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2012年11月11日 (日)

初の韓国開催となったアジアシリーズは“手を抜かない”読売ジャイアンツが制す!-アジアシリーズを考える

Adsc_初めて韓国で開催された今年のアジアシリーズはNPBから出場した読売ジャイアンツが決勝戦で2012台湾シリーズの覇者、Lamigoモンキーズを6対3で下し、読売ジャイアンツの優勝で幕を閉じた。かつては東京ドームで開催されていたこの大会、ファンから「罰ゲーム」と揶揄されたり、今一つ盛り上がらない面があったことも否定できないが、自称「球界の盟主」読売ジャイアンツがこれまでのNPB出場チームにない本気ぶりを見せたことで、来年以降も期待が出来る!?


(写真:第2回大会となった2006年のアジアシリーズでアジアチャンピオンとなってナインに胴上げされた北海道日本ハムファイターズのトレイ・ヒルマン監督=当時。200611月撮影)


六年前、日本プロ野球選手会は「
11月も真剣勝負の時期にしたい」との趣旨で、興行色の強い日米野球への出場を拒否する姿勢を打ち出した。当時、日米野球は二年に一度の割合で、日本シリーズ終了後に行われていたが、2005年にアジアシリーズがスタートしたため、日本シリーズ→日米野球→アジアシリーズの順で日程が組まれると、真剣勝負と真剣勝負の間に興行色の強い非真剣勝負が入って何とも不自然だからだ。

以後、日本シリーズ終了直後にアジアシリーズが組まれるようになったが、日本シリーズチャンピオンチームとアジア各国の出場チームとに実力差が歴然としていることもあって、東京ドームでの開催が今一つ盛り上がらなかった。2008年にはついにスポンサーが付かなくなり赤字、2009年と2010年には日本シリーズチャンピオンチームと韓国シリーズのチャンピオンチームに絞った日韓クラブチャンピオンシップが長崎県で行われ、昨年2011年は台湾開催、そして今年は韓国での初開催となった。

サッカーに国別対抗戦で世界一を争うワールドカップと、単独のチーム対抗で世界一を決めるトヨタカップがあるのと同様に、規模は違えど野球にもプロが真剣に取り組む国際大会の必要性が求められ、当時は健在だった五輪とは別に、アジアシリーズとWBCが立ち上がった。

だがそのいずれにも、世界一の野球大国であるアメリカが微妙な立ち位置で影を落としている。本来ならばアジアシリーズのチャンピオンがMLBのナンバーワンチーム、ワールドシリーズのチャンピオンチームと対戦してこそクラブチームの世界一を決める大会だし、五輪にはメジャーリーガーが参加しない。WBCにはメジャーリーガーが各帰属国に分散して参加しはするものの、日本プロ野球選手会が参加を渋った収益分配の問題などが存在する。

アメリカ大リーグサイドに言わせれば、世界中のトップレベルの選手達が集まって行われているMLBのリーグ戦こそが実質的なワールドカップでありトヨタカップなのであり、またその充分過ぎる資金源となる放映権料の契約条項などとの兼ね合いでMLBのレギュラーシーズンを中断したり、そこから花形選手が別の大会のために抜けるなどという構図は考えられないのである。

そう言う構図を是正し、日本のみならずアジア各地域のリーグのレベルアップ、影響力をアップしていかなければならない状態の中で、日本のプロ野球のトップレベルのみならず、高校球界のトップレベルの選手が日本のプロ野球を経由せずにたとえマイナーからの果てしなき挑戦になろうとも、大リーグの球団と直ちに契約したいと申し出るのがNPBを取り巻く実態だ。

WBCにおいて日本代表は過去の第1回、第2回とも世界一に輝いた。NPBからアジアシリーズに出場したチームは昨年のホークスを除き、すべてアジアチャンピオンになった。にもかかわらず、日本のファンの中ではアジアシリーズの評価は二分される。

「アジアシリーズを何年続けても、ワールドシリーズのチャンピオンチームとの対戦はあり得ない」という声をよく聞く。アジアシリーズ軽視派、否定派の意見はここに集約されるか、公式戦、クライマックスシリーズ、日本シリーズを戦ったあとにベストなパフォーマンスをするのはそもそも無理という現実派に集約されるようだ。どちらも頷ける面はある。ただ、それでも敗戦処理。は貴重な国際大会としてアジアシリーズの存続を支持したい。

また、日本のプロ野球ファンが軽視、あるいは否定する心情の根底に「罰ゲーム」との揶揄があるとおり、そもそもNPB出場チームがどれだけアジアシリーズを真剣に取り組んでいるかが疑問だというのがある。本気でないNPBと格下のアジアチャンピオンとの試合を見るくらいなら、物見遊山でもメジャーリーガーとの試合を見たいという意見もあるようだ。

その点では今年NPBから出場した読売ジャイアンツは日本シリーズで日本一を決めた第6戦とほぼ遜色ないベスとオーダーを組んできた。日本シリーズ第6戦と、アジアシリーズ決勝戦のスターティングメンバーを比較しよう(日本シリーズ第6戦はDHなし)。

日本シリーズ第6
()長野久義
()松本哲也
()坂本勇人
()阿部慎之助
()村田修一
()矢野謙次
()ボウカー
()寺内崇幸
()澤村拓一

アジアシリーズ決勝戦
()長野久義
()
松本哲也
()
坂本勇人
()
阿部慎之助
()
村田修一
()石井義人

()矢野謙次
()
藤村大介
()
實松一成
()
宮國椋丞

日本シリーズで活躍したジョン・ボウカーが不参加で、代わりに一塁に石井義人が入り、阿部慎之助がDHに回って實松一成が捕手になった以外は変わらない。出場メンバーの格差を数値化するのは難しいが、敗戦処理。は以前からスターティングメンバーの推定年俸で比較することにしている。DH制の有無があるので合計でなく、平均年俸で比較する。日本シリーズ最終戦を100としたときにアジアシリーズの決勝戦がその何%になるかを出す(投手はローテーションの関係でナンバーワンでなくても不思議ではないので排除)日本シリーズ最終戦のスタメン野手8人の平均年俸(推定=以下同じ)11925万円だったのに対し、アジアシリーズ決勝戦のスタメン野手9人の平均年俸は1411万円。対比で87.3%だ。

この数値は2009年の読売ジャイアンツが日韓クラブチャンピオンシップに日本シリーズ最終戦と同じメンバーで臨んだ(対比100%)を別にすれば最高だ。

1回の2005年、千葉ロッテマリーンズが73.5%、2006年の北海道日本ハムファイターズが62.5%、2007年の中日ドラゴンズが57.3%、2008年の埼玉西武ライオンズが79.0%、2011年の福岡ソフトバンクホークスが48.7%。(【参考】日韓クラブチャンピオンシップ、2009年読売ジャイアンツ100%、2010年千葉ロッテマリーンズ84.8%)

「asia_series_gap20052012.xls」をダウンロード



それぞれに誰が抜けているから平均年俸が下がっているかを考えると興味深い点がある。例えば
2006年のファイターズはSHINJOが日本シリーズを最後の舞台にすると明言していたし、一時帰国したフェルナンド・セギノールのパスポートが失効したとか、ドラゴンズも主砲.ウッズが出場辞退し、T.ウッズの年俸が図抜けていたため差が大きくなったとか。そしてついに50%を切った昨年のホークスは韓国のサムスン・ライオンズに決勝で敗れた。

ただ読売ジャイアンツも外国人のボウカーを除いてベストメンバーでアジアシリーズに臨んだかというと必ずしもそうとは言えない。

今年の日本シリーズ6試合に一度でもベンチ入りした選手で、アジアシリーズに参加しなかった(ベンチ入りしなかった)選手を挙げよう。

投手 スコット・マシソン、内海哲也、山口鉄也、ディッキー・ゴンザレス、デニス・ホールトン
捕手 市川友也
内野手 小笠原道大、エドガー
外野手 谷佳知、高橋由伸

外国人選手はもとより、日本シリーズMVPの内海哲也はCSから日本シリーズにかけて通常より短い登板間隔で先発を続けた疲労を考慮したか、外れた。また公式戦から合計で79試合に登板した山口鉄也も外れた。CSと日本シリーズで起爆剤的に期待された小笠原道大は結果が出なかったからか、また超ベテランの高橋由伸、谷佳知は休養を与えられたのだろう。しかし直近の日本シリーズで負傷欠場した阿部慎之助や長野久義がアジアシリーズに出場したことは意義があると思う。読売ジャイアンツなりの誠意だろう(一週間後に侍ジャパンの対外試合を控えているというのもあろうが…)

その一方で昨日の読売ジャイアンツとロッテ・ジャイアンツの試合の入場者数が10,168(試合が行われたサジク野球場の収容人員は28,500)、今日の読売ジャイアンツとラミダ・モンキーズの決勝戦もこのエントリーを書いている時点で公式の入場者数発表を確認していないが、地元韓国のチームが出ていないせいもあるだろうがツイキャスやスポーツニュースなどで現地の映像を見る限りガラガラだ(昨年の決勝戦、福岡ソフトバンクホークス対サムソン・ライオンズは20,000人収容の台中インターコンチネンタル野球場で4,328人)。

WBCや五輪での代表チーム同士での対戦となると拮抗するが、チーム単位だとアジア各国の強豪チームでもNPBのチームにはまだ実力差があるという見方もあるが、もしそうであれば決して上から目線ではなく、NPB主導でアジアシリーズ続行に尽力することはアジア全体の野球レベル向上のためにも不可欠だと思う。

来年のアジアシリーズ開催には福岡ソフトバンクホークスの孫正義オーナーが福岡ヤフージャパンドームでの開催を名乗り出たという。それもいいだろう。今年の韓国のように出場枠二チームを確保し、ホークスを自動的に参加させるなんてことでなければ大歓迎だ<>。歳月を要するだろうが、さらなる発展を臨みたい。

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