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2009年2月 4日 (水)

清原和博は二軍監督をやりたいと思っているそうです。

Dsc_0003 先月30日の日刊スポーツの1面は清原和博だった。なんでも今シーズンから日刊スポーツの評論家になったそうだ。この日の記事はいわば所信表明。清原は二軍の指導者から始め、いずれは監督として日本一になりたいという。

イースタン観戦愛好家の敗戦処理。としてはありがたい話だ。

僚友にしてライバルの桑田真澄は監督やコーチではなく、球団経営を勉強するために早稲田の大学院に進む。いずれ監督としてのKK対決が実現するのか?清原が桑田に雇われる日が来るのか?

しかし桑田もそうだが、「二軍監督からやりたい」と言っている清原よ、二軍の指導者がどれだけ大変か、わかっているのかな?

 

(写真:今シーズンから清原と評論家として契約したことを大々的に報じている1月30日付日刊スポーツの1面)

Q&A形式の本文記事には出てこないが、記事の見出しにはこう書かれている。

「選手と一緒にタマ拾いからやりたい。チャンスがもらえるのなら、2軍の監督からやりたい」

とてもジャイアンツ時代に二軍で調整していた時期に、試合後の後片付けを手伝わずにそそくさと球場を後にしていた男のセリフとは思えない。その当時清原が一軍に復帰した後、やはり故障をして二軍で調整したエースの斎藤雅樹は若手と一緒に試合後の後片付けに参加していた。それを聞いたのかその次に清原が二軍で調整したときにはさすがに後片付けをしていたが、そうしたら翌日のスポーツ報知には「二軍の選手と一緒に練習器具を片付ける清原」と報じられた。斎藤雅は報じられなかったのに…。

清原を特集したNumber720(文藝春秋刊)での金子達仁のロングインタビューで清原はこんな事を語っている。

「二軍では1本か2本打ちましたけど、二軍っていうのは、僕、プロ野球とは思ってませんから。だから、二軍時代は洗濯物は自分で持って帰ってました。ユニフォームはプライド。二軍選手と同じ洗濯機で回されたくなかったもので()(以下略)

ジャイアンツ時代を指しているようだ。これは推測だが、清原のこういう姿勢に気付いているファームの選手もいただろう。ただでさえ「番長」モードで後輩、若手からは近寄りがたい存在であっても不思議でないオーラを持った選手が「こんな所、自分のいるべき場所ではない」と自分の回りに殻を作ったとしたら、ファームの選手達は清原から何も学べないだろう。

今ジャイアンツでスコアラーをしている元投手の西山一宇は現役時代、故障でファームで調整しているときに、やはり故障で調整に来た現役晩年の原辰徳が西山だけでなく、多くの若手に声をかけているのを見て「こういう人が将来、人の上に立つのだな」と思ったという。

昨シーズン日本一に輝いたライオンズの渡辺久信監督はその前の年までライオンズの二軍監督を務めていた。タイガースの岡田彰布前監督、ファイターズの梨田昌孝監督など二軍監督で勉強してから一軍の監督になるケースは近年とみに増えている。アメリカ大リーグでマイナーリーグで監督としての実績を挙げた指揮官がメジャーのチームから招聘を受けるスタイルに倣っているのだろう。その意味では清原の、二軍の監督になってみたいという発言には一ファンとして大歓迎だ。

ただし、今年からの評論家生活を経ていきなり二軍監督になれるというものではないだろう。将来の一軍監督の育成も大切なことだが、二軍、ファームの最大の目的は一軍で戦力になる選手を育成指導することである。その意味ではファームの指導者というのは、既に一定のレベルに達している一軍の選手を指導するコーチよりも難易度が高く、高い指導力が求められて然るべきなのである。例えばスワローズにはコーチ経験豊富な猿渡寛茂二軍監督がいて、なおかつ一軍監督経験者の八木沢荘六投手コーチと、コーチ歴連続20年目(二軍監督含む)に突入した淡口憲治打撃コーチがいる。未熟な若手を鍛えるために経験豊富なベテラン指導者で固めているという感じだ。

また、週刊ベースボールの携帯サイトの1月30日配信分によると、ゴールデンイーグルスで新規参入一年目から二軍監督を務めている松井優典二軍監督は一年目の久米島キャンプでの取材でこう答えているという。

「ファームは社会に一番近い位置。野球がダメならすぐ社会に出る。だから社会人としてどうあるべきかを一番先に身につけないといけない。やはり人間形成が大事。選手には、そんなことばっかり口うるさく言ってますよ」

清原はこういうことを理解した上で、「選手と一緒にタマ拾いからやりたい。チャンスがもらえるのなら、2軍の監督からやりたい」と言っているのだろうか。指導者としてやってみたいからまずはファームでというのはわかるが、もしも安直に考えての発言であれば、考え直した方が良いだろう。

前出のNumberのロングインタビューの冒頭で清原はこう語っている。

「う~ん……いま一番気になってるのは、膝をある程度の状態に戻すことですね。いまのままじゃ、少年野球教室に行っても、子供たちに実際に打っているところを見せてあげられない。相手が大人だったら、会話で伝えることもできる。けど子供たちは、どんな話を聞くよりも、すっごいボールが飛んでくところに衝撃を受けると思うんです。(以下略)

野球界のために還元したいという気持ちはよくわかった。ただ、気持ちだけでは指導者は務まらない。主役は自分ではない。選手達だ。

まずは今シーズン、評論家としてファームの試合をじっくりと見学すべきだろう。そこから始めて欲しい。

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