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2012年11月28日 (水)

次打者席(ネクストバッターズサークル)

Dsc_0222公認野球規則三.一七 両チームのプレーヤーおよび控えのプレーヤーは、実際に競技にたずさわっているか、競技に出る準備をしているか、あるいは一塁または三塁のベースコーチに出ている場合を除いて、そのチームのベンチに入っていなければならない。
【注一】 次打者席には、次打者またはその代打者以外入ってはならない。

ある程度野球に興味を持っているファンなら、次の打者あるいは代打として出る予定の選手が次打者席(ネクストバッターズサークルのこと。以下ネクストバッターズサークル)に入らなければならないことは知っているだろう。誰も入っておらず、球審がベンチに向かって注意をしているシーンをテレビや球場で観たことがある人もいるだろう。

今年敗戦処理。が生観戦した試合で、このネクストバッターズサークルに注目して気になった事が何回かあった。


(写真:ネクストバッターズサークルで待機するファイターズの加藤政義。一見なんてことないシーンだが、実は厳密にはルール違反。 2012年5月撮影)


問題になるのは、次打者が投手の時が多い。投手を出来るだけベンチで休ませようとする場合、他の選手をネクストバッターズサークルに入れておき、打順が回ったら本人がベンチから出てくるというケースは良くある。これは上記の公認野球規則三.一七【注一】に照らし合わせれば代打者を入れておいたが、予定が変わってそのまま投手に打たせることにしたということにすればルール違反にならない。どの球団でも使っている手段だ。

ところが、例えば二死で投手の前の打順の打者が打席に入っているときなどに、打順が回ってくるかわからないから、投手をベンチで休ませておくのは問題ないのだが、その場合に投手が次の回の登板に備えてベンチの前で投球練習をするのは禁じられている様だ。これも「打順が回れば代打を出す予定だが、回らなければ続投させる」というケースも考えられるが、認められない様だ。今年の日本シリーズ第六戦で、五回表二死無走者でファイターズは八番の大野奨太の打席。次は二番手の谷元圭介だったが、ネクストバッターズサークルにはスタメンを外れていたマイカ・ホフパワーが待機していた。ここまでは問題ないが、谷元が三塁ベンチ前に出てきて、投球練習を始めた。もちろんすぐに敷田直人球審が止めさせた。テレビ中継を録画したものを見ると、敷田球審は谷元に注意する前に一塁側ベンチの方を向いている。一塁側のジャイアンツベンチから異議申し立てがあったのかもしれない。普段の公式戦で、交流戦のセ・リーグ主催試合では投手が打席に入らないパ・リーグのチームがやらかしそうなミスだ。この時は大野で攻撃が終了し、谷元は続投した。

この例はありがちな単純ミスだが、同じファイターズでこれは良くないだろう?というのを別の試合で見かけた。

527日のジャイアンツ対ファイターズ戦。場所は同じ東京ドーム。やはり八番打者の大野が打席で、次が先発の武田勝という状況で起きた。ネクストバッターズサークルには冒頭の写真の様に加藤政義が入っていた。わかりづらいかもしれないが、加藤はヘルメットでなく普通の帽子をかぶっている。最近では万一のことを考えてなのか、わかりづらい様にするためか、ネクストバッターズサークルに入る選手は皆ヘルメットを着用している様だが、かつては投手が打席に立つまでのダミーの場合は普通の帽子をかぶっていて予測が立つことがあった。この加藤のケースがそうだ。加藤がネクストバッターズサークルにいた時間はほんのわずかで、すぐに武田勝が出てきたので前述の谷元の時の様に相手のジャイアンツベンチも指摘しなかったのかもしれないが、実は加藤はこの試合、既に退いていて代打で出られる選手では無いのだ。これは上記の公認野球規則三.一七【注一】の、“次打者またはその代打者以外”に明らかに該当する。厳密にはルール違反だろう。

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この試合、加藤は「七番・遊撃手」でスタメン出場。同点で迎えた四回表の第二打席、相手投手が先発の小山雄輝から左対左となる星野真澄に代わっていたため、代打を出された。そして問題のシーンは七回表。二死無走者で八番の大野の打席。ネクストバッターズサークルに先発の武田勝もしくは代打予定の選手がネクストバッターズサークルに入らなければならないところに、既に退いた加藤が姿を現したのが冒頭の写真だ。

次打者またはその代打者がネクストバッターズサークルに入らなければならないのは試合時間の短縮を目的としたものと考えて差し支えなかろう。もちろん現実には投手以外の打順を含め、代打で出る予定の選手を予めネクストバッターズサークルに入れるケースと、ベンチに待機させておいて打順が回ってから監督が代打を告げ、ベンチから出てくるケースとがあり運用はまちまちだが、絶対に打席に立つことがあり得ない、既に退いた選手がネクストバッターズサークルに入るのはさすがにおかしいだろう。そもそも何で加藤がネクストバッターズサークルに入ったのか謎だが、球審が警告すべきだと思う(この試合の球審は橋本信治審判員)。


一方のジャイアンツも敗戦処理。が生観戦した別の試合で、厳密に考えればこれはダメだろうという選手をネクストバッターズサークルに立たせたのを目撃したことがある。

97日の神宮球場のスワローズ対ジャイアンツ戦。先攻のジャイアンツは一回表からスワローズの先発の赤川克紀に襲いかかり、3点を奪い、なおも二死一、三塁で八番の中井大介に回った。次打者は先発の杉内俊哉。ここで三塁ベンチ前のネクストバッターズサークルには寺内崇幸の姿があった。
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ール上、投手は打者一人と対戦しないと降板出来ない。先発の杉内はまだこの時点で打者一人と対戦していないのだから、不慮のアクシデントなどで審判員が(公認野球規則三.〇五のa)。であるならば、一回表に投手の前の打者に打席が回った場合には投手以外がネクストバッターズサークルに入ることは認められないはずだ。このケース、相手のスワローズは次が投手の杉内ということで中井とは勝負せずに四球とし、二死満塁にして杉内と勝負した。前述の武田勝のケースと同様にほどなく寺内が退いて杉内がネクストバッターズサークルに入ったが、ネクストバッターズサークルの趣旨を考えたら直ちに杉内がネクストバッターズサークルに入らなければならないケースだ。


どちらの事例も重箱の隅をつつくようで細かすぎるかもしれないが、ルール違反はルール違反。百歩譲って試合が終わってからでも武田勝のケースも杉内のケースも警告すべきだろう。


野球のルールはすごくシビアな面とルーズな面がある。外野のフェンスをノーバウンドで超えれば本塁打になるが、ホームベースから外野のフェンスまでの距離が球場ごとにまちまちなのがそもそもおかしいのだが、一塁と三塁のランナーコーチはそれぞれのコーチスボックスから出てはいけない(公認野球規則四.〇五ベースコーチ、bの2)と決められている。しかし現実にはこれを守っていないコーチがほとんどだ。ところがルールブックを読むと、コーチスボックスから明らかに出ていても相手チームからの抗議がない限り、プレーに支障がなければコーチスボックスから出ているとはみなされないというのだ。何ともいいかげんではないか<>。投手のセットポジションの一時静止を怠ったか否かはかなりシビアだが、一方で軽んじられているルールも平気で存在する。

そうした曖昧さと緻密さの併存がまた野球の面白さの一つであることを敗戦処理。も否定するつもりはない。だがファンとして、こういうルールがあるということを頭に入れたうえで野球を観て損はないと思う。ネクストバッターズサークルに誰が入っているかなんて、テレビ観戦ではテレビ局が意識した時にしか見ることが出来ないが、生観戦なら自分が観たい時に観ることが出来るから、注視する様にしている。そして次に誰が代打で出るかを予測する前提として、ベンチ入り選手を開示する球場では必ずベンチ入りメンバーをチェックする。敗戦処理。のこだわりの一つである。前エントリー、 1125日付明日26日の大谷翔平との入団交渉で栗山英樹監督が直接交渉するそうだが… で示した新人選手選択会議規約もまたしかり。野球には知らないより知っておいた方がより楽しめる要素が多い。

 

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