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2009年5月 4日 (月)

一将功成って神の子枯る

01 ゴールデンイーグルスの野村克也監督の通算1500勝達成試合となった先月29日の対ファイターズ戦完投勝利後に田中将大が登録抹消になったのを聞いて、上のようなことを感じた。

(写真:ゴールデンイーグルス田中将大の右肩違和感による登録抹消を報じた5月1日付日刊スポーツの紙面)

開幕からの4度の登板をすべて完投している田中の右肩に危険信号がともったようだ。上出の4月29日の対ファイターズ戦は、野村監督にとっては日本プロ野球史上歴代5人目の1500勝がかかっていた試合。実際には前日の28日にも達成のチャンスはあったのだが同じファイターズに敗れ達成がお預けになっていた。そんなこともあって、田中も「何が何でも今日で…」という思いが強かったのだろう。

「今日は自分の連続完投とかではなく、監督の1500勝のために投げました」

だとしたら、いかに滅多に出ない大記録の節目の試合とはいえ、そればかりに目がいってチームの大黒柱の大事な右肩の異常発生を誰も防げなかったことになる。本人はもとより、投手コーチも、監督も。

それでいて翌日に田中の異状を聞いた野村監督のコメントは

「肩だって。マーくんだけは、痛いと言わなかったのに。神の子取り消し。マーくん、親の子、普通の子。やっぱり人間だね」

だった。何を今さら…<失笑>

ところで3日現在でパ・リーグの首位を走る快調ゴールデンイーグルスの牽引車はこの田中とエース、岩隈久志の投の二枚看板と言っても過言ではないと思えるがその岩隈の先月25日の登板内容は野村監督には我慢ならないものであったようだ。

ホークス相手に先発した岩隈は打線の援護にも恵まれ、七回を終えて4対0とリードしている時点で自ら降板を申し入れた。7イニングで93球。エースと言われる投手であれば、もう1イニングくらい投げて欲しいと指揮官ならずとも欲するところだろうが…。

岩隈先発の試合前、野村監督はこう語っていたという。

「今日は何回に『もういっぱいです』って言ってくるかな?昨日、3連戦の頭を取ったから、なおさら今日が大事。でも、今日は嫌な予感がする」

悪い予感は当たった。岩隈は七回で自ら降板し、おそらくは予期して準備していたであろうリリーフ陣が打たれ、ゴールデンイーグルスは4点のリードを守れず延長十一回にサヨナラ負けを喫した。

田中は4試合連続完投(完封勝ち2を含む)だが、岩隈は同じ4試合、完投はない。4試合登板時点での投球イニング数に10イニングの差が付いているほどだ。そもそも岩隈は、「WBCエース対決」と囃し立てられた開幕戦でのファイターズ、ダルビッシュ有との投げ合いでも勝利投手になって投げ勝った形になっているが、相手のダルビッシュが完投しているのに対し、岩隈は6イニングで降板し、後はチームとしては継投で凌いでいた。

このところの野村監督の試合後の談話を聞いていても、岩隈より田中に信頼を置いているフシが感じられる。ID野球を駆使する名将でも、最も頼りにするのはひとりで事を為してくれる投手の方ということか。

しかし、その田中が先にリタイヤした。

佐藤義則投手コーチの談話を聞く限りでは田中の登板予定を一度飛ばす程度でローテーションに復帰出来る程度とのことなので大事に至る故障ではないようだが、ローテーションに穴を空けたのは事実。一方の岩隈は端から見たら物足りなさを感じさせはするけれども、無理をして次の登板に穴を空けることを避け、その危険信号が出る前に自ら降板を申し入れしているのかもしれない。

本当に先発ローテーション投手としての責任感が強いのは岩隈と田中、どちらだろうか?

 

 

もちろん、簡単に答えの出せる設問でないことは明らかだが。

 

野村監督の通算1500勝がかかった試合の先発が岩隈だったらどうだったろうか?

単に野村監督の記録を早く達成させたいのであれば、地元でのファイターズ戦の初戦に中五日で田中を先発させるという選択肢も考えられたが、それをせず田中を中六日で万全を期し、初戦はファームから上がったばかりの投手を先発させたという事実を考えると、野村監督の記録のためにチームがあるべき姿を見失っていなかったことはわかる。しかしこれまでの野村監督の岩隈への不満のコメントの諸々が田中に無理をさせた一因になっていないと誰が言い切れるだろうか?

そのような妄想が敗戦処理。の頭の中をよぎった。そうなると、先に引用した、

「肩だって。マーくんだけは、痛いと言わなかったのに。神の子取り消し。マーくん、親の子、普通の子。やっぱり人間だね」

という野村監督の発言は別にゴールデンイーグルスのファンでない敗戦処理。としても見過ごせない発言になる。当エントリーのタイトルは「一将功成って万骨枯る」のパロディだが、選手の犠牲の上に成り立っている勲章だとすれば、その事実を認識した上で讃えるべきだし、讃えるにしても割り引かなければならないことをファンもマスコミも少なくとも頭の片隅くらいには入れておくべきであろう。

各種スポーツニュースを始め、野村監督の試合後のコメントを紹介するメディアは少なくない。そしてその大半はVTRを流したらスタジオのキャスターなりが笑ってそれに相槌を打って次のニュースに移るという程度のものばかりだが、ジャーナリズムを名乗るなら、監督のコメントをただ笑って聞いているだけでなく、検証するという仕事が残されているはずだ。

日本人大リーガーを含め、WBC戦士達の中にレギュラーシーズンに入ってから故障が発覚したり、調子が上がらない選手が多い。口に出さない、表に出さない選手にも異状の影はどこかに潜んでいると疑ってかかるくらいが普通ではないか。野村監督もまさか「神の子」だけは例外と思っていたのか?

普通なら、「田中には一日も早く戦列に復帰して欲しい」とか最後に添えるところだが、敢えて言えば、田中には完全に復調させることを優先して欲しいといったところか。

そして本当に最後の一言。

野村克也監督、監督通算1500勝達成、おめでとうございます。

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