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2007年5月23日 (水)

小笠原道大にブーイングするファイターズファンの矛盾

22日から始まったセ・パ交流戦。ファイターズの最初の対戦相手は小笠原道大のいるジャイアンツで場所は札幌ドーム。予想出来たこととはいえ、小笠原は打席の度に大きなブーイングを浴びている。これは「応援」というより「お約束」の「パフォーマンス」なのだということはわかりつつも、敗戦処理。は辟易している。敗戦処理。がファイターズとジャイアンツ双方を応援しているからということもあるだろうが、根本的にこの種の「お約束」は嫌いである。

どうしてこういう「パフォーマンス」が定着してしまったのでしょうね。FA(自分の意思)で球団から出ていった選手は罵倒し、トレード、戦力外通告(球団の都合)で球団を出た選手には拍手を送る。感情としてはわからないこともないが、「応援」に名を借りた群集心理で、周り、あるいは他球団の応援団がやっているから「お約束」としてやらずにいられない。何だかなぁと正直思う。

特に昨シーズンのジャイアンツとマリーンズの対戦において「マリサポ」と呼ばれる、外野席に陣取る応援団は露骨だった。イ・スンヨプにはオーダー発表の時点から打席の度にブーイング。小坂誠には拍手と、一貫していた。あれだけのブーイングを浴びながらも、マリーンズ投手陣を打ちまくったイ・スンヨプには「さすがプロ」と唸らされた。昨年のイはこのカード6試合で4本の本塁打を浴びせた(実質的には小関竜也のベース文忘れの一発があるから5本塁打)。敗戦処理。は昨年、東京ドームでのジャイアンツ対マリーンズ戦を三塁側内野席で一試合観戦したが、ブーイングしてもイに打たれる味方の投手に「俺たちに恥をかかせるな!」とヤジっているマリサポもいたほどだ。

そう。彼らもわかってはいるのだ。ただ、「お約束」だからイ・スンヨプが出てきたらブーイングをしているのだ。群集心理というか、パブロフの犬というか…。

閑話休題。このエントリーはマリーンズの応援団を非難することを目的としているのではないので、本筋に戻ろう。

FA制度の恩恵を最も受けているのがジャイアンツだということは野球ファンなら誰でもわかっていることで、自分のチームからそのジャイアンツにFAで移籍してしまったら、そりゃあ腹が立つというのもわかる。愚痴の一つもいいたくなるのもわかる。しかしたしかに、カープ球団のように「FA制度による補強をしない」ことを明言している球団で川口和久、江藤智、金本知憲と次々とFAで主力選手に出て行かれているチームのファンであれば、その理不尽さを、パフォーマンスで憂さ晴らししたいというのも理解出来ないことはない。しかしファイターズに限っていえば、たしかに「まさか、サムライ小笠原に限って」というのはあるにせよ、ファイターズ球団としてもスワローズでFA宣言した稲葉篤紀を獲得しているのだし、SHINJOだってFAでタイガース球団を出て大リーグに行ったからこそファイターズの一員になったのだ。稲葉とSHINJOの補強なくして、北海道移転三年目の栄光があったか、想像すればわかることだ。それは仮に、稲葉とSHINJOがいない代わりに片岡篤史がファイターズに残っていたとしても、あの栄光があったかどうか疑問である。いや、そもそも「れば・たら」で話しても始まらない。要するにファイターズもFA制の恩恵を受けているのである。

ちょっと飛躍しすぎかもしれないが、FA権を行使してファイターズを飛び出した小笠原にブーイングを浴びせる人達に稲葉の打席で稲葉ジャンプ(イナバイブ)をする資格は無いと言ってもいいと思う。札幌ドームで中継するテレビカメラが激しく上下動するほどの応援を背に活躍する稲葉の姿をスワローズのファンがどういう思いで観ているか、一度でも考えたことがあるのであれば、小笠原にブーイングを浴びせておいて稲葉に大声援を送るのは完全なダブルスタンダードである。「来るものは拒まず、去る者は追わず」ならわかるが「来るものは拒まず、去る者は罵倒する」では論理矛盾も甚だしい。それでも「俺は小笠原を絶対に許さない」という鉄の意思の持ち主で、それに基づいてブーイングを浴びせているのなら、それはそれで一つの見識と言えなくもないが、単に周りで他の人もやっているからとか、他の球団がやっているのを観て真似してやろうと思ったというのなら、それは烏合の衆に過ぎない、群集心理だと言うことに目覚めて欲しいものだ。

* もっとも応援パフォーマンスとはそもそもそういうものだと言われれば返す言葉がないが…。

昨日と、今日、札幌ドームで小笠原にブーイングを浴びせていたファイターズファンは知らないかもしれないが、FA宣言をしてファイターズに出ていった稲葉が初めてスワローズの本拠地に帰ってきた2005年のスワローズ対ファイターズの交流戦の初戦では、神宮球場のライトスタンドに陣取るスワローズ応援団は稲葉の第一打席にスワローズ時代のヒッティングマーチを演奏して稲葉を迎えた。そう、あの杉浦亨のヒッティングマーチを引き継いだあの曲だ。稲葉はスワローズファンの声援に応え<>、その打席でライトスタンドにライナーで本塁打を叩き込んだのだが、攻撃が終わって守備につく時、レフトスタンドのファイターズファンに負けないボルテージでライトスタンドのスワローズ応援団からも「稲葉コール」が起きたのだ。オープン戦ではない。稲葉の引退試合でもない、真剣勝負の交流戦での出来事である。スワローズ応援団、スワローズファンのこの潔さ、懐の深さは特筆に値する。

外野席での今の応援パフォーマンスの主流は「十二球団一の応援団」と評されることの多いマリーンズの応援団のスタイルを各球団がリスペクトを込めて一部転用してどこも似たり寄ったりになっているといって過言ではないだろう。マリーンズスタイルの源流はボビー・バレンタイン監督を初めて迎えた1995年にアメリカ大リーグから来た監督が率いる球団にふさわしい応援スタイルを模索したのが始まりだと言われている。フェアプレイ精神も取り入れ、たとえ自軍のチャンスをつぶされても、相手選手の身体を張ったファインプレイには惜しみない拍手を送るあたりが特に評価され、いつしか「十二球団一の…」と評されるようになった。もちろんトランペットなどの鳴り物に必要以上に頼らずとも肉声だけで相手ファンを圧倒するというのも凄いのだが。

ただし相手選手のファインプレイに拍手するかどうかは、自分だけが拍手したらばつが悪いから周りを見ながら拍手している人も多いし、相手投手が一回牽制球を投げるごとにブーイングをするのは不自然だとは思っていてもそれが「お約束」だからやっている。もちろんこれはマリーンズファンに限ったことではない。自軍の打者が敬遠策を取られると「弱虫」コールをしている連中だって敬遠策が有効な策だと知っていてするのと同様、応援というパフォーマンスの「お約束」だからコールしているだけで、それと同じことなのである。

北海道はプロ野球チームの本拠地としては後発だ。応援パフォーマンスのスタイルは基本的に東京ドームを本拠地にしていた時代のものを踏襲し、それに「北の国から」などのご当地オリジナルをうまくミックスさせたものだ。ホームチーム一辺倒ぶりという点では既に甲子園球場やホークスの本拠地を越えた、独特の恐ろしさがあると既に言われているほどで、ファイターズナインに有形無形の力を与えていることは間違いない。しかし、もしもファイターズの応援団が、ファンが一体になってチーム、選手を後押しする応援パフォーマンスの理想型としてマリサポの応援パフォーマンスを意識しているのであれば、悪いところまで真似しないで欲しい。

「悪いところ」とは言わずもがなFAで出ていった選手へのブーイングである。これでもし、今年のマリーンズとジャイアンツの交流戦でマリサポがイに対するブーイングを止めるようなことがあったら、ファイターズ応援団はいい笑いものである。

次回対戦は、6月10()11()の東京ドーム。ジャイアンツ主催である。ファイターズ応援団がこのブログを観ているとは思えないから<苦笑>、小笠原へのブーイングが止まると言うことはないだろうが、ファイターズファンで本エントリーを見て下さった方は、応援席以外(たとえば三塁側内野指定席)で観戦するのであればブーイング無しで観戦していただきたい。もちろんファイターズの投手が小笠原を三振に仕留めたり、凡打に打ち取ったら大きな拍手をして構わない。

敗戦処理。は今季これまでに行われた東京ドームでのファイターズ主催公式戦5試合のうち4試合を生観戦しているが、スタンドのあちこちに、背中に「OGASAWARA 2」と刷られたファイターズのユニフォームやTシャツを着たファンを見かけた。(実は敗戦処理。も一試合だけそのスタイルで球場入りした。)彼らも6月の対ジャイアンツ戦ではブーイングを浴びせるのだろうか?普通に考えればつきあいが長い分、東京のファンの方が小笠原への思い入れは強いはずだから。SHINJOやダルビッシュ有が入ってくるまで、小笠原と田中幸雄の存在がファイターズファンの支えだった。

一方で自分で言うのもナンだがファン心理とは複雑なもので、敗戦処理。自身、ジャイアンツファンとして今年のジャイアンツ戦を既に四試合生観戦しているが、「ジャイアンツの小笠原」のユニフォームやTシャツを着ているジャイアンツファンの姿を観ると、「こっちは十年前から小笠原を応援しているんだよ!」と言いたくなる。もちろん口には出さないが<>

今現在の主力選手である小笠原にブーイングを浴びせられたジャイアンツファン、特に球場で応援したファンの気持ちは一体どうだったのか?ファイターズが初めて本拠地球団として誕生し、なおかつこの三年間の成績であっという間に道民の心をつかんだと言われる中で、今もなお北海道、札幌の地でジャイアンツを応援し、地元のチームを倒してくれと、声をからして応援するファンはある意味筋金入りのジャイアンツファンと言えよう。敗戦処理。も三十年以上ジャイアンツを応援しているがフランチャイズである東京在住の身である。少なくともスタンドで寂しい思いをしたことはない。そしてこの二日間のファイターズファンによる小笠原バッシングをテレビで観た在京のジャイアンツファンは、その腹いせをホークスとの交流戦で小久保裕紀に対して浴びせることだけは、絶対にやめて欲しい。ジャイアンツの応援パフォーマンスはマリーンズのパクリだと以前から揶揄されているが、そこまで真似する必要はない。

P.S.

話は全く変わるが、東京のファンの誇りであり、東京のファンの目の前で2000本安打の偉業を達成した田中幸雄が本拠地に凱旋して挨拶代わりの第一打席で決勝本塁打を放ったのは実にあっぱれだ。2000本安打達成の日のフジテレビ系「すぽると」での高木豊氏のインタビューで、普通なら記録は通過点と言うところを「通過点ではないですね、正直言って。この年齢ですし」と幸雄らしく本音で朴訥と語っていたが、今日の決勝本塁打が今シーズン第5号で、チーム内でフェルナンド・セギノールの10本に次ぐ単独2位であることを敗戦処理。は見逃していない。まだまだいけるぞ、幸雄!

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