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2006年6月

2006年6月27日 (火)

巨人を壊しているのは誰だ?

ジャイアンツは一体どうしちゃったのですかね?開幕からの、あの何をやってもうまくいっていたチームが。さすがにあの勢いがいつまでも続くとは誰も思わなかっただろうけれど、逆にここまで急激に落ち込むとも誰も想像しまい。

絶不調の原因は故障者の続出だろうけれど、このところの負け方を観ていると、どうもそれだけでは無いように思える。

では、巨人を壊しているのは誰だ?

24日の対ドラゴンズ戦。0対5から5対5に追いつき延長戦になり、迎えた十回裏、ジャイアンツのマウンドには守護神豊田清が上がった。十回表にジャイアンツが勝ち越した訳ではない。同点のままなのに豊田投入。連敗を止めたい原辰徳監督の執念の継投とも思えた。豊田は期待に応えこの回を無失点に抑えて味方の援護を待つが、同点のまま続投した2イニング目にサヨナラ負けを喫した。

原監督は、どういうつもりで同点の十回裏に守護神の豊田をマウンドに送ったのだろうか?

ルールで延長は十二回まで。豊田に最長3イニングを投げさせるつもりだったのだろうか?これと似たような起用を、原監督は今月1日の札幌ドームでのファイターズ戦でも行っている。8対8の同点の十一回裏に豊田を投入。この時もジャイアンツは五連敗中だった。九回表二死から同点に追いついた試合で、十一回裏からの2イニングを託した。結果は豊田が十一回裏を無失点に切り抜けた後、十二回表に小久保裕紀の勝ち越し2ランが出て、その裏を豊田で逃げ切って大逆転勝ち。豊田投入が見事に奏功した。原監督は二匹目のドジョウを狙ったのかもしれない。

しかし、ちょっと待ってもらいたい。守護神の仕事は、リードした最終回にマウンドに上がり、相手に反撃を許さずに逃げ切ること。豊田の場合、基本的に1イニング限定。しかも豊田はこの道のスペシャリストである。数年前から毎年、平均してこの難易度の高い仕事を着実にこなしている。当代では小林雅英、岩瀬仁紀と並ぶ、息の長いコンスタントに安定した守護神だ。その豊田に、チームが勝てるかどうかわからない試合に、2イニングなり3イニングなりを抑え続けてくれとマウンドに託すのは守護神-クローザーという職種の投手の特性を理解していないといわざるを得ない。それならまだ、1点をリードして七回裏から「今日はラスト3イニングを抑えてくれ」と、マウンドに上げる方がまだ理にかなっている。ハードではあるが、ゴールが見えているからである。同点の延長戦での登板は、自分が何回投げればよいのかわからないのだ。

それならば同点の十回裏に誰を出せば好かったのかというと、久保裕也または林昌範でいくしかなかっただろう。(ここまでの継投は先発:工藤公康、西村健太朗、高橋尚成)こう書くと、冗談じゃない!久保なんて次の日にリリーフで試合をぶちこわしているじゃないか!という反論が聞こえてきそうだ。たしかに最近の久保は不安定だ。事実26付けで一軍登録を抹消された。要するに二軍落ちだ。そんな状態の久保を24日の試合の同点の十回裏に投入したところで結果は見えている。それでも仕方ないのだ。何故なら今のジャイアンツでは豊田で負けてはいけないのだ。守護神である豊田はいわば最後の砦で、豊田にまで調子を崩されたらもはや救いようがないのだ。リードしていたのなら話は別だが、同点で豊田を出してはいけないのだ。サヨナラ負けを覚悟して久保(あるいは他の投手-例えば木佐貫洋でも良いのだが、)を出すというのが、最もベターな選択肢だったのだ。

まだシーズンは半分残っている。今の時点で決してしてはならないのは投手に関しては、

豊田の無駄遣いと、工藤の登板間隔を縮めての先発-この2点である。

ここまで書いて敗戦処理。の言いたいことはおわかりでしょう。ずばり、巨人を壊しているのは他ならぬ原監督、張本人である。上の例は典型例として最近の例を出したまでだ。

敗戦処理。に言わせれば原監督の異常は急変ではなく、好スタートを切った開幕早々からその兆候は出ていた。

4月9日の対ドラゴンズ戦。4対3で迎えた七回表無死一、二塁で四番のイ・スンヨプに送りバントのサイン。開幕から近年のジャイアンツでは珍しい好スタートを切り、この試合もこの時点で1点リード。なぜ四番打者に送りバントさせる必要があるのかさっぱりわからない。「今年のジャイアンツは、ここ一番にはこういう野球もしますよ」という見本市、采配展示会のつもりだったのか?

一発の破壊力という不確定要素に依存せず、四番打者といえども打線の中の一人、次の打者につないでいく姿勢を見せる野球。それこそスモールベースボールの辰徳バージョンのつもりなのかもしれないが、それでも四番にバントとは流れを止めかねないリスクを計算しているのか。この試合のテレビ中継をリアルタイムで観ていた敗戦処理。の目に映ったのは、とてもバントなど出来そうもない腰の引けたイ・スンヨプのフォームで、実際見逃しとファウルで強攻策に切り替えざるを得なかった。

4月の開幕ダッシュ時の攻撃面はいわゆるスモールベースボール的なものではなく、結局はこのイ・スンヨプや小久保がここという時に大きいのを放ち、集中打を浴びせると言った野球だった。単なる重量打線ではなく、矢野謙次、亀井義行といった若手がラインアップに加わることで機動力も加わった。実はスモールベースボールではなく、敢えてキャッチフレーズを掲げるとしたら長嶋茂雄元監督が謳っていたスピード&チャージがぴったりだろう。

他にも原監督の珍采配は続く。

先発投手として安定感に欠けていたゲーリー・グローバーをなかなか見限らずに先発投手としてチャンスを与えたのは他に候補が少なかったのと、四球が少なく投球のテンポが速いので、打線の援護に恵まれるという利点があったので調子をつかんでくれればと起用し続けたのはわかる。だがついに初回の3点を守れず四回裏に連打を浴びてKOされた5月13日の対ライオンズ戦では二番手で登板した先発型の野間口貴彦が火に油を注ぐ状況にしてしまったら、次の日に先発予定の野口茂樹を登録する代わりに二軍に落とされたのは先発投手の役目を果たせなかったグローバーではなく不慣れな中継ぎに回された野間口の方だった。そして野口はその一回だけの先発の後、左肘痛で登録抹消…。

また6月9日の対マリーンズ戦では阿部慎之助が腰を痛め欠場。代役の村田善則も試合中に背中を痛め、八回裏に残る登録捕手、原俊介にマスクをかぶらせたが、実はこの原、捕手とは名ばかりでファームでも出場はもっぱら一塁かDH。数年前から打力を伸ばすために打撃に専念できるよう、ほとんど実戦でマスクをかぶっていないのだ。案の定捕逸、悪送球、許盗塁と素人同然であることを露呈した。他にいないのだから仕方ないのだが、翌日村田とともに登録抹消。本職の捕手二人と入れ替えになった。これまた不慣れなことをやらされたあげくの降格だが、誰かを登録するためには誰かを抹消しなければならないので原の抹消は仕方ないにしても、この時の素人同然の原のリードになじめずにボコボコに打たれた鴨志田も原監督曰く「論外」とのことで抹消。懲罰的人事なのだろうがちぐはぐ。

負けが混んできた交流戦終盤にはさらに激化。

17日の対ゴールデンイーグルス戦で先発ローテーションの一角を守り続けてきた内海哲也を中継ぎで投入し、接戦をものにしたのはよかったが、その結果先発投手が足りなくなり、当初の内海予定日と見られた19日の対バファローズ戦には今季一軍未体験の木佐貫を登録して即先発させるが4回KO。翌20日の対ゴールデンイーグルス戦には先発西村から二番手に高橋尚をロングリリーフ起用という執念を見せたが敗れる。やることなすこと裏目だ。そもそも高橋尚は入団以来ほとんど先発一本でやってきた投手だ。チームの一大事に付け焼き刃が奏功するほど勝負の世界は甘くない。どうしても総力戦の体裁を採るのであれば、先発高橋尚で二番手西村にロングリリーフの方が理にかなっていると思うのは敗戦処理。だけだろうか。ちなみに高橋尚は前述した24日の対ドラゴンズ戦で再びリリーフに回り2イニングを無失点に抑えたが、この負荷がきっと次回先発登板時に思わぬ形で出るような気がしてならない。杞憂に終わってくれればよいが。

この間、イ・スンヨプの本塁打の際に小関竜也が三塁ベースを踏み忘れるとか、木村拓也が何でもないフライを落球して決勝のタイムリーエラーになってしまうとか、本塁打王争いをしている主砲がなりふり構わずセーフティ・バントを見せたのに相手野手どころか味方の鈴木尚広まで意表を突かれて二死なのに三塁から動けなかったとか、ゴロになったごく普通のレフトへの安打を後逸する斉藤宜之とか、二塁走者でセンター前の小飛球というジャッジしやすい状況のはずなのにハーフウェイから戻れなかったジョー・ディロンとか、二死だからゴロを捕ったら一塁に投げればよいのに走者を挟殺しようとして、あげく走塁妨害を採られたディロンなど信じられないプレーのオンパレードだが、すべては悪循環。しかしディロン以外は、起きた時の衝撃はでかいが、再発はまずあり得ないプレー。やはり指揮官が浮き足立っていることの方が敗戦処理。にとっては重大だ。

阿部、小久保、高橋由伸-この三選手の中からせめて二人でも戻ってくればだいぶ違ってくるだろうとは思うが、それ以外に今のジャイアンツに治療薬が見あたらない。むしろ心配なのはこれまで書いてきたような原監督の独り相撲ぶりだ。

敗戦処理。はどちらかというと原信者だ。それは2002年の印象が強いからだ。結果的には圧勝に終わったような感のある2002年の原ジャイアンツだったが、実態はそうではなく松井秀喜以外のレギュラークラスがとっかえひっかえ故障にあえぎ、原監督は長嶋監督時代に日の目を見なかった若手を抜擢することでうまくカバーしていった。斉藤宜之、福井敬治、鈴木尚広、川中基嗣らがフレッシュにレギュラーの穴を一時的に埋めた。投手陣においても六年ぶりの高校卒ドラフト1位となった真田裕貴を7月から先発ローテーションに抜擢するなど、「長嶋野球の継承」と言いながら全く逆の路線を行く姿に、ジャイアンツ古来の王道野球をこの先数年間にかけて繰り広げてくれるのではと期待したからだ。

翌年は松井の抜けた穴を埋めようと獲得したロベルト・ペタジーニが清原和博とポジションがだぶったことによるチーム編成の失敗に始まり、波に乗れぬうちにタイガースの独走を許し早々と優勝争いから脱落。その翌年の方針を巡ってオーナーらと対立し辞任という形になったが、後任の堀内恒夫前監督がどう考えても長期政権を担えるとは思えなかったので復帰は早いと睨んでいたが昨季終了後、早々と実現。2003年を教訓に「ジャイアンツの失われた(少なくとも)三年」を取り戻してくれると期待したのだが<苦笑>

誰か原辰徳をとめられる人物はいないのか?

近藤昭仁ヘッドコーチはこういう時のために呼ばれたのではないのか?

尾花高夫投手総合コーチは原監督の行き当たりばったりの投手起用に荷担しているのか?投手陣を預かる身としてどういうスタンスでいるのか?かつて権藤博さんは仰木彬さんの計画性のない投手起用に反対したが受け入れられることがほとんど無いので自分から辞めていき、反面教師として中継ぎローテーション制などを考え出してベイスターズの監督就任時に実践した。敗戦処理。は尾花コーチが心配でならない。ホークスやスワローズ、マリーンズで指導者としての評価が高い名コーチが、これほどまでに無節操で無計画な投手起用に賛成しているとは思えない。

ディロンの打撃や、あるいは外野守備を及第点として一軍に推薦する吉村禎章二軍監督は大丈夫なのだろうか?久保の代わりに登録されるのは福田聡志の予定らしいが、本当に復調しているのだろうか?17日のイースタンの対ファイターズ戦ではろくにストライクが入らず、ファイターズの拙攻に助けられて辛うじてセーブを挙げたという印象だったがその後復調したのか。

原監督に効く精神安定剤は高橋由や阿部の復帰だろう。原監督がじたばたすればするほどチームが沈んでいっていることにそろそろ目覚めて欲しい。首位のドラゴンズは相当遠くなったけど、まだまだ逆転Vが絶望という数字ではない。今より悪くなくなれば、縮められないゲーム差では決してない。これ以上原監督が巨人を壊さなければ。

2006年6月25日 (日)

もはや全国区ではない巨人戦放映権でパ・リーグ各球団は潤うのか?

マリーンズのV2で幕を閉じた二年目の日本生命セ・パ交流戦。球界改革の一環として、野球ファンに目新しい対戦カードを提供する名目の元にスタートしたが、本音ではパ・リーグ各球団がかつては1試合放映権料1億円といわれた対ジャイアンツ戦に代表されるセ・リーグの人気チーム相手との主催試合を分けてもらい、球界内部で所得の再分配を行ってセ・リーグとパ・リーグの間の人気の格差を少しでも埋めようという方策であるのは実は多くの野球ファンの間では周知の事実なのである。

そして一方、パ・リーグにとっての頼みの綱であるジャイアンツは人気の凋落ぶりが露呈し、テレビ視聴率は年々低下。原辰徳監督の元、近年にない好スタートを切った今年の4月、5月でさえ、堀内恒夫監督の元、最悪のスタートを切った前年に対しても視聴率が下がっているのだ。パ・リーグ各球団はそんなジャイアンツに頼っていて大丈夫なのか?敗戦処理。なりに考えてみた。

まずほとんどの方には釈迦に説法であることを承知の上で、現行の日本プロ野球界における興行収入の配分方法を説明しておきます。基本的に観客のチケット代による収入は全て主催球団の収入となり、ビジターチームには一銭も入らない。テレビ等の放映権料も同様だ。これにより、リーグに全国規模の人気球団が一つ存在すれば、それ以外の球団もその球団を相手に主催試合を行うことにより、たとえ客席の八割以上がビジターのファンで埋まって選手がやりにくくなろうとも、興行収入を考えれば万々歳なのである。

まず昨年の交流戦の観客動員の実績を振り返ってみると、パ・リーグの全ての球団はジャイアンツ相手の主催三試合の平均観客動員数が、パ・リーグ同士での公式戦の一試合あたりの平均観客動員を上回っている。(条件を極力等しくするため、キャパシティの異なる地方球場での開催を除いた平均を出しています。以下同じ。)最大がファイターズ。対ジャイアンツ主催試合の平均動員31,590人はファイターズの昨年一年間のパ・リーグ相手の札幌ドームでの主催試合の平均動員数20,498人に対し54.1%増である。最少のホークスでも、対ジャイアンツ戦平均33,890人はパ・リーグ同士の31,254人に対し、8.4%増。パ・リーグ全体では35.5%増となった。もちろん、目新しさに満ちて、年に三回しかない試合と、半年間ほぼ日常的に繰り返されている試合の平均を比較するのはフェアでないということは承知している。ところがこれをジャイアンツ戦以外のカードの交流戦と、パ・リーグ同士の対戦で比較するとジャイアンツ戦の際立ちぶりがクローズアップされる。ジャイアンツを除くセの5球団との計15試合(ファイターズはスワローズ戦1試合を札幌円山で開催しているため14試合)の1試合平均動員は、実はパ・リーグ同士の対戦での平均動員より少ない。リーグ全体では1.3%減となってしまう。ジャイアンツ戦以外のカードの平均動員の方が、同一リーグの対戦での平均動員より多いのはライオンズの12.0%増、バファローズの4.3%増のみで他4球団はジャイアンツ以外のセ・リーグ球団との対戦にありがたみを得られなかったことになる。しかし6カードトータルの平均で見ると、交流戦のパ・リーグ主催試合の平均動員21,239人はパ・リーグ同士の公式戦での20,245人より4.9%増だったのだ。

長くなったので要約すると、昨年の第1回の交流戦では対ジャイアンツ戦以外はパ・リーグ主催球団にとって観客動員では劇的にメリットをもたらしているとは言い難いのではないかということである。

↓詳しくはコチラ↓

「interleague2005douin.xls」をダウンロード

では今年はどうだったか。当然ながらまだ同一リーグ同士の対戦は大半が未消化なので、交流戦に限定して調べてみる。パ・リーグ各球団は今年の交流戦において対ジャイアンツ戦の動員を昨年より増やしたのか?減らしたのか?

1カードしかないため、対ジャイアンツ戦主催試合が火曜~木曜に組まれるか、金曜~日曜に組まれるかで条件が異なるといえる。昨年と同条件なのは共に週末に組まれたライオンズとゴールデンイーグルス、共に平日に組まれたホークスとファイターズ。この四球団で対ジャイアンツ主催試合の1試合平均動員が昨年より上回っているのはファイターズの9.6%増とゴールデンイーグルスの9.5%増。逆に下回ったのはホークスの1.3%減と、ライオンズの12.3%減。球団によって前売り券の発売開始時期は異なるだろうが、4月にジャイアンツが好スタートを切ったことを考えると、前売り開始時期にはジャイアンツは好調だったと推測されるだけにファンのジャイアンツ離れは深刻と観ることも出来てしまう。

ちなみに開催曜日にこだわらず、パ・リーグ全体での対ジャイアンツ戦主催試合の平均動員は26,969人で、昨年の27,072人に比べ、0.4%の微減である。

なおジャイアンツに代わる、オイシイ興行相手として注目されるタイガースを相手とするパ・リーグ各球団の主催試合を同様に調べると、パ・リーグ全体での対タイガース戦主催試合の平均動員はジャイアンツ戦を上回る29,007人!昨年はジャイアンツ戦より約2割も少ない22,570人だったので大逆転だが、こちらは28.5%増。ちなみに今年の交流戦における、この両球団を相手にした主催試合に占める土日開催は同数の六試合。以前に書き込んだ「真の観客動員力がある球団はどこか?」 に

次いで敗戦処理。流の調査ではまたしてもタイガースがジャイアンツを動員力の面で凌駕しているという結果に至った。

↓詳しくはコチラ↓

「interleague2005-2006douinhikaku.xls」をダウンロード

観客動員と並ぶ興行収入の柱となる、テレビ放映権に関してはどうか。敗戦処理。が生活する東京ではいまだにジャイアンツ戦(ホーム、ビジターを問わず)中心の放映であり、変わったのは局によっては放送延長時間が短くなったことくらいか。そこで、今年の交流戦期間に地上波のテレビ局はどんなカードを放送したのか調べてみた。昨今はBS放送、CS放送でほとんどすべてのプロ野球の試合が中継されているが、いかんせん、まだまだ大半の野球ファンがBS放送、CS放送という放送形態での視聴習慣をとっていないという話もあり、野球ファンのみならず圧倒多数の国民が接することの出来る地上波で調べてみた。対象はプロ野球チームの本拠地がある地域-北海道、宮城、東京(神奈川、埼玉、千葉を含む)、愛知、兵庫(大阪含む)、広島、福岡と、逆にプロ野球チームを持たない地域の代表として新潟、長野、愛媛をピックアップした。

まずジャイアンツのお膝元東京で、ジャイアンツ戦が地上波で放送されなかったのが5/11のバファローズ対ジャイアンツ戦、5/12のライオンズ対ジャイアンツ戦、5/195/21のゴールデンイーグルス戦の四試合もあった。これ自体アンビリーバブルな現象である。特に5/21のゴールデンイーグルス対ジャイアンツ戦は主催球団の地元、宮城でも地上波では放送されていない。今年になってジャイアンツ戦の放映権料は価格が下落したと報道されているが、かつては1試合1億円と推定されていた。これはテレビ局が放映権獲得に対して主催球団に支払う金額であり、テレビ局はその分を回収し、利益を上げるため、試合にCMを流してくれるスポンサーを探す。そしてそれは各テレビ局にとってオイシイ放送ソフト-即ちキラーコンテンツであった。ジャイアンツの人気はジャイアンツが本拠地を置く東京、関東と対戦する主催球団の本拠地だけでなく、全国区であるため、そのテレビ局の全国にある系列局に生中継され、そのスケールメリットを考えれば、トータルで1億円という放映権料は決して高くなかったのである。数年前までは。

しかしもはや、ジャイアンツ戦は全国中継されない。ジャイアンツ主催試合の大半を放送する日本テレビ系列はほとんどの場合、今回調査対象とした地域に関しては全国中継のスタイルをとってはいるが、それでも福岡の系列局がその時間帯にホークスの主催試合を流したり、大阪の系列局がタイガース戦を放送したケースもあった。また6/136/15のジャイアンツ対バファローズ三連戦はすべて日本テレビ系列が放映権を獲得したが、広島県では日本テレビ系列局が三日間ともカープ対ホークス戦を中継している。またセ・リーグ同士のカードでの対ジャイアンツ戦は頻繁に中継しているTBS系列が交流戦期間、ジャイアンツ戦を放送したのは宮城の系列局が5/19のゴールデンイーグルス対ジャイアンツ戦の1試合のみ。しかもこの時同局以外のTBS系列局は東京のTBSを含め(敗戦処理。調査地域では)どこもこの試合を中継していない。ちなみに同地区以外でこの試合をテレビ視聴するためにはBSデジタルで視聴するしかなかったのだが、全国エリアではTBS系ではなく、テレビ朝日系のBS朝日が生放送していた。

結局今年のパ・リーグ球団主催による対ジャイアンツ戦18試合で、敗戦処理。が調査した10地域すべてにジャイアンツ戦が地上波で中継されたのは5/14のライオンズ対ジャイアンツ戦、5/20のゴールデンイーグルス対ジャイアンツ戦、5/30のファイターズ対ジャイアンツ戦、6/10のマリーンズ対ジャイアンツ戦の4試合にしかならない。ちなみにこの4試合はすべてテレビ朝日系列の放送である。

テレビ朝日系列の場合、大阪の朝日放送(ABCテレビ)がタイガース戦を放送しない限り、ほぼ全域にジャイアンツ戦を放送しているようだ。

↓詳しくはコチラ↓

「interleague2006TV.xls」をダウンロード

ジャイアンツは近年、それまで日本テレビ系列に独占中継させていたジャイアンツ戦を一部NHKにも放映権を売り始めたが、昨年からテレビ朝日系列にも一部の試合を売っている。「讀賣vs朝日」の構図を考えると何とも皮肉な現象だが、全国の系列地区で放送されるというメリットを考えているのかもしれない。

今回各地域の放送の実態を調べて驚いたのは、観客動員力ではジャイアンツを凌駕したタイガースもテレビ放送においてはまだまだジャイアンツのような全国展開には至っていないということ。敗戦処理。の調査が全て正確で当を得たものとは言わないが、テレビ各局や、パ・リーグ各球団は「タイガース」をジャイアンツに代わるドル箱ソフト予備軍と見なした方がよいのではないか。企業と企業の長年の付き合いで、おいそれと人気の落ちた球団を見捨てられないジレンマもあるだろう。また視聴率という大テーマがありながらも、野球はスポーツであり、文化であるという認識があっては他のジャンルより長いスパンでの見極めが必要になるなどの様々な理由があるのだろう。簡単には「ジャイアンツ」というソフトを切れないだろうから、それならば「タイガース」を代替としてではなく新規追加と見なして育ててくれればよい。

ただパ・リーグ各球団に言っておきたいのは、ジャイアンツであるにせよ、タイガースであるにせよ、特定の人気球団を目当てにした交流戦の運営ではたかが知れているということ。ファンは常に新しいことを求め、慣れてしまうと飽きる。別発言で提案した分割開催など、次々とファンの興味をそそる新機軸を展開しなければ、所得の再分配どころかセ・パ共倒れにすらなりかねないということだ。

最後に、ジャイアンツ球団は故障者が続出し、お粗末な試合を続けている現在の視聴率低迷を嘆く前に、絶好調だった4月、そして5月の視聴率が前年を下回ったということの原因を徹底追究し、その対策を講じてクリアしなければならない。おそらくこれまでジャイアンツ球団のお偉方は人気凋落、視聴率低迷などのマイナステーゼはチームを強くすることで克服出来ると思っていただろう。もはやそれだけではないということに、もっと早く気付くべきだったのだ。

  • 本発言内で発表した各試合の観客動員数やその平均値、テレビ中継実績などのデータは敗戦処理。が各新聞等を見て調べたものを計算したり編集したものです。校正には充分注意したつもりですが、謝りがありましたらご了承下さい。またお気付きの方はその旨をコメントで指摘して下されば幸いです。

2006年6月21日 (水)

2つあると、いい。-はずなのだが。

二年目を迎えたプロ野球交流戦がついに幕を閉じた。昨年の覇者マリーンズの二年続きの躍進に、伏兵()スワローズの健闘で両チームに優勝の可能性が残ったが、最後はスワローズが力尽き、昨年に続きマリーンズの優勝となった。、

皆さんは二年目を迎えた日本生命セ・パ交流戦、充分に楽しみましたか?

しかし、昨年も交流戦終了後に方々で聞かれましたが、6週間連続はやっぱり長いですよね。2回に分けられないものですかね。

昨年の交流戦終了後、「6週間連続は長すぎる」という声があったにもかかわらず、今年もスタイルを変えなかった理由は、ひとつにはスポンサーである日本生命保険相互会社が、分割開催ではスポンサーメリットが薄れるという要望を出したことが大きかったようだが、仮に2回に分けるとして、前半三週間は現状の交流戦期間の前半を充てれば良いとしても、後半の三週間をいつにするかというのが結構厄介な話になるとのことだった。

まず、最終的にはペナントレースの順位争いは同一リーグ内の争いになるので、8月下旬以降は同一リーグの対戦に専念したい。8月中はタイガースが高校野球の夏の全国高校野球大会開催中に阪神甲子園球場を使用出来ないのでタイガースが難色を示すし、7月中旬からはその高校野球の地方予選でカープの本拠地広島市民球場をカープが使えない時期があるためカープも難色を示す。う~ん、厄介ですね。他に本拠地球場を使えない期間というと、東京ドームの都市対抗野球があるが、近年は8月下旬から9月上旬の開催なので同一リーグ対戦期間となるので問題なかろう。

それらを踏まえ、敗戦処理。的に2007年セ・パ交流戦を組んでみた。ただしまだ2007年のプレーオフ、日本シリーズの実施方法、両リーグの公式戦の試合数が決まっていない段階<苦笑>なので、取りあえず2006年と同じ条件で公式戦の試合数が組まれ、パ・リーグは今年と同じプレーオフ、セ・リーグはプレーオフなしという前提で考えてみました。

↓前提となる試合数、日程の基本的な考え方に関してはコチラ。↓

「2007nittei.doc」をダウンロード

2006年実績)

3/25()パ・リーグ開幕

3/31()セ・リーグ開幕

5/7()まで同一リーグ同士での対戦

(パ・リーグは6週間半で各球団13カード、セ・リーグは5週間半で各球団11カード)

5/9()交流戦開幕

6/18()まで火曜から木曜、金曜から日曜の三連戦を1単位とし、月曜日を予備日として異なるリーグの6球団と各6試合対戦。すべてのカードがホーム、ビジター各3試合ずつとなる。球団が6カード中3カードを主催試合となるよう配慮する。

6/19()6/22()を共通予備日とし、原則同日までに216試合がすべて消化されるようにする。

(6週間で各球団12カード)

(2007年日程案)

3/24()パ・リーグ開幕

3/30()セ・リーグ開幕

5/6()まで同一リーグ同士での対戦

(パ・リーグは6週間半で各球団13カード、セ・リーグは5週間半で各球団11カード)

5/8()交流戦第一ステージ開幕

5/27()まで火曜から木曜、金曜から日曜の三連戦を1単位とし、月曜日を予備日として異なるリーグの6球団と各3試合対戦。すべての球団が6カード中3カードを主催試合となるよう配慮する。5/28()5/31()を共通予備日とし、原則同日までに第一ステージの108試合がすべて消化されるようにする。

(3週間で各球団6カード)

6/()7/15()まで同一リーグ同士での対戦。

(6週間半で各球団13カード)

7/17()7/19()同一リーグ公式戦予備日期間

7/20()オールスターゲーム第一戦(東京ドーム)

7/21()オールスターゲーム第二戦(フルキャストスタジアム宮城)

7/22()7/23()オールスターゲーム予備日(注.1)

7/24()交流戦第二ステージ開幕

8/12()まで火曜から木曜、金曜から日曜の三連戦を1単位とし、月曜日を予備日として異なるリーグの6球団と各3試合対戦。すべての球団が6カード中3カードを主催試合となるよう配慮する。8/13()8/16()を共通予備日とし、原則同日までに第二ステージの108試合がすべて消化されるようにする。

(3週間で各球団6カード)

8/17()から同一リーグ同士での対戦。

パ・リーグは10/()までの7週間半で残りの15カードを組む。

セ・リーグは10/11()までの8週間半で残りの17カードを組む。

パ・リーグは雨天中止分を極力9月中に消化するようにし、プレーオフ第1ステージを10/6()から開始して第2ステージを10/15()に終了させれば、パ・リーグに比べてドーム球場の少ないセ・リーグの雨天代替試合を考えて10/20()から始まる日本シリーズにセ・リーグが間隔が空きすぎる問題もいくらかは解消される。

そしておそらく、11月早々にはアジアシリーズ、さらに北京五輪のアジア地区予選が行われる。9月後半から両リーグの優勝争いで盛り上がり、そのままプレーオフ、日本シリーズ、国際試合とうまく流れればかなりの盛り上がりが期待出来る。

懸案の本拠地球場が使えない件との兼ね合いは、

【参考】本拠地球上を使用出来ない期間

カープ:広島市民球場不使用期間(球宴期間を含む)

2004年 7/9()7/29()

2005年 7/12()7/28()

2006年 7/11()7/27()

タイガース:阪神甲子園球場不使用期間

2004年 8/3()8/26()

2005年 8/2()~8/25()

2006年 8/1()8/24()

ジャイアンツ:東京ドーム不使用期間

2004年 8/27()9/5()

2005年 8/23()9/8()

2006年 8/22()9/7()

交流戦第2ステージでは、タイガース主催の甲子園球場使用試合を7/24()7/29()で二カード組み、もう一カードは他球場で我慢してもらいましょう。予備日期間になった時も。広島市民球場もこれなら問題ないでしょう。

何だ、やれば出来るじゃん<>

あとはスポンサーの日本生命相互保険会社への説得だけですね。

「2つあると、いい。」というコピーを使っているくらいだから、「2回やると、いい。」とならないものですかね。

来季のプレーオフ、日本シリーズの概要、各リーグの公式戦試合数が決まったらまた考えてみようと思いますが、なにごとにおいても「改革」と名の付くものをやるためには多少の困難は突破しなければならない訳ですから、出来ないと決めつけず、ファンから改善要望が多く出ていることに関しては前向きに考えて欲しいですね。

この書き込みは、昨年11月6日にアット・ニフティのベースボールフォーラム:野球界を斬る!掲示板に書き込んだ発言交流戦分割開催は不可能なのか?(長文失礼)」をモチーフに書き直したものです。(注.2)

(注.1)2007年のオールスターゲームに関しては開催球場のみ決定済。

(注.2)同掲示板の閲覧には@niftyのIDが必要です。

2006年6月19日 (月)

ファイターズ奈良原、金銭トレードでドラゴンズへ

ファイターズの奈良原浩(38)内野手が金銭トレードでドラゴンズに移籍することになり、17日、両球団から発表された。奈良原は昨シーズン終了後、ファイターズから事実上の戦力外通告を受け、それこそ想定外の大幅な年俸ダウンを飲んで現役続行を決意したという経緯がありました。

田中賢介、飯山裕志といった昨年まで一軍半だった内野手が完全に一軍に定着し、新外国人のホセ・マシーアスや即戦力ルーキーと言われた川島慶三ですら一軍にいられない現状で、38歳の内野手に一軍復帰の可能性はたしかに少ないでしょうが、ファイターズでは数少ない日本シリーズ出場経験者として、今シーズンの終盤、チームがプレーオフ進出をかけた争いをする時に、そしてそのプレーオフで日本シリーズ進出をかけて闘う時にこのベテランの力が必要になると信じていた敗戦処理。にとってはショックが大きいです。

報道によると、奈良原本人は出場機会の可能性があるならと言うことで、今回のトレードを前向きに捕らえているようです。それが救いではありますね。

ただどうでしょうか。ドラゴンズは正二塁手の荒木雅博選手が右脇腹痛で長く戦列を離れていますが、奈良原と同じような境遇の超ベテラン川相昌弘の存在もありますし、荒木が復帰し、沢井道久や中川裕貴に一軍挑戦というレベルアップがあれば、また同じ運命になるかもしれません。それでもファームですら出場機会が満足に得られない現状よりはベターだとの判断でしょうか。

敗戦処理。はファイターズのファームの本拠地、鎌ヶ谷に月1回程度観戦に出かけますが、鎌ヶ谷でファームの内情に詳しい方から、奈良原本人から、モチベーションを保つのがしんどくなっているとのニュアンスの言葉を聞いたと言う話を聞いたことがあります。本人、球団ともに苦渋の決断だったのでしょう。

ちなみにトレードが発表された17日、敗戦処理。は鎌ヶ谷でイースタンのファイターズ対ジャイアンツ戦を観戦していました。奈良原は六番・DHでスタメン出場していた尾崎匡哉の代打として出場。2打数1安打でした。最初の打席は野間口貴彦からセンターライナー、二打席目は同じ野間口からいかにも奈良原らしい渋くセンター前にはじき返す安打。このイニングはファイターズが0対7から5点を還すビッグイニングになったのですが、その中で貴重なツナギ役を果たしました。

↓観戦記はコチラ↓

http://bbs.com.nifty.com/mes/cf_wrentT_m/FBBALL_B014/wr_type=C/wr_page=1/wr_sq=FBBALL_B014_0000002750

その時点ではまさかこれがファイターズのユニフォームを着た奈良原を観る最後の機会になるとは思いませんでしたが。

この試合でも将来の大型内野手と言われ、「守りはすぐに一軍で使える」とまで言われた陽仲寿や、今日初の一軍入りを果たした稲田直人に内野守備でぎこちないプレーが目立っていただけに、奈良原には現役選手としてのモチベーションを保ちつつ、若手のお手本として語り部でもあって欲しいと思っていました。

それにしてもファイターズというチームは、昨シーズン終了後にはこの奈良原への年俸50%ダウン提示以外に、岩本勉と山田勝彦に戦力外通告→コーチ就任要請をして共に断られるなど、晩年を迎えた選手への配慮に何か欠けがあるように思えて残念でなりません。特に山田はファイターズからのコーチ就任要請を断った挙げ句、同一リーグのゴールデンイーグルスのコーチに就任しました。そもそも奈良原がファイターズに来たトレードの経緯も、元エースで成績が下降した西崎幸広に戦力外通告をし、「出来ればFA宣言してどこか他球団に行って欲しい」などと身勝手な要望をした挙げ句、石井丈裕とともに2対1のトレードになったものでした。

何かこのチーム、ちょっと変ですね。

最後になりますが、決まった以上はドラゴンズで悔いのない現役生活を送って下さい。そしてファイターズのユニフォームを着て最後のプレーを生で観ることの出来た幸運に感謝します。

2006年6月18日 (日)

6/15・G-Bs戦最終回、代打清原実現せず-中村監督が配慮した清原の「格」と「舞台」。

昨シーズン限りでジャイアンツから戦力外通告を受け、バファローズに移籍した清原和博が交流戦のジャイアンツ対バファローズ戦で移籍後初めて、かつての本拠地東京ドームで古巣との対決を果たした。

この三連戦は初戦が福島県営あづま球場での開催だったため東京ドームでは二試合のみ。14日の試合には吉井理人の代打として七回表に登場。バファローズファンのみならずライトスタンドに陣取るジャイアンツ応援団からも盛大な拍手を受けた。テレビ中継でライトスタンドが映されると「GIANTS 5」のレプリカユニフォームやTシャツを来たファンが少なからず映っていた。清原信者が今なお清原の存在を大切にしていることを窺わせた。清原はジャイアンツの先発投手、西村健太朗から遊ゴロに打ち取られたが、一塁を駆け抜けて三塁ベンチに戻る際にまずライトスタンドに向けてヘルメットを上げて答えていた。よほど嬉しかったのだろう。

とても「大阪ドームのファンは東京ドームと違って温かい」と発言した男とは思えないが、あれはニュアンスを巧く伝えられなかったのであろう<苦笑>

試合後、清原は「9年間、身を削ってやってきたことを、ファンの皆さんに認めてもらった」と喜んでいた。よかったね、清原。

そしてその翌日の15日。ジャイアンツはイ・スンヨプの2本塁打など打線が爆発し、八連敗をストップさせる快勝。8対1で迎えた最終回にはライトスタンドのジャイアンツ応援団から「清原コール」が起きた。しかしバファローズの中村勝広監督は清原を代打で起用することなく、8対1のまま試合終了。試合後中村監督はジャイアンツファンからの清原コールに気づきつつも「今日の展開ではね。彼のプライドもあるだろうし」と語っていた。前日の大声援に感謝したという清原ならば、7点負けている最終回二死からの代打でも意気に感じて打席に向かったかもしれないが、敗戦処理。はこの中村監督の考え方を支持したい。個人的には選手の「格」に一定の敬意を払いながら起用する監督がお気に入りであるということもあるが、実は最近、今回と対照的な起用法を生で観てしまったからということもある。

実は今月の4日、敗戦処理。は横浜スタジアムで行われたベイスターズ対ファイターズ戦を生観戦したのだが、2対7とベイスターズのリードで迎えた九回表二死無走者という状況で田中幸雄が代打で登場した。2000本安打まで残り30本を切り、少しでも打席に立つ機会を確保したい気持ちはわかるが、いくら何でもそれはないだろうというシチュエーションだった。そりゃあ幸雄さんが打席に立てば、レフトスタンドを埋め尽くしたファイターズファンは喜び、一方的な負け試合の憂さを晴らすかのように幸雄ジャンプを繰り返すだろうが、それでファンへの罪滅ぼしを兼ねていると思ったら大間違いだ。ファンに罪滅ぼし、あるいはサービスしたいと思うなら2対7のまま終わるのではなく粘りを見せて、日本最速のスピードを誇るマーク・クルーン投手を引っ張り出すくらいのことをするのがファンに対する務めというものだ。ファイターズファンである手前、おおっぴらには誰も口にしないが、どうせ負けるならせめて日本最速のストッパー、クルーンを観てみたいと思った人は少なくないだろう。交流戦の楽しみ方のひとつであるはずだ。

トレイ・ヒルマン監督も比較的選手の個性やキャラクターを尊重する監督だと敗戦処理。は認識していたが、この点に関しては中村監督の考え方の方に肩を持ちたいですね。

清原和博を操縦するということは本当に大変なことだとの中村監督への同情も含め<苦笑>

それと気になったのが、ジャイアンツ応援団からの「清原コール」

いくら昨年までの仲間とはいえ、公式戦で今は敵味方。ジャイアンツが守備で、マウンドの豊田清を始め、ナインは久々の勝利を目前に最後に身を引き締めて守っている時に相手選手にあれだけ盛大にエールを送るということはジャイアンツナインに失礼ではないのか?

ジャイアンツとマリーンズの対戦で、小坂誠のファインプレーが出た時にマリーンズの応援団が大きな拍手で讃えるのとは意味が違うと思う。

つい最近、ジャイアンツがマリーンズにサヨナラ負けした試合(10日・千葉マリン)の最後のシーン。九回裏二死一塁、同点で一塁走者の西岡剛が投球と同時にスタートを切り、打席のマット・ワトソンがライトの頭上を越える打球を放つと、ライトを守っていた亀井義行が西岡の俊足を見越してサヨナラ負けと決めつけ、緩慢な打球処理をしてしまった。このプレーに担当の西岡良洋外野守備走塁コーチが激怒。サヨナラ負けに沈むベンチで西岡コーチが亀井を叱責し、亀井も反論したために険悪な雰囲気が漂ったと翌日のスポーツ紙は報じていた。このことに象徴されるように、プロの野球選手というものは、そんなミクロほどの可能性を諦めず、最後まで全力でプレーするのが本来の姿であり、7点リードした最終回の守備とはいえ、(多少の緊張感の緩みはあるのかもしれないが)集中力を保ち、打球に対して最善のプレーが出来るよう、全力で闘っているはずだ。もちろん投手も集中して打者を全力で打ち取ろうとしている。そういう状況で相手選手の名前を連呼することは、応援しているチームの選手へのリスペクトを欠くということにならないのか。「今日はもう、いくら何でも勝ちは決まりだ。それならば清原を最後に観たい!」という想いは充分に理解できるが、大声援でアピールするのは違うだろう、というのが敗戦処理。の主張である。

個人個人が好き勝手に拍手をしたり、声援を送ったり、ヤジを飛ばすというレベルであれば、時にそのようなリスペクトが欠けていたり、えげつなく、聞くに堪えないヤジが混ざることもあるだろう。そこまで否定するつもりはないが、「応援団」と称する方達が主導的な役割を果たしながら「清原コール」が広まったというのであれば、違和感を持たざるを得ない。

ライトスタンドのあちこちから自然発生的に「清原コール」が起こり、それを応援団が拾い上げてさらに大きなコールになったというのが真相だと思われるが、相手チームの選手にも一定のリスペクトを払うという昨今の応援マナーの延長線上にあるパフォーマンスだと理解しての行為だとしたら、それは延長線上にあるのではなく、逸脱しているといいたい。

一選手が代打で出てくるか来ないかで、これだけのことを考えさせるのだから、清原和博はやはり「最後のカリスマ」なのかもしれない。このブログではけっこう清原を非難している敗戦処理。ではあるが、オールスターのファン投票ではしっかりとパ・リーグのDHで投票しておいたから、オールスターゲームでも一暴れしてね、清原。

私がよくお邪魔しているアット・ニフティのベースボールフォーラムのファイターズ掲示板でこの試合での田中幸雄代打起用への不満を実に手厳しく、かつ論理的に書き込んでおられる方がいて、わが意を得たりと思った。私だって幸雄さんを観たいし、出来れば目の前で安打を放って欲しいが最低限のTPOに配慮して欲しいものだ。

2006年6月17日 (土)

長嶋茂雄氏を監督の候補にするとかいう以前の問題として-どうする、どうなる、北京五輪・野球日本代表?

15日に全日本野球会議が開催され、北京五輪に向けてのフリーディスカッションなどが行われた模様だ。先日、長船騏郎日本代表編成委員会委員長が私見と断ったものの長嶋茂雄巨人軍終身名誉監督を北京五輪の野球日本代表チーム監督の筆頭候補と考えていることを表明して話題になっていたが、敗戦処理。に言わせれば監督を誰にするかということももちろん重要な課題のひとつだが、現段階では他に優先順位の高い問題点というか、興味のあることがある。それは…

16日の日刊スポーツによるとこの日のフリーディスカッションでは全日本野球連盟・松田昌士会長は「最強チームをつくるためにプロアマ一緒になって議論する会議を持とう、という話になった。最強チームをつくるために話し合っていく」と語った。フムフムそれはいいことだ。で、前回のアテネ五輪ではオールプロで編成したものの一球団から二名ずつという枠を設けたが次回の北京では監督になった人の意向を反映させて最強メンバーを結成するという話らしい。ナルホド。会議には根来泰周プロ野球コミッショナーも出席していたそうだが、最強メンバー結成って、そんな簡単にコトが進む話なのでしょうか、根来コミッショナー殿?

まだ日程が発表されていないものの、ペナントレースの優勝争いが白熱するであろう8月~9月に五輪の野球大会が開催されるのは確実。アテネ五輪の時にはペナントレースを戦う各球団の選手拠出による影響を公平に保つために各球団二名ずつという、いわば妥協案で「日本代表」を選んだが、それは残念ながら「ドリームチーム」と呼べる陣容ではなかった。オープン戦の時期に開催したWBCでさえ、「何でこの選手が出ていないの?」という顔ぶれだっただけに、8月~9月の時期に「ドリームチーム」を組むということが、いかに困難なことかは、想像に難くない。

北京五輪で真の「ドリームチーム」を組むためにはそれこそ五輪期間中の公式戦中断も視野に入れねばなるまい。ただしそれは即ちプロ野球界にとっては興行数の減少、それもかき入れ時に興行が減るという球団経営上かなりのリスクを負うことになるのだ。来年の日本シリーズがどんな形で行われるかも決まっていない現状で、再来年の夏の五輪と公式戦との調整が簡単に決まるはずもない。

しかしそれを最初に決めておかないと、どのようなレベルのプロが集まるかが決まらない。どんなレベルの選手を率いるかも決まらずに日本代表監督を養成される監督候補者にも失礼な話だ。そしてアマチュア球界の一部には、今なおオリンピックはアマのものという考えがあり、オールプロも結構だが「ドリームチーム」でなく「各球団二名ずつ」というように公平さを重視したチームをつくるくらいならアマチュアに戻して欲しい、あるいはプロアマ混合チームにして欲しいという意見が根強いという。

たしかに五輪と、今年初めて開催されたWBCでプロの一流メンバーが国際大会に参加する機会が増えたといえど、プロが出場する国際大会はこの二つと、せいぜい五輪のアジア予選である。それ以外にもプロが参加可能な国際大会があるにはあるのだが、ペナントレース優先の考えのもと、参加していないのが現状だ。そういう意味では日本の野球界で最も国際化が遅れているのがプロ野球界だという皮肉な見方も出来る。

長船委員長がなまじ長嶋茂雄氏の名前を挙げたばかりに監督人事にばかり注目が集まりそうだが、本質的にはそれ以前の段階でクリアしていなければならない課題が何も決まっていないのが現状だ。監督を決めて監督の意向を聞き、それからそのメンバーを集めるために所属団体の競技日程(プロ野球から最強のメンバーを集めるとしたら、公式戦の中断を実現する)を調整するなどということが可能かどうか、この日の会合に集まったプロやアマの幹部の方達には想像する力はないのか。もちろんその順序でコトを決めることが出来るような組織が整っていればそれが理想的かもしれないが、現実はとてもそうとは言えない。まずどのような体制を取れるかを明確にし、最強のメンバー「ドリームチームが組める」とか「各球団から均等に二名ずつ選びます」なのか「プロとアマの交流の良い機会なのでプロアマ混合チームにします」なのか「最後の五輪なのでオールアマで行きます」なのかメドを立ててから、この条件で監督をお願いしますと監督候補者に要請するのが筋ではないのか?

こんな時こそ山本栄一郎さんがいてくれたらと思わずにいられない。かなり以前からプロとアマの野球組織の一本化を強く訴えて活動していた山本さんは天国でどう野球界を見守ってくれているのか。もっとも監督人事先行だった「長嶋ジャパン」の旗振り役は他ならぬ山本さんだったが。

2006年6月16日 (金)

「生」観戦した野球場(10)-福岡ドーム

04 いろいろな野球場で日本のプロ野球を観てきました。その数40以上。だからどうしたと言われればそれまでですが。

このコーナーでは敗戦処理。がプロ野球の試合を観戦した野球場について順に書いていこうと思います。月に1~2球場の割合で書いていこうと思います。また、シーズン中に新たな球場に行ったら加筆していこうと思います。

10回 福岡ドーム 観戦球場ファイル-10

ホークス球団の本拠地として、日本では東京ドームに次いで二つ目のドーム球場として1994年にオープン。しかも屋根が開閉式であることと、外野フェンスの高さなど、これまでにないスケールの大きな球場。

敗戦処理。は翌1995年の4月30日に初観戦を果たした。カードはホークス対ファイターズ戦。以後、1996年、1998年、2003年に各1回観戦。東京在住なのでさすがにこの球場の観戦となると、数年に一回というのがせいぜいのペースにならざるを得ない。

敗戦処理。が観戦した約40個の球場のなかでナンバーワンを選べといえば、この球場になるだろう。

それまでの「日本の野球場は狭い」という概念を覆す壮大なスケール。ドーム球場なので観戦予定日に雨天中止の心配はまずないし、なおかつ屋根が開閉式。

ちなみに敗戦処理。は

1998年の8月に観戦した際に試合中に屋根が空くのを生で目撃したことがある。

03_1 試合途中に閉じていた屋根を空けているところ。

(1998年8月11日撮影)

また、東京から観戦に訪れる身としては隣接するホテルシーホークの存在も語らずにはいられない。敗戦処理。の観戦時は第1回を除き、すべてホテルシーホークでの宿泊を予約し、観戦がセットになっている「よくばりホークスプラン」でチケットをとっている。球場と目と鼻の先にあり、ナイトゲーム開催日には試合終了後までレストランが開いているので食事の心配も不要。初めて宿泊した1996年には客室の自動販売機のジュースが1本100円なのにも驚いた。さすがにダイエー系列のホテルだなと驚いたものだ。

そして2003年の5月に「よくばりホークスプラン」で宿泊した時には、高塚孟氏の著書が、まるで聖書が置かれているように客室に置かれていて冷蔵庫の中身とは別の意味で驚かされた。高塚氏は天文学的な負債を積み重ねていくダイエーグループの中で、ホークス球団の成績上昇に連動する形での球団、球場、ホテルのいわゆる「三点セット」の業績を劇的に向上させた牽引車たる人物。ひとつのサクセスストーリーのようにメディアでも持ち上げられた人物だが、客室に自著を置き、チェックアウト時にフロントで販売するというあからさまなやり方にいささかの胡散臭さを感じたが、その後の失脚はご存じの通り。

ちなみに球場とホテルがダイエーグループの手を離れてからは敗戦処理。はこの球場とホテルを訪れていない。球団の母体も変わってしまった今、あらためて訪れてみたいとは思っているのだが。

ダイエーグループが産業再生機構のお世話にならざるを得なかったのはこのドーム球場の建設費の負担が大きかったことと報道されている。どうあがいても返せない程の資金を投入し、自らが為した一件の街のスーパーからの大出世物語の成功を葬りかねない顛末となった大球場。

自分が興した商店が日本一のスーパーとなり、日本で12個しかないプロ野球チームのオーナーとなり、日本一の球場を建設し、監督には「世界の王」を招聘。そしてチームも日本一。しかしその球団に投下した資本が致命的となり、天文学的負債を出して産業再生機構のお世話に。-ある意味、これ以上ないドラマチックな人生だった。そしてホークスファンを始めとする多くのプロ野球ファンが、そうまでして作ったこの球場で野球の面白さを堪能したのもまた事実。個人的には今のネーミングライツも結構だが、どこかに「ダイエー」の文字を残して欲しかったと思っている。

2006年6月15日 (木)

日本のプロ野球から「誤審問題」が減らない理由

11日のマリーンズ対ジャイアンツ戦の李承燁(イ・スンヨプ)の「幻の本塁打」に関してジャイアンツの清武英利球団代表は13日、セ・リーグに対し、あのシーンで走者の小関竜也が三塁ベースを踏んでいることが証明できる証拠映像を持参して抗議書を提出した。証拠映像とはフジテレビ系列の「すぽると」で放送された映像とのこと。当初、原辰徳監督は再試合の開催まで求める強硬なコメントを発していたが、球団代表は現実的な落としどころとして誤審であることを認めること、記録の訂正、ビデオ判定の導入などを申し入れたようだ。応対したセ・リーグの大越英雄事務局長は「検討してお答えします」と返答を保留した。

まず始めに敗戦処理。の立場を鮮明にしておこう。仮にビデオ映像によって小関が三塁ベースを間違いなく踏んでいたことが判明したとしても、グラウンドでリアルタイムに観た審判員が「小関は三塁ベースを空過した」と判断してマリーンズの今江敏晃によるアピールを認めてアウトと判定した以上、その時の原監督の抗議で覆らない限り、あれは「アウト」であるというのが敗戦処理。の意見。理由は、当該審判員の眼によってその場で下された判定は、それ以外に客観的な証拠が存在したとしても、それによって後から覆されるべきではないという考えに基づく。

もしも「すぽると」のVTRが、小関が間違いなく三塁ベースを踏んでいたということを証明し得るものであるならば、西本欣司審判員(当日の三塁塁審)の誤審となるが、だからといって判定を覆すものではなく、再発防止のための教材、当該審判員の瑕疵の程度によってはペナルティを課す材料にすればよい。清武代表が主張するビデオ判定導入が本当に有効な手段なのか検討する叩き台にするもよし。

  • ちなみに敗戦処理。も後からフジテレビの番組でその映像を見たが、残念ながら、踏んでいるとも空過しているとも、どちらともとれる映像だと感じた。少なくとも原監督や清武代表が語っていたように、誤審と確信するほどのものとは思えなかった。

敗戦処理。は日本のプロ野球のファンになって約30年を過ぎ、様々な試合、様々なシーンを、球場やテレビで観てきた。はっきり言って、審判のミスジャッジなんて日常茶飯事である。今回のようにVTRで検証するまでもなく誤審とわかるものも少なくない。誤解を恐れずに言、「誤審も野球のうち」とすら思っている。そしてそのことは日本のプロ野球のファンの大半は(肯定するか否定するかはともかく)覚悟していることである。

それなのに、(今回の小関の件のみを指すのではなく一般論として)なぜ日本のプロ野球から誤審騒動や判定にまつわるトラブル、即ち「誤審問題」がいっこうに減らないのだろうか?

これまた誤解を恐れずに言わせてもらおう。日本のプロ野球において「誤審問題」などそもそも存在しないのである。

そこにあるのは「自分のチームに対して不利な誤審問題」のみであり、審判員によるミスジャッジを亡くそう、あるいは減らそうなどとはどのチームも考えていない。

敗戦処理。が参加しているベースボールフォーラムには建設的議論のための掲示板があり、過去に目立った疑惑の判定がある度に敗戦処理。を含め、多くの面々がいろいろな改善案を出したりして議論を重ねていたが、そのほとんどは(敗戦処理。を含め)贔屓チームが不利なミスジャッジをされた者が中心となっての議論の域を越えていない。ファンなんてその程度のものだという声が聞こえてきそうだが、ファンだけでなく、各球団、現場レベルもほとんど同じなのではないか。

良い例が審判四人制に起因する判定トラブル。本塁打かファウルか、スタンドインかフェンスに当たってインプレイかという微妙な判定で激しい抗議の度に審判六人制の復活を求める声が上がる。それは正論だと思うが、四人でやっているものを六人でやれば、単純計算で1.5倍の人件費がかかる。もちろん年間を通してだ。それは誰が負担するのか。十二球団から拠出するのか?その分の負担増が具体的にいくらになるのか想像もつかないが、多額の赤字に悩んでいる球団が多い中で、もろ手を挙げて賛成する球団は少ないだろう。そういう根本的な問題には触れず、単に腹いせで抗議しているとしか見受けられないのである。

本当に誤審問題を論ずるのであれば、不利な判定をされた方が(今回のジャイアンツのように)証拠を集めて問題提議をするだけではダメで、有利に誤審してもらった方も「実は…」と切り出して、何故誤審が起きるのか、どうすれば防げるのかという議論をしなければ、本当は意味がないのである。誰がそんなばか正直なことをするものか!などと言っていては先に進まないのである。そこまでやって初めて、誤審の原因追及に近づくのである。それは審判員の技術の未熟さだけによるものなのか、それ以外にあるのか。そしてその議論の先には、選手は審判に(自分または自軍に)有利な判定を誘発するようなプレイをすべきなのか、審判が最も正確に判定しやすいように最善の協力をすべきなのかという議論にたどり着くはずなのである。そしてそれこそが実は、判定を巡るトラブルの度に持ち出される「審判の権威」とは何かという、根本の問題に立ち返るのだ。

かなり古い例えになるが、かつてのカープの達川光男のように(打席で投手の投球に対して)当たってもいないのに「当たっている。死球だ」というポーズの抗議をすることは審判に対する侮蔑行為に当たるのではないかという問題も本来は議論されなければならなかったのだ。ファンのレベルで達川の行為を、いわゆる「珍プレー・好プレー」的な楽しみ方をするのはともかく、球界内部で放置してしまったことがこの問題が何年たっても何の進展もなく繰り返されている象徴のように敗戦処理。は考えている。

多少横道にそれてしまった。要するに、個々のプレイ、ジャッジに対する損得勘定に左右される問題提議のレベルのままでは、仮に審判の人数を四人から六人に戻そうとも、球場に何十台もの高性能ビデオカメラを設置しようとも、その後も誤審問題は発生し続けるだろう。本当に誤審問題を改善するためには、プレイの当事者がすべて立ち会って、本音で議論しない限り、抜本的な改善はありえない。これは断言しても良いと思う。

誤審は審判が公平である限り、どの球団をも等しく不利にし、等しく有利にするはずである。要するに球団間においては「お互い様」なのだ。しかし人はおうおうにして自分が得をしたことよりも、損をしたと思っていることの方が印象に残るものであり、それゆえに「誤審問題」というと、どの球団も自分たちは被害者だと言い出すだろう。しかし実際には誤審によって得をした回数も損をした回数もそんなには差がないはずなのである。被害妄想といおうか…。

それが証拠にWBCを思い出して欲しい。対アメリカ戦で西岡剛のタッチアップが早いとしてアピールアウトを認めた審判員の名前を今でも覚えている人は多いだろうが、決勝の対キューバ戦、九回表の川崎宗則の好走塁-厳しいブロックをくぐり抜けて右手が一瞬だけホームベースにタッチ-を正確にジャッジしてくれた球審、トム・ハリオンの名をどれだけの人が把握し、今も記憶しているだろうか<苦笑>

もちろん川崎生還を誤審と言っているのではありませんよ、念のため。

ひょっとしたら球界内部、特に各球団(あるいは選手会)がこの問題に本気で取り組む姿勢を見せないのは「お互い様」だと思っているからかもしれない。今回のジャイアンツの球団代表による抗議も、小関や李の名誉を回復するための行為に過ぎないのかもしれない。

しかし誤審がお互い様で良いわけはないのである。そのたびにどこかのファンが激しい憤りや、やり場のないストレスをため込むのである。もちろん現場のプレイヤー達も、実際にはそのはずである。そしてそのたびに試合が中断したりしているのでは、試合時間が長くなるなど、結局そのツケはファンに向けられてしまう。それならば球界全体で、審判の誤審、疑惑の判定を減らす方向で努力しなければならないのは当然のことだと思うが、残念ながらそこまで考えて広い視野に基づいてこの問題に取り組んでいる人物は日本のプロ野球界にはいないのだろう。これも断言しても良いと思う。

2006年6月13日 (火)

前代未聞の珍事-小関は本当に三塁ベースを踏み忘れたのか?

11日のプロ野球交流戦、マリーンズ対ジャイアンツ戦で李承燁(イ・スンヨプ)が三回表二死一塁でライトオーバーのツーランホームラン…と思ったら一塁走者の小関竜也が三塁ベースを空過。三塁を守っていた今江敏晃のアピールプレイにより小関がアウトとなりスリーアウトに。李の記録は単打となった。

これまでに本塁打がベースの踏み忘れにより幻となったケースは有名な長島茂雄のケースを始め、二例あったがいずれも打者走者本人によるもので、走者によるものは初めて。前代未聞の珍事と言うことで、話題となった。

ところで、このシーン、本当に小関は三塁ベースを踏み忘れたのでしょうか?

いや、敗戦処理。がジャイアンツファンだから負け惜しみで言っているのではありません。この試合を生中継していたテレビ東京は肝心な瞬間を撮り逃していますし、その後に観た他局のスポーツニュースでも肝心な瞬間の映像がありません。今日(12)のスポーツ新聞を6紙-日刊スポーツ、スポーツ報知、スポーツニッポン、サンケイスポーツ、デイリースポーツ、東京中日スポーツ-購入しましたが、どれにも証拠写真がありません。

本当に小関は三塁ベースを踏み忘れているのでしょうか?

「三塁手の今江が目撃しており、三塁塁審の西本欣司審判員も空過を確認していてアピールプレイが成立したのだから、小関は三塁ベースを踏み損ねたのだろう。」というのが大方の人の見方だろうが、ではこれと似たような、ある有名なシーンに当てはめるとどうか?

WBC二次リーグ、アメリカ対日本戦、岩村明憲の左飛で三塁から西岡剛がタッチアップしてゆうゆうセーフでホームイン。と思ったら守備側の抗議で西岡のタッチアップでの離塁が早いと認められ、セーフの判定が覆り、アウトに。

このあまりにも有名なシーンと、李の本塁打のシーン、似ていませんか?

我々日本のファンの大半が、あのWBCでの判定を100%誤審だと決めつけているのは、当日、現地(アメリカ)で中継したテレビ局が一画面ではないが外野手の捕球と西岡のスタートを比較するVTRを流し、その映像によると西岡のタッチアップは正規のものであると推測出来るからである。

WBCのシーンと、マリーンズ対ジャイアンツ戦のシーンの違いは証拠映像の有無。一方は100%誤審と決めつけられ、一方は走者のミスと決めつけられる。

ジャイアンツは小関が三塁ベースを踏んでいると思われるVTRを観たらしく、連盟に抗議文を提出するらしい。これまでの例から言って、仮にそのようなVTRが存在しても、判定が覆ったりすることはそれこそ100%あるまい。敗戦処理。も小関が三塁ベースを踏んだのではと主張したいのではない。このあまりにも一方的な報道に、三ヶ月前の国際大会での大騒動を想い出し、重ね合わせて比較してみたら、小関の踏み忘れと決めつけることに何かおかしさを感じただけである。

敗戦処理。は地上波テレビとBS(地上、デジタルとも)のみ視聴可能な環境で、もしもこれ以外のメディアで小関が確実に三塁ベースを空過したという映像が残っていれば話は別だが、少なくとも現時点でそういう話は聞かない。テレビ東京は本当に惜しいことをした<苦笑>

小関は本当に三塁ベースを踏み忘れたのでしょうか<>

そしてあなたは、小関が本当に三塁ベースを踏んでいないと断言出来ますか<笑>?

最後に、小関もアンビリーバブルでありえないプレーをしたが、本塁打を自ら放ってホームベースを踏み忘れたという元カープのアート・ガードナーこそ、最もアンビリーバブルでありえない世界だと思う。

2006年6月 2日 (金)

セ・リーグはどうしてもプレーオフをやらなければならないのか?

セ、パ両リーグは5月29日にコミッショナー事務局でポストシーズンゲーム検討会を開いたが、セ側から両リーグ同一形式でのプレーオフ開催および交流戦の減少が提案され、パ側は難色を示し、即答を避けた。パは6月5日の理事会でセの提案について話し合いの場を持ち、6月12日再度話し合うが、すんなりとは決まりそうもない。

そもそもはセ・リーグが3月7日の理事会で来季からのプレーオフ開催を決めたのが発端だが、セのプレーオフ案は具体的な方式が全くまとまっておらず、その後二ヶ月を経たもののいまだどのような方式でポストシーズンゲームを開催するのかの案も出ぬまま、公式戦試合数をどうするとか、リーグ優勝の提議をどうするかという次元で、既にプレーオフ制度を確立しているパ・リーグに協調を求めている。3月9日付当ブログでの発言セ・リーグもプレーオフ導入でも書いたようにセ・リーグがパ・リーグ独自の制度に追従するということ自体が画期的だと思われるが、「迷走」という感じがしてならない。そこでそもそもセ・リーグにプレーオフ制度は必要なのかという点に立ち返って、ポストシーズンゲームの未来を考えてみた。

そもそも、3月7日のセ・リーグ理事会でセ・リーグも来季はプレーオフを実施することだけが決まった時から、敗戦処理。なりにいろいろと考えていたのだが、どうもセ・リーグ流プレーオフ案が浮かばないのである。

最も安直なのは、現行のパ・リーグのプレーオフと同等のものを同時進行することである。しかしそれだと、レギュラーシーズンで三位だったチーム同士の日本シリーズという可能性も皆無ではなく、いくら意外性が売りの短期決戦制度であるプレーオフであっても、三位同士の日本シリーズとなると、さすがにファンが引いてしまうだろう。それは仮にセ・リーグが主張しているように「レギュラーシーズンの1位をあくまでも優勝チームとする」などの理論を押し通しても、ファンの納得を得られるものとは思いがたい。

実際にはパ・リーグの過去二年間のプレーオフの闘いぶりを観ればわかるように、いかに短期決戦といえどもレギュラーシーズンでリーグ1位争いに絡めなかった三位チームが勢いだけで勝ち上がれるような生やさしい制度ではないことは明らかなのだが、それでも可能性が無いわけではない。

そう考えると、現行のパ・リーグの「ひょっとしたら三位のチームでも日本シリーズに進出できるかもしれないプレーオフ制度」がリーグの優勝チームを決める制度として成立している拠り所は、日本シリーズで相手となるセ・リーグのチャンピオンが真っ当な1位チームであるということなのである。何年かに一回、三位のチームが日本シリーズを果たしてしまった時にその相手がセ・リーグの優勝チームであることで、皮肉にも日本シリーズの存在意義、威厳が保たれる訳である。

さらに言えば、セ・リーグがいかなる制度のプレーオフを実行しようと、レギュラーシーズン1位のチーム以外が日本シリーズに進出した場合にそのチームとは別にリーグ優勝チームが存在すると言うことは日本シリーズという日本プロ野球界最大のイベントにとって自殺行為となるのである。それは即ち、日本シリーズがオープン戦と変わりなくなってしまうからだ。

今年、2006年は二年に一度の日米野球が開催される年であるが、今年開催されるとしたら、NPB、MLBともにどんなに素晴らしいメンバーを揃えたとしても、WBCのアメリカ対日本戦を上回る盛り上がりにはならないであろう。あの試合は例の誤審騒動があったが、日米の野球史で初の双方オールプロによるガチンコ対決であったからだ。WBCでの対戦はアメリカで行われ、今秋日米野球が開催されるとしたら日本で行われるという違いはあるものの、主催者やメディアが「夢の対決!」、「日米再戦!」等と煽れば煽るほど、虚しさが出るかもしれない。しかもそれが日米野球という、観る側も初めから半分お祭りだとわかっているイベントであればまだしも、それと同じ現象が日本シリーズで起きたとしたら、それはもはや日本シリーズではない。

それでもセ・リーグはプレーオフ開催に固執するのだろうか?

パ・リーグが現行のプレーオフを開催した過去二年、日本シリーズでセ・リーグの優勝チームは敗退している。その原因としてパ・リーグが日本シリーズ進出を賭けてプレーオフで熱い戦いを繰り広げている時にセ・リーグの優勝チームは消化試合を続けているか、公式戦を終了しているかで調整が難しいという点が挙げられており、その対策の一環としてプレーオフが必要なのだという意見もある。しかしそれは、公式戦の試合数をパ・リーグより多くし、なおかつ開幕をパ・リーグより一週間遅らせているセ・リーグとしては週の六連戦を極力減らし、日程をゆったりと後ろにずらすことでかなり解消できると思われ、必ずしもプレーオフ開催にこだわる理由にはなっていないのではと思える。

そもそもひとつのリーグに六球団しかない現状で、プレーオフ制度を実施することに無理があるのである。現行のパの方式を含め、どのような制度であろうと多かれ少なかれ不公平感の残るものになるであろう。強いて言えばかつてパ・リーグが採用していた前後期の二シーズン制なら不公平感がないが、それでも後期に優勝したチームの方がそのままの勢いで戦えるという論拠で不公平感を唱えるものが出てくるであろう。そしてそれには過去に前後期性による二シーズン制ならびにプレーオフ制度が消滅した理由のひとつである、前後期とも同一チームが優勝してしまうという危険性がある。

となると残された道は、三位チームを無視し、二チーム限定のプレーオフを如何に盛り上がる方式で開催するかと言うことになろう。

セ・リーグは公式戦の数を減らしたくない。それは即ち、対タイガース戦、対ジャイアンツ戦の主催試合を減らしたくないということを意味するだろう。それでなおあかつプレーオフを開催し、タイトな日程にめげずレギュラーシーズン二位のチームが勝ち上がって日本シリーズに出場しても、そのチームは真の優勝チームではありません-とお墨付きが着いたチームだったとしたら、いったい何のためのペナントレースで、何のためのプレーオフで、何のための日本シリーズなのだろうか?

それならまだ公式戦の数を増やし、パ・リーグのプレーオフと並行してセ・リーグの優勝争いが白熱するようなペナントレースの方式を考えた方がまだ現実的ではないだろうか。

パ・リーグはセ・リーグとの人気格差に悩み、数々の制度を取り入れては失敗し、また別の取り組みをと繰り返してきた。一昨年の球界再編騒動をきっかけに長年の悲願であったセ・リーグとの交流戦が実現したが、それは逆にセ・リーグの安定収入源を脅かし、セ・リーグはその一部の変換と、パ・リーグが既に導入しているポストシーズンゲームで巻き返しを図ろうとしている。それぞれのリーグの優勝争いがファンの耳目を集め、その先にある日本シリーズにより多くのファンの耳目を集められれば、野球人気の再浮上につながることは間違いないが、その方法を巡り、双方の思惑が反しているのが現状。6月12日に会議で再度話し合うそうだが、さらなる迷走が続くように思えてならない。

この発言を読まれた方で、独自のプレーオフ案をお持ちの方は是非コメントをお寄せ下さい。敗戦処理。はいまだに全然浮かびません<苦笑>

2006年6月 1日 (木)

「生」観戦した野球場(9)-千葉マリンスタジアム

06いろいろな野球場で日本のプロ野球を観てきました。その数40以上。だからどうしたと言われればそれまでですが。

このコーナーでは敗戦処理。がプロ野球の試合を観戦した野球場について順に書いていこうと思います。月に1~2球場の割合で書いていこうと思います。また、シーズン中に新たな球場に行ったら加筆していこうと思います。

第9回 千葉マリンスタジアム 観戦球場ファイル-9-

マリーンズ球団の本拠地、千葉マリンスタジアム。前回書き込んだ東京ドームがオープンした二年後、幕張にオープン。敗戦処理。はいわゆるこけら落としを観戦した。

平成2年(1990)3月24日、記念すべきこけら落としはジャイアンツと、マリーンズの前身、当時まだ川崎球場を本拠地にしていたオリオンズのオープン戦。ちなみに主催はジャイアンツだった。千葉の新名所、幕張に出来た本格的なスタジアムのこけら落としということで千葉県出身のスーパースター、長嶋茂雄氏が始球式をやるのではという噂も出ていたが長嶋氏は当日午前中に行われた式典には参加したものの試合を観にスタジアムに訪れたファンの前には現れなかった。始球式を務めたのは千葉市長。

千葉マリン名物の強い風は、こけら落としから全開で、球場内で購入した焼きそばが飛びそうになったり、原辰徳が小川博から放ったセンター後方の飛球が風に乗って満塁本塁打になるなど、いきなりその威力を発揮していた。ちなみに原の本塁打は千葉マリンスタジアム落成第2号で、この球場初の本塁打は六回表に飛び出した初芝清の3ランで、賞金30万円が送られた。

1992年からマリーンズが本拠地として使用。もっとも「マリーンズ」という名称は移転とともに名付けられたものであり、川崎球場時代までは「オリオンズ」と称していた。この年早速初のオールスターゲームが開催され、スワローズの古田敦也が球宴史上初のサイクルヒットを達成した。

常打ち球場となってすぐにオールスターゲームが開催出来たのは名誉なことだが、もう一つの大舞台、日本シリーズ開催には14年の歳月を要したのはご存じの通り。

敗戦処理。の家からは関東常打ち5球場のなかでは最も遠く、ナイトゲーム観戦は正直きつい。観戦は年に1回程度で、ナイトゲーム観戦は数年に1回のペース。昨年はナイトゲームのマリーンズ対ジャイアンツの交流戦とデーゲームのマリーンズ対ファイターズ戦を観戦した。敗戦処理。はこの球場でマリーンズが負けるのをほとんど観た記憶がない。たぶんこけら落としの試合の時だけだろう。いつもうなだれて幕張本郷駅行きのシャトルバスに乗り込んでいるイメージしかない<苦笑>

ところで試合終了後のシャトルバスに関してだが、あれだけピストン輸送するのならいっそのことマリーンズファン用とビジターチーム用に分けて出してもらえないものか。ビジターファンとしては負ければ重苦しいし、勝っても多勢に無勢で喜びを満喫出来ないのが辛い<>

ところで意外と語られていないこの球場の謎を一つ。

マリーンズが本拠地とした1992年から毎年5月の末の土日にはスワローズが主催試合を行っているのである。これは東京・神宮球場を本拠地にしているスワローズには地方開催とは言えず、何とも中途半端でスワローズファンにとってもマリーンズファンにとっても謎とされている。

答えを聞くと何となく納得する。スワローズは本拠地の神宮球場で東京六大学野球のいわゆる早慶戦が組まれている時に千葉マリンで主催試合を組むのである。東京六大学野球や東都大学リーグの開催日にスワローズがナイトゲームで公式戦を開催するのは多々あるが、さすがに早慶戦には一目置いているのであろう。そして地元のファンが足を運べる範囲で、なおかつそれなりのキャパシティがある球場ということで千葉マリンを使用しているらしい。

早慶戦の時期に交流戦が組まれた昨年は時期をずらしてスワローズ戦が開催された。おそらくマリンスタジアム側が人気興行として手放したくなく、スワローズを説得したのだろう。今年は無いようだ。

先程日本シリーズ開催までに14年の歳月を要したと書いたが、まだこの球場でマリーンズの優勝決定胴上げが成されていない。球団とスタジアムとマリサポの次なる夢は本拠地でのV胴上げとなる。

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