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2012年6月 9日 (土)

相手から恐れられない第76代四番打者…

Dsc_0138今日9日のジャイアンツは村田修一のサヨナラ安打で粘るライオンズを振り切った。ジャイアンツの第76代四番打者村田にとってはこの一週間で6日の対ホークス戦の決勝犠飛に続いて二度目の決勝打となった。

ただ、どちらも直前に三番の坂本勇人が歩かされての村田の打席。四番打者としてそれでいいのか?


(写真:ジャイアンツの第76代四番打者村田修一。 2012年4月撮影)



まるでVTRを見ている様だった。いや、6日の対ホークス戦より露骨だったかもしれない。


3対2と1点リードしていた九回表に同点に追いつかれての九回裏、ジャイアンツは先頭の長野久義が三塁ゴロ敵失で出塁すると、藤村大介が送って一死二塁。ここでライオンズは三番の坂本に対して敬遠策。一死一、二塁と塁を詰めて四番村田との勝負を選択した。

さかのぼれば6日の対ホークス戦。この日はビジターだったから表の攻撃ではあったが、3対1から追いつかれて同点で迎えた九回表、長野が死球、藤村犠打の一死二塁からホークスバッテリーは坂本との勝負を避け、村田との勝負を選択した。だがこの時は捕手の細川亨は座ったままで、明らかなボール球を投げさせていた。露骨に敬遠して村田を刺激しないようにと考えたのかもしれない。今日の様にホームゲームで裏の攻撃であろうと、先攻であろうと同点の九回に入る1点の重みは大きい。だからその1点をいかにして防ぐかに腐心するのだろうが、その結果の選択肢が四番打者との勝負という選択肢になることが敗戦処理。は寂しいのだ。

坂本との勝負を避けられるだけでも村田は舐められていると奮起の材料になるところだが、6日の対ホークス戦ではジャイアンツベンチまで村田に任せきれなかったのか、初球にダブルスチールをかけ、一死一、二塁から一死二、三塁とした。森福允彦、細川のバッテリーの警戒が薄かったこともあろうが、失敗した時のダメージを考えるとなかなかダブルスチールのサインは出せない。四番打者のバットに賭ける場面だ。相手から舐められ、味方からは信頼されない。これが「ジャイアンツ第76代四番打者」の実態なのかと考えると、敗戦処理。はチャンスが拡大した嬉しさより悲しさ、寂しさが上回った。

しかも、ダブルスチールの結果、一塁が空いたのにホークス側は村田を歩かせるそぶりなど見せない。満塁にして阿部慎之助、高橋由伸と左対左になる二人との勝負という選択肢もあろうが、ホークスバッテリーはあくまで村田との勝負。結果は村田がファウルで粘った末、センターへの犠飛でジャイアンツが決勝点を入れた。

今日もダブルスチールこそなかったが、MICHEALにまともに勝負され、追い込まれたものの何とか食らいついて左中間に運び、サヨナラの走者長野をホームに迎え入れた。

日本の十二球団で四番打者に「第○○代四番打者」と形容するのはジャイアンツだけ。第64代四番打者の清原和博「日本で第○○代と言われるのは横綱と総理大臣と『巨人の四番打者』だけ」と言ってそのこだわりを語っていた。ONが四番を打っていた時代を幼少時に見ている敗戦処理。にもこの球団の四番打者に対するこだわりは共鳴する部分は大きい。

例えば現監督の原辰徳は現役時代、巨人の四番打者として立派な数字を残しているが、それでも一部のファンからは物足りなく映っていた。それは長嶋茂雄王貞治ONが巨人の四番を張っていた時代の印象で高い基準で四番打者観を持っているからである。本塁打を量産した王や、無類の勝負強さを発揮した長嶋と比較して「原はここ一番で弱い」と不満に思ったものだった。ONはどう考えても別格だったのでONと比較された原は宿命とはいえ気の毒だったが、後に原よりも四番打者らしい松井秀喜が君臨したことも重なって四番打者としての原の貢献度は埋没しがちになった。

ここ数年でもアレックス・ラミレスが不動の四番として君臨していた。三番打者として活躍した小笠原道大との“オガラミ”コンビの破壊力は相手チームにとって脅威となった。球団によっては「三番最強論」とか「つなぎの四番」が売りになる時代ではあるが、ジャイアンツの四番はそのどちらでもないはずだ。

だが現実には村田の前を打つ坂本は8日現在で得点圏打率がセ・リーグで2位の.413。村田の得点圏打率が同日現在.276だから雲泥の差だ。村田の後ろを打つ阿部の得点圏打率はさらに低い.263だが打率と本塁打数で村田を上回り、相手ベンチからは村田より坂本が、あるいは村田より阿部が嫌なのだろう。

村田の得点圏打率の低さは村田の実績を考えると異常だ。昨年の年間打率.253に対して得点圏打率は.196。セ・リーグの規定打席到達者で最低だ。2010年も年間打率.257に対して得点圏打率.2502009年は年間打率.274に対して得点圏打率.375と勝負強さを発揮したが、この年は故障による欠場が響いて規定打席に達していない。つまりベイスターズで不動の四番打者でありながらトータルの打率と得点圏打率の差が開きつつある傾向の選手をジャイアンツはFAで獲得したのである。清武英利前球団代表はこの辺の傾向を察知して獲得見送りの方針を固めていたと言っていた。

敗戦処理。はONの名前を挙げてきたが、ジャイアンツはON以降も三番、四番ともに強打の大砲を連ねることが多い。張本勲&王貞治ウオーレン・クロマティ&原辰徳松井秀喜&清原和博高橋由伸&松井秀喜小笠原道大&アレックス・ラミレス。どのコンビも四番打者に不測の事態があれば、三番打者がいつでも代役を務められる遜色のない三番打者が前を打つ。その意味では現在の三番坂本は、村田の代役というイメージはまだない。おそらく何らかの事情で村田が四番を外れる時には阿部か高橋由が四番を打つだろう。でもその坂本には無類の勝負強さがあり、相手球団は今日と6日の様な場面で勝負を避ける。

村田は二度とも結果を出した。だが理想は村田がそうした場面で結果を出すことではなく、相手に坂本との勝負を余儀なくさせることだ。だが次、他球団との対戦で同じようなケースになったら再び相手ベンチは坂本敬遠、村田勝負という策を選ぶだろう。既に坂本はそれだけの恐怖感を相手に植え付けたということだ。

ジャイアンツの歴史が続く限り、村田の名は第76代四番打者として刻まれ続ける。が記録にも記憶にも残る存在になるかは村田が今日の様な場面で結果を出し続け、嫌でも坂本と勝負せざるを得ない状況を作ることだ。

既製品として出来上がった四番打者を獲得して、「つなぎの四番」では評価されないのがジャイアンツというチーム。ONは過去のものとしても、ラミレスや松井という生々しい存在と比較されるのだ。もちろん村田もその覚悟でジャイアンツを選んだのだろうが…。

 

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