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2010年4月19日 (月)

対ジャイアンツ戦を地方で行うという発想

週末のスワローズ対ジャイアンツ二連戦はいずれも愛媛県の松山坊っちゃんスタジアムで行われた。ジャイアンツが主催する試合なら珍しくないが、相手球団が対ジャイアンツ戦を本拠地ではなく地方で開催するなど、以前ならば考えられなかった。

今年、ジャイアンツの対戦相手主催のカードで本拠地球場以外で行われるのはこの他に来月の8日、9日の週末にベイスターズがハードオフ新潟で対ジャイアンツ戦を行うのがあるくらいのようだ。ベイスターズは静岡草薙球場で対ジャイアンツ戦を主催したことがあったが平日の対ジャイアンツ戦の観客動員が落ち込んできたのでテスト的に移したと当時報じられた。

セ・リーグの各球団にとって対ジャイアンツ主催試合は大きな収入源。かつてはゴールデンタイムに約二時間のテレビ中継で一回約一億円の放映権料が球団に入ると言われていた。あの球界再編騒動が起きるまでセとパの交流戦が行われなかったのは交流戦を導入するとセの球団にとっては年間の対ジャイアンツ主催試合の数が減り、その分興行収入が減るからで、いわば既得権益を手放したくないからだと言われていた。そして対ジャイアンツ主催試合を目玉にしているのはテレビ局相手の営業部門だけではない。収入の柱であるチケット収入の柱でもある。

言うまでもないが、球団にとってのチケット収入の柱は勝っていようが負けていようが常に熱いハートとエネルギーでチームやナインを鼓舞してくれる外野席のお客さん達ではなく、年間予約席を購入して下さる大口のお客様達だ。誤解の無いように書くと、すべての球団がそうなのかまでは定かでないが、年間予約席のチケット料金はその席種の通常料金×年間の試合数より高く設定されている。多くの試合数を観戦するからといってディスカウントしている訳ではないそうだ。その代わり、年間予約席契約者限定の様々な特典を付与し、契約者に優越感に浸ってもらおうと考えているようだ。だからこそ、年間予約席のお客様が球団にとっての最上の客であり、その最上のお客様を満足させるためには対ジャイアンツ戦を本拠地のカードから簡単には外せないのだ。ましてや週末のカードならなおさらだ。

ところがスワローズは今回ジャイアンツ戦を週末に松山で行った。それは裏を返せば、ジャイアンツの商品価値が下がったということを意味するのだろうか?

セ・リーグ各球団にとってのジャイアンツ戦の特別扱いについてはもう一つある。数年前までは土日の開催であっても対ジャイアンツ戦をデーゲームにはしなかったということだ。これはテレビ放映権料が日中よりも夜7時から9時までの時間帯の方が高く設定できるからだ。チケット料金をデーゲームとナイトゲームで変える事は出来なくても放映権料は日中より夜の方が高く設定できるのだから、デーゲームにする必要がない訳で、長らくセ・リーグ各球団のビジネスモデルとして定着していた。これはジャイアンツが東京ドームでデーゲームをほとんど行わなかったのも同じ理由だ。

ところが、地上波のテレビ視聴率が下がってくるとスポンサーがつきにくく、そうなると放映権料を下げなければならなくなってくる。放映権料の値下げはそのまま減収を意味し、球団経営の台所を苦しくする。そして放映権料を下げてもテレビ局が買ってくれないのがここ数年の実態だ。放映してもらえないくらいなら土日の試合をデーゲームにしてファンに時間の心配を少なくして観戦してもらうのと、安い放映権料でも昼間の時間帯にテレビ中継してもらって少しでも放映権料を得ようというところにたどりつく。近年、ドラゴンズやカープが週末の対ジャイアンツ主催試合をデーゲームで行うことが増えてきたのはそういう発想だからといって差し支えないだろう。さすがに「伝統の一戦」は安売りする必要がないのか、甲子園でのタイガース対ジャイアンツ戦は土日でもナイトゲームで開催されるようだ(土日の東京ドームでのジャイアンツ対タイガース戦はデーゲームになることが多いようだが)。

ただ、それが出来ないのがスワローズだ。

スワローズの本拠地、神宮球場はシーズン中の大半を大学野球と併用している。春と秋の東京六大学野球や東都大学リーグが始まると、スワローズは神宮球場でデーゲームを組むことは出来なくなる。それどころか早慶戦の週はナイトゲームも組めなくなる。だからこそ、地方のファンを開拓するという大義名分とともに、本来はドル箱の対ジャイアンツ主催試合を松山に持って行ったのだろう。

余談だが交流戦を導入してからはなくなったが、それまではスワローズが千葉マリンスタジアムで主催試合を組むことがあった。だいたいが5月の土日の二連戦。これがマリーンズのファンには評判が悪かったようだ。「なぜ千葉マリンでセ・リーグの東京のチームが試合をするのか?」この疑問はもっともだが、これはどうやら、早慶戦のために本拠地を使えないが地元のファンにホームゲームを見てもらいたいので離れてはいるが千葉県の幕張にあってキャパも大きな千葉マリンスタジアムでホームゲームを組んでいるのだそうだ。もちろん千葉県はマリーンズの保護地域だからマリーンズ球団の許可を取った上で。確かに調べてみるとスワローズが千葉マリンで主催試合を組んだ日には神宮球場は早慶戦を行っている。

事実として17日、18日のスワローズ対ジャイアンツ二連戦は二試合とも地上波のフジテレビの中継があった。二試合の観客動員は17日が24,639人で18日が20,861人。昨年のスワローズ主催の対ジャイアンツ戦の一試合平均の観客動員が22,172人だったから(テレビ視聴率がどれだけあったかは定かではないが)スワローズとしてはまずまず成功だったのではないか。対ジャイアンツ戦のチケットを餌にヤクルトおば、否、ヤクルトレディーの皆さんの売り上げも増えれば球団も親会社も、株主であるテレビ局も万々歳ではないか。

これまた余談だがセキュリティー云々が厳しい昨今、ヤクルトレディーの売り上げは苦戦しているらしい。確かに昔は事務所までストレートに入ってきていたもんなぁ…。

対ジャイアンツ戦を収入の目玉にし過ぎていた球団は交流戦導入が決まった時点で方向転換を余儀なくされた訳だが、「交流戦の試合数を減らせ」などという意見を最近あまり聞かなくなったところをみると、セの各球団も、対ジャイアンツ戦を起死回生の切り札と願っていたパの球団もそれに頼ってばかりではいけないことに気づき、自立した球団経営を目指していると考えて良いのだろう。少なくとももう、「それがダメなら新リーグ結成だ!」の脅し文句におたおたすることはないだろうから。

そしてジャイアンツも、交流戦がある時代に札幌ドームや福岡ドームでの主催試合を組むよりも、十二球団の本拠地のない地方での開催を組んで生でなかなかプロ野球を見る機会のないファンに機会を提供する方が(球場のキャパシティが小さくて収入が減ろうとも)長い目で見たら得策だと考えているのであれば、大歓迎である。ただ理屈はそうだとしても、例えば北海道の野球ファンが「日ハムがいるからもう巨人は来なくてもいい」と言い放つのであれば、「この恩知らずが!」と喝!と唱えたくなるが…<苦笑>

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