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2011年3月19日 (土)

イースタン・リーグ、予定通り今日から開幕

Dsc_0055 セ・リーグが強硬に予定通りに25日に公式戦を開幕させようとしている姿勢が物議を醸している中、イースタン・リーグは予定通り今日19日に開幕。電光掲示板のスコアボードを使用しているジャイアンツ球場では選手名を表示しないことで省電力に務めた。

(写真:選手名や審判員の名前を表示しなかった今日のジャイアンツ球場のスコアボード)

震災で大きな痛手を負った東北地方を本拠地にするゴールデンイーグルスの問題を抜きにしては日程を考えられないパ・リーグは開幕を延期し、逆に東北地方に球団がないセ・リーグは予定通りに開幕を迎えようとする。この構図の中、正直ファームのリーグのことなど後回しだろう。一軍以上に地域性がはっきりしているファームではウエスタン・リーグは既に15日に公式戦の開幕を迎えたが、イースタンに関してはパ・リーグと同じ問題が発生するからなかなか結論は出ないのではないかと思ったが、17日の時点でイースタン・リーグは予定通り、3月19日に開幕すると決定。当面、ゴールデンイーグルスは対戦相手のグラウンドでホームゲームを行うという予定らしい。

大災害がなければ東京ドームでオープン戦、ファイターズ対タイガース戦を生観戦する予定だった敗戦処理。はジャイアンツ球場でイースタン・リーグ公式戦を生観戦することにした。

被災された方々はまだとても娯楽にうつつを抜かすどころではないだろう。関東地方も、電力供給減の影響で計画停電を強いられたり、鉄道も本数を減らして運転している。プロ野球選手も生活がかかっているから、特にこれから腕を磨かなければならないファームの選手にとっては試合が出来ないのは命取りだ。だが幸いファームの試合はデーゲームが大半。今日のジャイアンツ球場も、冒頭の写真の様に電光掲示板で選手名の表示をしないなどの形で省電力に務めた。もっともイースタン・リーグに属する球団の本拠地にはもともと選手名の表示のない球団がある。別に違和感はない。

なお入口を入ると義援金を募る募金箱があり、報道によると一部選手も募金箱を持って立つとのことだったが、敗戦処理。が着いた時にはジャビィが待ち構えていた。

Dsc_0003 スタンドに入ると、サブグラウンドに移動する途中の工藤隆人がファンにサインをしている。

Dsc_0007 グラウンドではファイターズが打撃練習。杉谷拳士が大声を響かせながら強い打球を飛ばしていた。

Dsc_0008 これでこそ球春だ。若干の後ろめたさのようなものを感じつつスタンドに入った敗戦処理。だが、この瞬間いつものシーズンがスタートしたのだと実感した。

開幕戦の先発はジャイアンツが福田聡志で、ファイターズが土屋健二

Dsc_0028 福田は出身こそ大阪だが、大学が東北福祉大学。今日の登板に期するものはあっただろう。立ち上がりは安打と四死球で二死満塁と例によって不安定だが、渡部龍一を三振に仕留めてピンチを切り抜けると、二回には三者連続三振と調子を上げる。

Dsc_0066 一方の土屋も不安定。一回裏、先頭の藤村大介に四球を与えると、二番の橋本到から三振を奪うがその間に藤村に二盗されて一死二塁。ここで三番の隠善智也に左中間を破られまず先制される。そして四番の加治前竜一に四球で、五番の大田泰示にはレフト前。

Dsc_0047 隠善が還り、いきなり2失点。

土屋は二回にも立ち直れず。円谷英俊の三塁打と星孝典の犠飛であっさりと追加点を献上。11日の津波で宮城県名取市の実家が流された星はこの日はマスクをかぶらずDHで出場。

早々と3点のリードをもらった福田はこれで楽になるかと思ったが、そうはいかないのが難しいところ。

三回表。先頭の杉谷に高く弾むショートへの内野安打を打たれ、続く二番の飯山裕志にエンドランをかけられる。飯山の打球は三塁正面へのゴロだったが、大田が絵に描いたようなトンネルをし、無死一、三塁に。ここで加藤政義の二塁ゴロを今度は円谷がお手玉し、焦って一塁に送球するもこれが悪送球。大田、円谷と昨年もジャイアンツ投手陣の足を引っ張ったコンビが開幕戦から…。

1点を返してなお無死二、三塁のファイターズは「四番・一塁」でスタメン出場の尾崎匡哉がセンターに犠飛。1点差になって一死二塁。市川卓の打球は福田のグラブを弾き、二遊間に。二塁走者加藤政の生還こそ防いだがこの打球を円谷とショートの藤村が二人で追いかけたため二塁ベースががら空きになり市川が二塁を陥れる。

福田としてはこの辺で歯止めをかけたいところだが、一回の二死満塁で三振に倒れた渡部がここで左中間を破る逆転の2点タイムリー二塁打。二死から関口雄大もタイムリー。ファイターズが53と一気に逆転した。

失策絡みなのでおそらくこの回の福田の自責点は0だと思う。ただ一年目や二年目の投手ではないのだから、いつまでも失策を引きずる感じの投球はいただけない。おそらく首脳陣の評価もそうだったのではないだろうか。続く四回表、二死から加藤政、尾崎に連続四球を出したところで左の市川ということもあってか降板指令。Dsc_0064 星野真澄にマウンドを譲った。

土屋もぴりっとしない。四回裏、仲澤広基、星の短長打と河野元貴の一塁ゴロの間に1点を失うと、この回限りで降板。

登板直後は市川を三振に仕留めてピンチを切り抜けた星野だったが、続く五回表には先頭の渡部に四球。一死後、関口にセンターの頭上を越されるタイムリーで1点を追加される。

そして六回表。ジャイアンツは三番手に須永英輝を送る。

Dsc_0077 須永の名がコールされると、ジャイアンツファンよりも三塁側のファイターズファンから大歓声が起きた。

須永は簡単に二死をとったが、直後に尾崎に初球をレフトオーバーの本塁打!

2002年のドラフト会議の1巡目に指名された尾崎と、翌2003年に行われたドラフトで2巡目で指名された須永。二人合わせて延べ15年間鎌ヶ谷に君臨した二人の対決には感慨深いものがあったが、尾崎が一球で仕留めた。これでファイターズは7対4とリードを拡げた。

ファイターズは土屋の後、石井裕也植村祐介とつないでいたが、植村が2イニング目となった七回裏に加治前に2ランを打たれ、7対6と一点差に。

昨年までのこのカードでよく見られる、序盤ではファイターズがリードしても徐々にジャイアンツが点差を縮めるというパターン。往々にしてジャイアンツが逆転するのだが、気になる八回裏のマウンドには何と昨年のドラフトで3位指名したルーキーの乾真大を投入。

Dsc_0094 ファームの試合とはいえ、ルーキーの公式戦初登板としては際どい展開での登板になったが、乾は1安打こそ打たれたものの無難に八回裏の攻撃を抑えた。乾もほっとしたことだろう。

そして7対6のまま迎えた九回裏にはファイターズは加藤武治を投入。一死から橋本がバントヒット。二死から加治前が粘った末に四球を選んで二死一、二塁として打席に大田を迎え、場内アナウンスの発表によると1,097人だった観衆の盛り上がりは最高潮に達したが、最後は加藤武が大田を三塁ゴロに仕留め、ファイターズが1点差を逃げ切った。

19日・ジャイアンツ球場】

F 005 011 000 7

G 210 100 200 6

F)土屋、石井、○植村、乾、S加藤武-渡部

G)●福田、星野、須永、上野-河野、實松

本塁打)尾崎1号(須永・6回)、加治前1号2ラン(植村・7回)

大田のエラーから雪崩のように失点した三回の5失点。一発か、長打が出れば逆転サヨナラ勝ちというシーンで大田が凡退した九回裏。今年も大田はジャイアンツ球場のファンから罵声を浴びる、昨年までよく見られたシーンを繰り返すのか…?

素人目にも危なっかしい大田と円谷に挟まれたショートの藤村は昨年の途中から球際に強い守備で魅せてくれる。今日も難しい打球を軽快に処理するシーンが何度かあった。今季こそ一軍でアピールする機会を得るのではないか。

ファイターズはこの試合に関する限りでは土屋に進歩が見られないのが残念。今日ジャイアンツのユニフォームで投げていた須永先輩や、吉川光夫先輩の悪いところばかり引き継いだ様な感じだ。後を継いだリリーフ陣がそれぞれ自分の持ち味を出した感じなので勝てたが、4回降板は反省すべき。

上記のような不満はあるにせよ、最後の一球まで目が離せない接戦で見応えのある試合だった。ファームの試合とは規模が違う、一軍公式戦開催にはまだまだ難題が山積みであるが、一足早く生野球を堪能させていただいた。ただ、デーゲーム開催とはいえ、いきなり3時間半を超える長丁場の試合となった。取り沙汰されるナイトゲームの場合とは異なるが、スピードアップにもっともっと心がけなければならないだろう。

野球人は野球を通じて被災者や、一般の野球ファンを感動させ、勇気を与えるのが責務だから、こういう時こそ野球を予定通りに開催するのだと加藤良三コミッショナーは先日の声明で語っていたが、それならばまだまだ半人前で、とても多くのファンを感動させるには至らないファームの選手達は何を大義に、この状況下で野球を始めるのか?一軍公式戦レベル程に電力を消費しないから、野球開催に目をつぶってもらっているのではない。野球に飢えているファンのために、一軍戦の代わりに興行を打っているのでもない。前エントリーでタイトルに引用したNPBのスローガンではないが、なぜここにいるのか?なぜここで野球をやれているのか?ファームの選手には選手なりに考えてもらいたい。

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