万人くらいいます。堀内さんもアメリカで野球の講師をされたことがありましたよね。非常に好評だったと聞いています。大使館が主催する講演会に、アメリカの野球ファンが日本野球の話を聞きに来ることも多くなっている。注目は高まっています」

「関係者は日本の選手達はもちろん、日本人のファンに来てもらいたい、と言っています。自分の球場に日本のチームに来てもらって試合をしてほしい、とも言っています」

 


「MLBは日本で開幕戦をやるんですから、例えば巨人・阪神開幕戦をワシントンでやってもいいじゃないですか」

 


等と抱負を語っている。アメリカ生活が長かっただけに、この他、海外FA移籍、ポスティングシステムの整備の重要性にも触れている。だが、もうすぐ就任して丸五年になるが、加藤コミッショナーの実績で印象に残っているのは
2011年の東日本大震災に対応して公式戦の日程を変更するか否かという議論が活発化したときにも前面には出ず、今年のWBCに日本が参加するか否かの問題や代表監督の人選でも動きが遅く、目立った実績というとそれまで各球団単位でばらばらだった試合球を統一して自分のサインを入れたことくらいだ。
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これでアメリカでのNPB公式戦開催を実現して成功させれば、歴代コミッショナーの何人かと並んで将来の野球殿堂入りは確実だが、ここまで挙げた報道から判断すると見送られる可能性が高そうだ。


個人的には来年の開催が非現実的であるならば、90周年、あるいは100周年でNPB公式戦をアメリカ開催出来る様、十年いや二十年かけて計画すべきだろう。これで無理矢理開催したら、歴代コミッショナーの何人かと同じく讀賣の傀儡の汚名が定着するだけだ。ジャイアンツの球団創立80周年事業の片棒を担いで巨額の赤字を残したとあればジャイアンツだけの問題でなく、今まで(ファンの間では囁かれていても)顕在化しなかった機構への不満が大爆発しかねない。加藤コミッショナーには自分の代の手柄としてではなく、十年先、二十年先の日本のプロ野球界のための地慣らし、あるいは今優先的に取り組むべき課題を解決してほしい。

ところで、本エントリーを書くに当たってNPBのこれまでの海外公式戦を調べていたら、さすがにアメリカ占領下の沖縄で行われた試合(1961年、1962)を別にすれば、アメリカで日本のプロ野球の公式戦開催の例はない。アジア地域でいえば、20025月に台湾の台北市でホークス対ブルーウェーブ戦が行われた。また20056月には韓国のソウルでの開催が一度は発表されたが、もろもろの事情で国内開催に切り替えられた。だが、「プロ野球 もう一つの攻防」(井箟重慶著・角川SSC新書)によると、ブルーウェーブ球団は1996年のブルーウェーブの公式戦開幕戦をシアトルで行うことを計画し、対戦相手のマリーンズも乗り気で、MLBのコミッショナー事務局も協力的だったそうだ。だが、19951月の阪神淡路大震災の発生で風向きが変わり、神戸以外での開幕戦開催を具体化できなくなったそうだ。著者であり当時の球団代表だった井箟重慶氏によると、セ・リーグがやっていないことをやってやりたいというのが最初の発想だったそうだ。


日本のプロ野球はサッカーなどの他のスポーツと比べると、国際戦略に劣っており、日本国内で完結する形を取り続けてきた。それで成功していた時代にはそれで構わないのだろうが、時代が、市場が新しいものを求めているのに、内向きな姿勢を変えずに旧態依然とした体質にメスを入れないようでは新しい時代、市場から取り残され、忘れ去られる時期が早晩やってくるだろう。

その旧態依然の最たる象徴が、ジャイアンツやタイガースといった特定球団へのおんぶとだっこの歴史だったとすれば(それは必ずしもジャイアンツとタイガースの二球団が主犯ではないにしても)その両球団が本場アメリカで興行を行って大赤字で打ちひしがれて帰国することから日本プロ野球再生、日本プロ野球新生の第一歩とする、そのくらいの劇薬がないと日本プロ野球再生、日本プロ野球新生は起こり得ないかもしれない。ガラガラで鳴り物応援もない静かなドジャースタジアムやエンゼルススタジアムで「伝統の一戦」を行うのも悪いことではないかもしれないが、今この両球団が沈没したら、ようやく遅まきながら自助自立の道を模索している各球団を道連れにしてしまいかねない。やはりアメリカ開催は十年先、二十年先の夢にしておきたい。敗戦処理。はその時まで生きていけるかどうかわからないが、せいぜい貯金をしたいものだ。

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