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2007年7月21日 (土)

漫画家水島新司氏が画業50周年

Champion 昨日(20)のオールスターゲーム第一戦では恒例の野球殿堂入りの表彰セレモニーが執り行われていたが、この人もある意味殿堂に入れて末永く表彰したい、野球界と切っても切れない人物だ。

漫画「あぶさん」、「野球狂の詩」、「ドカベン」などで知られる人気漫画家の水島新司氏が漫画家生活五十周年を迎えたそうで、今週発売された「週刊少年チャンピオン第34号」(秋田書店刊)が大々的に特集している。同じく長寿作品を持っている さいとうたかを氏、秋本治氏ら同業者だけでなく、野球界からは長嶋茂雄、王貞治の両巨頭に松井秀喜、城島健司の日本人大リーガーに、江川卓に香川伸行。さらには草野球仲間のビートたけし と、総勢49名ものお祝いが寄せられている。同誌には現在「ドカベン スーパースターズ編」を連載中。思えば敗戦処理。が初めて漫画「ドカベン」をリアルタイムで観たのは記憶では33年前。山田太郎が高校一年の夏の甲子園で、準決勝で土佐丸高校と対戦し、犬飼小次郎の弟、犬飼武蔵に里中智が本塁打を浴びるシーンだった。現役プロ野球選手のほとんどが自分より年下という年代になってもまだ水島漫画を突っ込みながら立ち読みしている敗戦処理。としては素直に「おめでとうございます」と言わざるを得ない。

水島先生、本当におめでとうございます。

(写真:表紙に「永久保存版」の文字が躍る「週刊少年チャンピオン第34号」-購入したのはウン十年ぶり?)

「巨人の星」とリアルタイムに接していない敗戦処理。にとって、おそらく最初にリアルタイムで観た漫画は当時の「週刊少年ジャンプ」(集英社刊)に連載していた「侍ジャイアンツ」、「プレイボール」、「アストロ球団」で、それから「男どアホウ甲子園」「ドカベン」に流れた世代だ。以後ずっと水島野球漫画中毒に陥っていると言っても過言ではない<苦笑>

今回、毎週木曜日に発売される「週刊少年チャンピオン」19日発売号で大々的にこの偉業をお祝いしているが、翌20日に発売された、「あぶさん」が連載中の月二回刊行の「ビッグコミックオリジナル」(小学館刊)では特別な扱いをしていない。「週刊少年チャンピオン」=秋田書店が大々的にお祝いしているというのが意味深だ。

秋田書店と水島氏といえば言うまでもなく一連の「ドカベン」シリーズ。高校野球を舞台に神奈川県の明訓高校に所属する山田太郎や岩鬼正美を中心とした面々が活躍するシリーズは、山田らが二年から三年に上がる春の選抜に優勝したところで一度終了しているが、その後「週刊少年チャンピオン」の売り上げが激減し、抜き差しならない時期に当時の同誌の編集長どころか社長までが水島氏に頭を下げて三顧の礼で連載再開の体制を組み、「大甲子園」とタイトルを変えてリニューアルし、これが奏功して読者も戻ってきて今日に至った。

ちなみに山田らがプロ入りしてからファンになった世代からは「ドカベン」と「大甲子園」はどこがどう違うのか?という疑問が生じるようだが、敗戦処理。的には「ドカベン」の主役は山田太郎で、「大甲子園」の主役は岩鬼正美だと思って区別している。

そんなこんなでもはや秋田書店にとっては運命共同体に近い存在なのである。また一説によると水島氏は秋田書店の大株主でもあるという。

個人的に一番の思い出は水原勇気を主人公にしていた時期の「野球狂の詩」。

当時の野球協約で女性はプロ野球選手になれないと定められていたにもかかわらずその実力を評価した東京メッツはドラフト1位で水原勇気を指名。当然無効と却下されるが、あの手この手で入団を認めさせようとしたメッツが翌春のタイガースとのオープン戦で水原を強行登板させる(相手の吉田義男監督にはこっそり承諾を得る)のだが、架空のコミッショナーが水原が勝利投手になれれば女性のプロ野球選手として認めると言いだし、水原は勝利投手の権利を得る五回まで何とかリードを保って投げきろうとするというストーリーだった。水原が五回を投げきれるかどうかというのは当時敗戦処理。が所属していた学校のクラスでも結構話題になっていた。しかし実はこの試合で水原は先発していない。試合そのものを無効とされないようにと考えたメッツが水原を先発させずに一回裏の二人目の打者から投げさせたというのが実際のストーリーだったので、ルール上水原は五回まで投げ切らなくても勝利投手になれるのだが、水島先生はそんなことは気にしない。当時からひねくれ者でこの矛盾に気づいた敗戦処理。は学校の人気者になった<>

最近の「あぶさん」は結果を残すという点では「ゴルゴ13並みになってきたので正直個人的には引いている。しかも連載の原稿の締め切りとの兼ね合いと思われるが一昨年とその前年には実際には日本シリーズに出場していないホークスを出場させたことにしたストーリーを書いておいて、次の号で「あれは夢だった」といういわゆる夢オチに走るなど、いかに大御所といえど、それはないだろうという域に入っている。代打本塁打の記録を作り、代打だけで本塁打王になり、三年連続三冠王に、王貞治の持つ年間本塁打記録。50歳を超えて現役、父子揃って現役とやりたい放題の水島先生。今年はおそらく最終戦で打率四割を達成するのだろう。

実を言うと、二年前に「野球狂の詩 平成編」を連載していた「週刊モーニング」(講談社刊)と「ドカベン スーパースターズ編」のコラボレーションで「野球狂の詩…」の札幌華生堂メッツと「ドカベン…」の東京スーパースターズが対戦する日本シリーズの模様を両誌でそれぞれの作品の視点に立って同時進行するという企画があったときに敗戦処理。は「これは双方の出版社が用意した水島先生への花道」かと勝手に想像していたのだがさにあらず。たぶん今回の五十周年も本人は単なる通過点としか思っていないのだろう<>

前述の水原勇気は女性のプロ野球選手だが、女性は男性に比べて筋力と持久力で落ちるという前提で短いイニングを投げるリリーフ投手として活路を見いだすのだが、これは野村克也氏の助言をヒントにしている。「今度女性のプロ野球選手が主役の作品を描こうと思っているのですが、女性がプロ野球で活躍できるとしたらどんな設定が考えられますか」との水島氏の問いに野村氏が真摯に答えたのが水原のキャラクターになっている。

また別作品「ストッパー」では女性の代走専門の選手を登場させているがこれも女性プロ野球選手の可能性を追求した結果だという。

初期の景浦安武が代打専門だったのも、「飲んべの野球選手を主役にしたいが…」という可能性を野村氏に問いかけた結果だそうだ。だから景浦はホークスの選手なのである。

水島作品の素晴らしさはストーリーや登場人物のキャラ設定もさることながら敗戦処理。的には現実の野球界のお約束を踏まえつつも、女性の選手とか、「光の小次郎」では十二球団そっくり架空の球団で設定して水島流の野球の理想郷を描いているように、「こうであったらいいな」という野球界へのメッセージも発している点だと思っている。現実に今では女性の野球選手がルール上認められている。

水島先生が本当に五十周年を通過点だと思っているのなら、これからも野球界に対してもメッセージを向けるような作品に挑んで欲しい。東京スーパースターズも あぶさん も岩田鉄五郎率いる札幌華生堂メッツも過去の貯金の上に成り立っている。今でも草野球で年間60試合程度プレーする水島先生に野球漫画家としても現役でいて欲しいから。

水島新司漫画家五十周年期間限定サイトhttp://mizushima50.com

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