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2011年10月22日 (土)

タイトルは獲らせてもらうのではなく、獲るもの…

Cdsc_0020

Cdsc_0026 今日(22)はジャイアンツの今季最終戦を東京ドームで観てきた。一週間後のクライマックスシリーズファーストステージ初戦への調整、勝てばセ・リーグの最多勝利をドラゴンズの吉見一起と分け合う内海哲也、タイガースのマット・マートンとの首位打者争いの真っ只中の長野久義と、個人タイトルの見どころも満載な試合のはずだったが、先発バッテリー発表、スタメン発表で興ざめしてしまった。最多勝を狙う内海は先発でなく、長野も打率の低下を避けるためにか、スタメンを外れた…。

(写真:内海も長野の名もないスタメン発表。「3番、レフト、ラミレス」の時点で興ざめした…<苦笑>

個人タイトルのかかった選手の起用法に関する考え方は野球ファンの中でもいろいろあるだろう。チームの順位が確定したら、個人タイトルのかかっている選手に対して監督は配慮したきようをしてやり、貴重なタイトルを獲得できるよう後押しするのは当然だという意見はあると思う。敗戦処理。も総論では賛成だ。だが、そのタイトルを獲得するために、打率が下がらないように試合を休ませるとか、タイトル争いのライバル選手に打たせないために敬遠攻めにするとか、勝利投手にするために別の先発投手が勝利投手の権利を得る前に代えてリリーフで登板させるとか、個人的にはどうも好きになれない。これが例えば年齢的に最後のチャンスというような選手なら心情的に多少無理をしても獲らせてあげたいと言う気持ちになるかもしれないが、年齢的に働き盛りの内海哲也や、入団二年目の長野久義に細工をしてまでタイトルを獲らせたいとは思わない。二人とも自分の力でタイトルをもぎ取って欲しいと思う。そしてそれが可能な位置にいる。

長野はスタメンで出て3打数1安打でも打率が上がるのだし、出来れば2安打以上打ってさらにマット・マートンとの差を拡げて欲しいし、吉見一起がリリーフで18勝目を挙げたという事情があろうとも、内海も先発して味方の得点の範囲内に抑えて勝利投手になればいいだけの話だ。チームは一週間後にクライマックスシリーズを控えている。この後、本来はファームの選手の教育リーグである宮崎でのフェニックス・リーグに選手を送り込むそうだが、公式戦の真剣勝負は今日で最後ということも併せて考えれば、自然体で臨んで欲しいものだ。

しかし現実は上記のようなスタメンだ。もちろん内海も長野もベンチには入っている。

先発の澤村拓一は冒頭の写真の様に11勝を挙げている。新人王のタイトルはほぼ間違いないだろう。内海をリリーフで登板させて勝利投手にさせるのをアシストするには最適の先発投手だろう。そして澤村は現在1962/3イニングを投げている。あと3・1/3イニングを投げれば投球回数が200イニングに達する。これはセ・リーグの新人投手では江夏豊以来44年ぶりの快挙となる。一方で現在澤村は防御率が1.97。このまま防御率1点台で終われば、こちらは堀内恒夫以来45年ぶりとなる。どうせならこの双方を達成し、勝利投手の権利を持たないまま内海にスイッチしたい。ちなみに新人投手で200イニング以上投げて防御率が1点台だと権藤博以来50年ぶりの快挙だ!

しかし試合は序盤からジャイアンツの思惑通りには運ばない。澤村は二回表、先頭のベイスターズの主砲、村田修一にライトスタンドに運ばれ、1点を献上してしまう。村田はこの一発で通算250号を達成。

Dsc_0040 今日はベイスターズにとっても最終戦なので村田は単に今季というだけでなく、このユニフォームで最後の試合となるかもしれない試合で節目の記録を達成できて喜びもひとしおだろう…。

そしてこの自責点で、澤村の防御率が微妙になってきた。内海との兼ね合いもあって200イニング到達近辺で降板するのなら、200イニングで防御率2点を切るためには自責点が400÷9の数値を超えてはならないから自責点が44ならセーフだが45だとアウト。村田に被弾した時点で自責点が44になり、もう1点も与えられない。四回表の一死を取った時点まで自責点1で凌げば防御率1点台と200イニングを両方達成できる。

そして三回を終えて自責点1だった澤村は四回表、先頭の筒香嘉智をフェンス際のセンターフライに打ち取り一死。この時点で200イニングに到達したので、ここで内海にスイッチかと思ったが、続投して村田に二打席連続本塁打を浴びてしまう。

Dsc_0061 ここで内海でなく山口鉄也にスイッチするのだが、それなら筒香を打ち取った時点で代えてあげるのがベンチの配慮ではないのか?敗戦処理。は否定派だが、先発しても最初から勝利投手になれないのだから、せめて記録への配慮をしてやるのが親心だと思うのだが…。

いずれにせよ澤村のこの一年の活躍は本当に凄かった。打線の援護に恵まれず勝ち星がなかなか伸びなかったが、それでも二桁の大台に乗り、防御率も2.03だから文句なし。

その裏、2点を追うジャイアンツは一死一、三塁として高橋由伸を迎えた。ここで逆転本塁打が出ようものなら山口に勝利投手の権利が付いてしまって素直に喜べないところだったが高橋由は併殺打。

Dsc_0079 そしてその高橋由の打順に内海が入り、逆転すれば勝利投手の権利を得られるのでロングリリーフの体制に。

しかし、今季プロ入り初勝利を献上し、過去三度の先発登板で対戦防御率2.04と抑え込まれている国吉佑樹を今日もジャイアンツ打線は攻略できない。0行進を続け、七回裏には2点ビハインドで一死無走者の場面で内海をそのまま打席に向かわせなければならないはめに。しかしその内海が自ら安打を放って逆転への口火を切ったが、この回も二死一、三塁まで行ったが無得点。八回裏に阿部慎之助がベイスターズ四番手の篠原貴行からソロ本塁打を放って1対2とし、内海は九回表も黙々と抑え、味方の逆転を待つ。

九回裏、ベイスターズはいつもの通り山口俊をマウンドに。先頭の谷佳知の遊ゴロをこの回からショートに入った石川雄洋がいきなりはじいてエラー。すかさず代走に鈴木尚広を送り、内海に代打古城茂幸。本当に内海の最多勝にこだわるのならば、同点で延長にもつれる可能性まで考えて内海をそのまま打席に立たせてバントをさせて同点の走者を得点圏に進めるという手も考えられたが、澤村の防御率1点台キープを平気で逃したジャイアンツベンチにさすがにそこまで考える人はいないようで、代打古城。当然逆転サヨナラ狙いだからバントはない。しかし山口はボール先行で2ボール1ストライクとなってから古城にライト前に運ばれる。山口と黒羽根利規のバッテリーは平常心ではないようだ。藤村大介の送りバントを山口がフィルダースチョイス(犠打野選)して無死満塁。ここでジャイアンツは長野を代打に送る。首位打者争いのライバル、マートンは今日の試合でここまで無安打。外野フライで打率が下がらない無死満塁。安打が出れば自信の打率アップに内海の最多勝まで付いてくるという場面での登場と、これ以上ないオイシイ場面での登場となった長野は3ボール1ストライクから、ライトオーバーの代打逆転満塁サヨナラ本塁打!

Dsc_0143 終わってみれば、内海にとっても、長野にとってもオイシイ、最高の形での今シーズン公式戦終了となった。代打満塁逆転サヨナラ本塁打は史上8人目。2001年のブルーウェーブ、藤井康雄以来の快挙だ。

村田の通算250号。澤村の44年ぶりとなる新人投手による年間200イニング到達。既にセ・リーグの新人投手の最多登板記録を更新した大原慎司が今日も登板して71試合となり、1リーグ時代の1942年の林安夫(朝日)に69年ぶりに並ぶ日本タイ記録達成と、記録は積み重ねの上に出来上がるものである。好成績の積み重ねによる個人タイトルも、積み重ねによるものである。そこに人為的な作為がなくてもそれらは素晴らしいものなのだ。内海も長野も普通にスタートから使っていても、それぞれの目的に応じた結果を残せたと思うし、仮にいつもの通りに出たことによって逆の結果になったとしても、その悔しさを来季にまたぶつければいいだけの話だ。劇的な勝ち試合を観ることが出来たのは嬉しい限りだが、それでも敢えて、今日の原辰徳監督の配慮には苦言を呈したい。

Dsc_0152 試合終了後、今季最終戦ということもあって原監督以下、コーチ、選手がマウンド付近に整列し、原監督が挨拶。「ファンの皆様、必ず東京ドームに帰ってきます!」と原監督は力強く宣言した。

 

 

果たしてジャイアンツが再び東京ドームに帰ってくるのは1115日に行われる予定の日本シリーズ第三戦か、それとも1123日のファンフェスタか…。

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