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2013年4月30日 (火)

初回危険球退場の中村勝の直後に緊急登板して3回10失点の乾真大が翌日登録抹消に…

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日のファイターズ対バファローズ戦で、初回に川端崇義への死球が危険球と判断されてわずか6球で降板した中村勝に代わって急遽緊急登板した乾真大が準備不足もあって3イニング10失点と一方的な展開にしてしまった。そして翌日の今日(30)乾は登録を抹消させられた。

緊急登板とはいえ、2イニング目、3イニング目にも失点を重ねたことが首脳陣の心証を悪くしたのか…いや、敗戦処理。は別の見方を…


(写真:緊急登板で炎上した翌日、登録抹消となったファイターズの乾真大。20133月撮影)

 

いやはや、ファイターズファンにとっては目を覆いたくなるような序盤の惨劇であった。先発の中村勝は先頭の坂口智隆にライト前安打を打たれた。続く川端崇義はバントの構え。ここに中村のストレートがまともに頭に向かっていった。川端はバットを引くのも遅れるほどで避けきれず死球。この一球が危険球と判定され、中村は退場処分。0/3イニング、わずか6球での降板となった。当然、ファイターズに準備万端な投手はいない。二番手に指名された乾真大は報道ステーションによるとブルペンで投球練習する間もなくマウンドに向かったという。

この時点ではまだバファローズに先制点は入っておらず、無死一、二塁のピンチ。ただ打線は糸井嘉男、イ・デホ、後藤光尊と続くクリーンアップだ。乾は糸井に左中間に2点タイムリー三塁打を浴び、イ・デホにはセンターオーバーの2ラン本塁打。あっという間に4点を献上した。それでも塁上から走者がいなくなり、ここから自分のペースで投げられるかと思ったが、この回こそその後は無失点に抑えたものの二回表にはイ・デホに2点タイムリー二塁打で2失点。さらに続投した三回表にはイ・デホの二本目の本塁打など5安打を集中されて6失点。結局乾はこの回いっぱい、3イニング、70球を投げて被安打1010失点。0対12といかんともしがたい状況になってしまった。ただ乾が火だるまになっている間、ブルペンでしっかり準備が出来たのか、乾の後を継いだ三番手の矢貫俊之、四番手の鍵谷陽平は無失点に抑え、結果は3対12だった。

乾以外に矢貫も鍵谷も3イニングずつ登板した。投球数は矢貫が45球。鍵谷が36球。通常1イニングか、長くても2イニングの登板が大半のショートリリーフの投手には多くの投球数だ。この試合のファイターズのベンチ入り投手は、登板した四投手以外には石井裕也、増井浩俊、武田久、宮西尚生が入っていたが、四人ともいわゆる“勝利の方程式”の担い手であり、劣勢の試合で登板する投手ではない。4対3で勝利した前日28日のこのカードには宮西、増井、武田久が1イニングずつ投げているし、2対1で勝利した前々日27日には宮西、石井、増井、武田久が1イニングずつ投げていた。26日には試合がなかったが、25日のホークス戦では九回裏途中に石井と武田久が投げ、24日には宮西、増井、武田久が1イニングずつ投げていた。つまり24日からの四連勝で“勝利の方程式”がほぼフル回転。序盤で大量失点した試合は僅少差にまで迫らない限り乾、矢貫、鍵谷で乗り切らなければならなかったのだ。

こういう場合、DH制のあるパ・リーグでは多少強引に投手を長く投げさせてイニング数を稼がせる事が出来る。DH制の無いセ・リーグの試合でも稀にこの試合のような展開で投手に打順が回っても代打を出さないケースがあるが、大概はファンから大ブーイングを浴びる。せいぜいビジターゲームだろう。

ただ、ファイターズはこの大敗の翌日の30日に試合がなかったからよいものの、再び似たような劣勢の展開の試合になったら、3イニング投げた乾、矢貫、鍵谷の連投はきつかっただろう。6球しか投げていない中村をリリーフ待機させるという手もあるが、なまじ投げさせてしまうと次回の先発ローテーションに支障が出かねない。中村が今日30日に登録抹消されなかったということは中村には次も先発登板が予定されていると考えられる。

そう考えると、今日の乾の登録抹消は必ずしも大量失点のペナルティとは思えない。日刊スポーツによると明日、同じ左腕投手の根本朋久が登録されるそうだが、ファイターズは明日からのゴールデンイーグルス戦で先発投手が早めに降りて劣勢の展開にならないという保証はない。70球も投げた乾は少なくとも明日は投げられないだろう。矢貫もきついかもしれない。それならば乾を登録抹消して他の投手を登録した方が劣勢の展開になった場合を考えれば得策だ。

は昨年も似たようなことが起きた。201265日の対カープ戦で先発の吉川光夫が三回表に東出輝裕に死球を与えて危険球降板。急遽登板した土屋健二は代わった直後に赤松真人に本塁打を浴びるなど打者5人に対し、4安打、1四球とアウトを奪えず。さらに榊原諒のリリーフを仰いだ。先発の吉川が21/350球だったのに対し、土屋はワンアウトも奪えず12球で降板。三番手の榊原は2イニング投げてイニング数を稼いだが50球を投じた。四番手の乾も22/3とイニングを稼いだが、28球と軒並みリリーフ陣に負担をかける結果となった。この翌日に登録を抹消されたのは吉川ではなく榊原と土屋で、代わって若竹竜士と谷元圭介が登録された。幸いにも試合は斎藤佑樹、武田久のリレーで2対1で勝利。

この時の投手台所事情に関して当時の吉井理人コーチは自身のオフィシャルブログでこう書いている。

前にも説明したが、ロングリリーフは、早い回に先発投手がノックアウトされたり、アクシデントで投げられなくなったときに登板します。(緊急登板がほとんど)

一見、地味な役目に見えるが、とても大切な役目なんです。

今回のように、ロングがノックアウトされてしまうと、他のリリーバーに大きな負担がかかってしまいます。

実際、このゲームで3人の投手が、翌日、使えない球数を投げてしまいました。(土屋、榊原→谷元、若竹が交代)

登録抹消された土屋と榊原は、難しい場面での登板でかわいそうなところもあったが、打たれたのも事実です。

すぐに1軍にもどれるよう、イースタンでがんばってほしいです。(次は、先発する土屋を見たい)

吉井理人オフィシャルブログ2012612日付「誕生日登板」


吉井コーチは立場上、土屋と榊原を擁護していないが、翌日に投げられないリリーフ投手が三人も出てしまっては投手コーチとして手を打たない訳にはいかない事情があったのだろう。

推測するが、乾も懲罰的降格というよりは当面のリリーフ陣確保のために二軍落ちした要素が多分にあると思う。もちろん乾が29日の登板で初回の無死一、二塁を切り抜けて試合を作っていれば大いに株を上げたことだろうが、残酷にも結果は真逆だった…。

だが繰り返しになるが、乾が火だるまになっている間に矢貫と鍵谷の準備が出来、バファローズ打線も大量リードで淡泊になったのか矢貫と鍵谷はそれぞれ3イニングを無失点に抑えた。それなら中村危険球退場の時点で矢貫を登板させるわけにはいかなかったのかという意見もあろう。確かに矢貫なら3イニング10失点と言うことはなかったかもしれない。あの場面は誰がいっても完璧に凌ぎきれる場面では無かっただろう。だとしたら矢貫を出してもし火だるまになったら、9イニングをどう継投するかの組み立てが出来なくなる事態も考えられる。圧倒的な劣勢になってなおかつ石井や宮西までつぎ込む展開を強いられていたかもしれない。あんな試合を見る羽目になった札幌ドームのファイターズファンには申し訳ないが、ああなった以上、腹をくくって乾、矢貫、鍵谷のリレーでとにかく九回表が終わるまでつなぐしかないのだ。先に乾が投げて乾こそ火だるまになったが、それがあって四回以降は無失点の試合に出来たのだろう。

矢貫は開幕戦で武田勝のアクシデントの後を凌いで、緊急登板に強いという印象をファンに与えた。あの試合のようにリードした状況で先発投手にアクシデントがあれば即矢貫投入ということもあろうが、29日の試合ではああするしかなかったのだろう。矢貫でなく乾が先に登板したのは語弊はあるが乾が人身御供になったのだ。乾はチーム内では矢貫と鍵谷より優先順位が低かったのは事実だろう。

敗戦処理。のもう一つの贔屓チーム、ジャイアンツでは福田聡志が緊急登板に強い位置づけを昨年得た。

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福田は昨年419日の対ドラゴンズ戦で、先発のディッキー・ゴンザレスが二回表の打席で左脇腹肉離れを起こした試合でロングリリーフをこなした。ゴンザレス降板直後の二回裏には小野淳平が急遽マウンドに上がったが、準備不足だったのか打者6人に対し一死を奪っただけで平田良介の2ラン本塁打など4安打を浴びて3失点。その後を受けた福田が4回2/3を被安打1に抑える好投でイニングを稼いだ。ファイターズの様に大敗しても不思議でない状況を1対4という普通<!?>の点差の試合にとどめた。福田の評価は高まったが、開幕一軍入りを果たしていた小野は翌日に登録を抹消され、再び一軍に上がったのは823日。四ヶ月を要した。この時はローテーションの谷間で小野は登録即先発するも三回裏に2点を先制されると四回表の打席で代打を送られて降板。その後リリーフでの登板もあったが、91日に登録抹消された。今季もチャンスを掴めず、28日にはカープの青木高広とのトレードが発表された。

ゴンザレスにアクシデントのあった試合で、小野と福田の登板順が逆だったらどうなっていたかと当時敗戦処理。は思ったものだ。上の福田の写真は昨年の日本シリーズ第六戦での登板シーン。福田はさらに実績を積み、日本一を決めた試合でも中継ぎのマウンドに上がった。
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一方で小野は…。


何が幸いするかわからない。小野にはカープでチャンスをつかんで欲しい。福田はまた一昨年までの福田に戻ってしまった感じだが、29日のドラゴンズ戦でリリーフで追加点を献上した香月良太小山雄輝が二軍落ちしたようにジャイアンツも劣勢でのリリーフ陣が盤石とはいえない状況で福田の復調が待たれる。

勝っている試合と劣勢の試合でリリーフ陣の顔ぶれが異なるのが理想的なリリーフ構成といわれる。それを徹底するためには今回の乾や、引用した昨年のジャイアンツの小野のような投手がどうしても出てしまう。そういう位置づけからワンランク上の投手になれば緊急登板で火だるまになる役割から外れて、別の投手が火だるまになっている間に肩慣らしが出来る様になるのだ。それがままならなかった小野はトレード要員となった。乾は…。

異なるチームの事例を同等に説明するのは無理があるかもしれないが、乾はこれからが肝心だと思う。

 

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