ジャイアンツのドラ1予定、菅野智之を観てきた
ジャイアンツが昨年の12月14日の時点で今秋のドラフト会議での1位指名を明言した東海大学のエースにして原辰徳監督の甥っ子、菅野智之を今日(24日)観てきた。
確かに球は速い、コントロールもいい、力強い好投手という感じだ。
(写真:力投する今秋のドラフト会議の目玉の一人、東海大・菅野智之)
実は敗戦処理。にとって菅野見物は三度目の正直。菅野のいる東海大学が所属する首都大学野球連盟が開幕した今月9日と昨日23日、過去二回、菅野の登板が予想される試合を観に行ったがいずれも雨天中止。球場まで行って断念した。
実は首都大学野球連盟では東日本大震災に伴う福島第1原発の放射能漏れの影響を懸念し、今春のリーグ戦に関しては雨が降れば即中止。試合中でも直ちに中断という方針を打ち出していた。9日の開幕戦はその第一号で、試合前には昨秋の優勝旗の返還式典が行われる予定だったが、それも球場内のロビーで代開催していた程だ。
しかし神奈川県内の放射線量の数値が安定してきたため昨日のカードから撤廃。ところが昨日は雨天およびグラウンドコンディション不良による中止だった。今日は朝から好天で暑いくらいの気候。文字通り三度目の正直で菅野を観ることが出来そうなのだが、昨日も先発予定だったのでスライド登板するかという不安があった。
今日の球場はサーティーフォー相模原球場。首都大学野球連盟はこの球場の他、平塚球場と大田スタジアムを中心にリーグ戦を行う。いずれも敗戦処理。にとってはイースタン・リーグでなじみの球場だ。
サーティーフォー相模原球場は昨年までの相模原球場。今春募集したネーミングライツでサーティーフォーが獲得した。アイスクリームのショップではなく、神奈川県の注文住宅販売の企業らしい。ベイスターズのファームがイースタン・リーグで使用する球場として有名だが、かつてはファイターズのファームが、ファイターズスタジアムが出来る前に本拠地として使用していたこともあるが、最近で有名なのは今年の開幕前の練習試合でジャイアンツの阿部慎之助が負傷した球場ということだろう。
第一試合の筑波大対武蔵大が延長十回裏、武蔵大が逆転サヨナラ勝ちするという劇的な試合を見せてくれた後、お目当ての日体大対東海大。よかった、菅野は先発だ。
ネット裏のど真ん中、前から三列目という好位置で観ることが出来たが、さすがに球が速いのは素人目にも分かる。
ズシンと来る感じだ。だが序盤はこのズシンと来るストレートで空振りを取れない。毎回のように安打の走者を出すが、連打を浴びない。コントロールも良く、ボールが先行するケースはほとんど無かった。序盤は制球重視だったのかもしれない。それでもスコアボードに0を重ねていくのはさすがだ。
一方、日体大のエース、辻孟彦は菅野を上回る好調ぶり。
序盤三回までは味方失策の走者を一人出しただけのノーヒット。四回表も簡単に二死まで取った後、三番の吉川佳祐にこの試合初めての四球を出すと、四番の菅野の女房役、伏見寅威に初安打となる三遊間を破る安打を打たれ、二死一、二塁。ここで五番の景山拓也を二ゴロに仕留めるが、セカンドの大石竜太がトンネル。吉川が生還し、無念の先制点を許す。
この球場はスピードガンの表示が出ないので個々の球速はわからないが、菅野登板とあってか、ネット裏の最前列の通路にはスピードガンが設置された。
また、普通に考えれば通路というのは人が行き来するためにあるのだが、ここの通路には菅野が投げている時だけベストポジションとばかりに座り込んで写すカメラマンが現れる。
それも一般のファンではなく、超有名なスポーツ新聞社の記者が堂々と座り込んでいたから、この球場では公認なのかもしれない<苦笑>。
前半五回を終えて前述の1点のみで東海大が1対0という展開だったが、三人で抑えたのは三回表だけ。あとの4イニングはいずれも被安打していた。なお四死球はなし。ちなみにこの時点での菅野の最速は148kmだった様だ。スピードガンを操作していた人が話していた。
グラウンド整備の直後の六回表、菅野は初めて1イニングに2本の安打を打たれ、二死一、三塁。初めて横井人輝監督がマウンドに現れた。
監督登場で気合いが入ったか、いや入りすぎたか菅野はこのピンチのワンバウンドの暴投
かと思ったが判定は死球。左打席の宮里裕樹の足にでも当たったか。同点にされてなお二死二塁かと思ったが、三塁走者のホームインは認められず二死満塁で試合再開。
二死満塁のピンチで六番の白石幸の打球はゴロで二遊間を破るかという当たりだったがショートの田中広輔がダイビングキャッチ。セカンドでフォースアウトにしてピンチを切り抜けた。
こうなるとピンチのあとにチャンスありで、その裏、ファインプレーの田中広がバントヒットで出て三番の吉川が送った一死二塁から伏見のライト前タイムリーでまず1点。その後も二死満塁と攻め立てると、八番の坂口真規がライト前にタイムリー
が、タッチアウト。それでもこの回2点を追加して六回を終えて東海大が3対0とリード。
菅野はこれで楽になったか、というかエンジンが入ったか、七回からストレート系が多くなった感じ。追加点直後の七回表を下位打線とはいえこの試合二度目の三者凡退(含、2三振)に仕留めると、八回は先頭打者に安打を打たれるも三、四番から連続奪三振、最終回も1三振を含む三者凡退であっさりと試合終了。普通なら球威、球速が落ちがちな終盤3イニングで5奪三振と、完全にペース配分の勝利。
【24日・サーティーフォー相模原】
日体大 000 000 000 =0
東海大 000 102 00× =3
日)●辻、高橋峻-下川
東)○菅野-伏見
本塁打)両軍ともなし
菅野はリーグ戦が始まる前、目標にノーヒットノーランか完全試合達成、それが無理なら防御率0でリーグ戦を終えたい、と個人的な目標を掲げていた。菅野は10日の城西大戦で8イニング無失点だったのに続き、17イニング連続無失点。防御率0は続いている。
この一試合観ただけで菅野智之という投手を評価するのは早計だろうが、序盤の空振りを取れない菅野と、最後3イニングの菅野は別人かという感じ。大学リーグは一勝一敗なら第三戦があるから力をセーブしているのかもしれないが、力強さと物足りなさを両方併せ持つ感じの印象を受けた。ただ四死球は六回の死球の一つだけだったし、スリーボールまでいったのも三人だけと制球に関しては終始安定していた。原監督の甥ということだが、ジャイアンツが早々とドラフト1位指名を明言したのは家系と学閥だけでないことは間違いない。
しかし拙blog1月1日付 二年連続でジャイアンツにドラフトの目玉を囲い込みされて黙っているの? で書いたように今秋のドラフト会議の目玉中の目玉であるのなら、他球団は果敢に指名に行って欲しい。
« いつかこうなる日が来るとは覚悟していたが…ジャイアンツが山口鉄也の登録を抹消 | トップページ | 立ち上がれ小笠原 »
« いつかこうなる日が来るとは覚悟していたが…ジャイアンツが山口鉄也の登録を抹消 | トップページ | 立ち上がれ小笠原 »
コメント