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2011年4月14日 (木)

三人目の捕手

Dsc_0152 正捕手阿部慎之助が練習試合で負傷したジャイアンツは鶴岡一成加藤健市川友也の三人の捕手を出場登録(一軍入り)して開幕に臨んだ。阿部のリタイヤによって開幕一軍の座を手にした形の市川はルーキーイヤーの昨年に続き、二年連続で開幕一軍入りを果たしたことになる。

(写真:阿部慎之助リタイヤで一軍に抜擢された市川友也 20112月撮影)

同じ三人目の捕手と言っても、昨年の開幕一軍と今季の開幕一軍では意味合いが異なると思う。

昨年の開幕はもちろん阿部が健在で、鶴岡とともに市川が捕手として登録された。阿部が健在ならば、阿部が基本的にスタメンマスクとなる試合が主となり、体調面などを考慮して時に鶴岡がマスクをかぶるというパターンになる。阿部の場合は捕手としてだけでなく、打力もクリーンアップ級なのでマスクをかぶった試合は基本的には途中交代は考えないで済む選手。強いて言えば競った試合の終盤に阿部に代走が送られるケースくらいだろう。

つまり、阿部が健在であれば、たまに阿部に休養を与える時や、やむをえず阿部に代走を送った後に鶴岡を起用すればいいわけで、基本的には阿部と鶴岡で捕手をまかなおうと原辰徳監督を始め、首脳陣は考えるはずであろう。ただ故障の多いポジションだけに試合中の不測の事態に備え、三人目の捕手をベンチ入りさせるということになる。出場選手登録は28人が上限と決まっているから連戦などで投手を増員しなければならない時などは三人目の捕手を登録抹消して捕手二人制をとることもある。この時は基本的には阿部はフル出場だ。もう一人の捕手が鶴岡だったとしたら、鶴岡は阿部に何か不測の事態があった時に代役で捕手を務める存在と化すから、鶴岡は試合の途中で代打などで起用されることはなくなる。

そうなると、阿部健在時の三人目の捕手はなおさら不測の事態用となる。昨年市川がルーキーながら抜擢されたのは、逆にルーキーだから勉強の意味も兼ねて一軍で英才教育を受けたと言うところだったのではないか。実際、試合経験を積ませるならまず出番のない一軍三人目の捕手より、ファームの試合で実戦経験を積ませる方が良いと思う。昨年のジャイアンツは加藤や星孝典實松一成にファームの試合で実戦で腕を磨く機会を与え、市川には一軍で勉強をさせた感じだった。大先輩の森昌彦を始め、名捕手の代名詞的な背番号27をもらったルーキー捕手だけに球団の期待も大きいのだなと昨年の開幕当初は思ったものだった。

しかし、昨年の市川は開幕から9日目には登録抹消された。その後再登録されたが、結局一年を通して試合出場は3試合のみだった。

今年の三人目の捕手は阿部健在時とは様相を異にすると思う。

Dsc_0024 (写真:開幕一軍入りを果たした三人の捕手 注.写真は2010年2月に撮影したものです。)スワローズとの開幕二連戦は初戦を鶴岡、二戦目を加藤がマスクをかぶった。阿部の負傷状況に関し、ジャイアンツ球団はあまり情報を開示していない様だが、敗戦処理。は今日二戦目にして早くも捕手が鶴岡から加藤に変わったのを見て阿部の戦列離脱がかなり長期にわたるのではという不安に陥った。

憶測に基づく報道でも二ヶ月とか言われているのだから、もともと長期離脱必至なのだが、鶴岡に出来るだけマスクをかぶらせようというのでなく、鶴岡、加藤二人合わせて阿部不在期間をまかなおうという意思表明だと思った。スワローズ二連戦はともにジャイアンツが先行逃げ切りの展開だったから特に問題なかったが、長いシーズン、ずっとこの展開で行けるわけでない。

何が言いたいかというと、劣勢の試合では(阿部がマスクをかぶっていれば全く考える必要がない)鶴岡ないし加藤の打順で代打を使って勝負を賭けるケースが今後増えてくるということ。開幕戦で鶴岡が2安打したが、そうそう期待は出来まい。例えば、序盤から若干のビハインドの試合。六回くらいに反撃のチャンスでスタメンマスクの鶴岡ないし加藤に代打を送るケースが考えられる。近年の各チームの戦術ではクローザーを中心に最後の3イニングを堅実な勝利の方程式で守りきる野球をするチームが多いから、その形に突入する前の六回の攻防が鍵を握ることが多くなる。要は数年前のタイガースのような、JFKが出てくる前に試合を引っ繰り返しておかないとと言う発想。ここで逆転するなりして試合の主導権を握れればよいのだが、それを逃した場合、八回くらいにもう一度捕手の打順でチャンスを迎えるケースが考えられる。二人目の捕手に代打を出し、ようやく逆転したとして、逃げ切る最終回、マウンドには満を持してクローザー(今季のジャイアンツなら山口鉄也)が上がるだろうが、マスクをかぶるのは実戦経験の乏しい市川ということになる。正直不安だ。

ここから先はさらに推測の域だが、ジャイアンツベンチは上記のような展開で最後に市川がマスクをかぶるケースを避けたいと考えていると推測する。しかし、そう言う試合展開は必ず時折発生する。ではどうすればいいかというと、スタメンで出た捕手に簡単に代打を出さないと言う選択に出るだろう。劣勢の試合を引っ繰り返すには点を取らなければならない。そのためには打力の劣る選手にチャンスで打席が回ってきたら代打を出さねばならない。でも出せない。阿部が復帰するまでの間、ジャイアンツファンはそんなジレンマと付き合わなければならないと思う。

ちなみに敗戦処理。がジャイアンツ同様に贔屓にしているファイターズも偶然、正捕手不在で開幕に突入。鶴岡慎也不在の間は入団三年目の大野奨太を主体に、ファーム正捕手の今成亮太と、阪急ブレーブス唯一の生き残りとなった超ベテランにしてバッテリーコーチを兼任する中嶋聡の三人で臨んでいる。大野は過去二年間、一軍で鶴岡に次ぐ第二の捕手として経験を積んでいるが、武田勝や現ジャイアンツの藤井秀悟専属捕手という感じで特定の投手とばかりバッテリーを組んでいた印象があり、エースのダルビッシュ有などとのコンビネーションに不安が残る。

ジャイアンツに話を戻そう。敗戦処理。自身は實松一成のファンなので、こういう時こそ三人目の捕手には實松を登録してスタンバイさせて欲しいと考える。あるいは百歩譲って星孝典だ。市川は今こそファームでとにかく試合数をこなすことだと思う。調べると昨年の市川はイースタン・リーグでも18試合にしかマスクをかぶっていない。これはジャイアンツのイースタン・リーグの記録では星の46試合、實松の44試合、加藤の33試合に次ぐ四番目で、育成の河野元貴は17試合。残念ながら市川はルーキーイヤーの昨年一年間、充分な実戦経験を積んだとは言い難い。

昨年の秋季練習の時期だったか、首脳陣が市川の三塁転向を検討しているとの報道があった。市川は昨年膝を故障したらしく、しゃがんでいる時間の長い捕手というポジションが困難だという観点からのコンバート案だという。しかし今春のキャンプなど、市川が内野手の練習をしたという話を少なくとも敗戦処理。は知らない。良い方に解釈すれば、市川は故障を克服し、捕手として今年も計算されていると言うことだ。いや、そうでなければ開幕一軍入りはないだろう。そういえば同じくらいの時期に内野が本職の寺内崇幸に捕手兼業をさせるという構想も報じられていたが、それも少なくとも今春のキャンプ以降はそういう報道に接しない。

ジャイアンツの開幕カードでは、捕手を二人しか出場登録していないスワローズが第二戦で相川亮二を途中で川本良平に代えてしまい、終盤のチャンスに川本に代打を送れないという事態になった。この例を見ても、三人目の捕手の重要性はわかるだろう。

開幕戦、6対2と4点リードの八回裏にさらに3点を追加したジャイアンツは九回のマウンドに新守護神の山口でなく、レビ・ロメロをマウンドに送った。7点差になったので山口を出すまでもないとベンチが判断したのだろう。であれば、捕手も鶴岡から市川に代えて市川に場数を踏ませるという選択肢はなかったか…。7点の差があっても最後の1イニングを任せられない程度の捕手が三人目の捕手として控えているのだとしたら、いつか市川の存在がネックになって試合を落とす(勝負所で鶴岡ないし加藤に代打を送れない…)というケースが出るだろう。それならば市川を起用して市川の未熟さで試合を落とす方を選択して欲しい。その時は高い授業料となっても、いつかその授業料は市川の経験という形でチームとジャイアンツファンに還元されるだろうから。

もうジャイアンツファンの中にも忘れている人が多いかもしれないが、阿部の一年目も、「何で村田真一をもっと使わないんだ!」というブーイングを浴びせていた人が多かったのだ。

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