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2008年11月30日 (日)

FA宣言の三浦大輔と中村紀洋の去就が決まる。

このオフ、FA権を行使した選手は7人いたが、ここに来て2選手の去就が決まった。ドラゴンズからFA宣言した中村紀洋はゴールデンイーグルスへの移籍が決まり、ベイスターズの三浦大輔はタイガースから入団交渉を受けて気持ちが揺らいだものの横浜に残留することを決めた。



三浦大輔の残留は二年前のカープの黒田博樹のFA権不行使、球団残留の経緯を思い出す。Bクラスからの脱却を狙うチーム及びそのファンにとって、生え抜きの「エース」の流出を避けたい気持ちは強かっただろうから。


今季ぶっちぎりの最下位に低迷。三浦自身7勝しか挙げられずその一因になっている面も否定しがたいが、あの10年前の日本一に輝いた頃からエースとして君臨し続けた「ハマの番長」を失うことは単に数字的なマイナスにはとどまらない。敗戦処理。的には三浦がベイスターズのファン感に参加したことで残留の方に傾くのではと観ていたが、ベイスターズファンの方は実際に三浦本人が態度を明らかにするまで気が気でなかったであろう。


1993年のオフに導入されたFA制度。昨年のオフまでの15年間でFAによる国内移籍が成立したのは38件。そのうち同一リーグ間のFA移籍はセが12件でパが8件と計20件あり、半分の10件がその年の下位球団から上位球団に選手が移籍した形になっている。しかしセ・リーグに限定するとセからセのFA移籍12件中9件が下位球団から上位球団への移籍と、弱肉強食傾向が顕著になっている。これはジャイアンツが優勝したシーズンなど好成績のシーズン終了後でも同一リーグのライバル球団から補強をする傾向があることに起因しているが、昨年カープの主砲新井貴浩をタイガースが獲得したように他球団でも事例がある。


これまではFA戦線といえば常にジャイアンツが悪役になっていたが、今回タイガースが昨年の新井に続き、三浦も獲得していたらやっかみによるバッシングを受けていたことは想像に難くない。もちろんルールに則った行為であることは明白なのだが。(と、ジャイアンツファンの敗戦処理。に言われるとタイガースファンの中には立腹する方もいるかもしれないがご容赦を…。)


一方のジャイアンツは清武英利球団代表がこのオフのFA戦線に参入しないことを明言したらしい。実際に獲得しなかったら2006年オフに小笠原道大門倉健を獲得したのを最後に二年間獲得しないことになるが、これは1997年のオフと1998年のオフに二年続けて誰も獲得しなかった時以来となる。今季の坂本勇人、山口鉄也、越智大祐らの台頭で若手を育成する路線に方向転換したとも思えるが、むしろジャイアンツの近年の傾向は日本の他球団で実績を上げた外国人選手が契約でこじれた時に、より有利な条件で引っ張ってくる路線に比重を置いているのが実状だろう。こちらはFA補強と違って補償が要らないし<苦笑>。もっともこのオフはメジャー移籍を目論むエース上原浩治の流出が確実な状況。川上憲伸のメジャー移籍がもしも頓挫するようなことがあったら、三浦獲得を断念したタイガースとの争奪戦をくり拡げるような気がしてならないが…。


FA補償といえば、今オフからの新制度で補償不要で獲得出来る中村紀洋にいち早くゴールデンイーグルスが名乗りを挙げたのも興味深い。


二年前のオフに当時所属していたバファローズとの契約更改でもめにもめ、感情的対立にまで及んで自由契約になった中村に獲得の意思を示す球団はなかなか現れなかった。十二球団から干されたかに思えた中村に手をさしのべたのはドラゴンズの落合博満監督だった。その経緯を考えると、二回目のFA権を得たとはい
え中村が権利行使するとは正直、敗戦処理。は全く予想していなかったが、あるドラゴンズファンの知人によると、

「WBCの候補に挙がった選手が揃って『自分の意思で』辞退するのも、球団に恩義を感じているはずの選手がFAで出て行ってしまうのも監督が落合である限り不可思議なことではない」

だそうだ<苦笑>


このblogを読んで下さるような方には釈迦に説法だろうが、今オフから導入された新補償制度をおさらいしておこう。FA移籍する選手の、移籍前の旧球団での球団内年俸ランクによって三段階に補償制度を分けているのだ。

Aランク(旧球団での日本人選手年俸1~3位の選手)
移籍先球団→旧所属球団
人的補償なし=旧年俸の80%を支払う。
人的補償あり=旧年俸の50%+プロテクト以外の選手一人
(※移籍選手が二度目以上のFA移籍の場合金額は各半分)

Bランク(旧球団での日本人選手年俸4~10位の選手)
移籍先球団→旧所属球団
人的補償なし=旧年俸の60%を支払う。
人的補償あり=旧年俸の40%+プロテクト以外の選手一人
(※移籍選手が二度目以上のFA移籍の場合金額は各半分)

Cランク(旧球団での日本人選手年俸11位以下の選手)
移籍先球団→旧所属球団の補償なし
一球団の獲得人数制限無し

ジャイアンツのアレックス・ラミレスやバファローズのタフィ・ローズといった外国人のFA有資格選手が行使した場合にどうなるのか?という疑問の残る制度だが、中村紀洋はCランクに相当するらしく、新規参入球団として誕生して以来、FAで選手を獲得したことがなかったゴールデンイーグルスが中村獲得に至ったのは単に戦力補強といった面のみでなく負担がなくなる新制度が背景にあるのは確かだろう。


話はそれるが中村の獲得を成立させたゴールデンイーグルスはホセ・フェルナンデスとの契約を更新しない方向だという。フェルナンデスがフリーになったら、ローズに続き、アレックス・カブレラもFA権獲得(=外国人枠から外れる)が近いバファローズが獲得に動くのが確実といわれている。もともとは選手会が選手の権利として導入を訴えていたFA制度がフタを開けてみたらジャイアンツなど特定球団の戦力補強ツールになっていた側面があったが、補償制度の軽減でどの球団でも参戦しやすくなったのは確かだろう。もはやジャイアンツのための制度から脱却したということか。もっともそのジャイアンツの視線は前述したようにFA選手より外国人選手に向けられているようだが…。


ちなみにゴールデンイーグルス以外にもこれまでFA補強をしたことがない球団が二つある。カープとスワローズだ。カープに関しては選手をFAで取らないばかりか、FA権を行使する自軍の選手を特に慰留しない方針を貫いてきたが二年前のオフに黒田を慰留と、柔軟な対応を見せた。もう一つのスワローズも、メジャー挑戦志向が強くて権利行使したベイスターズの相川亮二の獲得を目論んでいるといわれる。


敗戦処理。はトレードを含む移籍の活性化を望んでいるので、こういう新制度は大歓迎だ。FA制度にテコ入れがなされたその次は、外国人選手の移籍自由化の規制に目を向けるべきだろう。

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