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2012年12月30日 (日)

TBSテレビの「プロ野球戦力外通告2012 クビを宣告された男達」

Dsc_004926日、年末恒例のTBSテレビ「プロ野球戦力外通告2012 クビを宣告された男達」が放送された。以前は同じこの時期でも、深夜枠だったものがいわゆるゴールデンタイムにスタートする2時間枠。それだけこの番組に注目するファンが多いのだろう。

個人的にはおそらく毎年視ているが、どうも好きになれない…。


(写真:番組でも取り上げられた、三度目のNPB合同トライアウト参戦の古木克明。201211月撮影)



TBSテレビの「プロ野球戦力外通告…」はもはやプロ野球ファンにとっては年末の風物の一つといっても過言でないほどの定着ぶりだろう。毎年、所属球団から戦力外通告を受けた選手の何人かに密着取材をし、NPB合同トライアウトを受ける様子や、その後の球団からの連絡を家族ともども待つ様子を自宅に入ってリアルに描写し、少年隊の東山紀之のナレーションで綴られる。


球団から連絡があって現役続行を勝ち取る選手もいれば、待てども連絡が来ず、ついに第二の人生に進まざるを得ないという選択を奥さんと相談する様子。奥さんだけならまだしも、まだ幼い子ども達の姿がそこにあると、余計に切なくなる。

今年の放送ではマリーンズから戦力外通告を受けた松本幸大、一年前にライオンズから戦力外通告を受けてイタリアでプレーしていた..佐藤、バファローズから戦力外通告を受けて一度は格闘技の世界に転身していた古木克明、一回目の合同トライアウトの五日前にゴールデンイーグルスから戦力外通告を受けた中村真人、ファイターズ時代、ドラゴンズ時代に続き、三年連続となる戦力外通告をスワローズから受けた木下達生がクローズアップされた。

現実には、NPBの合同トライアウトは二回とも11月に行われているし、暮れも押し詰まるとスポーツ新聞各紙には各球団を退団する選手の進路が報じられ始める。上記のクローズアップされた選手達のコアなファンであるならば最新情報をチェックできる。おそらく番組の視聴者も、野球ファンとして視聴している人は結果を知っていて視ているのだろう。そしてそのことはもちろん、TBSも織り込み済みで番組作りをしているのだろう。

個人的に言いたいことは、選手の生き残りを賭けた戦いは、何も戦力外通告を受けてから合同トライアウトを受けるまでではない。各球団は戦力外にする選手を選ぶ時点でどこかのタイミングでふるいにかけている。彼らは球団内の誰か別の選手と比較されてその上で戦力外通告の烙印を押されているのである。基本的にはこの時点で似たような境遇の選手との競争に勝つことが出来れば、そもそも合同トライアウトに賭けることも、奥さんや子供さん達と携帯電話への連絡を待つ必要もないのだ。彼らの本来の戦いは当然のことながらシーズン中にあるのだ。ところがTBSはその戦いには全く注目せず、戦力外通告を受けた選手の中から“絵になりそうな”選手を選んで密着取材をしているのだろう。推測だがオンエアに載らない密着選手は他にもっといるのだろう。


TBSテレビは近年、新人選択会議も生放送している。平日の夕方に行われるドラフト会議の1位指名を生放送し、抽選というドラマの悲喜こもごもをお茶の間に提供している。しかも当日のゴールデンタイムに予め設定したドラフト候補選手を追ったドキュメンタリーを流す。昨年は東海大学の菅野智之がすんなりジャイアンツの単独指名を受けると思って用意していたかのような演出のせいで、泉ピン子にファイターズ球団は悪者扱いされた<苦笑>

ドラフト会議を生放送するのなら合同トライアウトも生放送すればいいのだが、何故かそれはやらない。というか、プロ野球選手になるための入口と、その最後になるかもしれない日々をやたらにドラマチックに取り上げる割には彼らの本当の戦いの場である“試合”の中継にTBSが熱心とはとても思えないのが残念だ。戦力外通告を受けてから選手を追いかけるより、普段の試合をもっと積極的に中継してファンが選手を応援しやすくするのがメディアに求められる姿ではないのか?

それと今年の放送でことさらに気になったのが、合同トライアウトを受けた選手に対し、獲得に興味を示した球団が連絡を取る期限を“1週間”とやたらに強調していたが、合同トライアウトを受けた選手に関心を示した球団は一週間以内に選手に連絡を入れるというのはあくまで目安であって、来年のシーズン中のトレード、新外国人選手獲得の期限である7月末まで球団は選手を獲得できる(選手が独立リーグや社会人野球に進んだ場合は各団体の規定による)。次のステップを選ばざるを得ない選手に踏ん切りを付けさせる目安という意味もこの一週間という基準には含まれている。

結局、今年の番組でクローズアップされた選手の中で来季も現役選手として十二球団のどこかのユニフォームを着ることが決まったのは今のところ松本幸大とG..佐藤の二人だけである。松本の獲得を決めたバファローズには旧所属のマリーンズでコーチとして松本を見ていた西本聖が新たに投手コーチとして入団していたし、G..佐藤を獲得したマリーンズの新監督はライオンズに入団したときの監督であった伊東勤。視聴者の中には縁の大切さを痛感した人も少なくなかったのではないか。

敗戦処理。は初めて今年、NPBの合同トライアウトを生で観た。参加人数が一回目に比べて激減した鎌ヶ谷での方だ。シーズン中のファイターズスタジアムでよく見られる、痛烈な野次がさすがにためらわれる独特の雰囲気の中で粛々と行われた。なまじ生で体感してしまったばかりに、TBSの番組作りに物足りなさを感じるのかもしれない。さらにいえば、中村と木下は二回目のトライアウトを受験していない。木下は現役続行を断念したそうだ(木下は番組に恩義を感じたのか、自身のブログでの引退表明を番組の放送中に更新した…。)が、最新のスポーツ新聞の進路調査でも“現役続行希望”と書かれたままの中村が受験しなかったのは腑に落ちない。本人が決めることだからとやかく言っても仕方ないが…。(※実際、例年二回目の合同トライアウトで入団が決まるケースは極めてまれのようだ。)


ファームの試合を観ていると、毎年のように8月の下旬頃に変化が起きることに気付く。それまで当たり前のように試合に出ていた選手が突然スターティングメンバーから姿を消す。競った場面で投入されるリリーフ投手が、勝敗の大勢がほぼ決した場面で投入されるようになる。こうした場合、大概は球団内部で戦力外にする選手の見極めがつき始めたことが多い。上手く言えないが、TBSテレビは戦力外通告を受けてからの日々を追いかけるだけでなく、そこに至る過程にも注目しようと思えば出来るはずだ。

地上波で放送する番組は特定のコアなファンのための作り方をするとは限らないというのはわかる。だが、番組作りのは一考の余地があるのではないか。何だかんだ言いながら毎年見てしまう敗戦処理。のような輩がいる限り視聴率は下がらない(今年はわざわざ録画して翌日に見た…。)のでこのスタイルは今後も続くのだろうが…。

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